せんたいだいしっかく
戦隊大失格
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あらすじ

人類の守護者・竜神戦隊ドラゴンキーパーVS.世界征服を企む悪の軍団・怪人。彼らは互いの存亡を懸け、死闘を繰り広げ続けている!!……というのは、やらせの茶番劇。他の星から侵略してきた怪人達は、わずか1年で屈服。民衆の前で敗北を演じ続ける道化と化していた!悪者にすらなれず、隷従させられ続ける日々。そんな状況を覆すべく、一人の怪人が最強の大戦隊を相手に反旗を翻す!

戦隊ヒーローが裏で握ってるかもしれない

戦隊モノに限らずヒーローものは必ず敵がいて、それらが悪巧みするのを防ぐことで被害者を助け、世界を守るのがヒーローだと思う。 だが、実はヒーローが裏で敵と結託していて、あらすじが最初から出来ていたら? 悪者成敗の実態は産業として成り立っていると知ったら、そんな戦隊ヒーロー(実質国防軍?)は正しいのだろうか。 そして悪役は何故黙っているのか、何故悪役は悪になったのか。 などなど、本作では悪役を演じている彼らは一度侵略に失敗して敗れ、その後その罪を問われて結果としてヒーローに支配された関係が出来ていた。 日々の暮らしがある意味担保になっているとはいえ、これでいいのか?と考える悪役が出てくるのは当然のことだが、力で押さえつけられている現状を打破できないのも事実。 じゃぁどうするんだ!というのが本作の面白いところ。 そしてコレはヒーローが実は裏で握ってるあくどい感じのやつらでしたー!で終わるような浅い話でもなかった。 まだ読み途中ですが、1人1人の裏の話や、素顔の見えないヒーローの新陳代謝なども含め非常に濃ゆい物語になってますねー 作者が春場ねぎ先生ということで、『五等分の花嫁』の後にこんなプロパガンダ的な戦隊モノを生み出しているのも面白いです。

さいろく
さいろく
島さん
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あらすじ

ベテランのコンビニ深夜アルバイト・島さん。ちょっと頼りないけどちょっと頼りになる、ちょっとわけありのおじいさん。そんな島さんと、いろんな人たちとのふれあいを描く、読むと元気になるコンビニヒューマンドラマ。道を踏み外して転んでも、何度だって立ち上がれる―― そういう世界でありますように。

きちじょうじしょうねんかげき
吉祥寺少年歌劇
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あらすじ

元宝塚歌劇団・雪組トップ娘役真彩希帆様 推薦!!「この作品は何てリアルなのでしょう!!主人公・瑞穂、彼の言葉一つ一つに大きく頷く自分がいました。」僕が娘役として舞台に立つ理由、それは君だったのです。吉祥寺少年歌劇は「男子のみ」で構成される伝統の歌劇団。入団へは、付属の音楽学校への入学が必須である。81期生の進藤瑞穂は、男役に憧れて入学したのに娘役と判定されてショックを隠せずにいた。首席候補の白井寿に、娘役への不満をこぼすと、 「じゃあ早くやめろ」と冷たく言い放たれてしまい…。 2人はまだ知らない。その出会いは、互いを舞台の上へ導く運命だったのだと……ーー!自らの理想と、思い通りにならない現実の間で、少年達は己のすべてを懸けて夢の舞台を目指す。舞台芸術を愛するすべての人に捧ぐ青春輪舞曲!

