にこにこはんしょくあくま
ニコニコはんしょくアクマ
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あらすじ

処女を孕ませる為に人間界にやってきたインキュバス・ヤマダ。通称・キュバちゃん。見た目はキュートな小動物系小悪魔です。彼が目をつけたヒロイン「かえで」は、とてもかわいい女の子。ですが、2次元の男性にしか興味のない超本格派オタク女子だったからさあ大変…!あのテこのテで誘惑してみるキュバちゃんですがかえでのガードはあまりにも鉄壁。はたして彼女の処女を奪える日は来るのでしょうか…!?報われない悪魔の不毛すぎる闘いを腐女子のホンネで斬りまくり!1話8ページで軽快にお送りする、日常(?)系ギャグ作品です。なお、雑誌掲載時に人気を博した愛猫家読み切り作品『ノーキャット、ノーライフ』も収録しております!

くまのぷーたろう
クマのプー太郎
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あらすじ

巻頭にプー太郎童話「マグロの救済とひとでの再生」を掲載。表紙裏にはプー太郎の書き方もあり。

ぎゃらくしーぎんざ
ギャラクシー銀座
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あらすじ

暗い部屋でひとり身支度を整える、ライブ前の竹之進。幕の外から聞こえてくる観客の声に耳を傾けながら、徐々に自身のボルテージを上げていく。満を持してステージに登場すると、そこには大声援を送る観客の映像が映ったテレビと、イタズラ用の固定電話機があって…。これは現代の神話なのか、それとも単なる古典的ナンセンスユーモア漫画なのか…?奇才・長尾謙一郎が全宇宙へ向けて放つ魂の叫びを聞け!!

たなばたのくに
七夕の国
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あらすじ

ちょっとした超能力が使えるのが取り柄の南丸こと、ナン丸はある日、知り合いでもない民俗学の教授・丸神から呼び出しを受けた。だが丸神は調査のため「丸神の里」へ行ったきりで戻っておらず、残された研究生からは「教授とナン丸は、同じルーツを持つらしい」と告げられ、心当たりを尋ねられた。だが何も知らない――。いっぽう「丸神の里」東北の丸川町では、殺害方法のわからない猟奇事件が起きた。失踪した丸神教授の研究内容と足取りを追って、丸神ゼミとナン丸は「丸神の里へ」おもむくが…。

