「父上様、母上様、三日とろろ美味しゆうございました。干し柿、餅も美味しゆうございました…」かつて日本中に衝撃を与えた、オリンピックメダリスト・円谷幸吉の突然の自殺。彼を自殺に追い込んだもの、それは「国家」であり、「私たち」であった…。後世に残る輝かしい功績や能力を持ちながらも、不遇の人生を強いられた「栄光なき天才たち」。彼らの壮絶な生涯を追った偉人伝シリーズ。円谷幸吉、泣けます。
試合ルールを作る際、その格闘技が有していた重要な技は削り取られ、鍛え抜かれた超人達は牙をもがれた。この物語は日常生活の中で牙を研ぎ澄まし、ルール無用のストリートファイトに生きる超人たちの伝説である。
個性的な画風、独特の世界観、奇抜なストーリーと三拍子揃った松本次郎の傑作短編集。クラスの皆の前で自分の作文を読み上げていく級長の今日子(きょうこ)ちゃん。そこに書かれていたのは、変な宗教にハマっているお母さん、万引きしてる反抗期のお姉ちゃん、そして、よくオヤジ狩りに遭うお父さんのコト。だけど、今日子ちゃんはそんなお父さんが大好きなのです!
耐え難い「ニオイ」を持つ3人の男が繰り広げる吉祥寺「男臭」コメディー。凄まじい口臭に悩んで自殺しようとした宮城秀樹(みやぎ・ひでき)は、ふとした事で知り合った謎の男・原一平(はら・いっぺい)に止められる。自分の口臭と同じくらい凄いワキガの一平と暮らすようになった秀樹の所に、今度は強烈な屁をこく元刑事・土門(どもん)がやってきて……!?読み切り「番外編噂の武士」「彼の生きかた」も収録。
イチゴパンツの少女・なずなの津軽三味線の音に魅かれたギター少年伊賀。学校で味線部をつくろうと奔走するのだが、なずなの心は複雑で…!?
原発事故で無法地帯となった近未来の北関東。六道教団は秘術で不死の教団員を作り出し、日本乗っ取りを企んでいた。その秘密を探るため、特命公安調査官・大門小鉄は北関東刑務所に囚人として潜入する。そこで大門は、世間や組から見限られ、たった一人でズタボロになりながら筋を通そうと蛮勇を奮うバカなヤクザ・黒須 巽と出会う…。それがバカげた蛮勇だと自覚しながらも、侠気を矜持に巨悪に挑む、二人の漢の物語!
美人でスタイルも良く成績も運動神経も天才的な女子高校生・吉田ちずるが好きになったのは転校生の少女・山田あずみだった! あずみが好きでたまらないちずるの恋の行方は!?
黎明10年、六度にわたる異星人による侵攻で壊滅的状況に陥った東京市。聖アグリッパ学園に入学した南るんがは規格外優等生の鯨岡ミカと出会う。それは宇宙人や怪獣との戦いの始まりだった…!! 大型バトルヒロイン空想特撮伝綺
「もしも抜きゲーみたいな島が本当にあったら」-舞台はドスケベOKな南の島!? パワーワードに彩られた笑いあり、涙ありの逃走劇! 「―俺が、ドスケベ条例をぶっ潰す!」-2018年に発売された「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?」が遂にコミカライズで登場!! 新進気鋭作家まめおじたんが描く「ぬきたし」を篤とご覧あれ!
住人の立ち退きを依頼され、あるアパートの部屋を訪れた弁護士・緑川。不気味な顔をした“天使”の幻覚に悩まされるようになる。アパートの窓から、パソコンの画面から、理不尽に出現する“天使”たち。彼らは一体なんなのか…!?
逃亡中の殺人犯・瀬良不二夫。孤独に耐えかねデリヘル嬢を呼び、そこで出会ったデリヘル嬢・伊丹洋子は、不二夫の個人ラジオ「フジオのラジオ」の大ファンだった。彼の正体に気づいてしまった洋子はーー。WEBラジオによって結び付けられた、笑わせることに飢えたDJとリスナー。二人の歪んだ秘密の逃避行が始まる……。
世田谷に引っ越した人生の達人・山形鐘一郎(やまがた・しょういちろう)が、独自の視点でさまざまな問題を語り尽くす人生哲学的エッセイコミック!原宿から世田谷の砧に引っ越した小説家・山形は、相変わらず安アパートで冷えたビールを愛する日々を楽しむ。そんなある日、隣室の銀行員・山田(やまだ)を白菜鍋でもてなした山形は、リストラに脅えて疲れ切った彼に「自分にこそ認められる生き方をすべきだ」と力づけて……!?
文明研究のためにメキシコを訪れた江島陽介と妻の恵子。ティオティワカンの遺跡を目指していたが乗っていたバスが犯罪がらみのトラブルに巻き込まれてしまって…!?
法外な報酬を要求するが、依頼人の希望に応じて料理を作り上げる天才シェフ・味沢匠(あじさわ・たくみ)の活躍を描いた料理劇画。石油産出国であるパミール王国でその全権を握る大臣は、外務省関係者がもてなす帝都ホテルの晩餐をほとんど食べ残して帰る。そこで「幻の料理人」と呼ばれる天才シェフ・味沢匠が、大臣を満足させる晩餐を作るように依頼されるが、味沢はその報酬として500万円を提示して……!?
