名無し

プロレスなんて、いい加減で適当な世界。
アンチ・プロレス派がよく言う言葉。
しかし、ここまで徹底していい加減でやるのか?
いい加減なことなのにどうしてそんなに真剣にやるの?
という、プロレス信者もアンチ・プロレス派も
ぶっ飛んでしまう世界がここにある。
90%はギャグなんだが、10%くらいのシリアス部分の
熱量が凄い。

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イベントとか興行とかは、少なからず非日常感を味わう世界だと思うけれど、プロレスは非日常感どころか非常識感を味わう独特な味わいの世界。

その非常識が筋書きや演技によるものではなく、レスラーやマッチメーカーの非常識な人格に由来するものだとしたら・・
やってるレスラーは大変でしょうがない。
主人公はもはや「被害者」
被害者になっても戦い続けるアグネス仮面、流す涙は間違いなく真の涙だ。

虎嶋が倒される展開が想像出来ない。
プロレス漫画で猪木を元ネタにしたキャラは
星の数ほど存在するが、虎嶋が最強だ。

虎嶋って、猪木の強さとかだけでなく
猪木の「いいかげんさ」をさらに強調したキャラだよね。
良くも悪くも全てのことを「こっちのほうが面白いだろ?」
と独自のセンスで判断して、
周囲に神様みたいに恩絵を与えることもあれば、
悪魔みたいに振り回すこともあった。
そんな猪木の「無邪気な悪魔」の面をさらに強調したのが
マーベラス虎嶋(笑)。

上手く言えないけれど
ヒラマツ先生のああいう絵って
絵の質が重い、トルクがあるって感じがする。

プロレス漫画のなかには、レスラーが
不必要にスマートな体型なのも多い。
そのほうがカッコイイと判断して描いているのだろう。
けれど虎嶋やアグネスみたいに肉厚で分厚い体型のほうが
少々不恰好でもレスラーらしいと思う。

21世紀になってから昭和50年代のプロレス界を
舞台にして連載開始した「アグネス仮面」。
昭和プロレス世代にはよくわかるが、明らかに
大和プロレス=馬場全日本
帝日プロレス=猪木新日本
だよね。
現在の多団体時代、レスラーが総・細マッチョの
プロレス界とは隔世の感があるが、かつては
日本のプロレスは
馬場の全日か猪木の新日かの2つしかなく、
レスラーは総じて太マッチョ、ゴリマッチョばかりだった。
かつてそういう時代があったことを強烈に
思い返させてくれる名作プロレス漫画だ、これは。

アグネス仮面

真面目で暑苦しくて、それでいていい加減なプロレス馬鹿たちの物語

アグネス仮面 ヒラマツ・ミノル
名無し

なぜだか無性に覆面レスラーがかっこ良く思えてきて、勢いでルチャリブレの写真集なんぞを買ってしまいましたが、特にプロレスファンというわけではありません(僕のプロレス知識はスーパーファイヤープロレスリングで終わっている)。ただ、マスクマンのおどけながらも真剣な在り方になぜか惹かれてしますのです。  そんな気持ちにさせてくれたのが『アグネス仮面』という相当な熱血馬鹿漫画。真面目で暑苦しくて、それでいていい加減なプロレス馬鹿たちの物語です。登場人物は皆、少し抜けていますが、それだからこそまっすぐな熱いドラマを魅せてくれるのです。  主人公の山本仁吾は大和プロレスのプロレスラー。長い海外修行から帰国した仁吾は、大和プロレスの社長・ジャイアント安藤(ジャイアント馬場ぽい)が死に、さらに大和プロレスが帝日プロレスに潰されてしまったと知ります。旧大和プロレスのプロレスラーは散り散りになり、海外にいたため皆から忘れられていた仁吾が、最後の大和プロレスのレスラーなのです。ジャイアント安藤の奥さんにそそのかされ、帝日プロレスに道場破りに向かった仁吾は、そこで帝日プロレス社長のマーベラス・虎嶋(アントニオ猪木っぽい)に勝負を挑みます。引退して2年のブランクがある虎嶋に完膚なきまでに叩きのめされた仁吾は、強制的に日系ブラジル人の覆面レスラー・アグネス仮面に仕立てあげられ、なぜか帝日のリングに立つはめに…。こうして仁吾の覆面レスラー人生が開幕するのです。  才能あふれる若きレスラー・仁吾は周囲の様々な人に振り回されます。アントニオ猪木に似ているマーベラス虎嶋がまず酷い。とんでもない無茶は言う、約束は守らない、言ったことは全て忘れる。そもそもアグネス仮面という名前もアマゾン仮面と間違えてつけただけなのです。しかし、仁吾はそれらの指示になんだかんだで従い、がむしゃらに達成してしまう。自分でもなんだかわからないまま、仁吾はアグネス仮面として活躍してしまうのです。  周囲の人たちはみな、目標に向かって真っ直ぐで、熱くて、ただすこしばかりテキトー。ときに凄惨なシーンもありますし、ショックな場面も出てきますが、プロレスに対する疑問はかけらも出てきません。なぜ彼らがプロレスに夢中なのか?なんてかけらも出てきません。ただただ、プロレスが好きで、プロレスが最強だと信じていて、その気持ちを裏切らないように生きていく人たちの熱き物語。  ここで描かれているのはある種の楽園のようなものかもしれないと思います。

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