たか
たか
2021/02/15
何もかもメチャクチャで勢いが半端ない
📷
今日の新刊を見てて「!? 表紙にいらすとや使ってるヤベー漫画あるぞ」と思ったら『トリップした先がクリア済み乙女ゲームだったから推しとは絶対付き合える』の人で全部納得した。 読んでみると中身は正直想像を遥かに超えてやりたい放題ですごかった…wwまず設定がすごい。 ・表紙のいらすとやの人は弱小事務所のプロデューサー ・アイドル育成乙女ゲーアプリのキャラたちは実はみんな弱小事務所に所属するイケメンアイドルで、自分自身をLive2D化し撮影したものがゲームに使用されている ・アプリ起動中はユーザを見ることができる ・声優は別で居て声を当てている ・社員が居ないのでアイドルたちがTwitter担当したり、不具合報告に対応している ようはガチャで引かれる側のアイドルたちが自ら乙女ゲー&ガチャゲーの運営をやっているという話なんだけど、そのアイドルたちというのがクセ強すぎキャラ濃すぎのとんでもないやつら。 バグ、詫び石、ルビーばらまき、イベント、改悪アプデ etc…。サービス終了回避のために軽率にいろんなことをしでかすのでしょっちゅう炎上してて笑う。 (乙女ゲーなのにある重課金ユーザに肩入れしてその人の名前を言いまくるアイドルがいたり、男キャラしか出てこない乙女ゲーなのに面白半分に「枕が2つ並んだベッド」をアイテムに追加したり…。超えちゃいけないラインを全力の走り幅跳びで超えていく) 「炎上してて笑う」って書いたけど、思ったよりしっかりアプリゲー運営を描いていてリアリティレベルが高いのに、そこへ想像以上にとんでもない展開をぶっこんでくるから読んでて笑っていいのかちょっと心配になった。 作中ではアプリの運営もメチャクチャだけど、それ以外も色々すごい。 いらすとやに留まらず「戦国IXA」を良アプリゲーの例として出したり、著者のBL作品『だって騙されるほうが悪い』のキャラを登場させたりと、作品と次元の壁をぶっ壊しまくり。 自著のキャラはともかくとして、「戦国IXA」は唐突すぎて新手のマーケティングの一種かと思った。これはマジで何だったんだ…? 面白いかどうかは人によると思うけど…ヤベー漫画だっていうのは満場一致する漫画だった。
たか
たか
2021/02/14
読み終わるのに2時間かかるマジもんのバイブルだった
本編に載ってない事実と描き下ろし漫画が想像の120倍入っててマジでバイブルだった。 「ど〜せ本編しっかり読み込んでるファンは当然知ってることしか載ってない、既存の情報とイラストを〇〇ページに薄めただけのよくあるファンブックなんでしょ〜?」と思って読み始めたらブッたまげた。 普通のファンブックなら読み飛ばしてしまいがちな文章によるキャラのプロフィールデータの中に、ザクザクと新情報が入っててひっくり返ってしまった。九井諒子先生太っ腹すぎる…! ・マイヅルさんの年齢と当主との関係性 ・東方忍者たちの本名 ・イヅツミの生い立ち ・トーデン兄妹が村を出た年齢 ・トーデン家の犬たちの思い出 ・チルチャックの3人の娘たちの詳細 ・ハーフフットの名前の構成 ・ノーム体系とエルフ体系の魔術の違い ・世界地図 ・クロにまつわる衝撃の事実 ・キキとカカがなぜタンスじいちゃんに育てられたか ・ミスルン隊長と兄の話 ・オッタの恋人の趣味 ・リシオンが侵した罪 ・交配で子を成せるハーフ人種について ・シェイプシフターの答え合わせ ・ダルチアンの一族コミカライズ ・トーデン兄妹のパーティー性別逆転IF ・センシの手記 …etc!!! とにかくビックリする情報が多すぎて書ききれないほど。 本編でサラリと匂わせる程度で出てきた情報がじっくり丁寧に解説されている素晴らしい1冊。 こういう緻密で濃厚なワクワクさせてくれるバックグラウンドがダンジョン飯の面白さの理由なんだなと、あらためて感じました。 もし買うか迷ってる人がいたら今すぐ買って間違いないやつなので安心して買ってください。 【追記】 個人的にはマイヅルさんについての掘り下げがヤバかった。大好きなのでトシロー坊ちゃんと同じくらい衝撃を受けたし、お陰様で新しい性癖の扉が開きました。
たか
たか
2021/02/11
Netflixで実写化してくれ!! ドケチ令嬢が小銭を稼ぐハイスクールコメディ! #完結応援
