同著者の「いぶり暮らし」が好きで、その作家さんの新作ということで読了。

いぶり暮らしでは、グルメ漫画の面よりも、燻製生活を通しての同居人二人の関係や周囲の人間とのやりとりーーいわゆる「人間模様」が好きだっただけに、この作品はよりその点にフォーカスした作品で、個人的にドンズバでした。

綿谷さんは、周囲とあわせられず、空気も読めず、冗談も通じない、不器用な人間です。
「シャーペンの芯ちょっともらえない?」
と聞かれ
「ちょっとって、具体的にどれくらい?」
と聞き返すような感じ。

言葉通りにしか受け止められず、本音でしか生きられない。
皮肉も通じない。

なんと生きにくいだろうなぁと思いながら、どこか彼女を羨ましく思えてしまう。
周囲にあわせるだけの、風見鶏になっている自分としては。
最初は一人だった綿谷さんも、徐々に理解され、また綿谷さんも理解し(学習とも?)、友だちが増えていって、その過程も読んでいてい気持ちいいです。こういう人が報われるのって、嬉しくなるのです。

また、人間関係うまくいってそうなクラスメイトも、内面では色々問題を抱えていて、今後それがどう展開されていくか楽しみです。

読みたい
だれでも抱けるキミが好き

ただのエロかと思ったら

だれでも抱けるキミが好き
六文銭
六文銭

童貞地味男のゴトウとビッチなギャル・アガワさん。 冒頭からアガワさんのビッチさ全開の姿を見せつけられ、ゴトウくんはカルチャーショックをうける。 と、いうのも普段は委員会が一緒で、ギャル特有のフランクさに童貞のゴトウくんは秒でやられて、アガワさんが気になる存在になっていただけに、生々しいビッチさにショックをうけてしまった、、という流れ。 そこで童貞特有の女性に対する幻想に、第3者的に苦しむだけかと思ったら、そんな葛藤も一瞬で、ゴトウくんもアガワさんとやることをやってしまう。 そこが、ひと味違い個人的に面白いと感じました。 ゴトウくんもアガワさんのセフレの1人に成り下がってしまったことで、どこか自分だけは他の男子と違うとか思っていただけに、その落胆さと、身の程をわきまえ始める感じが、哀愁漂います。 ピュアな気持ちなど、最初からなかったのか?と。 アガワさんも掴みどころなく、ポンポン相手を代えるから、またすごい。 そんな姿にゴトウくんが嫉妬で狂いそうになって、今後どう動くのだろうか。 そして、それにアガワさんはどう反応するのかな? アガワさんがヒキ気味だと現実味があって面白いと思ってます。

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ

嘘か真実か陰謀論

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ
六文銭
六文銭

自分が何かと恵まれていないのは、何か大きな陰謀によるものではないか?という、ネットではびこる「陰謀論」がテーマの本作。 主人公は、いわゆる社会的に弱者の部類で、それでも自分にも特別な何か(人生大逆転できるようなものが)あるんじゃないかと日夜怪しいセミナーに通いながら過ごす。 そんな中、偶然出会った大学生の女性に恋してしまう。 関係を深めていくなかで、彼女につきまとうFACTという謎の組織の存在を知り、彼女を守るために接触。 そこは、陰謀論に染まった集団で、自分の境遇の悪さも、彼女と出会ったのも全てが大きな陰謀だったと諭され、気づくと彼もまたその思想に染まりはじめてしまう・・。という展開。 社会的な問題を扱う重そうな感じもあれば、コミカルなヌケ感もある。 現実を描いた漫画だから明らかに嘘っぽくも感じつつも、これ実はファンタジー漫画なのでは?と思うと真実のように感じてしまう。 ついつい、陰謀も本当のように感じてしまう。(ちょっと調べればわかるんですけどね) そんな感じで嘘か真実かわからないながら、自分なんかは読んでいたのでめちゃくちゃ楽しめた。 特に2巻。 主人公が上述した恋心を抱いている女性に、付け焼き刃的な稚拙な持論を展開し、一瞬で論破される様は読んでいてホント痛々しく、ゾクゾクした。 共感性羞恥をこれほど感じたシーンはないと思う。 4巻で最終巻らしいけど、どうオチをつけるか気になる。

珍遊記2~夢の印税生活編~

奇跡の続編

珍遊記2~夢の印税生活編~
六文銭
六文銭

小さい頃、色んな意味でトラウマを植え付けられた珍遊記。 当時、絵を見るのも怖くて、だけどドラゴンボールは読みたいから、珍遊記のページにはいかないよう恐る恐るめくっていたのも、今となっては良い思い出です。 本作というか、著者を語る上でもはや絵柄に触れないのは無理なのですが、とにかく子供がみたら泣き出すような絵の濃さ。 特に婆さんキャラのシワがえぐい。 下品な下ネタも満載で絵柄と相まって、初見の方は気分悪くなると思うんですが、、、 著者が、現在、子供向けの絵本作家としても活躍しているというから驚きしかない。 謎に時代を感じる。 さて、本作の内容だか、前作珍遊記の続編という立ち位置だが、前作をなぞりながら、その裏で起きていたことを描きながら始まる。 もう一つの怪作、漫遊記とも繋がっているので両方知っているとより面白いのだが、正直、何も知らなくても大丈夫だと思う。 著者の作品を知ってる人ならわかると思うが、ストーリーはあってないようなもので、とにかく勢いが魅力。 そこは本作も健在で十二分にある。 映画化もした作品だが、玄人受けとか言うつもりもないが、毒にも薬にもならない作品と異なり、モノづくりに携わる人間に、何らかのインパクトを残す作品なんだろうってことは理解できる一作です。

本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
明日のレシピ

明日のレシピ

私たちにだって、朝はくる。 学生時代のあだ名が「クラサワ」という根暗の織部沙羽(30)は、ある日、継父の父(祖父) の四十九日で形見分けに本棚の本を丸ごともらってくる。同棲中の恋人・糸田朝日(28)は持ち 前の明るさでそれを受け入れるが、持ってきた当人がどこかもやもやしている様子。思い 立ってその中から一冊の本を手にするが。。 「わかってもらえない」ふたりが、自分たちらしく暮らす、愛と本と知恵に満ちた同棲漫画!

君駆ける

君駆ける

高校の美術部で一番巧く注目を集める誠一郎は、その自信故に自信のない字を書く書道部員・吉野の告白を無下にする。それから数年。画家としてスランプに陥っていた誠一郎に高校時代の友人から展示会の誘いが。流されるまま訪れた展示会で彼が見たものは…。才能と青春がもどかしく絡み合う、切なすぎる短編!

正直に生きにくい人間の清涼剤にコメントする
※ご自身のコメントに返信しようとしていますが、よろしいですか?最近、自作自演行為に関する報告が増えておりますため、訂正や補足コメントを除き、そのような行為はお控えいただくようお願いしております。
※コミュニティ運営およびシステム負荷の制限のため、1日の投稿数を制限しております。ご理解とご協力をお願いいたします。また、複数の環境からの制限以上の投稿も禁止しており、確認次第ブロック対応を行いますので、ご了承ください。