「私、プロレスの味方です」
「私、プロレスの味方です」という、直木賞作家の著書を知っている世代なら、この作品にも絶対ハマれるはず。舞台は昭和、格闘技ブームが到来する前のプロレスがおおらかだった時代。海外武者修行から帰国するも所属団体はすでに潰れており、成り行きでライバル団体のマスクマンとしてデビューすることになった男のアクションコメディです。とはいえ決してプロレスを茶化しているのではありません。血が滴り、肉が裂け、骨が軋むハードな試合場面や、興行の裏側にある大人の事情、アウトローの切なさなどを描くのが本筋。それに行き当たりばったり、意味不明なハッタリ、過剰すぎる演出などが挟み込まれる構成。娯楽要素が満載ってわけです。ドタバタもシリアスもひっくるめてこれがプロレスの醍醐味、と料理して出してくれるところが、私のような昭和からのファンにはたまりませんよ、ホント。しかしアグネスの名前の由来にはあきれましたね。ブラジルからの刺客だから…、ってそこで間違えるか! しかも実は何で間違えたかというとトホホな理由が。ま、それもプロレスですな。
虎嶋って、猪木の強さとかだけでなく
猪木の「いいかげんさ」をさらに強調したキャラだよね。
良くも悪くも全てのことを「こっちのほうが面白いだろ?」
と独自のセンスで判断して、
周囲に神様みたいに恩絵を与えることもあれば、
悪魔みたいに振り回すこともあった。
そんな猪木の「無邪気な悪魔」の面をさらに強調したのが
マーベラス虎嶋(笑)。