強烈無比な大「失敗」作

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『バタ金』で世に現れて以来、望月峯太郎望月峯太郎(ミネタロウ)は、ずっと「今、一番カッコイイ」へ向かって漫画を描いてくれている。

バタアシ金魚バタアシ金魚』は文句なしの最先端で、当時の「ヤングマガジンヤンマガ」力をまざまざと見せつけた青春ギャグだった。鮮やかな作風チェンジチェンジをした『座敷女座敷女』は現在でも頭抜けたサイコサイコホラーの傑作たり得ているし、『ドラゴンヘッドドラゴンヘッド』の始まりは、『AKIRAAKIRA』以降の漫画に「新基準」設定を強いるほど強烈なインパクトを与えた。

一方で、そのあまりに「センス漲る」個性ゆえ、物語が長篇化すると、著者の希求する感覚と作品世界の拡がりに軋轢が生じ、収拾がつかなくなる傾向がある。

このキャリア初期の長篇作は、そんな「暴走」が初めて記録された、稀有な失敗作だ。
だが、それが失敗であるからこそ美しいものもあるのだ。
こんなに一途に己の感覚を追い込み、そして暴走しクラッシュクラッシュしてしまう才能!

しかし、望月峯太郎は、何度もボロボロになりながら、常に新たな可能性に向かって立ち上がる作家でもあるのです。

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