望月ミネタロウ × 話・山川直人

かつて描いた漫画は評価されたが、しばらく新しく描けていない30過ぎの主人公がフランスで翻訳、出版されてサイン会をすることになったところから話は始まる。

1話目には出てこない『フレデリック』とは一体なんなのか?
気になって調べたら、

『バタアシ金魚』『ドラゴンヘッド』『ちいさこべえ』の鬼才と、『コーヒーもう一杯』『シリーズ小さな喫茶店』の鬼才がタッグを組む。異彩を放つ二人の漫画家による新連載『フレデリック』、1月4日発売のビッグコ...


「絵本『フレデリック』(作:レオ・レオニ、 訳:谷川俊太郎)からインスパイアされた、 まったく新しい物語。」
らしい。
絵本『スイミー』と同じ作者の作者さんですね。
この絵本『フレデリック』を読んだことはないけど、評判を見てみると人の存在や役割にはいろんな形があり、他の人とは違う考え方をするようなことがあってもそれでいいんだよ、と多様性を許容してくれるっぽい内容なのかなと受け取れる。
読まずにこんなの書くのは駄目すぎると思うので早めにちゃんと読みます。

待ち合わせの空港で、モブ化してて気づかなかったと担当編集に言われたのは、どこかで見たことあるような髪型、ファッションだからだろう。
冒頭で、マクドナルド(っぽい店)にいて、旅先であるパリでさえ知った味であるスタパ(スタバっぽい店)に行きたがるのは、そういった誰もが知り冒険しない安心感を求めてのことからなのではないか。
主人公は内向的で人見知りだと自覚しているが、担当からそれがプラスになるなら評価するしマイナスになるようなら見捨てると宣言される。
誰もが知るなにか、ハズレがない、尖ってないなにか、例えばファッションだったり食事だったりそういったところで、他人と同じことをしていることに安心しきって、挑戦すること刺激を受けること他人と違ってしまうことをどこか怖がっているようにも見える。
他人と違ったっていいのに。

旅に同行する大手出版社担当編集・大畑壮吾(40)、同出版社入社3年目の国際室の風見悠子はそれぞれ分かりやすく極端に違う人間だし、それを気にする様子もない。
そして、こういった他人による違いをこの漫画がさらに奥までつっこむためのフランスだろう、移民の問題だろう。
1話の終盤で少しだけ出てきたチュニジア移民で清掃員をやってる女性、メリナ。彼女に焦点が当てられていくことで、その国ではマイノリティとして扱われるということなどの問題にスポットライトが当てられ自分らしく生きることへのヒントを掴むのではないか。
そこで、冒頭のマクドナルドでの移民女性従業員に対してモヤッと感じたなにかもはっきりするに違いない。
担当編集が求めているのも、人間至上主義、その作家自信から滲み出るものだから再び漫画を描けるようになるのではないか。
そうなってほしいと願ってしまう自分もいる。

最近自分自身、何をしたらいいのか、どこへ向かえばいいのか混乱している部分がある。
自分が何をしたいのか、はっきりさせて道を見つけたい。
誰かが言っていたからとか、最近こうだからというのは抜きで、自分の意志を貫きたい。
主人公の井手陸さんと僕も年齢が近い。
職業も不安定だ。
この連載が進む中で、読者として僕自身も何かつかめたらいいなと思う。

君は、何のために生まれたの、フレデリック。
君は、何のために生きてるの、フレデリック。
君は、何のために働くの、フレデリック。
僕は、誰のために戦うの、フレデリック。

望月ミネタロウ × 話・山川直人

かつて描いた漫画は評価されたが、しばらく新しく描けてい...
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2話目、最後のコマがすごく象徴的だった。
自分がやってきたことは間違ってなかった、伝わっていたんだ、と。
それまでの自分に、自分の仕事に自信が持てていなかったが、同日に出会ったルーブル学芸員のアランは自分の仕事に熱い想いと確かな誇りを持って働いていたこともあるだろう。
ハーフの翻訳者シモーヌ・菊池・ジュベールさんも、自分が日本とのハーフであること、日本人の母の元に生まれたことを誇りにしたいと言う。
自分を肯定して誇りに思って生きるのは難しいが、フランスで出会う人たちはみな胸を張って生きている。
仕事や出生に誇りを持っている。
そして、ラストのコマだ。
何か言いたげなメリナの目線も気になった。

鬼ゴロシ

昏睡から目覚めたジジイによるハードな復讐劇!!