文通で知り合った二人の童貞青年・江藤と田村。東京のボロアパートの1室で同居しながら「いかにモテモテになるか」を追求し、童貞ならではのピュアでバカな妄想を膨らませ、次々と実践していく二人だったが…!?
湾岸地区に出来た新しい街、潮浦。ある患者の救急搬送を皮切りに、不可解な急性呼吸困難症で死亡する市民が激増した。総合病院で働く女医の鈴鳴涼子は、感染症を疑い検体を疫病研究所に送ると病院に掛け合うが上層部から釘を刺されてしまう。そこに国立疫病研究所の博士・羽貫琉伊が疫学調査をもちかけてきて――。隔離された海上地区で巻き起こるパンデミックの真相に迫る!
砥ぎ澄まされた感性と熱い情熱で、俊英・土田世紀が描く“3人の未成年の物語”。「やれ煙草だ、アンパンだ、人殺しだって… 我ァがら不自由になってぐこいつらより、よっぽど自由だスや」 他人を傷つけ、自分が傷つき、思い通りに生きることが儘にならない…。青春とは本当に“自由”な季節なのか? 賢治(ケンズ)、清(キヨス)、与一(ヨイヂ)…。北国の寒村に生まれ育った3人の“未成年”のそれぞれの生き方を描くことを通じて、土田世紀は僕等に問う…。青春とは何かを、人生とは何かを…。
時は1993年――。凶悪犯罪は増加の一途をたどり、国家警察も無力であった。政府は前科者や身分の特定できない者を“開放区”と呼ばれる区分に住まわせる政策をとった。それから5年……。そこは強きものは生き、弱きものは死ぬ独立犯罪小国家“インフェルノ・シティー”となった。規律も善悪もない街で、生死を賭けた戦いが、今始まる!
不慮の事故によって、地獄の学校「三途ノ川学園」に転校してしまった「天鐘りんね」の世界に戻る方法を捜す彼女は勝者には何でも願いも叶えるという学園長主催のバレーボール大会に出場する事にするのだが…りんねは無事に元の世界に戻ることができるのか?そして彼女が地獄にやってきた真の意味とは……!?
「たちはだかるすべての壁を登れ!!」内気で体が弱い麻耶と元気なサッカー少年の舜はある日、フリークライミングと出会う。麻耶と舜は次第にクライミングの楽しさに目覚め、のめり込んでいく。
一家の最後の食卓。この一皿を食べたらもう食料は何も無い。一家は恨めしげに庭に生えている一本の木を眺めた。その木には、「食料がなくなった時奇蹟が起こり大きな実がつく」という言い伝えがあったのだが…!?
「あらかじめ失われ 決して手に入らないもの」が僕にはあまりにも多いのです。恋人だったり財産だったり、才能だったり…。もちろん栄光も、今後手に入らないことでしょう。どれか一つでもあれば他のものも手に入るのでは…そんなことも考えたりしますが、実際どうなのでしょうか。 『栄光なき天才たち』は、大きな才能をもちたゆまぬ努力をしたにもかかわらず、運命のイタズラや周囲の無理解によって報われない人々の物語です。 登場する人物の名前を、僕は殆ど知りませんでした。それは彼らが栄光を浴びることで歴史に名前を残すことができなかったからです。それをもって、彼らを敗者と断じていいのか?名前をしらないことが、そのまま彼らの業績を低さを現すのか?そうではなかった。名も知らない彼らには輝かしい実績があり、心震わす生き様があったのです。 破滅型の天才小説家・島田清次郎の狂死や、周囲の無責任な期待に追い詰められたマラソン選手の円谷幸吉やテニス選手・ブルドック佐藤の死に心震わされますが、私は特に川島雄三に強く惹かれました。 川島雄三は、とかく重いテーマの作品ばかりがもてはやされる戦後の映画界に喜劇作品を撮影していた映画監督です。物語は今村昌平が助監督として川島雄三組に参加するところからはじまります。毎晩、酒をのんでどんちゃん騒ぎ、会社に言うなりふざけた作品ばかりを作る川島雄三に今村昌平は失望します。しかし、日活に移ってからは、喜劇の名作を連発。そして代表作『幕末太陽傳』の撮影が始まります。 口先とノリでうまく世渡りをする男が、田舎者の親父に現実的に説教をくらい、どこまでもどこまでもマジメな世の中から逃げ続けていく、そんな作品をなぜ、川島は撮ろうとするのか…。周囲に誤解されてもどこまでも真剣にふざけようとする川島の鬼気迫る雰囲気に圧倒されていきます。そしてその結果は… 挫折や無理解のなかでも輝くような業績を残す人がいる、そんな感動がこの作品にはあります。 ところで、自分の事を語るようなメロドラマが大嫌い、どこかヒネている川島雄三の姿が爆笑問題の太田光にとても似ているように思えたのは僕だけでしょうか。