はやみねかおる先生の「夢水清志郎シリーズ」のコミカライズであるこの作品ですが、 原作の夢水清志郎よりも全体的に明るめのテイストになっています。 えぬえけい先生のポップながら丁寧な絵柄が一役買っていることもあり、 高身長で黒ずくめ、いかにも怪しい細身の男の小説イメージから どこか憎めない、生活力はないけどなんだかすごい!と感じる男に。 原作を読了した方もそうでない方も、ぜひ一度読んでほしいです。
近年屈指の癒し漫画じゃないでしょうか。 日常のなかの非日常、ほんのりとファンタジーが入り込んでくる世界観は「ARIA」を、のんびりとした田舎の空気感は「ばらかもん」を思い出しますが、キャラの芝居がナチュラル寄りで比較的オタク臭さが薄いところはそれらよりも「よつばと」に近い雰囲気ですね。(これも時代が変われば感じ方も変わるのでしょうが・・・だからこそ今読むことに意味がある作品、ジャンルだと思います。) 会話のないコマの多さや、温かみのある手描きの背景も良いです。人をダメにするクッションみたいな漫画だなとw
映画化もした奴隷区が新シリーズスタートしました。今回の舞台は高校で学校ならではの勝負が期待できます。 前作同様グロや裏切りの連発でハラハラ、わくわくが止まらないです。 まだ1巻しか出ていないですが、今後の展開がかなり期待できそうです。
京王線の満員電車で繰り広げられる電車内席取りバトルに勝ち必ず座って帰る男「流星課長」 必ず座って帰るのはいいんだけど、なぜかロシアの体操選手「アンドレイ・イツデモ・スワルコフ」やら、通勤ロボ、総理大臣の強敵が出てくる。 内容は席取りバトルけど、絵がカッコいいし、通勤電車に乗る人間としてすごい楽しめる。 実写もあった https://www.youtube.com/watch?v=wq4-Im3jIzw
すごい漫画だった。この漫画を読んだ自分の体に起こった反応がすごかった。内容をうまく伝えられるとは思わないのでその体験ベースの感想を。 どんな物語でも1番最初に読まれるのはタイトルで、最後に読まれるのはまぁ最後のページだと思う。読み進めているあいだ、自分が目にしている1番新しいものは目の前のページに描かれていることで、そうなるとその作品について1番最後に目にしたものはタイトルになるはずだ。 随分と回りくどい言い方してしまったけど、「甘い水」を読んでいると最初に読んだものが今目のまで起こっていることと結びつく瞬間がある。その時の感情をなんというのかわからないが、少なくとも感動とか面白いとかを超えたところにある何かがあった。読み終わって随分経ってもその余韻が続いた。凄まじい漫画だった。 見つけたら買って読んで欲しい。
ヤマザキコレ先生の描くローファンタジーは本当に雰囲気が最高。「魔法使いの嫁」とはまた違ったダークな世界観。 主人公のヨハンナも良い。貪欲でずる賢くて慈悲深くもあって、重たい陰を背負っている。ハガレンのエドをずっと大人びさせたような性格という印象。見ていて気持ちいいです。
ジャンプをその当時買っていて、クラスで友達と話するのは、ワンピースやナルトの事ばかりでしたが、実は僕はアイズを結構楽しみに読んでいました。けど、そんなこと友達には言えませんでした。アイズの要素のエロが思春期の私には強すぎて、何かアイズの事を好きとは恥ずかしくて言えませんでした。 しかし、大人になって読んでみるとけっこう感動できる作品だと思いました。エロなしでも十分いい作品です! ただ、何年たっても桂正和先生のお尻の描き方は色あせないですね・・・。ちなみに私は泉ちゃんが好きでした。エロいから。
家がお金持ちで頭も良く女の子にモテモテのイケメン井村くんと自分の時間を大切にしたすぎて友達を全く作らない久住さんは、周囲の目を欺くために恋人だと嘘をついている。 お互いに自分以外の人間と付き合いたくないという利害の一致のための行動だったんだけど、ひょんなことから井村くんのことが気になってきた久住さんの話。お互いの家庭や過去についてちらっと触れる部分もあり、二人が人を遠ざける理由も少しだけ語られている。 秘密を共有している共犯関係的な話(別にバレたって大したことはないけど)で微妙な緊張感がありながら、コミカルで楽しいし、連載を見据えているのかなぁという作り。面白かった。
グランドジャンププレミアムのショート漫画フェスの中の1本。 ネコ目線の子育て漫画。娘の成長とハルの交流が描かれている。 ほのぼのしていていい漫画だった。猫が飼いたくなる。
主人公が潰れかけた店の主人に料理と全く関係ないトレーニングで再建させる豪腕漫画の続編 食キングの続編だけあって、ラーメン店の再建にパチンコ屋で働くなどのパターンを踏襲しているけど、食キングに比べてダジャレが多くなっているのが気になる。 最終回直前のお笑いライブの出場の回は何か知らんが胸が熱くなるね...