傷付け合いながら成長していく少年歌劇団の妙 #1巻応援

『マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~』が最高すぎて全幅の信頼を寄せていた町田粥さんの新作は想像以上に素晴らしかったので全世界に推していきたいです。 宝塚歌劇団は言うまでもなく女性だけで構成された歌劇団ですが、この物語の吉祥寺少年歌劇団は男性だけの歌劇団です。「娘役」なども男性がすべて伝統的にこなしている世界です。 主人公の格好いい男性に憧れていたにも関わらず、生来の背の小ささなどもあり娘役に認定されてしまった少年・瑞穂。彼とは逆に、娘役に憧れながら背が高すぎてなれない少年や、自分の希望に反した家庭の事情がある少年など、思春期らしい悩みを抱えた少年たちが集団生活をしながら、仲間でありライバルでもある人間関係の中で鎬を削り、時に傷を負いながらも成長していく。そして、やがてはひとつの歌劇を大成させていく……。往年の少女漫画の「寄宿舎もの」を彷彿とさせる良さみも深く堪りません。 1話目最後のモノローグが 「僕らは出会い  そうしてすぐに傷つけあった  それが始まり」 ですよ? 最高じゃないですか? そして、それら素晴らしいドラマを町田粥さんの美しい絵が彩り更に言葉の要らない説得力を以って紙面からオーラをぶつけてきます。 もっと長く見ていたかったという思いもありますが、この物語は1巻で完結します。しかし、この上なく濃縮された上質なドラマを味わうことができ、満足感はお墨付きです。 町田粥さんのマンガから摂れる栄養を今後もずっと摂らせていただきたいです。 『かげきしょうじょ!』のアニメ化で歌劇の世界に興味を持っている方も多いタイミングだと思うので、そういった方にももちろんですが、そうでない方にも広くお薦めしたいです。

兎来栄寿
兎来栄寿
わたしのむすこがいせかいてんせいしたっぽいふるばーじょん
私の息子が異世界転生したっぽい フルver.
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息子を失った母と同級生、喪失と愛情の物語「異世界に行った息子と会う方法を教えてほしい」 17年ぶりに再会した同級生からの依頼でオタク陰キャな会社員・堂原の非日常な日々が始まった! 最愛の子を失くすということ。この世界で最も大きな喪失感と向き合う物語。【ご推薦の声!】「美央の探求心と行動力を、私は現実逃避だとは思いません。かけがえのない大切な人を喪った時、もう二度と会えないかもしれないけれどきっとどこかで生きていると考えるのは自然なことではないでしょうか。美央が大我への思いを健やかに手放し、堂原が自分自身を取り戻すまで、じっくり時間をかけて欲しい。もっと二人の物語の続きが見たいです」ジェーン・スー(コラムニスト)「異世界モノの意味、考えたことある? 異世界モノが単に空虚なものであったら、世界中になぜこんなにも広がっているのでしょうか。息子を亡くす、というこの世で最大の不幸に見舞われた母がライトノベルにその意味を見出そうとする。この母の前に登場するのが慎ましく生きる一人のオタク。オタクは、人を救うことができる聖職者なのかもしれません」 吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)

ありそうでなかった「異世界転生」の新しい切り口

ストレートに言って凄く好きです。 『私の神様』のコメントでも記載したのですが、私かねてから異世界転生モノは「別れの話」だと思っていたんです。 ※以下引用です https://manba.co.jp/topics/21259 === ループものは、繰り返しの終わりを 異世界からきたものは、自分の世界にどうやって戻るかを こんな感じで、最後に必ず別れを描く必要がある。 === そしたら、まさかここまでストレートな作品がでてくるとは! タイトルとあらすじから、うわーーーーっと震えながら読みました。 さてその内容ですが、 息子が交通事故にあい、息子が好きだったラノベを読み耽るうちに転生したのでは?と考えるようになって、かつての同級生でオタクな主人公・堂原の元にやってきた母・美央。 堂原はラノベに詳しいこともあり、二人で、転生する方法ないしは息子を転生先から連れ戻す方法を探す、という流れ。 正直、もうこの時点でちょっと悲しい。 交通事故で異世界に転生とかそんなわけないだろ と そう思いたくなる気持ちもわからんでもない と、その狭間で揺れます。 突然すぎる理不尽な死は、簡単には受け入れられないですよね。 子供の死ならなおのこと。 そして、久しぶりの再会で、転生方法を探しながら会話を重ねていくうちに少しづつ明らかになる美央の内情。 高校時代の美央は、オタクな主人公とは真逆で、陽キャというかギャルというか、クラスの中心的な存在にみえていた。 が、実際は家庭環境には恵まれていなくて、両親は息子の葬式にも出なかったという。 高校卒業と同時くらいに息子を産み、そこからの人生のほうが楽しかったとつぶやいた姿は、良き母であり、息子がいかに大事だったかを物語っています。 両親に恵まれなかったゆえに、自分の家庭、特に子供には愛情を注いだことがよくわかります。 こういうのがサラっと随所に出てくるので、いっそう胸が締め付けられるんですね。 主人公も、転生なんてあるわけないと一線引きながらも、憐憫・同情からなのか、しっかり付き合うのはいいヤツそのものです。 (主人公以外の、美央の周囲の人間は相手にもしなかったのに。まぁ、普通はそうなんでしょうけど) できることなら納得のいく形で悲しみを処理できて、次にすすむ力になって欲しいと強く思います。 徐々に、美央の旦那や周囲の人間動きだして、二人の関係になんらかの変化が起きそうです。特に2巻の最後が、気になる終わり方をしているので続きが気になって仕方ないです! 異世界転生ものは冒頭でよく死にますが、本作は「残された側」の話。 転生先でチートで無双したりして、元の世界の冴えない自分の溜飲を下げる形で救いになってましたが、こういう、ある種「人の死を受け入れる」形でも救いになるんだなと表現の幅に感服しました。 こんな異世界ものもいかがでしょうか?

