増田俊也のプロフィール

増田 俊也(ますだ としなり、1965年11月8日 - )は、日本の小説家。
2006年に『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞でデビュー。
小説だけではなく、ノンフィクションや随筆、評論の分野でも活動し、大宅賞も受賞している。大宅賞受賞作『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)はトルーマン・カポーティの『冷血』を意識して作家も作中に出る手法をとっており、「私は血の通った文章を書く小説家であり続けたい」と『群像』誌上で記している。2013年には純文学的色彩の濃い自伝的小説『七帝柔道記』(角川書店)も発表するなど、作風は幅広い。

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七帝柔道記外伝

ネタバレ注意!!

七帝柔道記外伝 一丸 増田俊也
toyoneko
toyoneko

「七帝柔道記外伝」は,増田俊也の原作(「VTJ前夜の中井祐樹」)を漫画化した作品 ……ではないです!! …いや,一応,大枠ではそうなんですが,実は問題があります 「七帝柔道記」は,増田俊也先生による小説(ただし限りなくノンフィクション)であり,物語は,主人公(増田俊也)が北大柔道部に入部するところから始まります。当時,七帝戦(旧七帝大による試合)の中で負け続けていた北大柔道部が,勝利を目指して奮闘する物語です 七帝柔道は,寝技中心の特殊ルールであり(高専柔道の流れを汲んでいるとのこと),しかも15人vs15人での団体戦という特殊な試合形式をとっており,これでもかというくらい泥臭くて熱血な練習と試合が繰り広げられます 一丸先生が,同小説を同タイトルで漫画化しています ところで,七帝柔道記は,主人公が入学してから2年間が過ぎたところでストーリーが終わっています。その後のお話は,「続・七帝柔道記」というタイトルで別途描かれたらしいですが(「月刊秘伝」に連載),これはまだ単行本化されていません さらに,主人公(増田俊也)の後輩で,その後,格闘技の道に進んだ中井祐樹という男がいて,その,格闘技トーナメント(VTJ)での活躍が描かれるのが,「VTJ前夜の中井祐樹」です。これは単行本化されています。 そして,本作,「七帝柔道記外伝」(漫画版) おおまかなストーリーラインは,「VTJ前夜の中井祐樹」と同一です 「VTJ前夜の中井祐樹」を,これまでと同じく一丸先生が漫画化したもの…と表現しても,間違ってはいないと思います しかし,そんなつもりで本作を読むと大やけどします! なぜなら,本作では,ストーリー上の重要要素として,まだ単行本化されていない「続・七帝柔道記」のストーリーのうちもっとも重要と思われる部分が,漫画化されてしまっているからです! これは,「VTJ前夜の中井祐樹」には無い描写であり,『おっ,「VTJ前夜の中井祐樹」を漫画化したのか』などと軽い気持ちで読むと,とんでもないネタバレをくらうことになります!!(私のことです) これは…これは注意書きが欲しかった これから読む人はよくご注意ください

シャトゥーン~ヒグマの森~

勝てない、逃げられない、喰われて死ぬしかない

シャトゥーン~ヒグマの森~ 奥谷通教 増田俊也
名無し

ヒグマは日本に生息する哺乳類の中で最大にして最強。 体重が300kgを超える固体もいる。 一振りで人の首の骨ぐらい簡単にへし折れる腕を持ち、 しかもその腕の先には巨大な爪をも持つ。 人の頭など噛み砕く牙も持つ。 巨体でありながら時速80kmで走れる足腰も持ち、 犬の数倍とも言われる臭覚も持つ。 爪を使って木にも登れる能力すら持つ。 人間が戦って勝てるわけがなく、逃げることすら不可能。 しかし一度、人肉を喰らい人間の味を覚えたヒグマは、 ひたすら人間を襲い、食うようになる。 北海道の奥地、絶滅危惧種のシマフクロウが生息する森林。 電話などの通信手段も車などの移動手段もない、 大学の研究施設のプレハブ小屋に、7人の男女。 外には巨大で既に人肉を喰らったヒグマ。 逃げようにも篭城しようにも戦おうにも、 あまりにも何もかもが足りない。 それまでは絶滅危惧種鳥獣を笑って密猟していた男が、 散弾銃など全く効かないヒグマに引き裂かれ苦痛にのたうつ。 それまで「自分の死で自然が守られるなら本望」 とまで言っていた動物学者が、生きたまま食われて悲鳴を上げる。 我が娘だけは命にかえても守ると決意した母の前で、 強大な爪と牙が娘の体にくい込む、宙に舞う。 人間たちの心の中で、生きたい、死にたくないと 明滅する希望と絶望を、 ヒグマが森が雪が、そして互いの心の中の闇が飲み込んでいく。

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