原作小説、WEB連載、コミカライズを読んだ本好きファンです。今まで多くのコミカライズを読んできましたが、失望より感動が上回った作品はこの
本好きの下剋上が初めてです…!
これは私の持論なのですが、いい漫画かどうかの判断基準は、「余計なセリフを用いずに絵だけで情報(感情・時間の経過など)を伝えきっているかどうか」です。
鈴華先生の描く「本好き」コミカライズは、まさにこれに当てはまります。
(「本好きの下剋上」1巻第3話より。マインと姉・トゥーリと幼なじみたちは全員最下層の平民)
原作の小説で地の文として書かれていたことは勿論、触れられていない部分についても、きちんと整合性が取れるように描写されています。
ルッツが「リンシャン」をしたかどうか、言及がなくても髪の毛を見れば一目瞭然ですし、洗礼式でマインの血を採取した神官の手を見ればその人物が誰なのかわかってしまいます…!(たまりませんね)
また、コミカライズならではの楽しみといえば、主人公・マインが作った(考案した)品物を、実際に見て楽しむことが出来ることです。
粘土板、パピルス、糸で編んだ花、洗礼式の衣装etc…。
第一部に登場する品々は、どれも貧民・マインとその家族による手作りばかりで、漫画にはそのことを反映し、温かみのある素朴な品として描かれているところが本当に素敵です。
WEBに掲載されている原作は、PDFにして10,708ページと広辞苑約3.5冊分に相当する超長編で、未読の方にはかなり手に取りにくいかと思います。一方、この漫画版は原作の要の部分を抑えて作られており、非常にとっつきやすくなっています。アニメ化に合わせてぜひ読んでみてください!
▼WEB連載「ニコニコ漫画」
http://seiga.nicovideo.jp/comic/18228
「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」特設サイト。本好きのための、本好きに捧ぐ、ビブリア・ファンタジー!