六文銭
六文銭
されたがわのぶるー
サレタガワのブルー
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あらすじ

【フルカラー!】イケメンで家事も完璧にこなす、デザイナーの田川暢(たがわ のぶる)。溺愛する年上の奥さん・藍子のため、日々パーフェクト夫として甲斐甲斐しく尽くしていた。幸せな結婚生活が続くと思っていた矢先、藍子に他の男の影がちらついて……!? サレタ側の葛藤と痛みをリアルに描く、読めば必ず“不倫したくなくなる”フルカラー漫画第1巻。

戦車椅子-TANK CHAIR-
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あらすじ

妹を銃弾から守ったことで意識戻らぬ身となってしまった最強の殺し屋・平良凪(タイラナギ)。彼は“殺意”を向けられると、わずかな時間だけ意識が戻る特殊体質の持ち主だった。完全覚醒を果たすため、今日も凪(ナギ)は改造車椅子で強敵達との“リハビリ”を始める――!

気持ち良すぎるアクションと、秀逸な制約と、兄妹の絆と #1巻応援

やしろ学さんの名前を知っている人は少なくても、「叢鋼-ムラハガネ-」や「夏と神輿と巨大怪獣」といった作品を覚えている方は結構いるかもしれません。 「叢鋼-ムラハガネ-」を読んだ時は圧倒的な画力に驚嘆し、すぐにでも連載が始まるかと思っていました。 その数年後、横田卓馬さんとの共作である「夏と神輿と巨大怪獣」が登場した時も「あのやしろ学さんが!」となりましたが、その後暫く音沙汰がなかったので何をされているんだろう、と思いながら10年近くが経ち、遂に遂に個人連載作品である『戦車椅子-TANK CHAIR-』が登場!  どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ 俺達は君を待っていたッッッ やしろ学の登場だ――――――――ッ と叫びたくなる気分です。 最初はApple Books限定で知る人ぞ知る作品となっていましたが、マガポケでの掲載を経て、本日遂に単行本が発売となりました。 そして、肝心の内容ですがこれがまた最高なんですよ! まず問答無用で絵が良いです。画力はますます磨きが掛かっており、特にアクション描写は疾走感全開。魅せる構図も演出も豊富。ページを捲るたび脳から色々なものがドッパドパに溢れてきて気持ちいい! タイトルにある「戦闘椅子」のデザインもクールで、ロマンの塊。キャラクターについても、カッコいいキャラやかわいいキャラ、味のあるキャラが盛り沢山です。おまけページの騰子かわいい。 そしてまた、ストーリーの根幹となる設定が非常に面白いです。 「殺意を向けられている時だけ意識を取り戻す」兄のため、妹は最高の殺意を向けてくれる相手を探し求め続ける。 バトルマンガにおいて重要な主人公の弱点として斬新さもありながら、面白い駆け引きを生む制約としても秀逸です。 そしてまた敵を倒した後、束の間だけ取れる兄妹のコミュニケーションが良いんですよね。ここにも設定の妙が強く生きています。ダークさもありながら、根底にあるのが兄妹の絆であることで感情移入がしやすい作りになっているのも巧いところ。 バトルアクション好きの方も、そうでない方もまずは1話だけでも読んでみてください。言葉でなく心で「理解」ります。

