原型と別人の顔に仕上がる顔面マスク。呪われた企画の再映画化。その監督の過去に関わる悲恋…。ホラー映画になりそうな話だな、と思ったら、もうされていたんですね。で、あとがきを読んで知りましたが、作者本人も特殊メイクの仕事をかつてしていたとか。どうりで出てくる小道具の種類や監督のしぐさなどが本物っぽいわけです。私は学生時代に自主映画を撮っていたこともあり、勝手に映画にした場合の配役やらロケ地を考えつつ読んで、ずいぶん妄想をかきたてられてしまいました。絵も達者なだけに最後には漫画が絵コンテに見えてしまう始末。顔模型が手前に奥に主人公がいて、構図そのままで手前にピントが移動したときに口元がニイィとなる、なんて、”そうそう”とうなずいてしまいましたもん。そんな部分で感情移入ができ、登場人物も動いて見える映画的な作品だと思います。映画版も見られたら見てみようと思うのですが、配役のイメージが違うので別の意味でコワイなあ…。
紙は新宿御苑近くの某書店でしか見たことない(他で売ってるのか不明)がツイッターの宣伝活動で知れるいい時代。 単行本化されたのはまた嬉しい。凄い文化の違いを感じるけど。 なにより画風に特徴があり現代アートを感じざるを得ない。なんだかんだ良い意味で都会的であり田舎的でもある不思議と惹き付けられる絵なのだ。 そして今気づいたけど更に新連載始まってる! 今度のはフィクションぽさが更に強いけどいつか単行本になるであろう… 好き。
「望郷太郎」 なんていい響きなんだ。 「BOKYO TARO」 山田芳裕先生の最新作。 そして、第一回のタイトルから「たそがれ」 痺れるぜ!文明の衰退、人類の黄昏時・・。 https://comic-days.com/episode/10834108156683852712 かつて人類が築いた文明の残滓を辿っていきながら、イラクからかつての故郷である日本を目指す、素晴らしいロードムービー的な漫画になりそうな予感ビンビン! 終末世界を旅する終末漫画でもあるのが廃墟好きにもグッと来る。 絶望しても、舞鶴太郎が持ってるのは強い心。 スーツに革靴、コートにキャリーケース引っさげて渋い顔して旅立つ、山田先生ここにあり。 本当にいつも顔の力、顔面力の描写が素晴らしい。 果たして、文明の中で人よりお金の価値を選んだ社長は、この時代を生き残れるのか!? 先を読むのが楽しみでしょうがない。
※ネタバレを含むクチコミです。
舞台は世界各地。好きなんですよね、こんな展開。ただ、これだけだと、”わりと好き”レベルなんですが、この作品は時間も遡ってしまう。時代背景の描写など、描き手の力量が問われますが、期待以上の仕上がりで、”わりと”ではなく、とても好きになってしまいました。内容、の前にまずクリオについて解説しますと、これは表紙に書いてある通り。クリオダイバー=骨とう品や美術品などの物の中に蓄えられている過去の情報世界に潜る人、ということです。そのクリオの男が、世界各地のワケあり物品に込められた過去の因縁を暴き、現代に害をなさないようにする、というストーリー。展開は非常にダイナミック。そして立体的な描写が物語にさらに奥行きを加えています。戦闘機の翼の上、屋上から落ちるさま、素潜りの海中などのシーンが目白押しで、映画っぽいなあ、と思っていたら、著者はそっち方面を目指していたこともあるんだとか。映像的視点もいいですね。これも加えるとまたレベルが上がるなあ。結局、大好きなお話になってしまいました。
タイトル通りのヒロインが登場する分かりやすいラブコメなんだけどなんか好き。無駄が嫌いなんだけど完璧に無駄を省けている訳ではない夢田梨さんが可愛い。作中には特に描かれてないけど替えのパンツ持ってくるの忘れてるだろうなーと思った。毎週6Pでもいいから連載化したらいいのに。
しりあがり寿、と言えばシュールなギャグが持ち味。しかしこの作品はシュールはシュールですが、意図したギャグは一切なし。水の中に全てのもやもやしたことをぶち込んで世界は終わるのだ、といわんばかりの哲学的な終末を淡々と描き切っています。発端はやまない雨。歯みがき会社の方舟による世界一周キャンペーンが大ヒットする中、人々の生活は少しずつ壊れ始めます。この雨、というファクターは、物語を語る上で非常に重要なパーツ。群集心理によって起こる暴動の喧騒は雨音にかき消され、死体は雨に流され、たまった水に世の中の雑多な物は沈んでいく。そして残るは島影ひとつ見えない大海原。作品に”静かな”というイメージを与えるのにこれほど効果的な使い方はないと思います。この作品が描かれたのは西暦2000年。いわゆる世紀末。あとがきには著者による「輝ける未来」が創造できなくなった趣旨のコメントがあります。それから10年経ちましたが、この世界よりも、もっと閉塞感のある氷の時代になってしまったように感じるのは気のせいでしょうか。