岩明均の魅力とは

ことしも夏がやってきます。何やらことしは猛暑になるそうで、夏を迎える準備は出来ているでしょうか? 夏の情景を想像してみてみましょう。まだ夜の涼しさをのこした光りかがやく希望に満ちた朝、狂ったような太陽に照らさせて蜃気楼さえ見えてしまいそうな日中、沈みかけの夕陽が乱反射してちょっぴり切ない夕方、冷えたビールをゴクリと酔いも手伝い不埒な予感な熱帯夜などなど。夏、夏、夏、ほんとうに夏って魅惑されますね。どの瞬間を切り取っても胸を鷲掴みにされてしまいます。さて、私の夏好き話はこのぐらいにしておいて、皆さんにはこんな経験がお有りでしょうか? 暑い夏の昼下がり、涼しい部屋のなかで映画なり漫画なり小説なりを見たり読んだりして、物語の世界に入り込んでいる。読み終えて現実の世界に戻ってくると、どこからか蝉の鳴き声が聴こえてくる。立ち上がり、窓を開けると猛烈な熱気と狂ったような蝉の声がクーラーで冷えた身体を直撃する……。そんな時って、一瞬、現実と非現実の区別がつかなくなったりしないでしょうか? そんな夢まぼろし、白昼夢のような世界へと貴方をいざなう一夏の物語が『七夕の国』です。 作者は『寄生獣』や『ヒストリエ』でお馴染みの岩明均。乾いた作風なのに不思議な後読感を残す、ドロドロした内容なのに妙に風通しが良い、なんとも掴みどころがないんですよね、この人の作品は。もっというと、絵もそんなに上手いわけではないし、だからといってヘタウマな魅力があるわけでもない。特徴といったら、多用する苦笑いみたいな表情くらいのもので、なんだかな~という感じです。でも、不思議と彼の創り出す世界には引き込まれてしまいます。 何年か前に江口寿史が漫画の背景がトレース技術の向上と多用によって写実的になっている傾向に対して、浅野いにおや花沢健吾の名前を出して批判したことを発端に大きな論争になったことがありました。その際、江口寿史は岩明均の名前を出して「岩明均さんという漫画家さんがいらっしゃいますね。あの人の絵はこう言っちゃなんだけど、そんなに上手じゃない。絵も構図も演出も簡素です。なのに、何十億もかけて撮った映画以上にドキドキハラハラ面白く、感動させる物語を見せてくれる。僕はここらへんに漫画表現というものの謎というか秘密というかパワーを感じるんです。」といっていたのです。これを見てなるほどな~と感心しまして、改めて岩明均の宙ぶらりん(あるいは唯一無二)な魅力を再確認したのです。 そんなわけで岩明均の魅力を説明するのは大変そうなのですが、それでもひとついえそうなのは、苦手な部分を長所で補っているということだと思います。漫画表現力、江口寿史が挙げていた絵や構図や演出、その他にも幾つかの要素があるとは思いますが、岩明均はそれらの能力の殆んどが平均値かそれ以下なんですよね。いわゆる、人気漫画家という方々はこれら漫画表現力の各要素が総合的に高いのでしょう。では何故、岩明均の漫画が魅力的なのか?それは、ほとんどの能力がダメでも、いくつかの部門で圧倒的に突出した強みがあり、さらに、それを魅せるのが上手いということなのではと思うのです。逆にいうと、ダメな部分を隠すのが上手いとも言えるかもしれないです。何しろ、弱みに対して強みが圧倒的なので、他の人気漫画家のそれと比べても、より深く読者をエグることができるのでしょう。 浅野いにおにしても花沢健吾にしても各能力が高いだけに作品自体が放つ雰囲気が華やか(内容とは関係なく)ですよね。対して、岩明均の作品はどうあがいても地味な雰囲気が漂っているのですが、ひとつの道を極めた魅力というものには凄みがあり、"いぶし銀"といった言葉が良く似合います。 何はともあれ、『七夕の国』に話を戻しますと、時期的には『寄生獣』と『ヒストリエ』の間に描かれた作品です。SFと歴史物ではずいぶん差があるように思うかも知れませんが、作者本人にしてみれば過去も未来も同じように未体験で未知な領域であるからして似たようなものなのでしょう。『七夕の国』はそんな気分を象徴するかのようにSFと歴史を一緒くたに引き受けたトンデモ誇大妄想物語です。それを現代目線であっけらかんと描いてしまうから不思議なものです。 最初にもいった通り、ひとときの夢まぼろし、白昼夢のような世界へと誘ってくれること間違いないでしょう。一番最後のページで、浴衣姿でうちわを持ったヒロイン的な女の子が「ようこそ。」って言うのがすごく効くのです。これほどまでに夏を感じさせる漫画はなかなかないのではないないでしょうか。いや、実はぜんぜん夏っぽくはないんですけど、やっぱりそこここに夏が漂っているような気がするんですよね……。

影絵が趣味
影絵が趣味
うずまき
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あらすじ

女子高生の五島桐絵は、隣町の高校に通う斎藤秀一を駅に迎えに行く途中、路地に座り込んで壁をじっと見つめている秀一の父親を見つけた。彼は桐絵のあいさつにも気付かない様子で、壁にはりついたカタツムリの殻を見つめ続けていた…。新感覚ホラーの鬼才・伊藤潤二が描く、世にも不思議な恐怖の世界!!

くじょうのたいざい
九条の大罪
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あらすじ

法とモラルの極限ドラマ、開幕! 国民的ダークヒーロー漫画『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平、最新作! なぜか厄介な案件ばかりを引き受ける弁護士・九条間人(くじょうたいざ)。鼻炎持ちのバツイチで、ビルの屋上でテント生活をしている偏屈な弁護士だ。主な顧客は、半グレ、ヤクザ、前科持ちなど、きな臭い人だらけ!? ネットでは悪徳弁護士と罵られながらも、イソ弁の烏丸(からすま)と共に、依頼人の擁護に務める。ある日、飲酒して轢き逃げをした半グレが、先輩の壬生に連れられて、九条のもとを訪ねる。そこで九条が授けた策は、弁護士にはあるまじき教唆で――!? 交通事故ひとつですら、常識がひっくり返る。知ってるだけで、人生が変わる。神か悪魔か弁護士・九条! 法とモラルの極限ドラマ、ここに開幕!