鬼ゴロシ
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

まだ読んでるところ4話目だけど、かなりハードで面白い!! 街のヤクザたちぶっ倒しまくって無双していた主人公が、5人の仮面被った男たちに嫁と娘を殺され、自分の頭に銃弾ぶっ込まれて植物状態で15年刑務所にいて、出所して子分にお守りされながら飲み行ったら潰した組のやつに包丁ぶっ刺されて道端に放置されて警察に見つかって連れてかれて、運悪く近くで起きてた一家殺人事件の重要参考人として尋問されたら、刑事が自分の家族殺した仮面のやつと同じ話を始めて・・そして、15年の眠りから意識を取り戻す!!!!ここまで一話!! ここから凄絶な復讐が始まる!!!! 熱い!!熱すぎる!!!! 河部真道先生の漫画は、鎌倉末期の『バンデット』、近未来のディストピアを描いた『KILLER APE』と、それぞれ時代こそ違えど、濃くて熱い殺し合いの物語が展開されてきた。 そして今回、ついに現代! そしてこの土地では過去から鬼憑の伝説があるということで土地の背景と業も背負っている!! これからどうやって復讐していくのか、5人は一体誰なのか、ミステリー要素もありつつ楽しみすぎる~!!! 早くも実写映画化してほしい!

テムパル〜アイテムの力〜

ゲームの中でアイテム作って売りまくって現実でも成り上がる!

テムパル〜アイテムの力〜
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

先日発表された「ピッコマAWARD 2023」のSMARTOON部門を受賞していましたね。 https://piccoma.com/web/product/43170 世界最高のバーチャルリアリティゲーム<SATISFY>。全世界ユーザー数20億人が参加する壮大なファンタジーゲーム。 主人公は、借金まみれで日雇いの肉体労働で稼ぐゲーム中毒者の青年。ゲームばっかりやるから友達からも家族からも見放されていたが、ある日ゲームの中の依頼をこなしていると、まだ一人も存在しないレジェンドクラスの「伝説の鍛冶職人」に転職できる本を見つけ転職する。「伝説の鍛冶職人」になったおかげで、何でも武器を装備できるし強い武器も作れるようになって、それらを売ったお金を現実で換金して儲かってゲーム内でも現実でも底辺から成り上がっていく! という話です。 アイテムの力で猛スピードで成り上がっていく痛快なストーリー、縦スクロールならではのかっこいいアクション、仲間との絆、ゲームの世界のキャラ(AI)との恋愛まであって見どころがたくさん! 底辺を味わってきた主人公だから、ずっとお金にがめつくてとにかく根性で乗り切るところが面白いです。いろいろ運も向いてくるんですよね。 気軽にサクサクスルスルっと読み進められるのでちょっとした時間にぜひ。

巡る遊星

どうなるのか読めないけど楽しみな話!