ややポンコツ気味の女子高生・歩の前に現れたのは中学の後輩で勉強も運動もカンペキなイケメン・月(ルナ)。事あるごとにからかってくる月に抗いながらも振り回される歩の物語。 …というのが、タイトルや表紙、あらすじから読み取れる作品の内容。でも、実際に作品を読んでみると、思っていた内容とはちょっとだけ違う。 各話の序盤は歩の視点で、「月になんて負けない!今日こそやり返してやる!」→月に返り討ちに遭って結局からかわれる、という展開に。だけど、物語が進んでいくといつの間にか視点は月のほうに。 察しのいい方はお気づきでしょうが月は歩のことが好き。からかいも当然歩のことが好きだから。だけど歩は全然気付いてくれないどころか、最後には歩の無意識の不意打ちの言動で逆に照れてしまうことに。 そう!この作品は「からかい上手の高木さん」てたまにある、西片くんの何気ない一言で無意識の反撃を食らって高木さんのほうが恥ずかしがるっていうアレ、アレをいろんな場面、あの手この手で見せてくれる作品なのです! そこに気付いてから読み進めると、毎回いつの間にか攻守が逆転していく感じがたまらないし、歩視点から月視点へのシフトがすごくナチュラルに行われるから、男女両視点を余す所なく楽しめるから1冊で何度でも楽しめるラブコメになっている。 ちなみに私には、どちらも可愛いけど僅差で月のほうが可愛く見えることが多いような気がする。みなさんはどちらでしょうか?? 1巻まで読了
ワイルド7で世界中を魅了した飛葉大陸(ひば・だいろく)。 そんなヒバちゃんが歳とって復活…ルパン三世はきっと歳とってないよね? フルカラーになって気づくヤバさが多々あるけど、読まない事には何も言えません。ほんと凄い。
最高傑作って言ってしまっていいと思うので言ってしまおう。 故・望月三起也先生の代名詞のような作品。 あらすじは省くけど極悪人が悪党を始末していく様は最高にスカッとするしページ全てが今見ると芸術作品のように思える。 撃ち抜いた缶の形なんて知らなかったし、これを読んで「こうなるんだ」と思ってた(実際はデフォルメもかなりあると思う) でもバイクと銃がほんとに好きなんだなってわかるんですよね。たまらんです。 後半の展開のシリアスさは是非全部読んでって味わって欲しい。 ありがとうございました望月先生。
望月三起也先生と言えばワイルドに銃をぶっ放し悪党を爽快にブチのめす「ワイルド7」のイメージが強い。 こちらはワイルド7完結後の作品で、主人公含む主要キャラ達がもっと身近な存在。 (ワイルド7は極悪人が主役なので) 相変わらず銃器の描写も素晴らしいし、学生である主人公が織り成すストーリーはまさに活劇。ワイルド7でも外せなかった名脇役達(副主人公と言っていい)の存在感も変わらず素晴らしい。今作でもそれぞれいいキャラしてるし、もっと一人一人にフォーカスした、寄った話もある。良い。 設定も凝ってるので結構考察も捗るのではないかと思う。なんでスパイなのに鈴つけてんの?とかね
「呪い」…人を殺したり傷つけたりすることに限定された超能力。そして精神力にその力は比例する。こんな特殊な能力だからこそ、この作品はドラマ性が色濃く出る結果になったのでしょう。呪力合戦に派手な演出は無し。一方、作品の核である命を奪う能力をもつ人々の心理描写はこれでもかというほど丹念。2つの話を交互に描き、補完し合ってじわじわとドラマを盛り上げているのも効果的です。この作品における呪力とは、思春期から20代にかけて発症する能力。この能力をもつ者は呪街に行かなければならない。12歳で発症してしまった優愛菜は能力を中和することのできる火詠とともに呪街に向かう、というのがひとつめの話。そしてもうひとつは呪街四天王・笠音と、彼女に預けられた真魚が、権力争いに巻き込まれるという話。能力に疑問をもつ者と、強力な能力をもつが故に安らぎを求める者。この2人のストーリーが最終的にどう交わるのかがまさに焦点です。ようやく最終巻がリリースされましたので、その衝撃のラストを心して読んでください。