王道ではない一癖あるヒーロー

『闇金ウシジマくん』が好きだったので、本作も当然期待していたのですが、元々終わってから一気読みするタイプなもんで、ずっーと我慢していたんですけど、もう、たまらず5巻まで一気に読んでしまいました。 もう、最高でした。 1話目を読んだときは、飲酒運転で交通事故を起こした半グレを守ることからはじまるので、そっちの弁護士役なのかな?と思っていたら、先を読むと実は全然違うことに気づく。 元々、依頼人を守ることを使命とし、道徳と法律は分けて考えているだけで、そこに善悪がないというだけ。 ここが格好いい。 自分はど直球な主人公も好きなのですが、こういう一癖ある主人公像も大好きなんですよね。 共通しているのは、信念があること。 ただそれが誰がみても立派なのか、そうじゃないのかの違いだけ。 闇金ウシジマくんもそうでしたが、格好よく強い人間とは、自身の美学にブレないもんですね。 本作の主人公も依頼人が半グレであろうと誰であれ、そして相手が恩師であろうと誰であれ、弁護士としての自身の使命を全うする。 めちゃくちゃカッコいいです。 また、弁護士ですが、小難しい法律的な話は多用せず、わかりやすく読みやすくさせているのも、物語に没入させてくれます。 ちょっと何言っているかわからない、とならないです。 過去に家族の間で色々あったようですが、まだ出てきていないので、この点も今後が楽しみな作品でした! また、内容はクロいのに、白を基調とした絵柄は、独特でありながらクセになりますね。

六文銭
六文銭
ぼくらのふんかさい
ぼくらのフンカ祭
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あらすじ

過疎の町、金松町は火山の噴火一発で温泉街へと生まれ変わる。この劇的な変化を受け入れられないクールな富山と、変化にノリノリな桜島の二人の高校生。この二人の友情は町の変化に伴いどう変化するのかの物語です。

へんなものみっけ
へんなものみっけ!
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あらすじ

知ってましたか? 博物館のウラ側はとってもアクティブ! 市役所から、博物館に出向になった薄井 透は、そこで鳥類研究者の清棲あかりと衝撃的な出会いを果たす。知られざる博物館の裏側、そして100年後に届く仕事とは…? 動物好き、博物館好きにはたまらないミュージアム・コメディー! 博物館はお堅い展示をしてるだけの地味な場所? いえいえ、実は生命の神秘に迫る熱い研究者たちが、海へ、山へ、世界の果てまで『へんなもの』を集めに行ってるんです! 南極の氷、フクロウの巣立ち、深海魚調査、花を愛するおじさま研究者… 博物館は毎日どこかで大さわぎ!

ぽんこつぽんこ
ぽんこつポン子
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あらすじ

キュート可愛い! ぽんこつメイドロボ登場! ちょっぴり未来、さびれた海辺の町で繰り広げられるどたばたスローライフコメディー。妻を亡くし、静かに余生を送りたいと考える頑固ジジイ、吉岡の元にメイドロボットが突然現れて… その人生が大きく変わっていく!? こんなロボがそばにいたら、あなたの暮らしも断然、楽しくなる! 『おにでか!』著者・矢寺圭太の新境地。読めば、マイナスイオン出てきます!!

これはいい新連載がきた!

ちょっと未来のちょっと田舎の海辺に住む頑固おじいちゃん。 家族が心配して送ったのは、この仕事が終わったら廃棄が決定している30年動いているメイドロボ。 ガタがきてて首はすぐ落ちるし、包丁を持つとロボット三原則により人間を傷つけてはいけないから震えちゃうし、いろいろぽんこつだけど、とても愛らしくて構ってしまいたくなる。 しかし、500円玉のシーンほんとよかった。妙に説得力があって存在感と寂寥感が漂っててとてもシュールで最高の俯瞰の構図だった。 大ゴマの使い方がとても大胆で潔いので切れ味があって気持ちがいい。 そして、包丁の場面にしろ、イオンにしろ、500円玉にしろ、コマ割りが上手いので間が上手く表現されていてテンポがすごく気持ちいい。 あと単純にかわいい。 ああいう丸い目が好き! 基本的にキャラクターのデザインとか背景の描きこみとか、絵のバランスがすごく良くて好みだ。 最初は、設定的にはベタで手垢がついてるようにも感じたが、いままでの全然上手く描けてなかったんじゃないかって思うくらいすごくよく描けてていいなと思った。 おじいちゃんも「アリスと蔵六」の頑固おじいちゃん的で気持ちがいい。 ドラえもんのような家に転がり込んで一緒に住むタイプになるとは思うけど、のび太君の面倒を保護者の観点から見るような昔のドラえもんとは立場が若干違って、介護という意味では面倒をみられるのはおじいちゃんでも、おじいちゃんの方がより大人だしぽん子の方がトラブル起こすことになりそうだから逆転しそうな気もする。 二人のいい関係性が構築されていきそうで楽しみ。 おじいちゃんのボケ防止になって賑やかで寂しくなくなればいいな。

吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
花もて語れ
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あらすじ

両親を亡くし地方に住む叔母に引き取られた、小学1年生の佐倉ハナ。引っ込み思案な性格で周囲と打ち解けられなかったが、ある日、ハナは「朗読」をやっていると言う教育実習生と出会う。やがて22歳になったハナが繰り広げる「癒やし系熱血『朗読』ストーリー」!

