このザラザラとした手触り感、それはまさしくこの作品群が紛れもない本物であるという証拠に他ならないと思います。
ある作家が自らの好みをどこまでも厳密極まりなくその作品内に構築すると、そこには外部から遮断された閉じた世界ができあがる、しかし、それはあまりに厳密に閉ざされているが故に、かえって、この現実という名の途方もない世界の何とも関係を持たない独立したひとつの生き物としてそこらを闊歩しはじめる、これこそが黒田硫黄の作品群から感じられるザラザラとした生々しい感触であるのではないでしょうか。
その意味で、黒田硫黄が、手塚治虫、大友克洋、高野文子らの系譜に連なる、マンガの境界線の探索者と言われるのは実にもっともなことだと思います、この手触り感は境界線に住まおうとする作家に特有なにおいであると思います。
「黒田硫黄氏は、キャラクターやエロに隷属された漫画界にあって、真にセンス・オブ・ワンダーを持った作家である」とあの大友克洋先生も大絶賛!今まで見たこともないマンガがここにある!
「黒田硫黄氏は、キャラクターやエロに隷属された漫画界にあって、真にセンス・オブ・ワンダーを持った作家である」とあの大友克洋先生も大絶賛!今まで見たこともないマンガがここにある!