あらすじ

ラジオがつなぐ秘密の逃避行・第4巻、福島篇終局。逃亡者・瀬良不二夫は、伊丹洋子がかつて住み込んでいた風俗嬢の下宿先「娼婦の館」に身を隠す。不二夫は、そこで出会ったスミレが世話をする、無精者の弟・ジローに付き纏うヤクザとの関係を更生させるため、姉を妊娠させたと「嘘」をつく――。一方、警察は殺人犯逮捕のある手がかりを掴むことに。ひとつの虚言が招く最悪の展開。逃亡の行方は!?
電波青年 単行本版 1巻

逃亡中の殺人犯・瀬良不二夫。孤独に耐えかねデリヘル嬢を呼び、そこで出会ったデリヘル嬢・伊丹洋子は、不二夫の個人ラジオ「フジオのラジオ」の大ファンだった。彼の正体に気づいてしまった洋子はーー。WEBラジオによって結び付けられた、笑わせることに飢えたDJとリスナー。二人の歪んだ秘密の逃避行が始まる……。

電波青年 単行本版 2巻

ラジオがつなぐ秘密の逃避行・第2巻! 逃亡者・瀬良不二夫は、一部に名の知れた個人ラジオ「フジオのラジオ」を配信していた。逃亡の途中、不二夫のファン・伊丹洋子と出会い、逃亡生活を共にすることとなる。そんな中、偶然知り合ったプログラマー・透に、洋子が勝手に更新したラジオ配信の削除を依頼するが、交換条件を提示され――。明かされる不二夫の過去。着々と進む広がる捜査の手。二人の逃避行は福島へ舞台を変える――。

電波青年 単行本版 3巻

ラジオがつなぐ秘密の逃避行・第3巻! 舞台は福島へ。逃亡生活を続ける殺人犯・フジオと、彼のラジオのファンであるヨーコの2人は、デリヘル嬢の下宿先「娼婦の館」で、しばらく身を隠すことに。しかし、デリヘル嬢の一人・スミレが男が住まうことに反対し衝突してしまう。ようやく、対立を乗り越えたのもつかの間、怪我をしたスミレの弟が転がりこみ、事態は急展開を迎える――。

電波青年 単行本版 4巻

ラジオがつなぐ秘密の逃避行・第4巻、福島篇終局。逃亡者・瀬良不二夫は、伊丹洋子がかつて住み込んでいた風俗嬢の下宿先「娼婦の館」に身を隠す。不二夫は、そこで出会ったスミレが世話をする、無精者の弟・ジローに付き纏うヤクザとの関係を更生させるため、姉を妊娠させたと「嘘」をつく――。一方、警察は殺人犯逮捕のある手がかりを掴むことに。ひとつの虚言が招く最悪の展開。逃亡の行方は!?

電波青年 単行本版 5巻

ラジオがつなぐ秘密の逃避行・最終巻。逃亡者・瀬良不二夫と彼のファンであるデリヘル嬢の伊丹洋子が、ヒッチハイクを乗り継いで辿り着いたのは北海道。安定した生活を手に入れたと思った矢先に届いた、捜査の手。不二夫は自首をするのか、諦めずに逃亡生活を続けるのか。全ての謎と二人が辿りつく結末が明らかに――。男女の歪んだ秘密の逃亡物語、ついに完結!!

電波青年 単行本版

人を殺したラジオ配信者とそのリスナーの孤独な逃避行

電波青年 単行本版 安田佳澄
ANAGUMA
ANAGUMA

殺人を犯したネットラジオの配信者フジオとそのファンの女の子ヨーコが出会い、ふたりで配信をしながら捜査から逃げるというバディロードムービー的な筋書きです。 フジオは孤独な男です。 芸人として成功できず、ネットラジオで承認欲求を満たし、自身の価値をギリギリのところで認めています。彼を評価し、孤独の境界に踏み止まらせているのは顔の見えないリスナーたちだけなのです。 ヨーコが彼のラジオで救われていたのも、フジオと同様に、自分が孤独だと感じていたからです。 互いの孤独を癒やすように共に居ることを選択するふたりの姿は、痛々しくもとても尊いものに感じられます。 皮肉なことにフジオは彼のリスナーたちと出会うことで、さまざまな出来ごとに見舞われ、時には追い詰められ、時には助けられ、運命に翻弄され、のっぴきならない状態に陥っていきます。 優れた物語は「次はどうなるんだろう」という気持ちがずっと持続するものだと思います。自分は一気に読んでしまいました。 フジオの罪の真相と、ヨーコとの孤独な旅路がどこに行き着くのか、ぜひとも見届けてほしいです。