あらすじ

日米開戦まであと一日となり1941年12月6日。駐米日本大使館では、米国へ向けた宣戦布告文が作成されていた。そして12月7日、ついにその日を迎える。万歳三唱ととともに、日本の戦闘機が空母から発進、ハワイ・真珠湾へ向けて飛び立った……。ついに始まる真珠湾攻撃! 「トラトラトラ」奇襲成功の合図! 栗原は櫂のために命をかける! “劇動”の第33巻!
アルキメデスの大戦 1巻

戦艦「大和」を阻止せよ!!! 日本の未来を1人の数学の天才が変える!? 時は1933年。日本海軍の中枢・海軍省の会議室で、次世代の旗艦を決める新型戦艦建造計画会議が開かれ、2つの陣営が設計採用を争う事に。これからの海戦を見据え、高速の小型戦艦を打ち出す“航空主兵主義”派に対し、海軍内で権力を握る“大艦巨砲主義”派の計画は、世界でも類を見ない超巨大戦艦の建造だった――!!

アルキメデスの大戦 2巻

戦艦「大和」は無駄か!!? 超巨大戦艦建造計画VS.数学の天才!! 山本五十六ら“航空主兵主義”派は、対立陣営が計画する戦艦「大和」の異常に安い建造費の謎を解き明かすべく、帝大きっての数学の天才・櫂直を海軍に主計少佐として引き入れる。味方も資料も情報も不足する状況の中、櫂は誰も思いもつかないような解法で真実に迫っていく。日本海軍の未来が決まる第2回会議まであと僅か――!!

アルキメデスの大戦 3巻

海軍省の会議室で始まった新型戦艦計画決定会議。戦艦「大和」の真の建造費を導き出した櫂直(かい・ただし)は、対立陣営である大艦巨砲主義派の不正を糾弾。それを皮切りに両陣営はヒートアップ、罵詈雑言が飛び交う事態に。さらに櫂の主張に平山(ひらやま)造船中将が徹底抗戦!! 戦艦「大和」採用か否か。二人の一騎打ちの末に待つ結末は――!?

アルキメデスの大戦(4)

水雷艇転覆事件に端を発する海軍全艦艇の改修事業。その総指揮を執る事で海軍内での発言力を増した平山造船中将は、櫂に白紙に追い込まれた戦艦「大和」計画の復活を目論む。それを危惧した櫂直は、海軍内で蔓延る大艦巨砲主義そのものを無くすべく、高性能な新型戦闘機の開発に参画する。そして山本五十六仲介のもと、三菱の設計士・堀越二郎氏と出会うが……。

アルキメデスの大戦(5)

堀越二郎氏に対抗する戦闘機を航空廠で製作するため、10日以内に中島飛行機製の発動機の提供許諾を得たい櫂だが、中島にはあっさりと断られてしまう。そこで櫂は、中島と懇意にしている陸軍の力を借りることにし、旧知であった外務省の丹原を介して、東條英機や永田鉄山らに謁見する。そこには陸軍のキレ者達との心理戦が待ち構えていた!!

アルキメデスの大戦(6)

いよいよ本格的に始まった航空廠での戦闘機製作。櫂は中島の設計主務・小山悌氏の設計理念に刺激され、搭乗員の安全を重視した設計への変更を決意する。しかし、そこには時間や人員の不足、技術的な課題など数々の難問が山積みであった。理想と現実の間で葛藤する櫂は、果たして最良の戦闘機を完成させることが出来るのか――!?

アルキメデスの大戦(7)

性能試験と模擬空戦の二日間で採用機を決めるという山本五十六の号令に、現場は大混乱。調整が不十分な櫂たち航空廠チームは、二日目の模擬空戦に全てを賭ける事に。しかし、最大のライバル・三菱の搭乗員は、八神が一度も勝てなかったかつての鬼教官だった!! 海軍の未来をも左右する九試単座戦闘機を決める戦いの行方は如何に――!?