このあいだ新刊ページで見つけたのがこれ。レトロな絵柄でオシャレなデザインの表紙だったので邦キチ映子さんタイプの最近の作品かな?と思いきや、調べてみたらなんと1972年の少女漫画。 >「型破りなヒロイン、アニー・モーガンはカワイイのにケチでガメツイ女の子。モーガン財閥のご令嬢でお金持ちなのだけれど、父から20歳までに1万ドルためられない怠け者には、財産を譲らないと言い渡されていた。将来の遺産相続権を得るため、アニーは日々、小銭を稼ぎつつ、常にビジネスチャンスをうかがうのだった!」 というあらすじがメチャクチャ良かったのでソッコーで買ったのですが、期待通りの面白いコメディでした。 https://i.imgur.com/o6UDV1b.jpg https://i.imgur.com/AHhVyzl.png **【アニーの小銭を稼ぐ執念が半端ない】** 6歳のときから10年間お金をためているというアニーは、現在目標金額の半分である5千ドルまで到達。忍たまのきり丸ばりの商売っ気の強さで、24時間息を吸うように小銭を稼ぎまくっている。 宿題代行業で顧客を獲得するため成績1位を維持したり、イケメン・ラフティが溺れているときに救助用品を売りつけようとしたり(ちなみに5ドルだと藁1本、10ドルなら空気の抜けた浮き袋)と、ラフティから懐中電灯を借りて電気代を浮かそうとしたり、ドケチな商人根性は筋金入り。 あまりのドケチ商売人ぶりに、アニーのことを財閥令嬢だと知らない人も多い。 まったく恋愛要素がないこのお話の中で一応アニーのヒーローポジションというか、イケメン枠で登場するラフティもまた、アニーの正体を知らない。 **【アニーと似て非なる生き方 逆玉狙いのイケメン・ラフティ】** マイアミにあるアイスクリーム屋の息子・ラフティはなかなかスッキリした見た目に成績優秀・スポーツ万能という少年なんだけど、彼が人一倍努力して女の子が好む条件を揃えた理由というのがお金持ちの女の子を捕まえるため。 https://i.imgur.com/F7kfS3w.png 1代で財産を築いた父のように自分の力で1万ドル稼ごうとしている少女・アニーのカウンターが、逆玉のために自分磨きをするイケメンという構造が面白い。 ちなみにアニーはラフティのやり方にあんまり納得はいっていないんだけれど、決してムキになって相手を否定したりせず >「人それぞれやりかたがちがうわ とにかくわたしはわたしのやりかたでお金をためるの」 と、相手を尊重して自分のやり方を貫くところが素敵。 物語の中で、ラフティはことあるごとにアニーに金を巻き上げられる(たまーにやり返すところが面白い)んだけど、2巻の最後の方になってついにアニーが財閥令嬢だと知ってしまう展開がしっかりあるのでお楽しみに。 **【ドケチ・アニーの名セリフ集】** >「ようするに頭はかざりじゃないのよ」 ラフティの父のアイスクリーム屋を勝手に手伝い、全部売ってみせたアニーが言ったセリフ。もちろん、手数料としてしっかり3ドル貰っていった。 >「くやしい 1割もらって逃してやればよかった」 空港でトランクを拾ってやった相手から謝礼の1割をもらおうとしていたアニー。しかし相手は公金横領の犯人で警察に捕まってしまいこの一言。 >「わかった? お金ってのはこうやってもうけるものよ」 https://i.imgur.com/6FDVVBK.png 隣人の壁ドンに腹が立ったラフティが隣の部屋に文句を言いに行くとなんと隣人はアニーだった。驚いたアニーが貯金箱を割ってしまいお金を拾い集めるが5セント足りず、ラフティの身ぐるみを剥がしてまで探しているところにラフティの友達がやって来る。ラフティは焦るが、みんなは服まで借金のカタに取られたのだと誤解しアニーはすぐさま「3ドル返して」とのたまう。これを断れば当然、ラフティの紳士の名にキズがついてしまうわけで…。流石アニーの手腕は鮮やか。 **【Netflixで実写ドラマにならないかな…】** 「1万ドル稼ぐ」というテーマがキャッチーでわかりやすく、アニーとラフティの掛け合いが小気味よいので米ネトフリで旬のティーンの俳優を揃えてドラマ化してほしいくらい。 舞台を現代日本に変えてドラマ化しても面白そうなのでテレビ関係者の方に売り込みたい。(身の回りに関係者とかいないけど) アトム ザ・ビギニングみたいにリブートで再コミカライズとかもありだと思います…! メディアミックスで成功する可能性をビンビン感じる完成度の高い作品なのでたくさんの人に届いてほしいです。