タイトル通り、世にも珍しい両親&姉妹の4人全員が漫画家という大島家の、内幕暴露本的なエッセイ漫画。長女・大島永遠の視線で父・大島やすいちや母・川島れいこが描かれていてなかなか新鮮でした。なぜなら私、この両親ふたりともKATANAで取材しており(09年11月3日号から4号連続)、登場するエピソードは聞いていたのですが、頭の中に浮かんだ絵がこの漫画と全く違っていたんですね。おふたりのなれそめ話に出てくる詩人?なんて、こんな優男ふうじゃなくてもろ変質者でしたから。ドラマチックな展開になっていて、漫画にするってこういうことだよな、とちょっと感心しました。ちなみに取材したときはこの漫画で描かれている写真についてのくだりはいっさいなかったですけどね(笑)。まあ、同業の親をもつ娘の気持ち、なんてのをお話にするというのは、少しひねくれた感情論から入るのが常で、この漫画もそう。ですが、いやいや仲良いでしょこの家族は、と思える温かさがそこかしこにある。ちょっとこそばゆいけど、そんな雰囲気のある漫画です。
殺レ!!! 確か結構面白い漫画だった記憶があったので読み返しました! 中二病ってこの漫画が元では!??っていうくらいのアレですが、今でもちゃんと楽しめますので初めての方にもオススメしたいです。
反則なやつ。可愛いと言っても、イラストじゃなくて、ライオン・オウム・トカゲっていうそれぞれの特徴がうまいことキャラクターに変換されてるのが可愛い。こういうほのぼのしつつちゃんと面白い漫画はもっと流行ってほしいな。
続きが読みたいという声をよく聞くなと思って読んでみましたが、激しく同意します。 室井大資先生はエバタのロック、秋津あたりから読み始めたのでコメディイメージが強かったのですが、この漫画はわりとシリアス&バイオレンス。ただ、ところどころに室井節(?)が垣間見え、重くなりすぎずに最後まで読めます。 犬神人の人々、一見バラバラなように見えていざという時のチームワークの良さ。かっこよすぎる。続き…続きがほしい…
この読切の大事なところはそこじゃなかった。 もちろんラップも効果的な要素のひとつではあるけれど、なによりの推しどころは主人公の「オカン」! 明らかな元ヤン風情でありながら得意料理は煮物。煮物を作っておきながら、クリームたっぷりパンケーキ食べたい。 そしていざ食べに行くとなった時の変身ぶり。メイクテクニック高すぎ。かわいい、かわいいよ!!! 甘くないお食事パンケーキも美味しいけどね。煮物に合わせるのはアウト。
オトナのストレス解消漫画といっていいのかなあ、これ。主人公・南部十四郎は、世を乱す不埒な輩をばったばったと斬り殺すというバリバリの愛国主義者。タイトルから連想される通り、その正体は第二次世界大戦時に東京憲兵隊に所属していた旧帝国陸軍の大尉で、時の首相と政界の実力者によって降霊された、世直しの使者なのであります。そりゃあ軍人さんの眼から見たら、20世紀末の日本人は万死に値する存在なのでしょう。この作品は、ケンペーくんの正義の鉄槌を襟を正してしかと見届ける漫画…などと思ったら実は大間違いなんですけどね。だって制裁を加える相手が巨悪じゃなくて小物ばかりなんですもの。うるさい暴走族や、軽薄なサーファー、後先を考えずに行動する若者に、日本語もろくに使えない適当な大学生。はてはパンクロックカーや嫌煙活動家、六本木ギャルまでもが制裁の対象になる。つまりは疲れたオジサンがイラっとくる相手ばかりなんですよね。で、これが意外とツボにハマって爽快に感じてしまうという。あ~あ、こんなんじゃ私もすっかりオジサンですなあ。
三都節全開のSF!!! 週刊だというのに絵の迫力も背景の精緻さもアフタヌーン時代と何ら遜色なく、かえって心配になるレベルw 頑張れ三都先生!! 第一話 https://ynjn.jp/app/title?tid=954