卒業式の日に階段から落ちて気がついたら三年前の入学式の朝にタイムリープしていた…というタイムリープもののコテコテな始まり方をする。 だいたい自分の人生を変えるか、誰かの人生を変えるのどちらかが多いと思うけど、「アゲイン」は主人公の今村が誰とも関わらずに高校生活を終えてしまっていたから、誰かと関わることで自分も変わって(成長して)いく 改めて読み返すと人生の分岐点っていうのは本当にたった一言だったりするんだなと思ったりもした。 潰れかけの応援団とニート一直線の今村くんの人生が復活と再生。鉄板ながら情熱的な展開に惹きつけられる漫画だった。
いつものメンバーで放課後遊んで満足している「そこそこ」な生活を送っている高校生たちのマンガかなと思ったら、1巻を最後まで読めばガラリと印象が変わる。 完結する9巻までずっと重たい調子が続いていくけど、最後の最後まで業の深さを味あわせてくれる。リアルな人間の汚さがどんどん癖になってくるのでオススメです。
前作の「柔道部物語」も「JJM女子柔道部物語」も柔道に詳しくなくても楽しめる。主人公のえもが柔道ど素人ということもあって、技について何も知らないから、えもと同じペースで柔道を知れて逆に楽しいかも。 今2巻まで出ているけど、ずっと面白いし、えもが強くなればなるほど小林まことのわかりやすくて迫力のある試合シーンが増えるからこれからも楽しみでしょうがない。 ちなみに「柔道部物語」とは繋がっていないから、女子柔道部から読み始めて大丈夫だよ(ただ柔道部物語も面白いから読んでほしい)
狂四郎と志乃の愛の物語でありながら、二人の行く手を阻むのは管理統制社会。お互いに綺麗なままではくぐれない修羅場を泥を被りながら未来に進んでいく姿は何回読んでも涙を誘います。 強調されているとはいえ狂四郎2030の社会像は示唆的なものがありますし、それに負けない狂四郎と志乃の姿には人生の指針になるようなものも多くあります。何より愛って素晴らしいと思える傑作です。
ある日「生まれたときから下手くそ」と自分の人生を尾崎放哉風に言い表した安倍夜郎が思い出したのは父の姿だったようで、そんな生き方をした父と小学生くらいの頃の安倍夜郎話が自伝的に描かれている。 安倍夜郎の父は不器用といえば不器用なんだが、いつもパンツ一丁でゴロゴロしているけど、運動が苦手な子供のために特訓をしてやったり子供の面倒見もいい、いいお父さんという印象の方が強い。なので安倍夜郎の子供時代とぐーたらとうちゃんとの思い出という感じで、じんわりといい話だった。 あとあとがきがとてもよく、お父さんは出てこないんだけど、作中に登場するある漫画家との話があとがきで書かれていてすごく感動したのであとがきを読み飛ばさないでほしいマンガ。
「柔道部物語」など小林まことの描く青春は泥臭くもあり突き抜ける爽快感もあって大好きだが、この漫画は小林まことの新人漫画家時代の青春が描かれている。漫画家としてデビューして得た仲間たちと過ごした楽しい時間と、自殺したくなるほどの苦しさの両方が詰まっている。 アメトークでケンコバさんが取り上げたようだが、「JJM女子柔道部物語」などで興味を持ったらぜひこのマンガも読んでほしい。小林まことのエッセンスが詰まっている作品。
ミュンヘン編が終わってハンブルグ編に突入した。1巻の終わりのタクシードライバーとの話から繋がってくる。(サイドストーリーだと思ってたがそうじゃなかった) ミュンヘンは終始クリスがいいやつだなって感じがしたが、ハンブルグでの草の根かき分けるようなは仲間の探し方の実の結び方が感動した。あと、週刊ポストの特別番外編はちゃんとカラーで収録されていたので見逃した人には嬉しいはず。
いちご100%で知られる河下先生の新境地、というか 殺陣などのアクションにはそれほど見どころといえる箇所はないものの、さすがにキャラクターは魅力的。現代口調の主人公が浮いてて違和感を覚えるのも最初だけで、リアリティの線引きが分かりやすくはっきりしているので読んでてすぐ慣れる。 女剣士の里江にいちいちグッとくるというか、膝から下しか露出してないのになんでこんなにセクシーなのかと。てか3巻くらいからサービスカット増えた?テコ入れかな
藤井四段(14歳)が激震をして、将棋にも注目が集まる中、三月のライオンが先日映画館で上映された。 あと、将棋の漫画といえば、月下の騎士や、ひらけ駒、天才羽生が恐れた男聖などがあるが、連載していた雑誌が、ヤングジャンプということもあり、お色気要素満載!!プロの将棋棋士のはなしではなく、真剣士のはなしである。男の葛藤も面白い!