たか
たか
2021/02/09
冬季五輪ばりのスルメ的面白さで気づくとズブズブにハマってるスゲー漫画
周囲の漫画好きに勧められて読んだけど、全くとんでもねぇもん読ませてくれたなと思う。この漫画を読む楽しさというのは、冬季オリンピック期間中に日本が善戦しているマイナー競技にハマる現象に似てるかもしれない。カーリングとか。 最初は何やってんだか全然わからなくて、「いったい何を見せられているんだ」って感じなんだけど、見てるうちにだんだんルールが理解できてきて、お茶の間で「いや〜あそこはあっちでダブルテイクアウト狙うべきだったよ」って、覚えたての専門用語使って語っちゃう感じ。 それと同じでこの漫画もわかるとスゲー楽しい。メチャクチャ楽しい…!! ということは逆もまた然りで、「埴輪土」について右も左もわからぬ状態で読む1巻はメチャクチャ大変。 それでも登場人物たちがガンガン使いまくる専門用語を1つずつ覚えて、埴輪土について自分の力で読み解いていくのが本っっっ当に楽しいので、これから読む人は1話で挫折しそうになっても最初の大きな戦いが終わる第1部(4巻)まで読みつづけてほしい…! 絶対ハマるから。 https://i.imgur.com/XxUQMWP.jpg (△『古代戦士ハニワット』武富健治 1巻1話より)     とりあえず1話は 「長野に光撃型か剣技型か不明の謎のドグーンが現れ、仮具土の埴輪徒である主人公・仁は、幼馴染の主巫女・クマリとともに蚩尤収めに臨む」 っていう感じなんだけど、わかるように説明すると 「長野に突然ちょっと大きい人間くらい(2m大)の土偶が現れて怪力や超能力で街を破壊したり人を殺し始めた。それを止めるには巫女の舞や祈り、そして戦いでおもてなしをして土偶の魂を鎮めて帰っていただくしかない。巨大土偶と戦うため、霊力の高い青年は巫女とシンクロすることで土でできた鎧にその魂を憑依させ、遠隔操作型の仮面ライダー的な戦士となる」 という感じ。 >【用語解説】 「蚩尤(しゆう)」…2m大の土偶のこと。一般にはドグーンとして知られている。 「特殊祭祀」…土偶に帰ってもらうための儀式。蚩尤収め、魂鎮めとも言う。 「埴輪徒(はにわと)」…埴輪土を操る強い霊力を持った男性。 「主巫女(あちめ)」…埴輪徒が埴輪土に憑依する際、ともにシンクロして力を貸す霊力の高い女性のこと。 第1部(4巻)を読み終わるころには、あのさっきのわけわからんあらすじが全部問題なく理解できるようになっているので安心してください。 (もはや完全に理解しきった今となっては、序盤のわけのわからぬまま置いてけぼりにされる感じがある意味心地よかったなとすら思う) ちなみに自分が作中で一番好きシーンは、3巻で真具土の埴輪徒である凛の戦いを警官隊が警備しているとこ。 >「神主も…正面のドグーンに向かって祈っている…!」 >「前のときと違うぞ…!!」 という警官のセリフに「だよな〜〜!?!!!」 と激しく共感してしまう。 気持ちメチャメチャわかる。だって昨日の人たちはドグーン(敵)じゃなくて味方側に向いてお祈りしてたし。「えっ!? 前のときと違う…!」ってなりました。 https://i.imgur.com/QmX2WPa.jpg (△『古代戦士ハニワット』武富健治 3巻22話より)     いきなりわけわからん状況に放り込まれた警官そして読者が、現場でただじーっと儀式を見守り続けた結果、いつの間にか「埴輪土」について学習して理解し始めている…っていうこの感じが最高に冬季五輪観戦で好き。 ここまで専門用語が難しい的なことを散々書いてきたけど、もちろんただ難解なだけでなく     ・変身ヒーロー×神道の面白さ ・シン・ゴジラを始めとする様々な特撮映像作品からの影響 ・緊急事態なんだけど神事なので準備にやたら時間がかかるシュールさ ・車社会の地方都市を自家用車で移動しまくる実家のような安心感 (「あっ 鶴ちゃんとこのリーフだ!!」って子供が当たり前のように知り合いの車種把握してるとこ最高に実家)     という感じで、マジで魅力にあふれている作品なので漫画好きなら絶対一度は読むべき…そしてこの感覚を味わうべき! 2021年、鬼滅と呪術のあとに古代戦士ハニワットブーム来てほしい…!
