双葉社漫画アクション」の初代編集長の話。
いわゆる、漫画家漫画の派生、漫画関係者漫画ともいえるジャンル。

編集者とか出版業界系を扱ったこの手のジャンル、自分好きなんですよね。

非効率でアナログな時代に、それでも何かを表現したくてたまらない人間たちの情熱とか、それを見抜くセンスとか読んでいて熱くなるのです。

本作も、そんな内容。
モンキー・パンチをみて何かを感じ、後に漫画アクションをつくり、はては双葉社の社長にまでなる男の話。

双葉社。控えめにいっても、大手ではない中堅出版社ですが、だからこそ飛び道具といいますが、王道ではないところで勝負にでて、結果を出していく様は、読んでいて痛快でした。

自分の価値観やセンスを信じるしかない。

これは、別に編集者だけではないと思います。
仕事も全て、最後は、自分の価値観、センス、いわゆる自分の中にある美学的なもので腹をくくるシーンが必ずでてくると思います。
特に、サラリーマンでも中堅を超えてくると決断を迫られるシーンが多々あるので。

そうした意思決定のプロセスも垣間見える作品で、読んでいてグッとくるものがありました。

自分の価値観を信じて動くって、実はとても怖いことなんですけどね。
だからこそ、最後は大きくはっていくしかないんでしょうね。

情熱を武器に、仲間を集め、自分の信じる道を行く。
昭和の激動のなか、小さくもアツい男たちの生き様に感動しました。

読みたい
だれでも抱けるキミが好き

ただのエロかと思ったら

だれでも抱けるキミが好き
六文銭
六文銭

童貞地味男のゴトウとビッチなギャル・アガワさん。 冒頭からアガワさんのビッチさ全開の姿を見せつけられ、ゴトウくんはカルチャーショックをうける。 と、いうのも普段は委員会が一緒で、ギャル特有のフランクさに童貞のゴトウくんは秒でやられて、アガワさんが気になる存在になっていただけに、生々しいビッチさにショックをうけてしまった、、という流れ。 そこで童貞特有の女性に対する幻想に、第3者的に苦しむだけかと思ったら、そんな葛藤も一瞬で、ゴトウくんもアガワさんとやることをやってしまう。 そこが、ひと味違い個人的に面白いと感じました。 ゴトウくんもアガワさんのセフレの1人に成り下がってしまったことで、どこか自分だけは他の男子と違うとか思っていただけに、その落胆さと、身の程をわきまえ始める感じが、哀愁漂います。 ピュアな気持ちなど、最初からなかったのか?と。 アガワさんも掴みどころなく、ポンポン相手を代えるから、またすごい。 そんな姿にゴトウくんが嫉妬で狂いそうになって、今後どう動くのだろうか。 そして、それにアガワさんはどう反応するのかな? アガワさんがヒキ気味だと現実味があって面白いと思ってます。

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ

嘘か真実か陰謀論

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ
六文銭
六文銭

自分が何かと恵まれていないのは、何か大きな陰謀によるものではないか?という、ネットではびこる「陰謀論」がテーマの本作。 主人公は、いわゆる社会的に弱者の部類で、それでも自分にも特別な何か(人生大逆転できるようなものが)あるんじゃないかと日夜怪しいセミナーに通いながら過ごす。 そんな中、偶然出会った大学生の女性に恋してしまう。 関係を深めていくなかで、彼女につきまとうFACTという謎の組織の存在を知り、彼女を守るために接触。 そこは、陰謀論に染まった集団で、自分の境遇の悪さも、彼女と出会ったのも全てが大きな陰謀だったと諭され、気づくと彼もまたその思想に染まりはじめてしまう・・。という展開。 社会的な問題を扱う重そうな感じもあれば、コミカルなヌケ感もある。 現実を描いた漫画だから明らかに嘘っぽくも感じつつも、これ実はファンタジー漫画なのでは?と思うと真実のように感じてしまう。 ついつい、陰謀も本当のように感じてしまう。(ちょっと調べればわかるんですけどね) そんな感じで嘘か真実かわからないながら、自分なんかは読んでいたのでめちゃくちゃ楽しめた。 特に2巻。 主人公が上述した恋心を抱いている女性に、付け焼き刃的な稚拙な持論を展開し、一瞬で論破される様は読んでいてホント痛々しく、ゾクゾクした。 共感性羞恥をこれほど感じたシーンはないと思う。 4巻で最終巻らしいけど、どうオチをつけるか気になる。

