(とりあえず)名無し
(とりあえず)名無し
1年以上前
『ネイチャージモン』は、驚くべき快作である。 「肉」と「虫」についてのエピソードを、ここまで感動的に語ることが、他の誰にできるだろうか! 寺門ジモンの類まれな個性(奇癖?)も素晴らしいのだが、なによりも賞賛すべきは、刃森尊の漫画家として凄さだろう。 徹頭徹尾、「肉を食う」と「虫を採る」ということだけなのに、それをここまで熱く描き出すことができるのは、長い歴史を持つ少年漫画というフィールドで鍛え上げてきた、豊かで多彩な漫画力を使うことで、初めて可能だったのだと思う。 焼肉屋が開くのを店前で待つジモンの背中から「覇気」が漂っているシーンとか、少年漫画的世界以外では、絶対表現できないですよ。 騙されたと思って、1巻だけでも読んでいただきたい。 素晴らしく心躍る漫画時間を過ごせることを、約束します。 ただ、自分は、「まあ、これ以降も要するに『肉』と『虫』なんだろうなあ」と思って、3巻までしか読んでません。 すいません。 (全9巻であったことを、このマンバのページで初めて知った。「肉」と「虫」だけで、よく9巻も描けたなあ。もしかしたら、後半で別のテーマが……いや、絶対それはないと思うなあ)