同級生の恋愛話に今ひとつ乗り切れない高校3年生の女子・纏(まとい)。テレビ番組で恋愛感情を持たない"アセクシャル"という概念を知り、自分もそうなのだと自認する。そんな中、突然の雨で人気のなくなった教習所でとある女性・百合子と出会う。 一緒に遊ぶうちに親密になっていく二人だが、百合子から見た纏は"年の近い友達"で、一方の纏から見た百合子は"年上"で"友達"以上の感情を持ち始めている。百合子もそれに気付いているが、百合子もまた、自身は恋愛感情を持たないと自認していた…というお話。 現在一般に認知されてるジャンルで言えば、百合作品の中に含めるのが一番適してるとは思う。しかしながら、お互いに好意を持って接しているけど、纏からの百合子への感情は恋愛なのかどうか自分でも判別がついてない様子で、一方の百合子は明確に恋愛ではないと自覚している。読めば読むほどこの作品を"恋愛作品"ではない別の何かのように見えてくる。だからこそ、この2人の関係性には"百合"以外の別の名前を付けたくなってしまう。 また、好意の微妙な違いもそうだけど、例えば"都会の人"と"こっち(田舎)の人"だったり、"年上の友達"と"年の近い友達"のように、2人それぞれの視点によって捉え方が微妙に違う様子が描かれていて、それもとても興味深い。こういう微妙な差異を見せられると、当たり前だけど同じものを見ててもその捉え方は人それぞれで、結局、人間関係に絶対の正解なんてなくて、あるとすれば個々の相手に対する最適解くらいなんだろうなって感じる。 お互い好意を持ちながら些細な気持ちのすれ違いがあるこの2人が、今後どんな関係性を作っていくのかが凄く楽しみ。 ちなみに本編では"アセクシャル"という単語しか出てこないが、近い概念で"ノンセクシャル"という言葉があり、実は作者のtwitterで「ノンセクシャルとアセクシャルな女の子の話」と明言されていたりする。 https://twitter.com/skRe_n/status/1172067936132988929 このあたりの単語をちょっと調べてみてから本編を読むと、2人の関係性や好意の中身がより違ったものに見えてくるかもしれない。 1巻まで読了。
不幸体質の和泉くんとその彼女の式守さん。普通にしてると式守さんはすごく可愛いんだけど、降りかかるアクシデントから和泉くんを守ろうとする時、彼女は"可愛いだけじゃない"顔を見せる。 当初はTwitterに掲載されていた4ページマンガで、4ページ目の式守さんの表情が4コママンガでいうオチのような役割をしている。その構成のまま1巻は130ページほどで17話収録という内容で、それでも絵の魅力が高いのでラブコメとして充分に面白い内容。 しかし、2巻に入ると少し様子が変わってくる。式守さんと和泉くんだけじゃなく、和泉くんの友人の犬束くん、式守さんの友人の猫崎さんと八満さん、そして和泉くんのご両親などにもフォーカスが当たり、1話12ページ前後のストーリーマンガに華麗なる変身を遂げる。1話あたりのページ数が増えても、キーとなるキメ絵の威力は変わらないので物語に大きな波がなくてもしっかりと起承転結がある。式守さんの表情にも幅が広がり、なにより登場人物の中に悪意が存在しないので安心して読めるラブコメになっている。 きっと「からかい上手の高木さん」や「疑似ハーレム」などの作品が好きな方には気に入ってもらえるはずだし、「うたかたダイアログ」のような1話ごとにストーリーのあるようなラブコメが好きな方にも薦めたい作品。 2巻まで読了。
自らを「天の声に導かれて世界を救うために召喚された救世主」と名乗る仮面の女子高生、飯屋ちふる。彼女が成績優秀スポーツ万能のイケメン・藤原龍之介とともに、目からビームを出したり空を飛んだりしながら身の回りに起こる地球の危機に立ち向かう物語。 ここまで読んで頭の中に1つでもハテナが浮かんだ方。きっとそれが正しい反応です。そしてそのままの勢いで是非試し読みを読んでみてください。1話を読めば…いや、最初の2ページを読めば色々と察することができると思います。この作品が上の紹介文通りの作品であること、そして言葉ではこれ以上説明のできない作品であることを…。 1巻まで読了。
テロ事件で同僚を喪った作者が、そのトラウマを癒やしていく道程の物語。 シャルリエブド襲撃事件。日本人には馴染みが少ないかもしれないが、2015年パリで風刺新聞社シャルリエブドをイスラム過激派のテロリストが襲撃し、10人以上の死者が出た。 偶然にも危ういところで難を逃れた作者は、拭い去れない心の傷を負う。なぜこのようなことがおきたのか、事件で亡くなった同僚たちと心の中で対話する。そして芸術や文学に沈潜していく。 作者の文学、芸術に対する造詣の深さは目を見張るものがある。 絵柄はとてもコミカルだが、たまにあらわれる水彩画の色合いがとても心に沁み、事件後のトラウマにもがく作者の姿がにじみ出ているようにすら思える。
