まどかのひみつ

キラキラしてて温かい「自分らしさ」の物語!

まどかのひみつ 金魚鉢でめ
天沢聖司
天沢聖司

何がきっかけでこの本を見つけたのか忘れてしまいましたが、購入の決め手はこの美しい表紙でした。もう、見てくださいよこれを…!! https://res.cloudinary.com/hstqcxa7w/image/fetch/c_fit,dpr_2.0,f_auto,fl_lossy,h_365,q_80,w_255/https://manba-storage-production.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/book/regular_thumbnail/260588/f9a8b0a9-b873-46a5-bc4a-1d71a4a923e5.jpg この**ファッション雑誌のポートレートのような繊細の色使いの表紙**が最高で、「うわ〜!こういう写真がプリントされたTシャツほしい…」とうっとり眺めていると、登場人物たちが着てることに気づいてクスッときました。 そして表紙だけでなく中身も最高でした…! かわいいものが大好きなまどかがいつきと出会い、自分らしい格好をすることに自信を持っていくストーリーなのですが、主人公といつきの家族が本当に温かくて素敵で、**憧れ・友情・家族愛全部詰まってるんです…!** 憧れは、服装に対する憧れという面だけでなく、第1話で、まどかがいつきの兄・広斗に助けられるシーンが本っっ当に素敵で、子供の頃に近所のお兄ちゃんに憧れていた気持ちを思い出しました。 https://i.imgur.com/sMopUPc.png (『まどかのひみつ』金魚鉢でめ 1話より) **「小学生の男の子と女の子がメインで、毎回可愛い・格好いいお洋服が登場して、自分らしさを周りの年上の人達が認めてくれる」。** このまどかのひみつの「世界が優しい」感じ、なんか馴染みがあるなあと考えてみたら、アラサーのバイブル・カードキャプターさくらと通じる部分があるからでした。**金魚鉢でめ先生の繊細な絵で描かれる、「それぞれが持つ自分らしさ」をみんなが大切に受け止めてくれる世界。本当に美しくて優しくて、読んでいて心に染みます。** https://i.imgur.com/IS0nhGj.png (『まどかのひみつ』金魚鉢でめ 2話より) **ページのどこを開いても美しい絵ばっかりで、眼福に浸っているとあっという間に1巻読み切ってしまいます。**優しい全1巻だと気づいたときの衝撃たるや…悲しかったです。2人がどんな大人になるのかメチャクチャ気になるので、ぜひ売れて続編が出ることを願っています。 https://comic.pixiv.net/works/5257

ミスターズ~私の町のおじさんたち~

平均年齢50歳! おじさんだらけのモーニング新連載!

ミスターズ~私の町のおじさんたち~ 飛田漱
ななし
ななし

いや〜!!実はこれ本編を読む前からすでに、モーニング公式のツイートでカラー絵を見た瞬間一発で好きになっていた作品だったんですけど、ワクワクしながら雑誌(巻頭カラー)を読んだらストーリーもまあ最高でした!! 【第1話】 https://comic-days.com/episode/10834108156691507213 第1話は「大学進学を機に一人暮らしを始めるため新しい街にやってきた主人公・井ノ山春が、道すがら次々と個性的なおじさんたちとすれ違う」という話なのですが、たったそれだけなのにメチャクチャ面白い…! **「いや乙女ゲーかよ!!」と内心叫ぶくらい多種多様なおじさんたちが次々登場するのに、笑いを堪えられませんでした。** 乙女ゲーと書きましたが、若い女性が主人公でイケてるおじさんからゆるふわなおじさんまで出てくるにもかかわらず、**物語の雰囲気がしっかりと青年誌**なところが素晴らしかったです。1話の最後の日記に登場する「おじさん」の回数が多すぎるオチも最高でした。 **「陰キャ女子大生と平均年齢50オーバーのおじさんたちが織りなす、ゆるゆる町めぐりコメディ」**が、今後どう展開していくのかメチャクチャ楽しみです…!! 【モーニング】 https://morning.kodansha.co.jp/c/misters.html

