3.0
star
star
star
star_border
star_border
居酒屋のカウンターでひとりで飲んでいたツキコさんは隣に座る老人とやけに酒の肴の趣味が合うことに気づく。その老人は高校時代の古文を教わったセンセイだった。徐々に二人は約束をするでもなくお互いが並んで酒を飲むのが当たり前になり、きのこ狩りや花見に出かけたりするようになって…という話。原作である川上弘美の小説よりもツキコさんとセンセイの関係がロマンチックに感じるのが面白い。
私は川上弘美のファンで特に『センセイの鞄』には思い入れがあったのですが、小説を読んでイメージしてた自分のセンセイとツキコさん像と漫画に描かれたものは違うのに、すんなり受け入れることが出来ました。むしろ谷口ジローの描く絵がセンセイそのものみたいな雰囲気をまとっていて何か言葉ではないもので伝わる教えがある気がします。コミカライズのひと言では言い切れない巨匠の素晴らしい作品です。