「朗読」で迫る表現の極致『花もて語れ』

老若男女を問わず、普段漫画を読まないような方にも強くお薦めしたい漫画が、この『花もて語れ』です。 この作品には ・「表現」についての理解が深まりスキルアップする ・様々な名作文学に詳しくなる ・今後のあらゆる物語体験がより豊かになる といった効能があります。 そして、何より純粋に物語として素晴らしいのです! **朗読の世界** 『花もて語れ』の題材は、漫画初の「朗読」。 普通の人であれば、朗読といっても国語の授業位のイメージでしょうか。 しかし、この作品を読めばそのイメージも変貌します。 朗読とは、物語を最高度に楽しむ読み方であり、文章に最も真摯に向き合う姿勢、感受性を極限まで研ぎ澄ます所作なのです。 六種の「文章のカメラワーク」を意識した一文一文の読解。 作者の思想、その話が書かれた環境・背景まで酌んでの作品理解。 作品を他人事ではなく、我が事とするのが朗読という読み方。 それは、役者の役作りに通ずる部分があります。 私も経験がありますが、何かを演じる為に台本を精読して作品と対峙し続けたり、物語の舞台となった地に実際に立ってみたりすることで、極めてリアルな想像力が働くようになります。 すると、一見何気ないセリフでもその裏にある重みが見えて来ます。 そうした掘り下げにより、普通に読んでいては気付かない事柄が読み解かれます。 宮澤賢治の『注文の多い料理店』に出てくる二人の兵隊の性格にこんな違いが! と驚かされました。 今作では太宰や芥川から金子みすゞまで、様々な作品が取り扱われます。 総じて「この作品はこんな読み方が可能なのか!」と目から鱗がぼろぼろ落ちて行きます。 解釈自体への感動。 それに加え、その鮮烈な解釈によって訴えられる熱き「真意」に感銘を受けます。 こうして読み解いた奥深き世界を、朗読はどう人に伝えるのか。 音楽、絵画、彫刻、漫画…… 表現の方法は数多くある中で、朗読という手段が可能にする領域が開示されます。 **今にも飛び出してきそうな作画の前で** 多くの漫画は、原稿1枚で1ページです。 当たり前だ、と思うでしょうか。 しかし、この『花もて語れ』は80枚の原稿で38ページ、といった非常に特殊な形態を取っています。 1ページを構成するのに、複数枚の原稿が用いられているのです。 それは、「漫画という表現」で「朗読という表現」を表現しようとして生まれた挑戦。 普通の漫画賞の応募規定などでは禁止されていることも多い薄墨を用い、それを通常の作画と組み合わせて、珠玉の朗読シーンが作られているのです。 その結果、優れた音楽漫画から音が聞こえて来るように『花もて語れ』からは声が聞こえて来ます。 様々な意味で、漫画表現の極点に挑んでいる作品と言えます。 **『花もて語れ』のすばらしさは人間のすばらしさ!** 主人公は、両親を亡くし田舎に引き取られた何の取り柄もない女の子・佐倉ハナ。 彼女が、教育実習でやって来た青年に朗読を教わる所から始まります。 極度の引っ込み思案で友達も皆無。 OLになってからも、まともに仕事ができずミス連発。 自分は何をやっても駄目だ、と思い悩むハナ。 しかしそんな彼女は、朗読をすると驚くべき才能を発揮します。 普段はみそっかすの女の子が、圧倒的センスで大衆を前に凄まじいパフォーマンスを披露する爽快感は、さながら『ガラスの仮面』。 構造が似ているだけではなく、作品が持つ熱量、面白さも同等以上です。 『花もて語れ』の主要人物の多くは、ハナ以外もすんなりとは生きていません。 たとえばハナにとって無二の存在となる満里子は、妹の死によって家族と断絶し五年間引き篭もった女性。 ハナの師となる折口も、様々なものを抱えて生きています。 彼らは皆、強い人間ではありません。 弱いけれど、強くあろうとする者たちなのです。 圧倒的に弱き者が自らの弱きを自覚し、絶望する。 しかし、そこから目を背けず受け止め、その上で強くなろうとする。 たった一つの武器だけを手に、勇気を振り絞って世界と対峙して行く。 その姿は理屈を超えて美しく貴いもので、普遍的に心を打ちます。 そんな人物たちの朗読によって、「失った居場所の取り戻し方」「真の友情」「想いを伝えること」「悩むことの意味」「かつて傾けたが実らなかった情熱の意味」など様々なテーマが謳われる物語。 私は近巻を読む度、想いの質量や熱に涙を流してしまいます。 それらは全て生の肯定。 この物語は、魂の込もった人間賛歌でもあるのです。 **終曲も劇的に奏でられる** 現在10巻まで刊行され、あと3巻で完結というクライマックス。 まだ間に合います。 奮えること必至の感動のラストを、共に見届けましょう。 個人的な願いとしては、全国の学校の教室や図書室に是非この漫画を置いて欲しいです。 今作を読めば、国語や朗読が更に楽しくなることは間違いないですから。 子供の国語の成績を良くしたいという親御さんにも、強く推薦します。 ちなみに片山ユキヲ先生の前作『空色動画』(全3巻)も、漫画で動画であるアニメーションの創作を描いた意欲的で面白い作品ですので、併せてお薦めです。 https://manba.co.jp/boards/58937

