ネタバレ
名無し

虚空から華をむしりとる男、梶原一騎の最終作品。
まさに一騎人生劇場。
力道山が、木村政彦が、そして大山倍達が・・
あのころみんな熱かった!

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劇画界から引退を決意した梶原一騎先生の自伝的回顧録。
の筈なんだけれど主人公の名前は梶原ではないし、
いまではストーリー中に、あいかわらずの梶原流脚色も
幾つか散見されているようで。
まさに梶原テイスト溢れる引退作品。

梶原一騎先生の作家としての才能が凄いのはもちろんだけれど、
若くして力道山や大山倍達と知り合い、関係を持ったのは
単純に劇画原作者として取材で色々な人に出会えたという立場が幸いしただけでもないだろうと思う。
当時、似たような立場で力道山や大山と接触する機会が会った人は他にもいただろうが、梶原先生ほどには相手の才能や実力を見抜き、懐に飛び込んでいく才能がなかったのではないだろうか?
凡人には見えないものが見え、面白そうなものに近づいてく才能が有ったのだろうと思う。

男の星座は絶対まだまだネタはあったのに終わってしまったのが残念すぎる傑作。
いつも通りの梶原節で嘘なのか本当なのかもわからない点も含めて最高だ。

連載当時「真実を書く」に驚いて夢中になり、
その後「けっこう虚構がある」とまた読んでしまった。
結局、「それもまた、それがまた、そこがまた梶原一騎の良さ」
と再評価。
恐るべし梶原一騎(笑)。

「梶一太はシャバに出るに出られぬ救護院の出身であった」
と衝撃の事実があかされるが、
救護院に入った理由とか色々と虚実が入り混じっているみたい。
これもまた梶原流。

大山館長とのアレコレは「真・空手バカ一代」って感じで
面白いのだけれど、
館長が実は拓大出身ではないとか特攻隊関係者ではないとかの
噂とかから考えると、さらに虚虚実実。
その辺全て含めてファンタジーな傑作だとは思うが。

原田先生の絵もいいね。
単に似顔絵として似ているだけではなく、
力道山、大山倍達、ユセフ・トルコとかも
喜怒哀楽それぞれの表情や
動きのある絵でも良く似ている・・と思う。
この漫画と比べると、空手バカ一代とか四角いジャングル
結構、登場人物は美化しすぎている感じがする。
一代のつのだ先生はナニをかいてもアノ顔だが(笑)。

男の星座とか、プロレス列伝とか、
梶原先生と原田先生ってどういう打ち合わせをしていたのだろう。
いってみれば原田先生って梶原作品の一番目の読者だよね。
原田先生も描きながら「これマジかな」とか考えたりしなかったのかな。

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