珍遊記2~夢の印税生活編~

奇跡の続編

珍遊記2~夢の印税生活編~
六文銭
六文銭

小さい頃、色んな意味でトラウマを植え付けられた珍遊記。 当時、絵を見るのも怖くて、だけどドラゴンボールは読みたいから、珍遊記のページにはいかないよう恐る恐るめくっていたのも、今となっては良い思い出です。 本作というか、著者を語る上でもはや絵柄に触れないのは無理なのですが、とにかく子供がみたら泣き出すような絵の濃さ。 特に婆さんキャラのシワがえぐい。 下品な下ネタも満載で絵柄と相まって、初見の方は気分悪くなると思うんですが、、、 著者が、現在、子供向けの絵本作家としても活躍しているというから驚きしかない。 謎に時代を感じる。 さて、本作の内容だか、前作珍遊記の続編という立ち位置だが、前作をなぞりながら、その裏で起きていたことを描きながら始まる。 もう一つの怪作、漫遊記とも繋がっているので両方知っているとより面白いのだが、正直、何も知らなくても大丈夫だと思う。 著者の作品を知ってる人ならわかると思うが、ストーリーはあってないようなもので、とにかく勢いが魅力。 そこは本作も健在で十二分にある。 映画化もした作品だが、玄人受けとか言うつもりもないが、毒にも薬にもならない作品と異なり、モノづくりに携わる人間に、何らかのインパクトを残す作品なんだろうってことは理解できる一作です。

るーざーずにほんはつのしゅうかんせいねんまんがしのたんじょう
ルーザーズ~日本初の週刊青年漫画誌の誕生~ : 1
ルーザーズ~日本初の週刊青年漫画誌の誕生~ : 2
ルーザーズ~日本初の週刊青年漫画誌の誕生~ : 3
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
「昭和の中坊」+「俺たちのラブ・ウォーズ~その後の昭和の中坊たち~」+特典『令和の「昭和の中坊」』 合本版

「昭和の中坊」+「俺たちのラブ・ウォーズ~その後の昭和の中坊たち~」+特典『令和の「昭和の中坊」』 合本版

『こづかい万歳』で大ブレイク中の吉本浩二、初期の代表作『昭和の中坊』(原作・末田雄一郎)シリーズがお手頃価格の合本で登場! 『昭和の中坊』全(5)巻、続編『おれたちのラブ・ウォーズ~その後の昭和の中坊たち~』全(2)巻全部盛りに加え、還暦間近のニゴシたちの様子を描いた完全オリジナル『令和の「昭和の中坊」』を収録、という太っ腹な内容! インターネットはもちろん、エロビデオも無い時代、昭和の男子中学生たちのエロに掛ける奮闘努力をご覧ください!

試し読み
勝ち組フリーター列伝

勝ち組フリーター列伝

▼第1話/ネットオークションリーダー▼第2話/魚柄仁之介▼第3話/洞窟オジさん▼第4話/沖縄カフェオーナー▼第5話/デイトレーダー▼第6話/ギャル社長▼第7話/区議会議員 ●あらすじ/漫画家として連載デビューしたものの、人件費や画材経費などで貯金残高ほとんどなし。連載が終わったらフリーターに逆戻りかも…と思い悩む吉本浩二(30歳)。そんな彼の相談を受けた、漫画原作者兼ライター兼書店員バイトの大西祥平(32歳)は、「フリーター=負け組」という考え自体が古いと反論し、「勝ち組フリーター」と呼ばれる人々のサクセスストーリーを本人から直接聞きに行こうと提案する(第1話)。●本巻の特徴/“ライターやってるフリーター”大西祥平と、“漫画描いてるフリーター”吉本浩二が、スーパーフリーターになれた夢の7人の真実に迫る! おもちゃのオークションで1000万円稼ぐフリーターや、年収3000万円のわらしべフリーター、43年間の大自然フリーターなどの人生から、フリーターでOKな理由を探れ!!