たか
たか
2021/02/04
やっぱ鈴木おさむは天才なんだな
📷
秘密のチャイハロでも思ったけど鈴木おさむは人の悪意とレディコミ・オブ・レディコミみたいな胸糞いじめシーンを描くのが上手すぎる…! 主人公は明るくて気立ては良いけれど、黒髪おさげに眼鏡そばかすという垢抜けなさ全部載せの「ドブス(※と周囲からは言われている)」な女の子。 その笑顔に秘めた才能を買われてアイドルグループにスカウトされ、クラスメイトやグループの仲間からスマホ破壊、食べ物に画鋲など、古典的な嫌がらせを受けながらアイドルとして成長していく物語。 ……今まで生きてきて、ホカホカのうんこ(ちゃんと湯気の漫符が描いてある)に顔面突っ込まれるいじめシーンは流石に初めて見ました。こんなこと書きたくないけど、飛び散り方からどう考えても3人分以上あったよね…どう考えてもやりすぎで最高。 いじめが苛烈だと主人公はメソメソするものだけど、鈴木おさむの主人公はそうじゃない…!全く挫けず目の光を失わない鋼の心を持ってるところが見ていて勇気が湧いてきます。 主人公の絵に描いたように地味なファッションとか、「メガネメガネ…」って探すムーブとか、意図的に古臭く描いてあってB級感が漂ってるところがたまらない。 激しいいじめを耐え抜いてトップインフルエンサーになるサクセスストーリー(昼ドラ風) 要チェックです…! 【追記】 ストーリーだけでなく漫画がとても読みやすく、絵にパワーと可愛らしさがあってすごく好きなのですが、作画のこにし真樹子先生はもしかしてこれが初作品なんでしょうか?気になります。
たか
たか
2021/02/03
圧倒的に美しく力強い水墨画のような漫画 #完結応援
📷
前に原正人さんが主宰される「世界のマンガについてゆるーく考える会」で知った作品。積読していたのをふと思い出し読んでみたところ圧倒されました。 昔の映画の看板のような画風の表紙からは想像できませんが、本編の作画は伝統的な中国の水墨画と日本の漫画表現のハイブリッド。 筆の強弱がとにかく魅力的で、力強い荒々しさと繊細な美しさの両方が楽しめます。 春秋戦国時代の故事がテーマなので全体的に古風で硬い雰囲気があるのですが、ところどころに如何に漫画っぽい表現がありクスリとさせられます。 (第二話の「おれの舌はまだあるか? 張儀」の、旅館のオッサンが竹槍を片手にパンパン打ち付けながらプンスカ憤ってるところとか大好きです) 表紙の「モーニングKC」の文字に驚いたのですが、こんな超絶技巧の美しい芸術作品のような漫画が週刊連載でモーニングに載っていたとは信じられません。すごすぎる。 先程Wikipediaを読み、鄭問先生(台湾出身)が2017年に亡くなられていると知り好きな人がもうこの世にいない寂しさを今噛み締めています…。 久々に「この作品に出会えて良かったな」と思える素晴らしい漫画を読みました。やはり積読は解消するものですね。
たか
たか
2021/01/14
ネタバレ
細かすぎる神奈川ローカルネタとエルフあるあるの合わせ技が最高!