兎来栄寿
兎来栄寿
あいのいでんしぶるーえいじ
AIの遺電子 Blue Age
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あらすじ

2175年、ヒューマノイドも治す研修医・須堂光は、AIを診て、ヒトを見る。子供を授かり喜ぶ母親、電脳ウイルスに感染されたとされる少年、医療用ユニットに入り生き長らえるAIを嫌う頑固な老人…。様々な患者と向き合う至極のストーリー5篇を収録。

THIS ONE SUMMER
1巻を試し読み
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あらすじ

夏休み。母親がもうひとり子どもを望んでいたことに、ローズは気づいている。それで両親がぎくしゃくしていることにも。友だちが子どもっぽく見える時があるし、雑貨店で働くダンクがなんだか気になって――。湖岸の別荘地で過ごす、夏のできごと。思春期の入り口でゆれる心に寄り添う、傑作グラフィック・ノベル。 大人の世界へと足を踏み出す特別な季節。その苦しさと、今だけのきらめきをすくい上げた、YAグラフィック・ノベルの傑作。

特別じゃない日
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あらすじ

老夫婦、女子高生、主婦、男子小学生、バイト青年、子ねこ…ふとしたきっかけでつながっていく小さな街の小さな幸せ。SNSで人気沸騰の話題作を連作短編化して全ページ加筆修正!どのエピソードも、やさしくて、せつなくて、いとおしい。特別じゃない日、なんでもないはずの日に起きる無数のきらめきが、ここにすくいとられていました。――宮下奈都(作家)推薦文より

特別でないからこそ大事なもの

この単行本を家に置いておいたら、家族が「この方!!個人サイトの頃から十数年追ってた!!!!」というガチのファンであることが発覚しました。何でも、お気に入りの絵をプリントアウトしたものをずっと大事に携行していたそうです。Twitterで時折上げてらっしゃるのでそちらをご覧いただければと思いますが、水彩画がとにかく言葉を絶する上手さです。 しかし、昔はどちらかというと一枚絵中心だったので、近年マンガも描いてくださるようになったのはマンガ好きとしては大変に喜ばしいことです。 絵が上手いのはもちろんのことなのですが、オリジナルのお話もとんでもなく上質。これまではコミカライズが主でしたが、お話作りまでハイレベルとは神は二物を与えるのか……いえ、ご本人のたゆまぬ努力の賜物なのでしょうね。 本作はとある家族の何の変哲もないそれぞれの日常を描いた作品ですが、読んでいて本当にあたたかく幸せな気持ちに包まれます。 ひとつひとつのできごとは自分の日常で起きたとしてもあまり気にも留めないであろうことの積み重ねです。些細な喜び、些細な驚き、些細な幸せ…………。 しかし、それを俯瞰して見た時にそれがどんなに尊いことか、と噛み締めることができます。人生の最後に走馬灯のように回想した時には同じように感じられるかもしれません。 これを読んで、更に美しい水彩画の数々を見たら稲空穂さんのファンにならざるを得ません。これからも稲空穂さんの手から沢山生み出されていくであろう素晴らしい世界が楽しみです。

兎来栄寿
兎来栄寿
さんさん録
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妻に先立たれた男、参平に遺された一冊のノート。それは妻・おつうが記した生活レシピ満載の『奥田家の記録』だった。主夫として第二の人生をスタートさせた、さんさんの未来は少しおっちょこちょいで賑やか。『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』のこうの史代が描く、残された者たちのコミカルでほのぼのとした毎日。

