逃亡中の殺人犯・瀬良不二夫。孤独に耐えかねデリヘル嬢を呼び、そこで出会ったデリヘル嬢・伊丹洋子は、不二夫の個人ラジオ「フジオのラジオ」の大ファンだった。彼の正体に気づいてしまった洋子はーー。WEBラジオによって結び付けられた、笑わせることに飢えたDJとリスナー。二人の歪んだ秘密の逃避行が始まる……。
殺人を犯したネットラジオの配信者フジオとそのファンの女の子ヨーコが出会い、ふたりで配信をしながら捜査から逃げるというバディロードムービー的な筋書きです。
フジオは孤独な男です。
芸人として成功できず、ネットラジオで承認欲求を満たし、自身の価値をギリギリのところで認めています。彼を評価し、孤独の境界に踏み止まらせているのは顔の見えないリスナーたちだけなのです。
ヨーコが彼のラジオで救われていたのも、フジオと同様に、自分が孤独だと感じていたからです。
互いの孤独を癒やすように共に居ることを選択するふたりの姿は、痛々しくもとても尊いものに感じられます。
皮肉なことにフジオは彼のリスナーたちと出会うことで、さまざまな出来ごとに見舞われ、時には追い詰められ、時には助けられ、運命に翻弄され、のっぴきならない状態に陥っていきます。
優れた物語は「次はどうなるんだろう」という気持ちがずっと持続するものだと思います。自分は一気に読んでしまいました。
フジオの罪の真相と、ヨーコとの孤独な旅路がどこに行き着くのか、ぜひとも見届けてほしいです。
本作、ジヘンという掲載レーベルが無くなってしまって、最終回まで読むのが少し難しくなっていますので、現在の連載状況もまとめておきます。
・単行本1〜4巻:34話まで収録
・マンガZEROの連載:40話まで掲載
・作者Twitter:41話〜最終43話がアップされている
・まんが王国の連載:順次最終43話まで掲載(現在34話)
単行本で34話まで読んだらマンガZEROで40話までチェックして、ヤスダ佳澄先生のTwitterで最終話まで読む…というのが今のところ一番いいはず。
4巻まで読んでから結末までのスピード感もまたスゴいものがありますので…。
5巻、出てほしいですね…。
逃亡中の殺人犯・瀬良不二夫。孤独に耐えかねデリヘル嬢を呼び、そこで出会ったデリヘル嬢・伊丹洋子は、不二夫の個人ラジオ「フジオのラジオ」の大ファンだった。彼の正体に気づいてしまった洋子はーー。WEBラジオによって結び付けられた、笑わせることに飢えたDJとリスナー。二人の歪んだ秘密の逃避行が始まる……。