あらすじ

プロレスが今よりもダイナミックだった20数年前。羽田空港に、ひとりのレスラーが降り立った。彼の名は山本仁吾。5年に及ぶ海外修行を終え、日本のリングに帰って来たのだ!だが、彼の大和プロレスは、ライバル・帝日プロレスとの真剣勝負に敗れ、崩壊の危機にあった。亡き社長・ジャイアント安藤の未亡人から命を受け、道場破りに赴く山本だったが…!?ハイスピードで展開する、爆笑本格プロレスコメディ!!
アグネス仮面 1巻

プロレスが今よりもダイナミックだった20数年前。羽田空港に、ひとりのレスラーが降り立った。彼の名は山本仁吾。5年に及ぶ海外修行を終え、日本のリングに帰って来たのだ!だが、彼の大和プロレスは、ライバル・帝日プロレスとの真剣勝負に敗れ、崩壊の危機にあった。亡き社長・ジャイアント安藤の未亡人から命を受け、道場破りに赴く山本だったが…!?ハイスピードで展開する、爆笑本格プロレスコメディ!!

アグネス仮面 2巻

大熱戦となった馬渕猛vsアグネス仮面の一本勝負。アグネスの意外な実力に驚いた馬渕は、マーベラス虎嶋直伝の卍固めを繰り出す。リング中央、完璧に極まった卍だったが、アグネスは馬渕のツメの甘さをついて自力で脱出。すぐさま反撃を開始する!

アグネス仮面(3)

超弱いレスラー、マチルダ仮面を半年間でみっちりと仕込んだアグネス仮面。出場停止があけ、復活戦が迫ったある日、マチルダを「道場破り」に送り込む。副島道場ではあっけなく追い返されるマチルダだったが、日本のキック界で最も破壊力を持つ上原修平を見たとたん、闘志がわいてきた!

アグネス仮面(4)

WWGPタッグ王座を決める人気投票の中間発表で、なんと覆面ブラザースが3位に入った!もっともハガキの内容を見ると、応援ではなくけなしているファンが多かったのだが…。そんなとき、首から上の急所を克服できないマチルダ仮面のため、アグネス仮面は「天地真理作戦」を伝授することに。

アグネス仮面(5)

虎嶋の策略により「大王ベルト」をも懸けることになったWWGPタッグ王座最終戦!マチルダ仮面が吉田に潰され、交代したアグネス仮面も大和時代の先輩・尾崎にいきなり腕を取られてしまう。さらに自分から技を解き「昔のまんまだ」と挑発してくる尾崎に対し、屈辱を受けたアグネス仮面は…!?

アグネス仮面(6)

プロレスこそ地上最強と謳うマーベラス虎嶋が率いる帝日プロレスは、今日も道場破りに来る連中が後を絶たず、道場破り対策本部係長のアグネス仮面が相手をする日々。一方、総帥と呼ばれる男を長とする謎の空手団体「天地拳」の道場では、師範代のマイケルが虎嶋を討ちたいと名乗りをあげていたが…!?

アグネス仮面(7)

創設25周年を迎えた帝日プロレスでは、ファンがあっと驚く企画をガンガンぶつけていくことを画策し、アグネス仮面はそのイベント企画部課長に任命される。そんな中、金村はいくつものプロレス団体が忽然と消滅しているという噂を耳にするが、事実、各地の団体は次々と道場破りの被害に遭っていた。

アグネス仮面(8)

絶対王者の金村を、すべてが規格外の男・和清に倒され、WWGPベルトを奪われてしまった帝日プロレス。この危機に自称失踪中の虎嶋は、失踪先から仁吾に電話をかけ、アメプロ界のスーパースターを帝日に送り込むことを明言する。だが、空港へ出迎えに行った仁吾の前に現れたのは、出戻りのマチルダ仮面で…!?

アグネス仮面

真面目で暑苦しくて、それでいていい加減なプロレス馬鹿たちの物語

アグネス仮面 ヒラマツ・ミノル
名無し

なぜだか無性に覆面レスラーがかっこ良く思えてきて、勢いでルチャリブレの写真集なんぞを買ってしまいましたが、特にプロレスファンというわけではありません(僕のプロレス知識はスーパーファイヤープロレスリングで終わっている)。ただ、マスクマンのおどけながらも真剣な在り方になぜか惹かれてしますのです。  そんな気持ちにさせてくれたのが『アグネス仮面』という相当な熱血馬鹿漫画。真面目で暑苦しくて、それでいていい加減なプロレス馬鹿たちの物語です。登場人物は皆、少し抜けていますが、それだからこそまっすぐな熱いドラマを魅せてくれるのです。  主人公の山本仁吾は大和プロレスのプロレスラー。長い海外修行から帰国した仁吾は、大和プロレスの社長・ジャイアント安藤(ジャイアント馬場ぽい)が死に、さらに大和プロレスが帝日プロレスに潰されてしまったと知ります。旧大和プロレスのプロレスラーは散り散りになり、海外にいたため皆から忘れられていた仁吾が、最後の大和プロレスのレスラーなのです。ジャイアント安藤の奥さんにそそのかされ、帝日プロレスに道場破りに向かった仁吾は、そこで帝日プロレス社長のマーベラス・虎嶋(アントニオ猪木っぽい)に勝負を挑みます。引退して2年のブランクがある虎嶋に完膚なきまでに叩きのめされた仁吾は、強制的に日系ブラジル人の覆面レスラー・アグネス仮面に仕立てあげられ、なぜか帝日のリングに立つはめに…。こうして仁吾の覆面レスラー人生が開幕するのです。  才能あふれる若きレスラー・仁吾は周囲の様々な人に振り回されます。アントニオ猪木に似ているマーベラス虎嶋がまず酷い。とんでもない無茶は言う、約束は守らない、言ったことは全て忘れる。そもそもアグネス仮面という名前もアマゾン仮面と間違えてつけただけなのです。しかし、仁吾はそれらの指示になんだかんだで従い、がむしゃらに達成してしまう。自分でもなんだかわからないまま、仁吾はアグネス仮面として活躍してしまうのです。  周囲の人たちはみな、目標に向かって真っ直ぐで、熱くて、ただすこしばかりテキトー。ときに凄惨なシーンもありますし、ショックな場面も出てきますが、プロレスに対する疑問はかけらも出てきません。なぜ彼らがプロレスに夢中なのか?なんてかけらも出てきません。ただただ、プロレスが好きで、プロレスが最強だと信じていて、その気持ちを裏切らないように生きていく人たちの熱き物語。  ここで描かれているのはある種の楽園のようなものかもしれないと思います。