作品は東北のとある高校が舞台。10年前、甲子園出場の輝かしい実績はあるが、今はそれも昔の話。だが、ある日、甲子園出場時の女子マネージャーが赴任してから、野球部が活気づき出した。彼女は心に秘める想いを胸に部長に就任したが……。
作品は東北のとある高校が舞台。10年前、甲子園出場の輝かしい実績はあるが、今はそれも昔の話。だが、ある日、甲子園出場時の女子マネージャーが赴任してから、野球部が活気づき出した。彼女は心に秘める想いを胸に部長に就任したが……。
県外の高校に進学した卑屈で弱気なピッチャー・三橋廉(みはし・れん)。見学するだけと訪れたものの強引に入部させられたのは、全員1年生(くせ者揃い)に女監督(コワイ)という創設まもない野球部だった!オレらのエースは暗くて卑屈。勝つために、弱気なエースのために。行け、オレら!読むとためになり、しかも血沸き肉躍り涙する。絶対に面白い本格高校野球漫画!
女が野球をすることに、まだ世間があまり興味を示さなかった頃。リトルリーグで男子に交じりエースを務めるほどの圧倒的な才能を持った草吹恵と、女性離れした体力を誇るスラッガー結城愛。ふたりの“めぐみ”は、ともに大好きな白球を追って、青春のすべてをグラウンドに懸けることを誓う。その出逢いは、女性にとっての野球の未来を、世界を変えるほどの、大いなるストーリーの始まり。『銃座のウルナ』で第21回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した鬼才・伊図透が挑む、真っ向勝負のガールズ・ベースボール・ロマン、満を持してのスタート。※“(go for) all the marbles”は「いちかばちかやってみる」「すべてを懸ける」の意。月刊コミックビーム連載『全速力の。』改題
ストーリーの骨子はまさにど真ん中のストレート。なんちゃって野球部が、ふとしたきっかけで目覚め、甲子園を目指すというもの。これだと、なんだ普通の野球漫画かと思われていまいますが、この作品はなかなかあなどれない。いくつも変化球を投げてきているのですよ。まずは主役がかつての野球部マネージャーで、10年ぶりに故郷に戻ってきた女性教師ということ。設定に変化をつける、さしずめスライダーといったところ。そして意味深なタイトル。わざわざ「みんなの」という文字に×をつけ「私の」にしてあり、これは最後のオチにも関係しているので、決め球のフォークといえばいいでしょうか。さらにもうひとつ、魔球クラスの球がありまして、これがなんと幽霊。???ですが、この幽霊、特に物語の導入部で、過去と現在の橋渡し役となる重要な存在なのです。物語が進むにつれだんだん出番も減りますが、それは生きている人間の存在感がでてきているから。そして「みんなの」につながっていくという流れ。ちょっと違うと思っていたらなんとなく打ち取られた、そんな感じです。