頼むからハッピーエンドになってほしい
あり得るのかもわからないし想像もしづらいけど、ハッピーエンドになってほしい。。 主人公「たーたん」は父。宅配業者をしている。 娘の名前は上田鈴。 15年の刑期を終えて出てくるであろう本当の父親のこと、本当の母親のこと。 自分の娘として、一人の人間として成長していく鈴に言えていない真実が、彼女が大きくなっていくごとに、たーたんの背中に重く重くのしかかる。 西炯子作品は辛いのが多い印象で、ひじょーーーーに不安である。 ただ、仮にこれがハッピーエンドでなかったとしても読まないわけにもいかん、気になって仕方ないもの。。 読者の心をグルグルさせる作品です。
終盤(最終巻である7巻)にて、すべての真実を知った上田鈴が真っ当な判断をしてくれて安心しました。葛木征司がどんなに改心していても、征司本人にはどんな生い立ちがあろうとも、彼のやらかしたこと(「たーたん」こと上田敦への酷い仕打ち=悪質なイジメや、鈴の母親であった妻・葛木智絵へのDVの末に起こした殺人事件)は決して許されることじゃない。血の繋がりの無い他人であるにも関わらず、鈴を愛情いっぱいに育てたたーたんは本当に偉大な男で、賢父でもありました。鈴がそのことをちゃんと理解していて本当によかった…15年という年月の積み重ねが報われて本当によかった。鈴も征司もたーたんに依存してたのだろうか。