DEATH NOTE カラー版
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このノートに名前を書かれた人間は死ぬ…。死神リュークが人間界に落とした一冊のノート「DEATHNOTE」。ここから、二人の選ばれし者「夜神月」と「L」の壮絶な戦いが始まる!!かつてないスリルとサスペンス!!

しゅがしゅがるーん
シュガシュガルーン
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あらすじ

シュガシュガルーン、ショコルーン、あなたのハートをピックアップ!!前代未聞、新感覚ラブ・ファンタジー・コミック!!小さな魔女、ショコラとバニラが、恋するハートをめぐって大かつやく!かわいい魔女のショコラとバニラが、人間界にやってきた!魔界の女王(クイーン)の座をかけて、恋するハートをめぐる、ラブバトルが、いよいよ始まります。「なかよし」で大人気連載の、話題の魔女ストーリー!!

ピエールお誕生日おめでとう!!【1/27】 #ピエール生誕祭

もうすぐピエールのお誕生日! お祝いページをオープンしたところ、公開するやいなや、続々とピエールへのお祝いメッセージが届いています…!す、すごい数のハートが・・・・・・!!!! <お祝いページ&ケーキのプレゼントはこちら!> http://sugar-rune.com/special/pierre_birthday/ 一部メッセージをご紹介します♥ 「ピエールは、私の初恋の人!気づいたらピエールより年上になっちゃったけど、お誕生日おめでとう!笑」 「ピエールお誕生日おめでとう!!そんな王子様ヘアーが似合うのはピエールくらいだと思います…かっこよすぎ!ショコラと末永くお幸せに♡」 「小学生の時にシュガルンをなかよしで読んでいて大学生になった今でも読んでます!その中でもピエールは私にとって今も昔も変わらず素敵な男の子です!お誕生日おめでとう!」 「オグルでもそうじゃなくても、ピエールはピエール。大好きです。」 「初恋と言っても過言ではありません…ショコラも大好きなので諦めましたが(笑)2人の幸せを願ってます!大好きです♡」 プリンスピエールへの想いをここでも語り合いませんかっっっっ!!! 私は大人になってからシュガルンを再読したときに、次第に心を開いていくピエールの姿にあらためて惚れこみました…ピエールだって14歳の男の子なんですね〜〜〜(昔は完璧無敵な王子だと思ってました!) ↓↓↓↓↓↓ ↓↓↓↓↓↓

まい(シュガルンスタッフ)
やみきんうしじまくん
闇金ウシジマくん
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オモテの金融機関に見捨てられた、哀れなヤツらの人生にトドメを刺す――闇金融の世界に生きるダークヒーロー、ここに誕生!!丑嶋のもとを毎朝9時に訪れる「奴隷くん」と呼ばれる人々。それはパチンコ依存症の主婦たちのことで、丑嶋は彼女らに3万円の現金と引き換えに5万円の借用書にサインさせる。あらかじめ金利・手数料2万円を引いた上、1日3割もの暴利を課しているにも拘わらず、今日も彼の会社には哀れな訪問者が引きも切らない。

ですのーとものくろばん
DEATH NOTE モノクロ版
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このノートに名前を書かれた人間は死ぬ…。死神リュークが人間界に落とした一冊のノート「DEATHNOTE」。ここから、二人の選ばれし者「夜神月」と「L」の壮絶な戦いが始まる!!かつてないスリルとサスペンス!!

シグルイ
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あらすじ

江戸時代初頭、天下の法に反して駿河城内で挙行された真剣御前試合で対峙したのは、片腕の若武者と盲目の天才剣士だった!!残酷無惨時代劇!!