正直、いまさらSFとしての新しさはあまりないです。殺し合いを生む階級システム、謎に満ちた平和都市、意志をもつコンピュータなどなど、すでに現在のエンタメ産業においてしゃぶりつくされた設定のストーリー。うーん、B級ハリウッド映画みたい。でもね、私は好きなんです。なぜかといえば、俺の描く漫画が一番カッコいいんだ!という主張があるから、なのかなあ…。やたら描き込まれた効果線であったり、メカの細かなフォルムであったり、超人的な主人公の描き方であったりと、言葉にするとたいしたことのないですが、ストーリーや絵柄の上手下手でないところで心に響く何かがあるのは確か。巻末のあとがきで著者本人が語っているように、この作品は著者がもっとも脂の乗り切った時期に描かれた作品、ということなので、その時期の作品は得てしてこうなるのでしょう。どこが良いのかイマイチわかりにくくなってしまいましたが、そこはタイトルと同じグレイのまま…、でご勘弁ください。
魔女の呪いによってカエルに姿を変えられてしまった少女エルカと、狼男のアル、魔女の子ヨマの3人が呪いを解くため、一緒に旅するというストーリーです。その昔ゲームボーイに「カエルの為に鐘は鳴る」という名作ゲームがあったと思いますけど、十年に一回くらいやりたくなります。こちらも本格的な西洋ファンタジーと、童話の中間くらいで、よくあるRPGとは少し違った独特の雰囲気の世界観を構築されています。作者さんは2008年の四季賞「ヨブケモノ(喚獣)」を読んだ時から知っていましたが、すごい迫力の本格ファンタジー作品を描かれていたのを今だに覚えてます。この作品でもそうですが、どの場面でも微笑ましいコミカルさを見せてくれてくるんですよね。ついついクスッとさせられます。みんな何だかちょっと抜けているところがある。そこが一番好きだったりします。
一巻でよくまとまってる。一話目のギャグ調がずっと続くのかと思いきや、しっかり物語の筋があったのがよかった。 それにしてもヤラレ役のキャラを描くのがほんとに上手い。ヘイトコントロールというか、クズを読者がストレス感じないギリギリの塩梅で描けてる。さすがにっていう一線を越えるときはしっかり痛い目にあわせている。面白かった
不思議な世界に連れて行かれます。 サラリーマンなのに、仕事全然してません。 個人的には、ライオン先輩が好きです。 トカゲくんのしっぽ切りは、痛いのか・・・。
出身地に近いひいき目かもしれませんが、名古屋は日本で最も食品系名産品が多い都市だと思ってます。古いところだと、ういろ(う)に味噌カツ、きしめん。新しいところだとコメダ珈琲のシロノワールとか。そんな美味しくもあり、微妙でもある名古屋メシの数々を紹介するのがこの作品です。私にとっては懐かしいものばかり。有名な手羽先やひつまぶしは日本全国で食べられますけど、最初に紹介している「スガキヤ」のラーメンなんかは全国的には無名なので、ぜひ現地で食べてほしいと思う逸品です。描いてある通り安いし、ショッピングセンター内に多いので見つけやすいし、「ヘビでダシをとっている」という都市伝説も話のタネになるし。高校生のころ学校を抜け出してよく食べていた、鉄板スバゲティの「イタリアン」なんてのも青春の味ですね。などなど、紹介されている名古屋メシは地元に住む著者が選んでいるようなので、名古屋圏出身者の体験ともピタリと重なるよくできたラインナップです。地元を離れてしまった人に読んでもらいたいなあ。
くーねるまるたの作者、高尾じんぐの作品。 漫画のムーブメント的に「食」が爆発的に流行り、次に「衣」がプチ流行りした。そんな中で訪れた「住」漫画のひとつがこれなのではないだろうか(適当) 物件探しや間取りの漫画というと地味になりそうだが、そこはキャラの強さと動きのある構成で、楽しく仕上げている。これ実は漫画力がないと難しいんじゃないか? 普通に物件探しに役立つような情報も盛り込まれてるのが、またいい。
親のコネだけで広告会社に入社した主人公が、フィギュアスケーターの万年二位の女の子を競艇選手にデビューさせて、社会を動かしていく話。 全体としては面白かったが、三田先生特有の気の強い女キャラの噛ませ化によって最初は存在感のあった上司がどんどん影が薄くなっていく点や、裏切り者の伏線を未回収のまま、終わるなど、気になるところがちょこちょことあった。 主人公の成長譚という側面ではとても楽しめた。
