神ですら分からない現代の欲望
『刻刻』も大好きで本作も本当に楽しく読んでるのだが、先が気になり過ぎて我慢していたコミックDAYSを購読してしまった。今なら遡れば7巻の終わりから最新話まで途切れず読めるしめちゃくちゃ盛り上がってるから今ですよ今! 物語は終盤に差し掛かってるような気がする。7巻で「フクノカミは現代の人間の欲望や価値感覚が分からないのではないか?」という仮説が出てきた。我々は歴史を学ぶ時などに、過去を現在の感覚で捉えて「昔の人はこんなものを信じてたんだなぁ」などと上から目線になってしまいがちだが、実は「過去から現在がどう見えるか」という視点こそが重要なのだ。人間は昔からお金に振り回されてきただろうけど、今のように庶民がお金で頭がいっぱいな時代(株、FX、不動産、インフルエンサー、保険、仮想通貨…)ってあったのだろうか。 そういった「当たり前に過ごしているけど、よくよく考えたら変だぞこれ」っていうものを象徴的に表現するのに、ファンタジックな現象をうまく利用している。細かい描写に一貫性とリアリティがあって安っぽくならない。 堀尾先生自体はあんまりSNSとかやってなさそうなのに、IT系の話題もしっかり消化して小ネタに挟んでて面白い。あと個人的に恋愛描写が好き。心理戦とか駆け引きを描くのがうまいからかな。
インタビューでちょっとその辺作者が話してますね。核心には触れてませんが。。
写真:池ノ谷侑花(ゆかい) さていよいよ本題の『ゴールデンゴールド』について作者の堀尾省太さんに伺います。(前編はこちら ) 先日、第2巻が発売されたばかりの『ゴールデンゴールド』。瀬戸内の島で起こるフクノカミをめぐる物語です。『刻刻』で見られた緻密な描写は今回も健在。それに加えて今回はユー...
<blockquote>堀尾:すごく言っておきたいことっていうのはないんですが、作品の冒頭に出てくる侍とフクノカミの死体のシーン。あれは侍が彼らを斬り殺しって決めつけないでおいてほしいなって。よく見ていただければわかるんですが、まず刀に血が付いていないんですよ。返り血も浴びていないので。</blockquote>