武士道は死に狂いなり

「武士道は死に狂いなり」は“武士道”の代名詞ともいえる「葉隠」に書かれた言葉です。『シグルイ』という作品のタイトルは、もちろん、ここからとられたものです。ストーリーは御前試合で盲目の剣士・伊良子清玄と隻腕の剣士・藤木源之助が対峙するところから始まり、そこから彼らの因縁に遡っていきます。もともろ『シグルイ』は、直木賞作家・南條範夫の『駿河城御前試合』という連作短編集の一編「無明逆流れ」をコミカライズした作品。残酷もののブームを作ったといわれる南條範夫の原作も凄惨ですが『シグルイ』も相当に凄惨です。そこら中で内臓の花が咲きます。「封建社会の完成形は 少数のサディストと多数のマゾヒストによって構成されるのだ」このセリフに表されている通り、登場人物達の多くは、自分の能力の如何に関わらず身分という枠の中でしか動くことができません。枠の中でしか動けない人々は、自身の行動を合理化していく過程でマゾヒストになっていくのです。その結果、主君の常軌を逸した命令でさえ、家臣は顔色一つ変えず、平静な心のままに実行していくのです。主人公の一人・藤木源之助もそのタイプで、自分の範疇から一歩もでることなく、許された唯一つの事――剣術を鬼気迫る勢いで極めていきます。逆に伊良子清玄は、類まれな才能を使って、どこまでも上に向かおうという野心がある、封建社会のはぐれ者です。この二人は互いに互いを殺そうと思っています。ただその殺意がどのようなものであるのか、言葉で言い表すことのできない複雑な感情を『シグルイ』では15巻にわたって描かれていきます。  『覚悟のススメ』や『悟空道』など、山口貴由さんのそれまでの作品はド迫力の絵とその上に大きな文字がバンバンと置かれるという描写が多かったと思います。『シグルイ』でも、初めはそのような目立たせる演出が多いのですが、段々とそのような描写はなくなり、セリフ自体も減っていきます。その結果、より研ぎ澄まされた言葉と静謐な描写は、人々の内面にこもった狂気をこれでもかと醸し出し、作品全体に不穏な空気を漂わせていきます。私が特に好きなシーンは、3巻の終わり「この日 生まれ出でた 怪物は二匹」「いや 三……」というところ。文字だけでみればなんてことはないセリフですが、ここにいたる構成が素晴らしすぎるのです。研ぎ澄まされたこの2つのセリフが、この後どのような意味を持つのか…。続きは是非よんでみてください。

名無し
ひすとりえ
ヒストリエ
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舞台は紀元前。奴隷の身分にありながら、豊かな教養と観察眼、判断力、そしてそれらを駆使して行動を起こす度胸を兼ね備えた、不思議な青年・エウメネスがいた。あの偉大なる哲学者・アリストテレスの逃亡を助けたりしながら、彼が目指していたのは、「故郷」と呼ぶカルディアの街……。のちにアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの、波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作!

最新刊(12巻)収録話

12巻収録話 第98話「心の座・1」 月刊アフタヌーン 2017年6月号 第99話「心の座・2」 月刊アフタヌーン 2017年8月号 第100話「心の座・3」 月刊アフタヌーン 2017年10月号 第101話「心の座・4」 月刊アフタヌーン 2017年12月号 第102話「心の座・5」 月刊アフタヌーン 2018年2月号 第103話「心の座・6」 月刊アフタヌーン 2018年4月号 第104話「引っ越し祝・1」月刊アフタヌーン 2018年6月号 第105話「引っ越し祝・2」月刊アフタヌーン 2018年8月号 ※13巻以降? 第106話「オリュンピアス処分・1」 月刊アフタヌーン 2018年10月号 第107話「オリュンピアス処分・2」 月刊アフタヌーン 2018年12月号 第108話「歪」月刊アフタヌーン 2020年1月号 第109話「思い出の断片」月刊アフタヌーン2020年3月号 第110話「前夜・1」月刊アフタヌーン2020年5月号 第111話「前夜・2」月刊アフタヌーン2020年7月号 第112話「カルディア(心臓)・1」月刊アフタヌーン2020年9月号 第113話「カルディア(心臓)・2」月刊アフタヌーン2020年11月号 第114話「カルディア(心臓)・3」月刊アフタヌーン2021年1月号 第115話「カルディア(心臓)・4」月刊アフタヌーン2021年3月号 第116話「カルディア(心臓)・5」月刊アフタヌーン2021年5月号 第117話「カルディア(心臓)・6」月刊アフタヌーン2021年7月号 第118話「カルディア(心臓)・7」月刊アフタヌーン2021年10月号 第119話「王宮の外・1」月刊アフタヌーン2021年12月号 第120話「王宮の外・2」月刊アフタヌーン2022年2月号 第121話「王宮の外・3」月刊アフタヌーン2022年4月号 第122話「王宮の外・4」月刊アフタヌーン2022年6月号

名無し
銀魂 モノクロ版
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あらすじ

江戸では、突如宙から舞い降りた異人「天人」の台頭と廃刀令により侍が衰退の一途をたどっていた。しかし一人、侍の魂を堅持する男が…。その名は坂田銀時。甘党&無鉄砲なこの男が、腐った江戸を一刀両断…するかも!?

