ぬいパパ 成人男子がぬいぐるみのパパになる話

「ぬい活」という文化を知る #1巻応援

ぬいパパ 成人男子がぬいぐるみのパパになる話 灯乃モト
nyae
nyae

異世界の王子が日本のぬいぐるみ文化に感銘を受け、"ぬい"として転生するところから物語が始まります。そしてぬいとなった王子と運命的に出会った青年・国丸とのほんのりBL風味な微笑ましいドタバタライフがストーリーのメインですが、何も知らなかった私には今は当たり前に存在している「ぬい活」という文化について知れたことが何より大きかったです。 世の中には人の心の隙間を埋めてくれたり、無償の愛を注げるような存在は無数にあると思いますが、そのうちのひとつ、「ぬい」を愛でる文化はこんなにも大規模なものだったんですね。#ぬい撮り、#ぬい服 などをSNSでタグ検索すると、大事に愛されている子達が出てくる出てくる。 読んでいたなかでも衝撃的だったのは、購入したぬいを「うちの子としてお迎え」する儀式。いわゆるもともと商品に付いてるタグを、もし経済的に困ったときに高値で売れるよう付けたままにしておくんだそう。そして正式にうちの子にすると決まった際に初めてタグを外すという(もしかしたら漫画オリジナルの演出かもしれないけど、実際にありそうだなと思った)。 と、そうした知られざる「ぬい」の世界を知ることができた1巻でしたが、キスして人間になったりぬいに戻ったりする王子と恋愛経験なしのオタク青年・国丸の関係に大きな変化が生まれる(かもしれない)2巻、期待大です。

アンリの靴

2巻も期待の靴職人マンガ

アンリの靴 かわもとまい
なかやま
なかやま

自分は「衣食住」でぶっちゃけ「衣」にしか興味が無い人間です。 それ故に「衣」をテーマにした作品は大好きなジャンルです。 この作品は若い靴職人のアンリが依頼人に寄り添い、その人に適した靴をオーダメイドで提供する、オーソドックスな職人マンガのフォーマットではあります。 ただ、妙なところがリアルで良いです。 1話で子供の靴を(結果的に)飴玉一つで修理してあげるのですが、結果的に「お金なくて苦しい・・・」それがわりと慢性的に続いているのも、ご都合主義じゃなく良い 第4話の『革屋さんにいこう!』ではガッツリ革について教えてくれていて面白い 1巻では「あと、もう一足ぐらい作ってほしかったな・・・(ちょっと消化不良)」と思っていたのですが、巻末に2巻の予告がついていました 「いやー、これ絶対おもしろくなるヤツ!」 先に描いたとおりアンリは人に寄り添う職人、2巻で出てくるおじいちゃんは技術を極める職人っぽい! どんなテーマの作品でもこのぶつかり合いは化学反応をおこし、この作品読み応えをもう一段階引き上げてくれることでしょう! つまり 「2巻はよ・・・えっ!?ハルタを購読すればいい・・・確かに・・・!」 楽しみなのです

じょしまん。

これはnice yuri. #1巻応援

じょしまん。 吉田丸悠
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

前の方のクチコミでこの作品が「百合」かどうか断定されてなかったのですが、1巻最後まで読んでみたら、とても良い百合でした。 1話では、接点の無かったギャルと地味メガネ、二人のJKが漫画の師弟関係となり、更には苗字呼び捨ての友人関係へと進みます。私はここまでで、この作品は「女性同士の尊い関係性物語=百合」になると信じて購入(勿論恋愛関係になるとは限らないので、かなり距離の近い親友=ロマンシスの可能性も高い)。 少女漫画家志望のギャルは、エロ漫画家である地味メガネのアシスタントをしながら、ネームのダメ出しをされる日々。創作に本気になればなるほど、互いを認めてゆき、心許す。いいですねエモいですねぇ……。 そしてラストのアレですよ。 もうこの物語、漫画家物語としても百合物語としても、尊いものになる予感しかないわけです。 漫画を「好き」という気持ち、プロの拘りと本気で取り組む事、真剣な創作現場と同志への思い……百合漫画としてでなくても、熱いものが充満しているこの作品、1巻にして至高。 それにしても、恋と性に踏み込めない二人がぶつかり合ったら……やっぱりそれは、百合なんでなかろうか?

爆宴

「男版CLAMP」な世界を渡る壮大なバトルファンタジー!