巡る遊星
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

待ってました!中島佑先生の新連載!! ちばてつや賞『ODD FUTURE』や、となりのヤングジャンプ読切『友人について』『A PERFECT DAY』など素晴らしい読切を発表されてきた中島佑先生。 満を持しての連載!楽しみにしてました! https://tonarinoyj.jp/episode/2550689798819277317 高校時代、文化祭で脚本を書いたクラス演劇が優勝して才能を発揮していた主人公は、のちに高校時代の同級生に誘われてトリオを組んでいたが30を目の前にして芸人として売れていなかった。物書きとして友人の怪談系YouTubeの台本を書いて活躍してステップアップみ見えてきたりはするのだが、周囲では少しずつ不協和音的に人間関係がもつれ始めていく…。 これは「お笑い」の話というより、彼と彼を巡る周囲の物語。 物書きとして自分に自信がある主人公だし、自分自身のことを客観的に見られているのだが、決定的に人を楽しませようという気持ちに欠けているから芸人には向いていない。さらに、少なくとも自分は面白いものを書けているという傲慢さ、ふてぶてしさが表に出てしまっていて、他人から好かれることもない。プライドから自分から出た言葉は引っ込めないし、一人で何が悪いと開き直っている部分もある。 それでも僕にはどうしても彼を憎めない。 誰に評価されるでもなく、自分が面白いと思えることをやることが正義な世界で貫く彼は素晴らしい。しかしその価値観を他人に押し付け強要するのは傲慢すぎるし、いる環境に自分を適合させようという意思すら感じないのも違うと思う。その強情さと柔軟性の無さはやはり芸人には向いていないかもしれない。人に求めてばかりで求められることに応じられないのも人間関係が厳しくなってくる。 そのブレない姿勢が必要な場所もあるだろうから、全てを失う彼にはどこかで上手くいってほしいと願ってしまう。本格的に孤独になった彼にどのような変化が訪れるのか。 これからが楽しみだ。 https://comic-days.com/episode/2550689798274443728 https://tonarinoyj.jp/episode/316190247136013710 https://tonarinoyj.jp/episode/4856001361553621486

フレデリック
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没有漫画 没有人生

没有漫画 没有人生

望月ミネタロウ、初めてのエッセイ漫画!! 「僕にとって描く事とは何か?を考えてみると目に見えない事というものに輪郭をつけようとする事じゃないのかと思う。」架空の漫画家・峯月モチタロウのユーモアあふれる日常生活から創作の秘密が見えてくる。「あのさ、意識とか心とかって見えないけど本当にあるんだろうか。」「だからクリエーターとか表現者がいるんじゃない?」マスクで人の表情が分からない世の中に目には見えないもの、言葉では言い表せない心を届けるために何が必要なのだろうか―――

もしも、東京

もしも、東京

20人の漫画家、20の「東京」。【収録作品】(著者あいうえお順) 浅野いにお [TP] 安倍夜郎 [我が心の新宿花園ゴールデン街] 石黒正数 [密林食堂][もしも東京] 石塚真一 [Tokyo Sound] 市川春子 [TOKYO20202 GOURMET/SPOT/HOTEL] 岩本ナオ [海が見える大井町] 太田垣康男 [the next day] 大童澄瞳 [East East] 奥 浩哉 [東京フィレンツェ化計画] 小畑友紀 [願い] 黒田硫黄 [天狗跳梁聖橋下(てんぐのあそぶはひじりばしのした)] 咲坂伊緒 [星の王子さま] 出水ぽすか [ここにいる街] 萩尾望都 [江戸~東京 300年マーチ] 昌原光一 [江戸×東京 ジオラマ合戦] 松井優征 [東京の脅威とギンギンの未来] 松本大洋 [東京の青猫] 望月ミネタロウ [丹下健三の東京計画1960] 山下和美 [世界は変わっても生活は変わらない、という夢] 吉田戦車 [好きな東京] 特別寄稿 角田光代 [私だけの東京] ジェーン・スー [これも東京2021] 鈴木敏夫 [東京物語] 松尾スズキ [出会いたい人に、すべて出会って] 向井 慧(パンサー) [東京] 山崎洋一郎 [新・東京物語] 写真 佐藤健寿

ちいさこべえ

ちいさこべえ

火事で実家の工務店「大留」が焼け、両親をなくした若棟梁・茂次は、「どんなに時代が変わっても人に大切なものは、人情と意地だぜ」という父・留造の言葉を胸に大留再建を誓う。そこに、身寄りのないお手伝いのりつ、行き場を失った福祉施設の子供達が転がり込んできて……ひげもじゃ若棟梁の崖っぷち人生劇場幕開き――山本周五郎の名作時代小説「ちいさこべ」を望月ワールド全開で新解釈する挑戦意欲作!

