あらすじ日本を動かす重鎮、一挙集結。日米協調か、対決か。近衛文麿別邸にて、超極秘会議が始まる! 近衛文麿の別邸「荻外荘」に日本を動かす重鎮たちが集まり、日米和平協議の報告会議が始まった。情報漏洩防止のため、合意内容は文書ではなく口頭で伝えられる。まずは牟田口が合意内容の第一項目「日本軍の中国からの撤退」を報告すると、東條英機が激昂。牟田口と櫂に、合意を取り下げるよう迫る。日米合意報告会議で、櫂が窮地に立たされる第22巻!!
極上の「負」のカタルシスだった。 日本が第二次大戦に突入しそして敗戦するまでを描いた戦記モノで、架空の天才軍人・櫂直(かいただし)が明晰な頭脳と冷静な分析によって開戦を、ひいては敗戦を回避すべく孤軍奮闘する話。 犠牲を払いながら手を尽くしても戦争へ突き進む軍部を止められず、事態は坂を転がり落ちるように悪化の一途をたどっていく。巻数にして30巻を超える長い長い無力感と喪失感を味わいながら、物語終盤ミッドウェー海戦で惨敗、櫂は軍を離れ、そのまま終戦、東京裁判を経て完結へ。 勝利も復讐も俺TUEEEも、およそ快感と呼べるものを与えられないまま、ずっとしんどい思いをしながら読み続けることになるものの、読後感は不思議と悪くない。むしろ心地よいまである。なぜか。 「いわんこっちゃない!」と叫びたくなるような負の感情のカタルシスの連続、喪失感、破壊(と再生)、櫂の決意と忠誠、わずかな希望……。一言であらわすなら、「大人の味すぎる娯楽」って感じ。