HAPPY MAN

はっぴいマン~爆裂怒濤の桂小五郎~

HAPPY MAN 石渡治 マキノノゾミ
マウナケア
マウナケア

つかこうへい氏(2010年7月永眠)に影響を受けた人はさぞやたくさんいることでしょう。この漫画の原案であるマキノノゾミもその一人。私、この漫画以前に舞台の「HAPPY MAN」を観劇したことがありまして、そのぶっ飛びっぷりに、「ああ、つかだな」と思ったものです。役者が男闘組の「DAYBREAK」を歌いながら客席からでてくるんだもんなあ(前田耕陽主役だし)。それはともかく、その舞台を下地にして石渡治が生みだしたのがこの漫画。幕末の英雄・桂小五郎を主人公に、激しくかつコミカルに動乱期を描いていくのですが、まあ史実否定派の私でもここまで脚色していいものかと言えるほどの改変っぷり。吉田松陰は女性、それに恋する土方歳三、髭の生えた竜馬にドエロな千葉さな子。極めつけは京都守護職・松平容保で裏の顔は劇作家のつかこうべいときたもんだ。明らかなでたらめで、大好きですこれ。でも決しておちゃらけではなく、そんな彼らが、誰もがハッピーに生きられる世を作るために奔走する異説幕末譚。最後が切ないですが、こんなアナザー・ストーリーもあっていいんじゃないでしょうか。

無謀キャプテン

嘉納治五郎先生でさえ助走をつけて殴るレベル

無謀キャプテン 島本和彦
名無し

男とは馬鹿な生き物。 馬鹿な生き物だからこそ生き様が浪漫を生む。 だが、わざと馬鹿にならなきゃ男ではない、 というものではない。 ところがもともと馬鹿だから(ギャグ漫画だし) 「自分の墓穴は自分で掘るのが男だ」 という馬鹿な考えを男の生き様と信じて、 自ら墓穴を掘りまくる馬鹿がいた。 掘田戊傑(ほった ぼけつ)。 彼は強豪高校との対決から逃げた柔道部の身代わりとして 柔道ドシロウトなのに僅か数日後に迫った柔道対決に無謀にも臨む。 普通の漫画ならばここから主人公の埋もれた才能が開花するとか、 地獄の特訓の成果や謎の老師の助言で必殺技を会得するとか、 愛と勇気がなにもかもを超えて奇跡を起こすとか、 突然の天変地異が起こって全てが灰燼と化すとか、 そんな結末になるものなんだけれど・・ 「男とは」「男たるものは」を追及した主人公を待っている結末。 その結末には涙するしかない。 スポーツ漫画では、従来のセオリーを揺るがす新技や理論が 一つや二つは登場するもの。 思わずナルホドと思い、試してみたくなるような。 なかには本物の真理論もあれば、ただ漫画を面白くするためだけの こじつけだったり、誤解やウソッパチだったり、 「作者、実はこのスポーツを舐めてるだろ」というものだったり 色々とある。 それがスポーツ・ギャグ漫画ともなれば、 少々のトンデモ理論が登場しても普通は驚かないが、 よりによって柔道を指導する先生に向かって 「受身では勝てない!」と反論するのだ。馬鹿だから。 墓穴を掘る男だから。 けれどこの言葉、一周まわって考えると 「そうかもしれない」と思ってしまうのが困ったもの。 いや、明らかに大間違いなんですけれどね。 まあ一発投げられて死ぬほど痛い目にあえば 普通は前言撤回する程度の屁理屈。 けれど「自ら墓穴を掘る男」堀田戊傑は 撤回せずに投げられまくりドンドンと 墓穴を深く掘り続けて行く。 通常のスポーツ漫画ではありえない方向へ、 通常のスポーツ・ギャグ漫画ですらもありえない方向へ、 そして結末へと・・ ある意味で比類する漫画が見当たらないほど面白いのだけれど 柔道の創始者・嘉納治五郎先生が読んだら血の涙を流すだろうお話。 全二巻で第一巻・第二巻がそれぞれ第一部・第二部になっています。 上述の内容は第一部のみについてです。 第二部はもはや解説不能なレベルに突入してしまうので 感想は控えさせていただきす(笑)。

カッコウの許嫁(読切)

読切3作品の中で一番好き!!