でぃーぐれいまん
D.Gray-man
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AKUMAとは『機械』と『魂』と『悲劇』を材料に造(う)まれる悲しき悪性兵器。そのAKUMAを製造し世界の終焉を目論む「千年伯爵」に対抗するため、神の十字架を左手に持つエクソシスト・アレンの戦いが始まる!!

おおきくふりかぶって
おおきく振りかぶって
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県外の高校に進学した卑屈で弱気なピッチャー・三橋廉(みはし・れん)。見学するだけと訪れたものの強引に入部させられたのは、全員1年生(くせ者揃い)に女監督(コワイ)という創設まもない野球部だった!オレらのエースは暗くて卑屈。勝つために、弱気なエースのために。行け、オレら!読むとためになり、しかも血沸き肉躍り涙する。絶対に面白い本格高校野球漫画!

三橋くんの未来を見たかのような林優樹くん

9月も半ばを過ぎて、いつしか心身に沁みる涼しい風が吹いてくるようになりました。はなしは数ヶ月前にさかのぼり、夏の甲子園の県予選が始まるよりも前。U18侍ジャパンの一次選考合宿の記事に、かの有名な佐々木朗希くんと並んで、U15の選手が間違えて紛れ込んだかのような体格の林優樹くんが写っていたのに心をときめかせたものでした。 彼こそが去年の夏の甲子園の準々決勝で、近江が金足農にツーランスクイズを決められたまさにその時、マウンドにいて泣き崩れていた投手でした。この時バッテリーを組む有馬くん共にまだ2年生。甲子園球場が金農旋風に沸くなか、TV中継で祈るように林くんを応援していたのは、近江の甲子園初戦を偶然みて一目惚れしたからでした。優勝候補にも数えられる智辯和歌山の強力打線を相手に、林くんは小さな身体から「おおきく足を振りあげて」淡々と飄々と投げ込んでアウトを重ねてゆく。そして2回戦の対前橋育英では、2点のビハインドを背負う3回からリリーフして残りの9回までを無失点で切り抜け、近江は9回にサヨナラの一打で勝利。そして3回戦の対常葉大菊川では先発し、8回まで投げて3安打11奪三振の大好投。奪った三振のほとんどは、のちに魔球と言われダルビッシュ選手にも凄いと称賛される右打者の外に大きく逃げながら落ちるチェンジアップでした。球速は130前後ながら、内外高低の制球がすばらしく、とくに右打者の内角をクロスファイアで深くえぐってから外角低めに落とすチェンジアップは芸術的とさえ言いたくなる出来栄えでした。チェンジアップだけではなく、伏線のまっすぐも余程コントロールに自信がなければあれほど内角いっぱいには投げられないし、クロスステップでかなり角度があるからなのか、膝もとに向かってくるまっすぐに打者が驚いて避けていながらもストライクを取られている場面も多々ありました。ほとんど無名のノーマークでありながら蓋を開けてみれば、まだ2年生ながら大会屈指の左腕として取り沙汰されていました。 大会後に色々調べてみると、1年時には秋季近畿大会の準決で黄金世代(根尾・藤原・柿木・横川の4人が高卒ドラフト、ドカベンか!)の大阪桐蔭を相手に先発したり、その後のセンバツでは同じく1年の奥川がいる星稜を相手にも先発していたらしい。