興味しか湧かないタイトルに惹かれてジャケ買いしたら大当たりでした! たとえるなら、吸血鬼すぐ死ぬと葬送のフリーレンを足して神奈川で割ったみたいなすごい作品。地元ネタ&エルフネタのキレが半端じゃなかったです…! https://twitter.com/0Fami/status/1290598784796258305?s=20 ローカルネタってそこに住んでない人間ですら聞き飽きてるありきたりな内容が多かったりしますが、この作品は逆にどこまでもディープ。最初のネタが「横浜駅の有隣堂には語学コーナーがない」って深すぎる。 時は令和2年――。かつて村を焼かれたエルフ達は現在神奈川の各所に居を構え、それぞれが住んでいる土地の名で呼ばれています。物語は生粋の川崎っ子で川崎在住の人間「川崎」とその友人で横浜在住エルフの「横浜」を中心に進んでいきます。 「語学の本(※ジョン万次郎著)がほしい」 「横浜駅が完成する前に寿命がきそう」 「川崎にだけはエルフは住めないからなぁ。空気が悪くて、エルフ的に」 https://i.imgur.com/g6nsOr9.jpg …と、初っ端からエルフならでは悠長過ぎる時間感覚ネタと、愛のあるご当地自慢&自虐ネタが絶妙に絡まり合っててとにかく面白い…!! 特に「消費税って今10%じゃないスか! 人間はしらないかもしれないスけど昔は消費税なかったんスよ!!」でクソ笑いました。マジで時間感覚ガバガバ。 そして、人間社会に疎いエルフと対照的に、時代にバッチリ適応しているのが丁寧語で喋る渋いオークの「町田」。 …そう!! なんとエルフは神奈川に、オークは町田に住んでるんです…! エルフVSオークの構図に東京(町田)VS横浜をかぶせてくるところ上手いなぁと思います。 ちなみにオークさんのおかげで横浜駅に横浜線が通ってないことを初めて知りました(学生時代に横浜線を使ってたのに)。 エルフとオークの他に、その二者を相手に商売をしているダークエルフ、そして人間の4種族が入り乱れた東京=横浜エリアで、川崎がスットコエルフたちに面倒をかけられ続けるところを永遠に見ていたい…🤤 そしてなんと驚くべきことに、いまならたったの「194円」でこの『#神奈川に住んでるエルフ』が最新6巻(単話売り)まで読めてしまいます…!! 読みましょう。 https://comic.pixiv.net/works/6778
たか
たか
2021/01/07
ネタバレ
ボーイ・ミーツ・ボーイのグローバルチェス物語! #完結応援
📷
表紙のメチャクチャ洋風な絵のテイストが気に入ったのと、ちょうどクイーンズ・ギャンビット見終わったとこだったので読んでみました。 https://twitter.com/soushitory/status/1342951640601509888?s=20 トーンが少なく白と黒の陰影バキバキの絵がカッコいい!線の強弱もなんかすごくお洒落(中田春彌とかデスノートの頃の小畑健っぽい) この画風でチェスボードの上に広がる白黒の世界を描いたらそりゃカッコいいに決まってる…! ただストーリー自体はある1日を切り取っただけって感じで、特にカタルシスとかはなかったかなー。まあそれがあんまり漫画っぽくない、映像美で勝負するドラマ的で逆にいいかも。  ◇ ◇ ◇ ◇ 「僕、あなたとチェスしたくてブダペストから来ました!」と、ある日、ユースオリンピックのシンガポール代表ルイ・ブンワンの元に、ハンガリーから謎の少年がやってくる。 BEK(ヴェーク)社が開発した解析シュミレーション「ヴァロータ」のPRのために、対戦相手として呼ばれたルイに記録係として少年はついていく。 しかし実は少年は全世界チャンピオンの息子・エルネストであると発覚し、急遽ルイに変わって指して見事勝利をおさめる。 試合後にエルネストはあらたmて「色んな人と指したい」とルイに告げ、2人はフィストバンプをするというエンディング。  ◇ ◇ ◇ ◇ シンガポールの街並みや、運営のスマホのロシア語など、隅々まで丁寧に描かれていて物語の世界にどっぷり浸ることが出来ました。 (話が全2巻でキッチリ終わっていたので勝手に完結応援にしてしまいましたが続き出るのかな? 出るなら嬉しい…) もっと鳥維そうし先生の他の作品が読みたいと思って調べたら…以前『ボストーク』描かれてた方だったんですね…! リバイバル連載があるそうなので楽しみにしたいと思います!