地球の生活

地球の生活

萩原朔太郎、ブレヒト、チェーホフら、文豪たちの作品を漫画化した諸作、詩心と諧謔味に溢れた幻想譚、そして、あっけにとられるナンセンス! その、一筋縄ではいかない不思議な世界を、ご堪能あれ。武富健治(漫画家)「ぼくが山川兄いの漫画を読みたくてたまらなくなるのは、寝つく前の夜更け、部屋にひとりで、少し心の冴え渡ってきたそんなときだったり。そんな夜でも、ナルミさんに会いたい夜もあれば、半月目のあのコでなくちゃ!という、夜もあって。あやしいあのコや、タコ足のアイツたちが、いっぱいつまった新しい一冊の本が、見知らぬあなたの本棚に入るのは、想像するだけでたまらなくうれしい。この本は、いわば、アナザー・サイド・オブ・山川直人、なのです」

はなうたレコード

はなうたレコード

■この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 喫茶店、古本屋、レコード屋……懐かしい店集う町で、豆太ときな子が奏でるささやかな恋愛模様。読めば胸にちらりと灯がともる――。

澄江堂主人

澄江堂主人

「コーヒーもう一杯」で漫画の枠を超える広い読者の心をとらえた漫画界の吟遊詩人・山川直人が、満を持して挑む新境地。数多ある芥川関係書籍を渉猟し、独自の筆致と解釈で描き出す、“漫画家”芥川龍之介、最後の日々。変革の時代を、繊細すぎる魂を抱えて疾駆した天才作家、その生と死の物語。

夜の太鼓

夜の太鼓

「コーヒーもう一杯」「澄江堂主人」と、唯一無二の世界を謡いつづける“漫画界の吟遊詩人”が、月刊コミックビームに発表した渾身の作品を網羅した最新作品集。新境地に挑んだ中篇「エスパー修業」、世界文学の古典をコミカライズした「バートルビー」、そして本領のファンタジックな短篇「夜の太鼓」を収録。温かくてダーク、ユニークな個性が横溢する、珠玉の一冊。

道草日和

道草日和

この街のどこかに僕を待っている人がいる。私を待っている出会いがある。今日と明日をつなぐ道草の物語。『コーヒーもう一杯』の山川直人が描く、あたたかく、切ない、市井の人々の物語。全て手書きによる独特の画風が、都会の孤独から優しさを紡ぎ出す、魔法の一冊。

ナルミさん愛してる

ナルミさん愛してる

「じわじわと胸に広がるのは、この漫画が好きだという想い」オノ・ナツメ絶賛。『コーヒーもう一杯』で大きな話題を集める漫画界の吟遊詩人が、大切に大切に奏でたささやかな愛の物語に、単行本初収録となる諸短篇を併収。今だからこそ読まれるべき幻の名作が、ついに蘇る。

あかい他人

あかい他人

『コーヒーもう一杯』でジャンルの枠を越える読者を魅了した漫画界の吟遊詩人・山川直人、その幻の初期代表作が、初の完全版として、ここに新生。手に入りにくく、古書価も高騰している同題作品に、単行本未収録のエピソードを加え、雑誌掲載時のカラーページも再現した「完全版」。現代漫画界で異彩を放つ稀有な作家、山川直人のすべてのエッセンスが、ここに凝縮されている。

シリーズ小さな喫茶店

シリーズ小さな喫茶店

すべてのささやかなロマンは、その一杯から始まる。全国のコーヒー好きに愛読されつづけている不朽の名作『コーヒーもう一杯』の作者が、再び琥珀色のアロマ香る物語を描く。さらに甘く、さらに苦く、さらに味わい深く。コーヒーを巡る絶品の短編シリーズ、待望の」開幕。

望月ミネタロウ流の多様性を肯定してくれそうな新連載にコメントする
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