その頃から足を高く上げるフォームではあったものの、まだ「おおきく足を振りあげて」というほどではなく、それからひと冬を経て、振りあげた膝を肩にまでぶつける勢いのあるフォームに変化していったらしいのです。 そして女房役の有馬くんは、かなり早い段階からドラフト候補にも名前の挙がっていた、これまた非常にクレバーなタイプの捕手で、インタビューを読んでみると、小学生の頃から父親と野球中継をみては配球について語り合っていたという生え抜きの配球オタクであり、対戦相手の監督からも「試合の状況や展開をみて目まぐるしく配球を変えてくる非常にデータの取りにくい捕手」だと嫌がられていました。本人も「自分は相手の嫌がりそうなところを徹底的に突くタイプの捕手」だと自己分析しています。もう、林くんが三橋くんならば、有馬くんは阿部くんなのかと問い詰めたくなってしまいます。ちなみに林くんのインタビューによるとツーランスクイズを決められたときに投げたのはストレート、有馬くんのサインのスライダーに首を振って投げたそうです。それ以来、首を振ったことを後悔して、有馬くんのサインを信じて投げ抜くことに決めたんだとか。 2年生バッテリーはチームの中心として最上級生になり、秋は滋賀大会優勝で乗りこんだ近畿大会の初戦で同じく左腕エースの林投手が率いる報徳とのダブル林対決にまさかの敗退、センバツ出場を逃します。この日の林くんは自身MAXの136キロを計測しているのだけれど、これがおそらく敗因に繋がっている。夏に吉田輝星のまっすぐを目のまえで目のあたりして以来、まっすぐの球質を上げる特訓に励んだそうで、この日はまさに球の走りがよく絶好調だったとか。ただ阪急ーオリックスの星野伸之(スローカーブが有名の!)がそうだったように球が走っている日は、自分の本来の持ち味を忘れて、まっすぐで押してしまい、かえって打ち込まれることが多かったと言います。 この惜敗からチームは夏の甲子園までいっさいの負けなしで突き進みます。冬明けのシーズン開幕すぐに組んでいた奥川率いる星稜との練習試合では林vs奥川の投手戦で1-1の同点、これを先駆けに春の滋賀大会、近畿大会をそれぞれ優勝で飾り、このままの勢いでマークのかなり厳しいなか、林くんは夏の滋賀大会すべてを無失点で切り抜き2季連続の甲子園に導きます。滋賀大会決勝の光泉戦はほんとうにヒリヒリする投手戦(1-0)で、相手ピッチャーはドラフト候補の吉田くん(また吉田かい!)。9回に林くんはとうとう二死一三塁にまで追い込まれ、打者は去年のトラウマを思い起こさせたいのか二死なのに何故かバントの構えで威嚇する。値千金の1点を完封で守り切った林くんはベンチで号泣、1年間ずっと応援していたわたしも中継をみて泣いてしまった。 夏の甲子園ではバッテリーをみっちり研究してきた東海大相模のアグレッシブベースボールに敗退するものの、林くんは早くから評価の高かった女房役の有馬くんをさしおいてU18侍ジャパンのメンバーに選出される。アメリカの屈強な打者に対しても、コースいっぱいを突いた見逃しや伝家の宝刀チェンジアップで三振を奪っていました。高校野球引退後、有馬くんはインタビューで「林には本当に感謝している、林に出会えて良かった。林のコントロールのおかげで自分は配球というそこだけは誰にも負けない力を発揮することができた。またいつかバッテリーを組みたい」というようなことを言っていました。これはもう、三橋くんと阿部くんに聞かせてあげたいセリフですね。