カッコウの許嫁(読切) 吉河美希
カカオ

生まれたときに取り違えられた主人公の少年・凪が、本当の両親に会いに行く話。『東京ヘルヘブンズ東京ヘルヘブンズ』、『柊さんちの吸血事情』に続く、週マガ60周年特別企画の「吉河美希完全新作読み切り3本掲載」の第3弾。 https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156690079296 いやこれメッッチャいいな!?3作全部読んだけど、ダントツでこれが一番面白かった…最後に持ってくるにふさわしい面白さ。 ヒロインが出てきたときから当然読者は展開が読めているんだけど、そのうえで2人の変なやつぶりが発揮されてて面白い。 お嬢様のエリカは、許嫁から逃れるために自殺する振りの動画を撮って炎上を狙ったり、大金を使って凪を強めな彼氏に仕立て上げたり、カップルが何をするのかをググって「セックス」と答えたり…おバカさが隠せない。 凪は凪で、陰キャで頭脳明晰なわりに彼氏のフリをしている最中に「契約上の彼氏だ」と堂々といってしまったり、家訓に従って売られた喧嘩を買ったりとギャップが中々すごい。 ギャップといえば、前半さんざんヤバいやつだった凪が、しんみりと写真の良さを語って「2人が最初に取った自撮り」を選ぶシーンはすごくグッと来た。 https://i.imgur.com/OCvYTlJ.png (『カッコウの許嫁』吉河美希より) 最後の「子どもたちが結婚すればどっちの子も自分の子になる」理論は笑ったし、本来ヤンキーになるはずだったエリカが凪を殴って終わるのは良いオチだなと思った。 「取り違えて育てられたヤンキーと秀才」という設定には、面白さのポテンシャルしか感じないので、ぜひこの『カッコウの許嫁』で連載化してほしい! https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156690079296 【追記】 3作品全部読んでみて思ったのが、「キャラ萌え」が足りないということ。(自分が最近Twitter発の、作者のフェチと萌えを詰め込んだ漫画ばかりを読んでいるせいかもしれないけど…) 3作ともお色気シーンがやっつけに感じられて全然おもしろくないのは、作者自身がキャラ萌えしてないからなんじゃないかと思う。ヤンメガが好きだったので、ああいう物語の設定とキャラの魅力が噛み合ったお話がぜひまた見てみたい!

銀河英雄伝説

よく見るYouTuberさんがアニメ版の話をしょっちゅうしていて

銀河英雄伝説 田中芳樹 藤崎竜
さいろく
さいろく

ずっと気になっていたんだけどあまりにも長いので手を出せていなかった(周りから手を出したら負けとか沼とか言われてたのもあった)のだけど、この度なんと藤崎竜先生がイチから描いてくれるというではないですか。 現在15巻、死ぬほどツラいシーンを多々乗り越えて来たが、これが最大の山場なのではないかと思うぐらいツラい出来事が13巻だか14巻だかであり、この後どうなるんだ…ヤン・ウェンリーが代わりになるっていうのか!みたいななんだろう、もういつのまにか役が入り込んでしまう感じでスペースオペラなSFで。 あ、全然劇ではないんだけど話は劇的です。 天才+秀才+精鋭vs天才+仁義vs外野みたいな感じ(15巻まで) ・夢中になって読める。 ・例え「封神演義」が苦手だったり当時の絵やギャグテイストが好きじゃなかったとしても全く問題なく全く別の人だと思って良いぐらいタッチも何もかも変えてきているので安心して読める。 ・原作者(田中芳樹さま)は本当に1人の人間なのかと疑いたくなるぐらい名作を作る人だなと関心できる。 ・なにより「銀英伝」についての話に入っていける(理解できる)ようになる! 以上の理由により皆読むべき。好き。