アルキメデスの大戦(8)

一度は三菱機に決まりかけた九試単座戦闘機の制式採用だが、櫂の機転で空母「赤城」への着艦試験が追加され、決定は持ち越しに。櫂たちはそこに逆転採用への望みを託す。迎えた試験前日、櫂は前乗りした「赤城」でドイツ人数学者シュバルツと出会い、彼から知り得たドイツの情報と技術に衝撃を受ける事に‥‥。櫂の中に新たな考えが生まれ始める中、衆人環視のもと、最後の試験が始まる!!

アルキメデスの大戦(9)

櫂はマル3計画には不必要な船渠の拡張工事が行われていると聞き、それを確かめるべく呉へと向かう。そこで見たものは「大和」建造のためとしか考えられないほど大規模な工事だった。不正の追及をするために、櫂は平山に直接対決を申し込む!!

アルキメデスの大戦(10)

平山の「大和」を止めた櫂は、海軍省を辞める決意をする!? しかし、それを時代が許さなかった――!! 陸軍省への突然の討ち入り事件をきっかけにして、日本は戦争へと傾倒してゆく。その時、櫂はとある決断をするのだった――。

アルキメデスの大戦(11)

戦争を阻止する目的で「大和」を造ることに決めた櫂。自らが設計した新「大和」の建造計画を進めるべく海軍の承認会議に臨む。櫂はそこで新「大和」の必要性を説くために、画期的なハワイ攻撃作戦を提唱する。しかし、その作戦は上層部の戦意を高揚させ過ぎる結果に‥‥? 新たな仲間も加わり、物語は新展開へ動き出す!

アルキメデスの大戦(12)

戦艦「大和」を建造するための工作機械や、最新技術買い付けに櫂がドイツへ出張する!しかし、最新技術を買い付ける金塊が足りず、困った櫂の選択は・・金塊を増やすこと!?そこに待ち構える、命の危機や、無茶な要求!!果たして買い付け成功なるか!?あの男も登場し、ドイツ金塊篇は大荒れ!!

アルキメデスの大戦(13)

ドイツから帰還した櫂はついに戦艦「大和」建造を本格的に開始する!!そこに搭載されたのは前代未聞の最新兵器!?そして、来る昭和11年2月26日。櫂は大蔵大臣・高橋是清のもとにいた・・・・。三田紀房が描く激動の日本海軍エンターテインメント第13巻!!

アルキメデスの大戦(14)

二・二六事件に巻き込まれ、生死の境を彷徨った櫂は日本に漂う開戦の気配を感じていた。山本五十六からも戦艦「大和」の工期短縮を命じられ、危機感はさらに募る。その時、櫂は戦争回避のため、銃殺覚悟の一手を放つ!!三田紀房が描く激動の日本海軍エンターテインメント第14巻!!

アルキメデスの大戦(15)

最新の技術力を米国に見せつけることで戦争の回避を狙う櫂は、米国のスパイと思われる綾部マキコに接近する。その目的は彼女を二重スパイとして、日本に有利な情報を流させること。日本人ながらも敵国に協力する彼女を櫂は寝返らせることができるのか!?究極の心理戦が始まるーー!!三田紀房が描く激動の日本海軍エンターテインメント第15巻!!

アルキメデスの大戦(16)

日本側へ寝返らせた米国のスパイである綾部マキコを通じて、櫂は戦艦「大和」の情報を流す。その情報は米国大統領・ルーズベルトの元まで伝わっていた!櫂の暗躍で戦争は止まるのか!?そして、中国の盧溝橋付近では日本陸軍と中国軍の軍事衝突が発生する・・・・。三田紀房が描く激動の日本海軍エンターテインメント第16巻!!