影絵が趣味
影絵が趣味

目の錯覚という物語から遠く離れて

単行本デビュー作『家族のそれから』いらい、泣虫弱虫な人物を主人公に据えて、そんな人物像をなぞるかのように、奇妙な頼りなさで泳ぐ線画と、それに似合ってどこか芯の一本抜けてしまったように狂いがちのデッサン、こんな造形ではたして人間は直立することが出来るのだろうか、それこそマウンドでおおきく振りかぶり一本足になった途端にでも崩れ落ちてしまいそうな。 ひぐちアサの漫画はすべてこうした絵までを巻き込んだマイナス的な要素からスタートしているように思われる。と、そんなことを改まって書くまでもなく、漫画をはじめとした大体の物語なるものは何か欠如的なものがあるという認識からはじまり、その欠如的な何かを乗り越えるなり克服するなり、そんなような方向性に向かうこと必定である。では三橋くんはどうなのかというと、まず野球的な要素にだけ絞っていえば、初っ端からけっこう凄い能力をもった投手であることが明かされる。九分割のコントロールに、何よりもクセ球の真っ直ぐ。そして、このクセ球の真っ直ぐの原理も早々に説明される。いわく、打者というのは現実にボールを見ているのではなく、ある程度の経験と予測でもってボールの来るであろう位置をはかり、それでバットを振っていると。つまり別の言葉でいえば、打者はストレートという名のあらかじめ刷り込まれた定型の文脈、物語を読んでいるだけで、けっして現実をしかと見ているわけではないと。事実、三橋くんはそんなふうにして中学時代にはダメピー扱いを受けていたのである。中学時代のチームメイトは現実の投手三橋を見ていたのではなく、球の遅いピッチャーという物語を読んでいたにすぎなかったのである。 さて、この物語を読むばかりに現実を見誤ってしまう目の錯覚、これは私たち漫画読者にも当てはまりはしないか。読むという行為は時と場合によっては自分にとって都合のよい解釈にしかならないし、まさしく打者が三橋くんの真っ直ぐを打ち上げてしまうように紋切型の煽情的な物語に目くらましをされていることだって大いにあり得ることだと思う。『おおきく振りかぶって』のひぐちアサはそのことに始めから自覚的だったのではないか。この漫画はある欠如を克服する方向に持っていくという定型の物語を、目の錯覚という現実を介して、いきなり短所から長所に逆転させてしまうことからはじまり、長短でも、高低でも、正負でも、そういったいかにもありそうな物語的な対立を、けっして向かい合わせるのではなく、すべてみんなでいっせいに前を向いていこうする、それに対応する否定的な要素がみられないほどの断固たる肯定的な姿勢で乗り越えていく。その肯定的な姿勢とは、ありそうな物語を読むのではなく、しかと現実を直視しようとする試みに他ならない。三橋はあくまでも弱虫泣虫のままそれでもマウンドに立ち続けるし、田島は背が伸びないなりにそれでも工夫をし続けるし、花井は持前の勝負弱さを抱えながらそれでも強気な気持ちで打席に立ち続ける。マイナスがありプラスがあるなんて図式におさまらない、マイナスもプラスもいっしょになっていっせいに前を向こうとしている。『おおきく振りかぶって』がとても感動的なのは、ある種の物語的な感動から自由になったこの肯定の姿勢、この健気さ、この懸命さに尽きると思う。そして選手たちが正も負もないまぜにいっせいに前を向こうとしているとき、ふしぎと、そんなパワーに勢い押されているのか、狂いがちであったデッサンが芯の通ったもののように見えるのである。

影絵が趣味
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あひるのそら
あひるの空
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車谷 空、15歳。身長は149cmと低めだけど、バスケが大好き! 入学したばかりの高校でもバスケ部に入部しようと張り切るものの、そこにいたのは学校をしきる凶悪な双子とその仲間達!? こんな部で、空はバスケを続けることができるのか? そして、小柄な空が魅せる大きな翼とは!?

