ストーリーの骨子はまさにど真ん中のストレート。なんちゃって野球部が、ふとしたきっかけで目覚め、甲子園を目指すというもの。これだと、なんだ普通の野球漫画かと思われていまいますが、この作品はなかなかあなどれない。いくつも変化球を投げてきているのですよ。まずは主役がかつての野球部マネージャーで、10年ぶりに故郷に戻ってきた女性教師ということ。設定に変化をつける、さしずめスライダーといったところ。そして意味深なタイトル。わざわざ「みんなの」という文字に×をつけ「私の」にしてあり、これは最後のオチにも関係しているので、決め球のフォークといえばいいでしょうか。さらにもうひとつ、魔球クラスの球がありまして、これがなんと幽霊。???ですが、この幽霊、特に物語の導入部で、過去と現在の橋渡し役となる重要な存在なのです。物語が進むにつれだんだん出番も減りますが、それは生きている人間の存在感がでてきているから。そして「みんなの」につながっていくという流れ。ちょっと違うと思っていたらなんとなく打ち取られた、そんな感じです。
作品は東北のとある高校が舞台。10年前、甲子園出場の輝かしい実績はあるが、今はそれも昔の話。だが、ある日、甲子園出場時の女子マネージャーが赴任してから、野球部が活気づき出した。彼女は心に秘める想いを胸に部長に就任したが……。
作品は東北のとある高校が舞台。10年前、甲子園出場の輝かしい実績はあるが、今はそれも昔の話。だが、ある日、甲子園出場時の女子マネージャーが赴任してから、野球部が活気づき出した。彼女は心に秘める想いを胸に部長に就任したが……。