兎来栄寿
兎来栄寿
はくぼのくろにくる
白暮のクロニクル
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そこは、「悲しき不老不死――オキナガ」が存在する世界。厚生労働省の新米公務員・伏木あかりが配属されたのは不死の種族「オキナガ」を管理する部署。厚労省での仕事1日目にオキナガ惨殺事件と遭遇し怪死事件を追う任務を与えられる、あかり。しかも見た目は少年、中身は88歳老人の殺人事件マニア・雪村魁とタッグを組まされ…。時を越えて生きるオキナガに起こる怪死事件、彼らの想いが紡ぐ年代記(クロニクル)。日常系×非日常ミステリーの世界へようこそ!

白だ黒だが簡単にはハッキリしない、というリアリティ感

分類をするなら探偵物とかミステリーになるか? 特殊能力を有する主人公のディテクティブ・ストーリー と言うべきか? だがそれだけにとどまらず、少々SF的な設定だが、 SFとしてもミステリーとしても ホラーだとかサスペンスだとかとしても 命とか人生を問う作品としても、とても良作だと思う。 主人公が有する特殊能力は「ほぼ不老不死」 息長(オキナガ)という殆ど不老不死の人間が、 1000人に1人くらいの割合で存在し、 世間もタテマエ的には認知し行政も仕組みを整えており、 一般人とオキナガがちゃんと共棲している、 とされている現代日本が舞台。 しかし現実にはマイノリティな存在のオキナガは 色々と差別・迫害を受けている。 厚労省の新人・伏木(身長180cm近い女性)は 行政側の人間としてオキナガと関わることになる。 オキナガにはほぼ不老不死と言うこと以外にも特徴があって ・オキナガとして「成り上がった」時点で容姿その他?  の成長が止まる ・日光を長時間浴びると死に至る ・食欲や性欲レベルで喫血嗜好が沸くこともある その他にも色々と特殊な面があるオキナガだが、 伏木が担当したオキナガ・雪村カイはさらに特殊だった。 見た目は18歳前後の少年。実年齢は88歳の雪村。 彼は、12年ごと70年以上に渡って羊年の年末に 繰り返されている連続殺人事件「羊殺し」の 真犯人を執拗に探していた。 伏木は巻き込まれる形で雪村と行動を共にすることになり、 「羊殺し」に関わっていくことに。 模倣犯罪やタテマエや現実や、行政の施策と効果のギャップ、 そして不老不死の人間達がそれゆえに直面し、 抱えこみ、蓄積していかざるを得ない社会的現実。 雪村と行動を共にすることでそれらを実体験しながら、 羊殺しの真相とともに思いもよらなかった世界を 伏木は知ることになる。

名無し
とうきょうだいがくものがたり
東京大学物語
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あらすじ

秀才・村上直樹は、東京大学を目指して猛勉強の日々を過ごしていた。ある日、悪友の佐野に連れられ、テニスの試合を見に行くが、そこで試合にでていた、同学年の水野遥に一目惚れしてしまう。遥に一目惚れしてから一週間。村上は毎朝、遥を待ち伏せすることに。ある日、遥に挨拶をされ、狼狽した村上が返した言葉は、「オレと、つきあってください」だった!突然の告白に、遥は…?偏差値81のラブコメディ!!