アルキメデスの大戦(17)【ebookjapan限定特典付】

【ebookjapan限定で三田紀房先生のサイン入りイラストを巻末に収録!】櫂が立案、参加した上海への渡洋爆撃は、成功したが中国軍との交戦により坂巻ら7名が戦死する。生還した櫂は、嶋田らに全航空機へ防弾装備を施す機体改修を訴えるが、反感を買い謹慎処分に。そんな櫂のもとを外務省の丹原が訪れ、中国にいる東条英機に会いに行くと話す。戦争拡大を阻止すべく、櫂は正体を隠して丹原と共に中国へ!

アルキメデスの大戦(18)

櫂が上海の物資集積所を爆撃した作戦を応用し、ドイツが周辺国を相次いで爆撃。そしてポーランドに侵攻し、第二次世界大戦の口火が切られる。海軍上層部は関係強化のため日独伊三国同盟の締結を提案するが、櫂はドイツとの接近こそが日米開戦の引き金だとし、反ヒトラーを訴える。さらに櫂は、関係が悪化する米国と和平交渉を実現すべく、ある大胆な作戦を実行する!

アルキメデスの大戦(19)

櫂VSアメリカ。ここで日本の未来が決まる! 運命の「日米和平協議」編!! 席次変更のため一時中断という波乱の幕開けとなった日米和平協議。その後の交渉で、アメリカは一転し強気な姿勢を見せる。その背景には、和平よりも戦争を望むルーズベルト大統領の思惑があった。これに対し、日本側は東條英機の意向を受けた牟田口が暴走。国務長官ハルを激怒させ、交渉打ち切りを宣告されてしまう‥。クセモノぞろいの日米和平協議。日米両国を合意に向かわせる「画期的アイデア」を探して、櫂が悩みぬく第19巻!!

アルキメデスの大戦(20)

日米和平協議も、残すところあと1回。米側の案内でニューヨークを訪れた日本大使一行は、世界一の都市の圧倒的経済力と、ニューヨーク市民の強い反日感情を目の当たりにする。このまま交渉をまとめる「画期的アイデア」を思いつかなければ、開戦は必至。「大和」は戦争に使われてしまう。櫂は自らが生み出した矛盾に苦悩する‥‥。日本一の天才が悩みに悩んで導き出した驚愕の提案に、日米驚愕! 会議激震! の第20巻!!

アルキメデスの大戦(21)

日米和平協議、炎上中。戦艦「大和」をアメリカに売却!? 米大統領ルーズベルトも姿を現し、ますます紛糾する日米和平協議。櫂がキーパーソンだと即座に見抜いたルーズベルトは、別室で櫂と二人きりでの交渉を要求する。困惑する周囲をよそに櫂はこれを受諾。異例中の異例、大統領と海軍少将の一対一の交渉が始まる。すると突然、ルーズベルトはポケットから拳銃を取り出し櫂に銃口を向けた――!! 日本で、アメリカで、運命が大きく動く第21巻!!

アルキメデスの大戦(22)

日本を動かす重鎮、一挙集結。日米協調か、対決か。近衛文麿別邸にて、超極秘会議が始まる! 近衛文麿の別邸「荻外荘」に日本を動かす重鎮たちが集まり、日米和平協議の報告会議が始まった。情報漏洩防止のため、合意内容は文書ではなく口頭で伝えられる。まずは牟田口が合意内容の第一項目「日本軍の中国からの撤退」を報告すると、東條英機が激昂。牟田口と櫂に、合意を取り下げるよう迫る。日米合意報告会議で、櫂が窮地に立たされる第22巻!!

アルキメデスの大戦(23)

櫂、逮捕!? 特高警察・藪本の暴走で、命の危機‥!! 大詰めを迎えた日米和平協議の報告会議。「大和」売却に猛反発する山本五十六に対し、櫂は売却益30億ドルを使い、インフラ整備を中心に豊かな社会の実現を目指す「日本改造計画」を披露。政治家たちの心をつかむが、それでも山本と東條英機は反発の姿勢を崩さない。すると突然、意外な男が口を開き、櫂に助け船を出した――。「アルキメデス」史上、最もハードでバイオレンスな第23巻!!