昨今のきれいごと主義に一石を投じる刹那的青春ドラマ

 スラムダンク以後のバスケットボール漫画で最高傑作はと聞かれたら、未完ではあるものの多くの人がこの作品を挙げると思います。バスケットボールという競技だけでなく、青春を、人生を、人生で最も濃密で輝きに満ちた三年間をテーマに描き、その意味を50巻以上にわたる長い物語の中で常に問い続け、キャラクターたちは思い悩み抜いた先に彼らの信じた道をひた走っていきます。そしてその道は永遠につづいていくものでは必ずしもなく、明日には終わってしまうかもしれない、という刹那性こそがこの作品の裏のテーマであることは間違いないと思われます。  ちなみに表のテーマは挫折や逆境からの再生みたいな感じでしょうか。低身長で馬鹿にされ活躍の場が得られなかった主人公が、正確無比の3Pシュートを武器に、不良や虚弱体質といった「逆境仲間」とともに下馬評を覆しライバルたちをなぎ倒していく…のがまぁ普通のスポーツ漫画だと思うんですが(そういうカタルシスが無いわけではないですが)挫折や苦悩、恋慕、失恋、嫉妬、確執…などなど、ジ○ンプではとてもとても味わえないようなビター&スパイスたっぷりなところが「あひるの空」の心揺さぶられるところなんですね。  作者があとがきで語っていますが、以前にも何度か映像化のオファーがあったもののそのいずれも「空(主人公)がNBAの舞台に…!」というラストを提案されたそうで、そのたび作者は「あひるの空という作品をわかってもらえていない」と落胆したそうです。  主人公の空を含め九頭竜高校メンバーは多分エースのトビを除いて誰もプロにはならないでしょうし、他校の強敵も進学せずインターハイ敗退=バスケット引退となる選手が少なくないはずです。そこに「キセキの世代」みたいなドリーミングさはなく、全日本に選ばれた流川やそれを追いかける天才もおらず、現実的だからこそ何よりもドラマチックな生々しい青春物語があるだけです。  膝を痛めながら奮闘するエース・トビは、彼の膝の具合を案じた先生にこう言い放ちました。 「自分たちに未来があると思わないでくれ」  これには色々な意味が込められています。無名ながら快進撃を続けるクズ高だが全国を狙えるのは今年しかない(だから怪我を押してでも出場させてくれ)というトビの意図とは別に、物語においても「ここで燃え尽きてもかまわない」というキャプテン・百春の発言や、空の大活躍は成長途中の色々な条件が重なったことによる偶発的なものであるという監督の見解などともリンクしてきます。彼らは「未来」なんてもののために青春をかけているのではないのです。それでも彼らの将来を案じて怪我などから守ることが大人の役目です。クズ高の監督も勝利と生徒の将来との両天秤に悩まされることになります。 「甲子園は暑すぎるので別会場でやるべき」「選手の将来を考えて球数制限をすべき」  というような昨今の風潮に抗うかのように「あひるの空」の登場人物たちはスポコンにのめり込んでいきます。  もちろん高校野球のマネージャーが熱中症で亡くなったりそれを美談仕立てで報じたりする今のスポーツ界の在り方は議論の余地なく「悪い」ですし、スパルタ的練習法の効率性がスポーツ科学の観点から疑問視されているこのご時世ではあるものの、一方で、最大限安全への考慮をした上でという条件つきですがぶったおれるまで足がつるまで灰になるまで走り切った先にしか見られない景色があって、その刹那の輝きが後の人生において掛け替えのない宝になるであろうことを信じて疑わない、ある意味宗教みたいなものかもしれませんが…そういう世界があること自体は否定されるべきではないのではないかなと思うのです。  私事ですが学生時代はバンドに打ち込んでいたので、その刹那の輝き教の信者たる彼らの気持ちはよくわかります。一方でスポーツに青春をかけていた人たちを眩しい目で見ていたというのも事実なので、彼らをやっかんで「高校野球なんて危険だやめちまえ」みたいに言っちゃう人の気持ちもまったくわからないでもないわけです。「あひるの空」はそういう複雑でないまぜの感情をリアルに感じられる稀有な漫画です。多感なあの頃がよみがえる…色んな意味で心のリフレッシュになる作品かもしれません。

mampuku
mampuku
夕凪の街 桜の国
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あらすじ

昭和30年、ヒロシマを舞台に一人の女性の小さな魂が大きく揺れる。最もか弱き市井の人たちにとって戦争とは何だったのか、原爆とは何だったのか。こうの史代が描く渾身の問題作。

ぼくらの
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あらすじ

夏休み、過疎地の村へ“自然学校”にやってきた少年少女15人。1週間が経ったある日、海辺の洞窟へ探検に入った一同は、その奥にコンピューターを持ち込んで住んでいた謎の男・ココペリと出会う。彼は自分が作ったゲームをやらないかと誘い、宇白可奈を除く14人の中学1年生が同意して契約を結ぶ。半信半疑で宿舎に戻った一同だったが、その日の夕刻、大きな物音と共に巨大ロボットが現れて…。