巷では主人公は、アカギの娘なんじゃないかって言われてるみたいだね。 まぁでもたしかに一話の雨ざぁざぁの中、引き戸から登場するシーンはアカギを彷彿させるなぁ あと最新話でおっさんになった治(アカギの忠言どおりラーメン屋の店主になった)が青い顔して代打ちさせられてて笑った。本質変わらねぇなぁ
超待望の新連載、開幕!!! これは警察学校時代の知られざる物語―――… 【あらすじ】 >降谷零、松田陣平、伊達航、萩原研二、諸伏景光。 「彼ら」の青き日々は、警察学校にあった… 今、初めて語られる、若かりし五人の青春教場物語! 【著者】新井隆広 青山剛昌 【掲載】週刊少年サンデー 44号より 【公式サイト】 https://websunday.net/rensai/wildpolice/
ここからあの「安室さん」を履修します。ここ数年ハチャメチャに人気が高い安室透こと降谷零さんの過去編が始まったということで、これを機にここから沼に入門するつもりで今週のサンデー買いました。(コナンの知識は子供の頃にアニメで毎週見てた程度+最近の映画くらいしか知りません) いやもう、**すでに第1話からキャラの立ち方がすごい…!**初っ端から殴り合いの喧嘩してるのがいい。**仲悪いって最高**ですよね。 そしてそれをフォローしてくれるやつ、ノリの軽いやる、トラウマを抱えてるやつ…個性的な同期に囲まれているところも魅力的です。 そしてその**個性的な同期5人の気質を暗に示す紹介の仕方には痺れました…!!**https://i.imgur.com/PIlq2ZJ.png (『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』新井隆広/青山剛昌) 読んでみたら思った以上に面白くてこれから毎週の楽しみになりそうです。https://websunday.net/rensai/wildpolice/ 【追記】 1話が面白かったので、軽い気持ちで「降谷零 警察学校」でググって出てきた「警察学校組」のページ見たらトンデモないネタバレを見てしまいました(自爆)はあ〜〜〜〜ん!!!無理!!!つらい!!いやもうどんな気持ちで2話以降読めばいいの…?無理…つらすぎる…。 まあ…でも逆に何も知らずに読んで打ちのめされるよりは良かったの、か…???
有名都市伝説が現代日本に暮らす人々の身に起きたら…?それはホラーかミステリー、もしくは、コメディか…?全く想像もできない切り口で描かれています。こんなマンガ読んだことない! 例えば… メリーさんが孤独に苛まれた女性の心を救ったら? 口裂け女が本気の恋をしたら? トイレの花子さんに仲間が増えてたら? ほっこりできる話もあれば、攻めに攻めてる話もあり。いままで読んだことない漫画を読みたいな、と思ってる人にすすめたい一冊。
あれ、ストーカーが主役なのに気づくとほっこりしている…? 動機が決して復讐や私怨によるものではなく、「好き」「知りたい」というものだけだからだろうか。相手が幸せそうに笑っているのを確認できればそれでいい… いや、だったとしてもアウトなんだけど…。 少し行き過ぎてしまう行動もあるけど、誰も不幸にはならない、ストーカーたちが織りなすサスペンスコメディ。 基本笑えるんだけど気を抜いてると急にゾッとさせられる。
昔からのマンガ好きなら知っていると思いますが、ジャンプで連載して用務員を馬鹿にする回を書いて回収騒ぎを起こしたりした表現に色々問題があるマンガです。 回収騒ぎに隠れていますが個人的には雪合戦おじさんのテツリン部隊の表現がやばすぎてこれなんで文庫版に収録されてんだろうって思ったくらいです。 主人公が浮浪者と一緒にデパートを襲撃する回は文庫版には収録されていないのに... 現在の表現の基準では月に一回は回収騒ぎを起こしそうなマンガとは思うが面白いのは間違いない
腐女子じゃなくてもそう思えるであろう最高にわかりやすくド定番な組合せ。 そしてこの世界設定、展開の勢いに表現力、オノ・ナツメに似たここではないけど近いどこかの異世界感があって素晴らしくハリウッド的で本当に映画のよう。 ていうか映画化したらいいのにこれ。絶対おもしろいよ、何番煎じとか言われるかもしれないけど知ったことか。サイバーパンクとかスチームパンクとか未来系アニメとか電脳コイルとかが好きな人はきっと読むべき。 好き。
