ちょうど農業漫画であり昆虫漫画でもある『麻衣の虫ぐらし』のレビューをあげたばかりのこともあり、内容にとても興味があります。
試し読みでもワクワクさせられました。こんな自由なお侍さん、へなちょこに見えて実は…ってやつですねきっと!
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わかる
新刊が出た時にあまりの表紙の良さにジャケ買いしたマンガ。1話もすごく面白くて、先を読むのがもったいなくて長いこと積読してしまいました。『豊作でござる!メジロ殿」 は、重要な命綱である農業生産の拡大に欠かせない、農作にまつわる知識・技術を記した「農書」を編纂する侍「郡奉行」を描いた物語。
主人公の目白は、蟲師のギンコのように山を超え農村を渡り歩き、農民たちと共に田畑へ入り土をいじるとても感じの良いお侍さん。
行く先々で、村人たちが不作で困っていることがあれば、所持している農書や自身の経験から改善策を指導してやり、原因がわからないなら懸命に追求し解決に導いていきます。
メジロ殿と村人たちのやり取りは人情に溢れ、また農業指南の部分はすごく論理的・科学的で読み応えがありすごくいい…!科学捜査ドラマとDASH村と田舎に泊まろうと時代劇と一緒に見ているような満足感があります。
原作の原恵一郎先生は漫画家兼農家だそうで、作中に登場する当時の人々が経験則から見つけた技術を、現代の知識で解説するのが非常にうまい!わざとらしさやクドさが全くなくて超スマート。
特にすごいなと思ったのが、昆虫食のパート…!
農業をテーマにした作品でありながら、「食糧問題は、農業生産拡大でしか解決できないわけではない(※2013年にFAOは食糧問題解決策として、昆虫食についての報告書を公開しています)」ことを描いているんです。
だからこそ、美味しく食べられる野菜・穀物増産の重要性を感じましたし、農業以外のことを描くことで物語に広がりを感じられて本当にすごい…!
絵が本当に魅力的で、言葉遣いには現代的な和製漢語も取り入れて書かれており、読みやすくわかりやすい。できるだけ長く続いてほしい…そしてJAとか小学校とかに置いてほしいマンガです…!!
【余談】
原先生がこの作品を描くきっかけになったこの「農書」について、読み終わってから、実際にどんなものがあるのか簡単にググってみたのですが、日本最古の農業書『農業全書』は1697年に出版されているとのこと。現代語訳を読んでみたくなりました。
江戸時代の1697年(元禄10年)に『農業全書』という農業についての全書がつくられました。「全書」とは、読めばその分野に関することが何でも書いてある書物を指しますが、『農業全書』もまさにその通りで、現在にも通用する農業に携わる人たちの指南書
中国の『農政全書』を参考に、自身の経験・見聞によって農法について解説した書。植物の絵入り。五穀・菜・菓木など当時栽培されていた植物がほぼすべて網羅されている。筑前はじめ西日本が巡回先であったため栽培時期は西日本向けとなっている。巻十一は附録で、貝原益軒の兄楽軒の著。
ちょうど農業漫画であり昆虫漫画でもある『麻衣の虫ぐらし』のレビューをあげたばかりのこともあり、内容にとても興味があります。
試し読みでもワクワクさせられました。こんな自由なお侍さん、へなちょこに見えて実は…ってやつですねきっと!
>>わざとらしさやクドさが全くなくて超スマート。
ここ(マンバ)で見て、試し読みをしましたが
面白いですね。
不作に苦しむ農村を描いているのに、
苦しい生活の暗さとかが過度に陰湿でもなく
無駄に明るくして描いているわけでもなく
ちょうどいい感じにスマートです。
これは読んでみます。
わー!ありがとうございます〜!!そうなんですよ…!焦点が農業技術にあって1話完結ハッピーエンドなので、シリアスだけどドラマが重すぎなくていいんですよね。これはめっけもんでした✨
ちさかあや(郷土を愛する実力派)×原恵一郎(漫画家兼農家) 長野県在住コンビが贈る、信州・幕末農業ドラマ!! 人の向上心が農業の発展を促す! 農政を司る郡奉行・目白逸之輔の周囲にはいつも農事にまつわる無理難題と悲喜こもごもが……
ちさかあや(郷土を愛する実力派)×原恵一郎(漫画家兼農家) 長野県在住コンビが贈る、信州・幕末農業ドラマ!! 人の向上心が農業の発展を促す! 農政を司る郡奉行・目白逸之輔の周囲にはいつも農事にまつわる無理難題と悲喜こもごもが……