たか
たか
2021/01/07
ネタバレ
王女と宇宙海賊 惑星の危機を王女が救う! #完結応援
少女フレンドの宇宙SF少女作品について調べていて見つけたのがこの『クレドーリア621年』。あらすじからして硬派で格好良く、そして何より表紙が美しく思わず購入してしまいました。 https://i.imgur.com/LiCdXnH.jpg なんというか無茶苦茶読みやすかったです。 当時のスラングなどが入っておらず、またキャラクターの話し方に癖もないため自然に世界観に入ることが出来ました。 (11人いる!とかキャラのセリフに癖バリバリですよね。そこがいいとこでもあるんですけど) 主人公・ヒルダが姫らしく上品に話すときと、海賊の首領の息子・ラドの前で男の子のようにラフに話すときのギャップにキュンキュンしましたし、ラドのクールな台詞回しにも痺れました。 https://i.imgur.com/TTIa8R8.jpg そしてなんと言っても宇宙船のデザインが凄く格好いい…!! https://i.imgur.com/xyUSrmf.jpg 少女漫画でここまでガッツリ格好いい乗り物って初めて見ました。しかもちょっぴりだけ出てくるんじゃなくて、作中で色んな種類の船が見開きでドーンドーンドーンと出てきます。 文月今日子先生、そして少女フレンドすごいな…!と感動した1冊でした。少女フレンドで調べていったらもっとすごい作品に出会えそう。楽しみです。
たか
たか
2020/12/30
ネタバレ
漫画界に現れた16歳の鬼才 #読切応援
絵のタッチと話の内容がマッチしすぎて病室のシーン読むのがしんどかった…。最初は32歳で学ランを着てるという設定でギャグなのかなと思い読み進めたらマジでとんでもない目に遭いました。 読み終わって、人間のザラザラした感情を描いたスゲー作品だ…と打ちのめされた状態で新コミのページ見たら著者のプロフィールが16歳となっていてもうぶったまげました。(扉絵の「16才、鬼才。」の文字に気づかず読んでました) 死の淵にいるサキちゃんの虚ろな表情、卒業式でサキを忘れるという現実を受け入れようとして頭が肥大し顔がデフォルメされてしまうサトル。 人間の感情の大胆な描き分けが凄まじい。 細い線・太い線・絵の具みたいな塗りと、画面が様々な線の強弱で埋め尽くされ隅々まで描き手のエネルギーがギュウギュウに詰め込まれていて、それが物語に緊張感を与えているのかもしれないなと思った。 浄土るる先生のときも驚きましたが「この歳でこれ描いちゃうの…?」と、今回またとんでもない10代の新人が現れたなと慄いています。未読の方はぜひ自分の目で読んで味わってください。 【第87回新人コミック大賞 青年部門 入選作】掲載ページ https://shincomi.shogakukan.co.jp/viewer/87/04/301.html
たか
たか
2020/12/28
ネタバレ
目には目を…! 必ず勝訴をもぎ取る義眼の弁護人によるリーガル・サスペンス!
面白かった!なんというか真面目な面白さとシリアスな笑いが絶妙に混ざっててすごい好きです。読む前は正直ジャンプで裁判もので面白くなるイメージが全くできなくて期待してなかったのですが、読んでみたらちゃんとジャンプしてました。 ・弁護士資格をもたない「弁護人」 ・義眼の正体はハンムラビ王が法典とともに太陽神(シャマシュ)から授かったという「シャマシュの義眼」 ・必殺技は「レクス・タリオニス(目には目を)」 初めは絶対勝訴を謳って被害者に金をふっかける悪徳弁護士っぽく登場したのに、実際は「弁護人」であるため報酬を受け取ることはできず、大金は児童養護施設に寄付される…という「主人公を下げてから上げる」展開が見事でした。 そして何より主人公「炎眼のサイクロプス(※本名不明)」のキャラが良い…! 悪を挫き弱きを助ける姿はもちろんかっこいいんですが、割としっかり目にリアルに描かれる法廷の中で、異能の義眼を使って決め台詞を吐く姿が面白すぎて…シリアスな笑いが出ます。 「驚いた 貴様まだウソを重ねるのか!」 「目には目を!!(レクス・タリオニス) 虚妄の中で…業火の痛みを味わうといい(※謎ポーズ)」 https://i.imgur.com/WmnNd7J.jpg (△『炎眼のサイクロプス』宇佐崎しろ/石川理武) 見た目がいい年してる男前なだけに行動がめちゃくちゃジワジワ来るんですよね…!最高です。10代の少年少女が主人公になりやすいジャンプにおいて、主人公が格好いい大人であるのってすごく魅力的だと思います。 そして法廷でバリバリ能力使ってますしペラペラ喋ってますけど、みんな「炎眼のサイクロプス(※本名不明)」の義眼の能力に気づいてないっぽいガバガバなとこも面白くて好きです。 なにより古代の特殊能力で悪を裁く感じ…初期遊戯王みがあっていいですね。 にしても「炎眼のサイクロプス(※本名不明)」に義眼を埋め込んだクレイジーな両親マジで何者なんだ…ぜひ連載でバックグラウンドが知りたいです! 【掲載号】週刊少年ジャンプ 2021年3・4合併号 http://jumpbookstore.com/ext/wj.html https://twitter.com/uszksr/status/1338257640934105089?s=20
