主人公の回想を中心に物語が進むことで、まるで自分もその場にいるかのように感じられ、とても引き込まれた。ストーリーは重厚で、歴史考証が非常にしっかりしているだけに、事実なのか創作なのかギリギリわからない所が良い。
続きで気になるのは、裏で手を引いていた「瀬川」の存在だが、この人は実在の人物なのだろうか。昭和の参謀と呼ばれた瀬島龍三をモデルにしているような気もしたけど違うのかな。
二流の小説書きである「私」は、ある夜、なじみのスナックでひとりの「老人」と出会う。老人は、昭和初期に満洲を駆け巡った馬賊の子で、年少の頃から「殺手」としての教育を受けたという。別の若い客が「生きるために人殺しまでしたのか?」と老人につっかかると、「初めて人を殺したのは13歳の夏だ」と、終戦直前のソ連による満洲侵攻時のことを語りだし…。
二流の小説書きである「私」は、ある夜、なじみのスナックでひとりの「老人」と出会う。老人は、昭和初期に満洲を駆け巡った馬賊の子で、年少の頃から「殺手」としての教育を受けたという。別の若い客が「生きるために人殺しまでしたのか?」と老人につっかかると、「初めて人を殺したのは13歳の夏だ」と、終戦直前のソ連による満洲侵攻時のことを語りだし…。