アルキメデスの大戦(24)

櫂、まさかの艦隊勤務! 新天地は連合艦隊旗艦「長門」。帝大同期の旧友・前田によって藪本の拷問から救出された櫂は、病院に搬送され入院することに。その後、海軍上層部では、櫂の処分を決める話し合いが行われる。吉田と嶋田は退院後数週間の謹慎処分を妥当とするが、「大和」売却を阻止すべく、櫂を日米和平協定締結の実務作業から遠ざけたい山本がこれに反対。より厳しい処分である艦隊勤務を要求する。新たな地で、櫂がクセモノたちに翻弄される第24巻!!

アルキメデスの大戦 25巻

連合艦隊の主計科に赴任した櫂は、旗艦「長門」の艦内で行われる兵棋演習の記録係を務めることに。作戦の舞台は、ハワイ・オアフ島。日本海軍の指揮官は黒沼。櫂は、軍人たちの前で「暁作戦」を披露し支持を集めようという山本五十六の魂胆に気づき、危機感を抱く。そしていよいよ演習が始まった――!! 兵棋演習で、日本と米国が、櫂と黒沼が激突する第25巻!!

アルキメデスの大戦 26巻

兵棋演習第二戦。ミッドウェー沖で米軍を率いた櫂は、黒沼率いる日本軍を撃破。その勢いのまま、日本が米国と戦争することがいかに愚かかを説く。しかし黒沼は、国力の差を戦略で上回り勝利を収めることこそが参謀である自身の使命だと主張。議論は平行線のまま終わる。一方その頃、横浜で建造中の「大和」で事件が起こる……。戦艦「大和」炎上。艦内で発生した火災により、男たちの運命が狂い始める……。風雲急を告げる第26巻!!

アルキメデスの大戦 27巻

鋼材不良問題により建造中止の危機に陥った横浜の「大和」。建造再開を目指す櫂は、改修案を出すべく船殻強度の再計算を始める、一方、桑野は、帳簿を洗い出し、「大和」で使われるはずだった特殊鋼が呉に横流しされていることを突き止めた。しかしその翌日、海軍省では、嶋田が櫂に「大和」を廃艦すべく、緊急会議を招集する。1941年到来ーー日本の運命が決まるXデー迫る。難題山積の中、櫂は日米開戦を止められるのか!? 櫂、男泣き……。桑野、激昂……。黒岩、朦朧……。平山、嘲笑……。海軍情勢、複雑怪奇! そして日本が開戦へと突き進む第27巻!!

アルキメデスの大戦 28巻

米国に売却するはずだった横浜の「大和」の廃艦が決まり、櫂は日米開戦を覚悟。短期決戦・早期講和の道を模索することに舵を切る。早速、真珠湾攻撃後、戦艦を輸送船代わりにして12万人の陸軍上陸部隊をオアフ島へ送り、ハワイを占領するという計画を考案。大本営政府連絡懇談会絡に出席し、陸軍の協力を要請することとなった。そしてついに真の「大和」が表舞台に姿を現す第28巻!!

アルキメデスの大戦 29巻

柱島を通過する「大和」に乗艦した櫂は、艦内で平山と遭遇。平山は櫂に勝利宣言をするが、櫂は一歩も引かず、平山の「大和」を理念なき時代遅れの戦艦と切り捨てた。そして「大和」の予行運転が終了に差し掛かったころ、突如、山本五十六が主砲の試し撃ちを命令。艦上は騒然となる。

アルキメデスの大戦 30巻

「ゼロ戦」開発における堀越二郎の苦悩を知った櫂は、堀越をユダヤ人科学者・シュバルツたちのもとへと案内する。堀越はそこで最先端のガスタービン発動機を目にし、失っていた航空機設計への夢を取り戻した。そして帰り道、櫂はシュバルツより、旧知のナチス将校・ハインリッヒからの手紙を渡される。