あらすじにあるとおり、時間停止の能力を駆使してまずは最初のステージ攻略を目指す主人公だが、自分に残された時間は“3日”という制約がある。 バカッターとして炎上し異世界へ飛ばされただけあり、時間停止中はやりたい放題。とくに女の子のパンツを脱がすことだけに強いこだわりがあるらしい。正真正銘のクズであった。 ステージボス(だと思われる)を倒すため、時間を止め半年の筋力トレーニングと攻略のための研究をこなしてみせたのには感心。
子供を授かった夫婦。ふたりは生まれてくる子供に“かしこくて勇気ある子供”になってほしいと、見本になるような世界中の優秀な子どもたちを雑誌や書籍で調べるようになる。 生まれるまでの日々は、それはそれは夢と希望に満ちていた。 子どもたちのひとりに、マララ・ユスフザイさんがいた。 以下ウィキペディアから抜粋。 『マララ・ユスフザイ(英語: Malala Yousafzai、パシュトー語: ملاله يوسفزۍ、Malālah Yūsafzay、1997年7月12日 - )は、パキスタン出身の女性。フェミニスト・人権運動家。2014年ノーベル平和賞受賞。 2009年、11歳の時にTTPの支配下にあったスワート渓谷で恐怖におびえながら生きる人々の惨状をBBC放送の依頼でBBCのウルドゥー語のブログにペンネームで投稿してターリバーンによる女子校の破壊活動を批判、女性への教育の必要性や平和を訴える活動を続け、英国メディアから注目された。 2012年10月9日、通っていた中学校から帰宅するためスクールバスに乗っていたところを複数の男が銃撃。頭部と首に計2発の銃弾を受け、一緒にいた2人の女子生徒と共に負傷した。』 このニュースは日本でも大きく取り上げられ、マララさんの名前は世界中に認知された。 まさにマララのような子供になってほしいと願っていた矢先に、かしこくて勇気があるがゆえにその主張に反発する人間に命を狙われてしまうという現実を目の当たりにして、若き夫婦は何を思うのか。
といっても、最初からハッピーエンドが約束されている心温まるお話です。 中学生時代のふたりもいいけど、高校生になり、再会するまでのなんやかんやがまあ愛おしいこと。いろんな困難を乗り越えて今再びラブラブなふたり、このまま一直線でゴールインしてくださいよ…でも終わるのは寂しい…
すげー良い回と「えっ」と思う回の差が激しいマンガ 記憶だけで書くけど、ビッグコミックの総集編で1話読んでむちゃくちゃ面白くて買ったは良いが、掲載された1話だけすごくて他のはそうでもなかった印象 第一話の「一打落涙」が総集編に掲載されたのだが人によってはこれで終わりって思うだろうが俺にとっては傑作回
ルポしてきたことを、面白おかしく書く(描く)ということは非常に難しいです。私も昔は取材記者をしていましたからわかりますが、まずそうそう良いネタには出くわさない。そこをうまく書くのが至難の業。…なのに、このルポ漫画は、一話あたりたった数ページでどうしてここまで面白く描けるかな。おそらく、もんじゅに行っても、事故で怒られ過ぎた係員が訳のわからないことを呪文のように繰り返したり、大学の人がセシウムを素手でさわらせる、なんてことはないはず。この場の雰囲気でこれをやったらヤバイだとか、この人がとんでもない行動にでるととてつもなくヘン、といったことを違和感なく漫画にしていて、そんな訳ねーだろと思っても勢いでついつい読んでしまう。この著者はやっぱり踏んで来た修羅場の数と持って生まれた感性が我ら凡人とは違いますよ。こんな表現力が昔の私にあったらな。エンターテインメントというのはこういうことなんだな、と今さらながら感心してしまいます。ってギャグ漫画を読んで思うことでもないかな。
サラリーマン漫画と言えば、圧倒的なカリスマ性をもつ主人公がライバルを蹴落としていく、明日の活力となる出世物語や、平凡な主人公が地道に頑張る姿を描く癒し系ドラマが王道でしょう。しかしながら、これらの漫画は人の善なる部分を理想化したもの。他人の不幸を喜び笑って、自分には関係ないと安心する、という真逆の面も人間にはあって、それをうまく漫画にしたのがこの作品。著者は1巻のあとがきで、「喪黒福造によって虚構のガードをとりさることができた人たちはかえってホッとしているかも」と書いてますが、一理あるとしてもそれは自分じゃないからそう思えるのであって。大体の被害者は喪黒がつくったきっかけにのり、「二度と会ったらいけませんよ」とか「人に自慢したらダメですよ」という忠告を聞かずに破滅してしまうので、捉え方はさまざまでしょうが、私などはむしろヤバイことは一回でやめよう、というストッパーになります。そしてこいつらダメだなあと、ハハハと笑って上から目線の自信を得る。まあ、漫画を読んでこんな形でストレスを発散するのなら罪はないでしょう。