たか
たか
2020/12/19
ネタバレ
最初から尾田栄一郎
小学生の頃ものすごく読みたかった短編集。漫画禁止の家だったので、ワンピースを集めることはできないけど、これ1冊を所持するんだったらバレないだろうと。そうこうするうちに真正面から親に反抗するようになり、開き直って他の漫画を買い集め始めたのですっかり存在を忘れてました。 執筆が古いものから順に WANTED 神から未来のプレゼント 一鬼夜行 MONSTERS ROMANCE DAWN の5つの短編が収録されています。 高校生の時(しかも交通事故に遭った翌日)に描いたというWANTEDは、絵こそ拙いけどストーリーも演出も最初から全部「尾田栄一郎の漫画」ですごい。あの特徴的な柔らかな書体の描き文字「どん」もすでに完成されてる。すごい…! 大学生の時に描いたという『神から未来のプレゼント』は、ご自分がコメントで「名作」と言う通り、「ノートに書いた内容で未来が確定する」という仕掛け、主人公がスリであるという設定を存分に利用した展開になっていて、ものすごい完成度。 最後の2作品はアシスタント時代のもので、かなり画力があがって初期のワンピースに近づいています。 『MONSTERS』は甲斐谷忍先生のアシを辞め徳裕正也先生のお手伝いをしていた時期、『ROMANCE DAWN』は和月伸宏先生ところを辞めて連載の準備をしている頃の作品とのこと。 全然知らなかったんですけど、『ROMANCE DAWN』って同名タイトルで2作品存在するんですね。 (ここに収録されてない、もう1個の方がワンピースの連載のプロトタイプ) コメントで、「『ワンピース』という連載漫画はつまり、その読切をたくさんのページを使ってじっくり描いているものなので」と書かれていました。 言葉の通り、読切が単行本97巻(刊行継続中)になるってすごすぎる。 日常の一部になりすぎて当然のものと思ってしまってますが、23年もアイデアが尽きず毎週新しいストーリーを描き続けるって……とんでもないことですよね。 ちなみに中学生の時にも海賊漫画を描いていて、その結果「ノート1冊では自分のイメージが描ききれないとわかった」ため、海賊ネタはジャンプの連載まで取って置くことにしたそうです。 果たしてワンピースの世界を描き上げるのに、果たして何冊の単行本が必要になるのか。答え合わせが楽しみになりました。
たか
たか
2020/12/17
ネタバレ
自然すぎるロボットにかき乱される人間
📷
不気味の谷を克服したロボット・吉沢と、学内の人気者となった吉沢に嫉妬する男子学生・鈴木のお話。人型ロボット大好きマンなのでものすごく読んでて楽しかったです! もともと工学部生まれ工学部育ちのせいで「理系早口関西弁」だった吉沢は、鈴木と出会ったことで自らの欠点に気が付きより人間らしい「無駄」や「間」を手に入れたという過去があるのですが、理系早口関西弁のロボットってウケますね(吉沢風) そして何より、人間の鈴木が吉沢のせいで感情をかき乱されまくっているところにこのお話の面白みがあるんですよね…! 人気者である吉沢に対して嫉妬心を感じて傷つけてやりたいけど、相手はロボットのはずなのになぜか悪口を言うことが出来ない…それは自分が吉沢を「友達」だと思っているから…とゴチャゴチャ悩みまくる。 そんなときに、吉沢をAIと特殊シリコンで出来た精巧すぎて気持ち悪いロボットにしか見えないやつが現れて鈴木の感情が爆発するわけですが、関西弁でキレるのに笑いました。 吉沢の初期化という終わり方もまた切ない。 「友達が死ぬって聞いて泣かなかったら人間じゃない」っていうセリフがいい。 鈴木のように悩んだり悲しんだりするのは何の役にも立たない無駄なことなんだけど、それこそが人間らしさであり素敵なことなんだと、あらためて気付かされました。 人型ロボットと人間の関係はやっぱりエモい…最高…! 【作品掲載ページ】 http://www.moae.jp/comic/shikishoshinjinsen/19
たか
たか
2020/12/11
ネタバレ
2人の「台湾茶の父」による台湾烏龍茶の誕生物語!