爆宴 イダタツヒコ 士貴智志
ななし
ななし

「爆宴」という簡潔ながらパワーのあるタイトルがデカデカと力強い書体で描かれ、ドラゴンと上半身裸の男が燃え盛る炎を背負っている…。こんなん絶対自分が好きなやつじゃんと直感でジャケ買いしたら、想像以上に骨太で壮大なバトルファンタジーだった。 とにかく1話がクソかっこいい…! 崩壊する世界をただ1人眺めていた少女の前に、「親方! 空から男の子が!!」っていう感じで青年が現れる…というのがもうバチボコにエモい!!! https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156763047457 どうやら青年は他の世界からやってきたようで、いくつもの世界を渡っているらしく、主人公・晶は「公孫勝」という人物からかかってきた電話の指示を頼りに新たな世界へと飛ぶ。 自分は水滸伝知らなかったので、晶が言及するまでこの漫画が水滸伝を下敷きにしてるんだと全く気付かなかった。 作品のノリが「男版CLAMP」とでもいうか、なんというか90年代のファンタジーって感じがしてとにかく最高。 実際のところ、2巻まで読んでストーリー自体がすごく面白いとか、キャラがめっちゃ立ってる漫画というわけじゃない。 なんというかこの物語の世界観、「設定そのもの」がアラサーにぶっ刺さってくる。 そして絵が無茶苦茶うまくて、全部が見せ場というかどこを切り取ってもバチクソかっこいい。 自分の心の厨ニがワクワクする素晴らしい作品なので、ひとまず1話読んで格好良さを味わってほしい。

朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート

子持ちの方もそうでない方も、男性は読んで損はない

朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート 車谷晴子
六文銭
六文銭

一番罪なのは無意識なんだなぁと思いました。 悪気はないけど、思いやる想像力もない、結果、無意識に傷つけてしまうんだと。 この話は、まさにそうでした。 話の内容としては、子供を産んだ直後、妻に別れをつげられるところからスタートして、気がつくと妊娠中の時までタイムスリップ&妻になってしまうという流れ。 主人公が妻になっているだけであって、妻と入れ替わっているわけではないのがポイント。 妻になった自分が、旦那である自分と相対する感じです。 そこで、過去に自分がやってきたことが如何にひどいかを再認識していきます。 思いやりがあって、優しいと自覚していたが、実際は迷惑でしかないし、優しさのおしつけだったりして、自分の行動にキレています。 ただ、それが結構、普通というか、あり得る感じのことなんですよね。 やっている側は無意識でも、やられるとわかるというのが業が深いです。 何気なく言ってしまう一言とか、自分にもあったなぁと読みながら反省してしまいました。 妊娠というのは男が想像する以上に大変なことなので、そういったこともありのまま描いている本作は読むべきだなと思います。 最終的に、やり直しできるのかな?

きつねとたぬきといいなずけ

ユーモア?ラブ?コメディ?だけでは無い?2020年注目作

きつねとたぬきといいなずけ トキワセイイチ
なかやま
なかやま

2020年6月に連載がはじまった作品 子供の頃に高尾山で親キツネと親タヌキを助けた主人公 田中 その恩返しとして、子ぎつねと子だぬきがいいなずけとして会いに来ることから始まる物語 とにかく、きつねとたぬきが愛らしい!カワイイ!ほっこりする!モフモフしてそう! と読むと癒やし効果がきっとある! 男性向け女性向け関係なく、誰にでもオススメ出来る作品です。 「じゃあ、カワイイだけの作品なの?」と言うと 違います!子ぎつねたちが自分たちが知らなかった世界に飛び出していく『広がり』と主人公 田中くんの止まっていた心が『動き出す』、三人四脚な成長の物語であると私は思っています。 それは無料公開されている一話の見開きのキャッチコピー 「一人と二匹、運命の交差する先はーーー。」 でも、暗に示されていると思います。 運命×交差 のキャッチコピーでカワイイだけで終わるわけがないです! 特に私が注目しているのは、きつねちゃんの台詞回し 独特な喋り方だけど、何処か詩的で美しい 『わあ・・・なんてキレイなんだろ、もっともっと早くに、こうしておけばよかったんだよ』 人では無いキャラクターであり、且つ子供、初めて人間の世界に出ていく緊張感があるはずで、作者 トキワセイイチ先生も結構こだわってセリフ作りをしているのでは?と考えます。 まだまだ話は動き出し! 単行本1巻が2月に出るので、今が読みどきです!