森恒二が好きなのでとりあえず読んだ。 …コミックスの帯には自殺島の前日譚となってるけど…どうなんだろう?よくわからないな。始まりからキャラクターまで、既視感ありすぎて今何を読んでるのかわからなくなってきた。特にこの主人公はいろんな漫画に登場してる気がしてるぞ…
盗みをしながらやっとの思いで生活している孤児の少女・ニナが、ある日突然王国の姫の身代わりとして生きることになり…という壮大な物語がBELOVEでスタート! 美しい瑠璃色の瞳を持つニナは、人買いから逃れるために女であることを隠して生きてきた。そこでいきなり王女になってガルガダという国に嫁ぎ、別人であることを隠し通せと言われても…。な第一話。 ある日突然孤児から王女に生まれ変わらざるを得なくなった、ひとりの少女の運命やいかに…!
小さいおばさん(おじさん?)に見えなくもない一匹の犬が、ペットに縁がない王島家へやってきた。 最初は飼うのではなく預かるつもりだったものの、あっという間に正式な一家の一員になり“こずえ”(母命名)といういい名前をもらう。 実はこずえ、脱走して高台から海を見渡したり、相手によって振る舞いを変えたり(母には絶対逆らわない)、うんちを坂の上から転がしたいがためにわざわざ数日間我慢して硬いコロコロうんちをするような、天才犬でした。 いわゆる犬の愛らしさは殆どないけど、人生何回目?的な落ち着きがある。 そんな雰囲気が王島家にぴったりだと思う。
きょう10月1日はコーヒーの日ということで思い出した作品。主人公の香樹はコーヒーに並々ならぬ想いを持っていて、中学生の頃からコーヒーをイタリア風に「カッフェ」と呼んでいたほど。 https://res.cloudinary.com/hstqcxa7w/image/fetch/c_fit,dpr_2.0,f_auto,fl_lossy,h_365,q_80,w_255/https://manba-storage-production.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/book/regular_thumbnail/144679/63981935-64e7-4f2e-b842-fc7065f68baf.jpg 最初は本場イタリアで働いていた香樹が日本のカフェで働くことになるのですが、雑用メインの見習いから上り詰めていきバリスタの大会に出たり、新店舗の参考に京都でお茶や焙煎について勉強したり、とある事件を受けて仕事もコーヒーもやめて知らない町の場末のスナックで働いたり…。 **マンガらしくドラマチックなストーリーではあるけれど、コーヒーの文化や知識は本物が描かれ決して非現実的ではないところが魅力的。**主人公が前向きで爽やかで熱い性格なので、読んでいてすごく安心できるし気持ちがいいです。 バリスタという職業・コーヒー・コーヒー文化を具体的に知るのにもってこいの1冊です…!! https://piccoma.com/web/product/6706?etype=episode https://www.bookbang.jp/article/531741
原型と別人の顔に仕上がる顔面マスク。呪われた企画の再映画化。その監督の過去に関わる悲恋…。ホラー映画になりそうな話だな、と思ったら、もうされていたんですね。で、あとがきを読んで知りましたが、作者本人も特殊メイクの仕事をかつてしていたとか。どうりで出てくる小道具の種類や監督のしぐさなどが本物っぽいわけです。私は学生時代に自主映画を撮っていたこともあり、勝手に映画にした場合の配役やらロケ地を考えつつ読んで、ずいぶん妄想をかきたてられてしまいました。絵も達者なだけに最後には漫画が絵コンテに見えてしまう始末。顔模型が手前に奥に主人公がいて、構図そのままで手前にピントが移動したときに口元がニイィとなる、なんて、”そうそう”とうなずいてしまいましたもん。そんな部分で感情移入ができ、登場人物も動いて見える映画的な作品だと思います。映画版も見られたら見てみようと思うのですが、配役のイメージが違うので別の意味でコワイなあ…。