粂田晃宏とおぎぬまXのミステリーが面白くない訳がない!!
モンキーピークの粂田晃宏と29年ぶりの赤塚賞入選で話題になった稀代のギャガーおぎぬまXの最強タッグがお送りするミステリー!! 会社の先輩に殺したいほどの怨みを抱えながらも、この世に完璧な犯罪など存在しないんだからと思いとどまっていたところに「借り物ではなく”貴方だけの復讐”をしましょう」と現れた謎の男ヤミノ。しかし彼の正体は… 笑ゥせぇるすまんオマージュのような話に見えるけど、第1話の時点でそうだと断言しないでおきましょう…。おぎぬまXさんはギャグだけじゃなくてストーリーも斬新なはず!!期待の新連載です。
ストーリーの骨子はまさにど真ん中のストレート。なんちゃって野球部が、ふとしたきっかけで目覚め、甲子園を目指すというもの。これだと、なんだ普通の野球漫画かと思われていまいますが、この作品はなかなかあなどれない。いくつも変化球を投げてきているのですよ。まずは主役がかつての野球部マネージャーで、10年ぶりに故郷に戻ってきた女性教師ということ。設定に変化をつける、さしずめスライダーといったところ。そして意味深なタイトル。わざわざ「みんなの」という文字に×をつけ「私の」にしてあり、これは最後のオチにも関係しているので、決め球のフォークといえばいいでしょうか。さらにもうひとつ、魔球クラスの球がありまして、これがなんと幽霊。???ですが、この幽霊、特に物語の導入部で、過去と現在の橋渡し役となる重要な存在なのです。物語が進むにつれだんだん出番も減りますが、それは生きている人間の存在感がでてきているから。そして「みんなの」につながっていくという流れ。ちょっと違うと思っていたらなんとなく打ち取られた、そんな感じです。