定額制夫の「こづかい万歳」 月額2万千円の金欠ライフ

定額制夫の「こづかい万歳」 月額2万千円の金欠ライフ

「おこづかい、もっとちょうだい!」--ドキュメント漫画家・吉本浩二が叫ぶ。45歳、月額2万千円。1万円は大好物の「おかし」に使いたい。子供にオモチャをねだられたら、おしまいだ。そして、悩ましくも楽しい「おこづかい」との攻防戦が始まった。全国の「おこづかい生活」を営むすべての「定額制夫(ていがくせいおっと)」に贈る吉本浩二流「おこづかい漫画」。

アイアムアヒーロー 公式アンソロジーコミック

アイアムアヒーロー 公式アンソロジーコミック

かつてない豪華な執筆陣が集まった、ZQNをテーマにしたアイアムアヒーロー公式アンソロジーコミック。それは、息をするのか。それは、何か思うのか。それは、しあわせな記憶はあるのか。それは、恋をするのか。個性が爆裂する作家陣が、それぞれの得意分野を活かしたZQNを描き出します。参加作家: 水沢悦子(『花のズボラ飯』『ヤコとポコ』) 伊藤潤二(『富江』『うずまき』) 石黒正数(『それでも町は廻っている』『木曜日のフルット』) 乃木坂太郎(『医龍』『幽霊塔』) オジロマコト(『冨士山さんは思春期』『カテキン』) 横槍メンゴ(『クズの本懐』『レトルトパウチ!』) 鳥飼茜(『先生の白い嘘』『地獄のガールフレンド』) 吉本浩二(『ブラック・ジャック創作秘話』『カツシン』)

こまねずみ出世道

こまねずみ出世道

勤めていたサラ金の不正を暴いたことで、独立資金3000万を手に入れた常次朗。彼の浮気が原因で実家に戻っていた捺子を説得し、晴れて福岡で会社設立に動き出す。なかなか条件に合う空き店舗が見つからなかったが、最後に訪れた「奥野不動産」で格安物件を紹介される。ところが、相手は交換条件に20歳の息子を入社させて欲しいと言ってきて…。

こまねずみ常次朗

こまねずみ常次朗

博多・中洲でショットバーを経営する服部常次朗、24歳。サラリーマンに嫌気が差した上での転職だったが、客はさっぱり寄り付かず、借金は増える一方。消費者金融にも見放された彼は、高利・毎日決済の金融業「日掛け屋」に手を出す。そして、ゼニの泥沼へ沈んでゆく…。

おれたちのラブ・ウォーズ~その後の昭和の中坊たち~

おれたちのラブ・ウォーズ~その後の昭和の中坊たち~

「漫画アクション」で、70年代後半の中学生の性の悩みを明るく描き好評を博した『昭和の中坊』の続編。バブル前夜の東京を舞台に、大学生になった元・昭和の中坊たちがオトナの恋を繰り広げる。ニゴシ、ひごクン、滝沢、丸木、モッチー、豆タンク改めアン、そして岩渕ら、お馴染みのメンバーのその後の物語。ケータイもPCも無い時代、貧乏にも負けず、彼女を作ろうと必死に努力するニゴシの姿に、あなたも胸を打たれるはず!!

昭和まんが史を刻む快作にコメントする
※ご自身のコメントに返信しようとしていますが、よろしいですか?最近、自作自演行為に関する報告が増えておりますため、訂正や補足コメントを除き、そのような行為はお控えいただくようお願いしております。
※コミュニティ運営およびシステム負荷の制限のため、1日の投稿数を制限しております。ご理解とご協力をお願いいたします。また、複数の環境からの制限以上の投稿も禁止しており、確認次第ブロック対応を行いますので、ご了承ください。