数カ月前にマンバのタグを眺めてたら見つけたのがこの作品。たぶん「台湾」か「海外マンガ」を見てたんだと思います。 https://i.imgur.com/YWrZ5S3.jpg https://youtu.be/Ixb1LURIveE とにかく表紙の色合いと塗りの感じが素敵で惹かれました。(油絵っぽい主線のない背景大好きマンなのでダンピアのおいしい冒険も好き)そして『異人茶跡』というタイトルの響きの良さ…淡水1865というサブタイトルのかっこよさ…そして台湾茶産業&歴史ものというテーマの良さも重なって「これ絶対好きなやつじゃん…!!」となり購入。 で、3カ月ほどの積ん読を経てようやく読んだのですが、想像を遥かに超えた素晴らしい青年漫画でした…! 緻密な時代考証、漫画としての読みやすさ・面白さ、当時の台湾の空気を伝える丁寧な描き込み…全部最高です…! https://i.imgur.com/K9i06k7.jpg (△『異人茶跡』張季雅) なんなら巻末の作者のあとがき漫画まで徹底して『manga』で超好き。 読んでいて見慣れない単語には全部脚注が付いていたのもありがたかったし、海外マンガ特有の日本語の言い回し違和感も全くなくて、集中して作品の世界に浸ることができました。 そして読み終わって「はあ〜最高だった」という余韻に浸ったまま硬い文章のあとがきを読んでぶったまげました。 これ実在の人物の話だったんですね…!?!! 2人の主人公、スコットランド籍の貿易商・ジョン・ドッド(John Dodd)と李春生(Lí Chhun-seng)は、あらすじにあるとおり「台湾茶の父」と呼ばれる存在。 「約翰·陶德(中文)」 https://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%84%E7%BF%B0%C2%B7%E9%99%B6%E5%BE%B7 「李春生(Wikipedia)」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E6%98%A5%E7%94%9F 単行本の作家紹介によると、この『異人茶跡』は、2010年夏より『CCC創作集』にて掲載されているのだそう。 そしてこの『CCC創作集』という雑誌がすごく面白くて、マンバ通信にて原正人さんが詳しく書いていらっしゃいます。 >この『CCC創作集』は非常に興味深い雑誌で、2009年に創刊されると、台湾のデジタル史料リソースを活用して、台湾の歴史や民俗に取材したマンガを次々に生み出していった。2015年末に一度休刊したそうだが、2017年に台湾文化部の資金援助を得て復刊し、2018年2月からは月刊誌として刊行されているとのこと。 https://manba.co.jp/manba_magazines/8086 さらにあとがき漫画によると、著者の李春生先生のご実家もまたお茶園で、たくさんの資料を読み込んで丁寧に描かれたのがこの作品なのでした。 さらにたまげたのが、この作品の初出が2013年で日本語版1巻の発売が2016年なこと。そんな前に出てたのか…。 続き読みてぇ〜〜と調べてみたところ、台湾語版の2巻が2015年に出ているそうで、Comic Catapult様におかれましては是非早急に日本語訳刊行のほどよろしくお願いいたします。 ちなみに先生のFBを見てたら、自家通販で19世紀の茶箱紙風イラスト(たぶん)を販売しててめちゃくちゃ素敵…ほしすぎる…! https://www.facebook.com/kiyascomic/posts/1074680199543296 【張季雅(Kiya)先生のSNS】 ▼Instagram https://www.instagram.com/kiyascomic/ ▼Twitter https://twitter.com/kiyascomic ▼Pixiv https://www.pixiv.net/en/users/886285 ▼Facebook https://www.facebook.com/kiyascomic/?ref=page_internal ▼PLURK https://www.plurk.com/kiyascomic ▼公式ブログ「電台放送中!」 http://buzon.blog125.fc2.com/
たか
たか
2020/12/09
家族が命(すべて)。帰ってきた親父が示した愛と男の生き様。 #完結応援
📷
ものすごいものを読んでしまった…。あまりに良すぎて感想なんて絶対書けないという気持ちになりましたが、世にもっと広めるため書いておこうと思います。 (これから読む方にまっさらな状態で楽しんでほしいので核心に触れるネタバレは避けてあります) https://i.imgur.com/EQuo64z.jpg この漫画を知ったきっかけは、マイページの「おすすめ」にこの『親父』(著: もりやまつる)が表示されていたこと。 強烈な表紙に惹かれ、あらすじにサッと目を通してとりあえず1巻だけ買って読んだんだけど…もう全てが自分の好みの最高の漫画だった。今まで読んだ全ての漫画の中でも一番かもしれない。(読み終わった直後なので興奮冷めやらない) ヤクザ者をボコボコに返り討ちにする桁外れの暴力。 実母と愛娘・愛息子への家族愛と、離れていてもお互いに想い続けた夫婦の純愛。 男らしさが極まりすぎてるがゆえのシンプルな下ネタ。 「暴力・愛・笑い」という、私がエンターテイメントに必須だと思っている要素が全て入っている完璧な物語。 しかも絵もが力強く、それでいて描き込みが細かいから見応え抜群…! 暴力に興奮し、下ネタで笑って、最後には愛の深さに涙が出てて…と、たった3巻の中で感情が目まぐるしく掻き立てられました。 何よりテストステロンが爆発してる親父の見た目と生き様が本っっっ当に途轍もなくかっこいいので、死ぬ前にぜひ一度読んでみてください。 たぶんゴールデンカムイ好きな人は好きだと思います…!