春のような気持ちになれる本

春のような気持ちになれる本は、冬に読むものである。春になったらあんなことをしよう、こんなんことをしようと読みつつ考えている間に、いつのまにか春になってしまい、そうなるとすっかり何を考えていたのか忘れてしまう(そして、なにもしない)。 今年は珍しく、冬の間に読んでいた『さんさん録』のことを春になっても覚えていた。大体、なぜ冬に『さんさん録』を読んだのかと言えば、“だるい”“寒い”“何もしたくない”と、心身ともに省エネ(だから体重は増える)になってしまった自分を少しでも前向きな気持ちにしたかったからだ。『さんさん録』には憧れの春が描かれているのだ。 『さんさん録』の主人公・奥田参平は爺とよばれる年代の男だ。長年連れ添った妻が突然亡くなり、何もする気がなくなっていたところを息子夫婦に呼ばれ、彼らと同居することになる。 勝手のわからない家で、まだ少しだけ距離のある息子夫婦と一緒で、長い一日を持て余してしまっている参平は、亡き妻・鶴子=おつうが書いた家族の記録ノートを見つける。生活の知恵から料理のレシピ、それに家族のあれこれが書かれたノートの中には、参平が気付かなかったおつうと、家族たちがいることに参平は気づく。そして参平は、ノートに書かれたおつうと二人で、少しずつ歩んでいくのだ。 ノートに書かれたとおりに、ボタン付をし、肉じゃがやおかゆを作っていると、おつうがどんな気持ちで家族といたのかを、参平は考え始める。自分が気づいていなかったおつうの姿を参平は改めて知っていく。それは、もっとゆっくりとするはずだったふたりのお別れを、参平はひとりでしていくということだ。 そして、四季の移り変わりをみながら、少し変わった孫の乃菜の成長をみながら、参平はゆっくりと自分が変わっていくことに気づき、やがておつうのノートからも離れ、新しい人生を歩んでいく。 『さんさん録』は、とてもゆったりとした時間の流れる物語だ。大きな出来事もないけれど、日常モノと呼ばれる作品のように、楽しい時間で止まってしまっているわけでもない。少しずつだけど前に進む。 長い冬を越え、自分を変える春を迎えるのに必要なのは、熱く燃えるようななにかではなく、優しい思い出と和やかな日常だということを『さんさん録』は教えてくれる。だから私の冬には『さんさん録』は不可欠なのだ。

名無し
ひめちゃんは重い女
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あらすじ

pixivで500万PV越え!SNSでも話題の本作が遂に単行本化!大学生の姫乃は女が好きな女の子。世界一素敵な彼女・夜のことが好きすぎるあまり、幸せだけど、今日も不安で心配な日々を過ごす…SNSでも共感の声続出!な、ひめちゃんの毎日をお楽しみください!

面倒な人に優しい作品 #1巻応援

『お父さんは心配性』なんて作品もありましたが、心配性・考え過ぎ・嫉妬深い人はマンガにおいては極端なコメディにされるかライバルとして冷遇されるか……あまり自分事として受け入れられない。 なんで?みんなだって、メンドクサイ人でしょ?(暴論) ★★★★★ 大学生のひめちゃんは、思考が後ろ向きで、嫉妬深い。カッコいい彼女がいて幸せそうなのに、とにかく悪い事ばかり考えて落ち込んでいる。 ひめちゃんを不安にさせない様、気遣いの出来る彼女はパーフェクト。でもだからといって、ひめちゃんが不安にならないという事は無いんだよなぁ……不安の種を見つけては堕ちて行く思考回路は同じ「重い」人間として、とても分かる。 そんなひめちゃんを普段から支えるのは、ゲイの後輩。彼とひめちゃんの対話が、とにかく面白い。 どちらかが、普通は引かれるような不安や嫉妬を吐露すると、「わかるわー」と返ってくる。その遣り取りを見ていると、「それ重いって」と突っ込む自分がどれだけ一般論に迎合していたかに気付く。そして二人の「重さ」が自分事として、沁みるように理解出来る。 基本百合マンガでありながら、不安症の二人の相互理解にも心を持っていかれる。最高な彼女がいるひめちゃんには、酷い男に引っ掛かり続ける後輩に優しくしてあげてよ……と思いました。

あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
むそうのまち
夢想のまち
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あらすじ

「雲ヶ浦」という海の見える街に、一人の少女・楠まよわが引っ越してきた。そこで出会うのは、あたたかい下宿先、あやしい瓜二つの別人二人組、閉じこもりがちのやさしい少女と、不器用な青年。まよわがそんな街にやってきた理由とは…?彼女を中心に、不思議な街で綴られる、眩しくて仄暗い日々の記録。