「柔道部物語」の小林まことがアトランタ五輪で金メダルを取った恵本裕子氏をモデルにした漫画。原作者として名を連ねている。 1巻の最初の方は柔道にとんと縁のなかったえもが高校に入って何をするか悩みながらグダグダしているが、後半からわりとしょうもない理由で柔道部に入り、2巻では早速試合も始まっている。 小林まことらしいギャグも「柔道部物語」に見られた迫力のある試合展開も健在で、柔道ファンだけでなくスポーツ漫画やスポーツ好きならきっとハマると漫画。前作の「柔道部物語」は「スラムダンク」並みに面白いので読んでほしい。
シリアスなゾンビもの。設定を追及しない故モヤっとした部分もあるが1巻で綺麗にまとまっていて良作。
誤解を恐れずにいうなら、野球漫画の皮を被ったドロドロ恋愛漫画だと思ってます。もちろん野球の試合や練習シーンもあるので野球漫画としても面白いんですが、それ以上にキャッチャーの修二とピッチャーの空の心のすれ違い具合が離婚寸前のドロドロカップルのようで面白いです。 スポーツ漫画といえば、友情・努力・勝利が鉄板ですが、友情が生まれるまでに多くの話が裂かれそうな感じです。すれ違いなどの心理描写が多いので、女性が楽しみやすく、野球漫画として斬新だと思います。 あと、桃栗みかん(=河下水希)の描く美少女には以前から定評がありますが、今回はあの画力で美少年を描いているので2度美味しいです。
モテない暗い女子短大生(お嬢様学校)の麗子がちょい悪親父の映画監督と爽やか好青年高校生と三角関係になる話。 素材は悪くないんだけど、パッとしないと周囲から言われすぎて自分を諦めてしまってしまった系の子で、だんだんと殻を破って綺麗になるところは爽快でもある。 三角関係の話も面白いんだけど、麗子がちょい悪親父の映画監督に触発されて新しい世界に踏み込んで行く方の話も面白い。
『シュート!』の大島司の読切。 実在のロードバイクチーム「ノボ ノルディクス ファーマ」が登場する。 通常の自転車マンガと異なるのは、1型糖尿病という病を扱っている点だろうか。 啓蒙的な部分に加え、同じ病気に苦しむ人を勇気付けてくれるような内容だった。 http://www.shonenmagazine.com/special/rideyourdream/
読む前は手を出しにくいタイトルだなぁと思ってました。 いやほんとに手を出して良かったですね。ネタバレしたくないのであまり書けないですが、しいて言うなら世界観でしょうか。もうね~こんな漫画は他にないです。かっこよくてかわいくて気持ち悪くて、シュールだけどたまに泣かせてくるようなところもいいんです。センスがいいんです。 新しい世界を探している人に是非読んでほしいんです!
この漫画、前半のドライブ感がすごい良かった。後半はアレだけど。 主人公の源九郎と、忍者の佐助の邂逅するシーンが特に好きで、何度も読み返した覚えがある。 2人の殺陣が格好良すぎて痺れた
『銃座のウルナ』『エイス』『おんさのひびき』などの伊図透の作品集。 短編ながらどれもずっしりとした読み応えがあってとてもいい。全面に押し出しているわけではないんだけど、抑圧や不条理に押さえつけられている人間の姿が自然と描かれていて、じっくり読ませる力がある。 特に表題作にもなっている『辺境で』は重たい話が続いた最後に諦めに似た救いが用意されていてとても素晴らしいと思った。
「それでも町は廻っている」 みんな仲良く手をとって生きているんだね、という意味だと思っていたが、違っていた。 ラストは、これまでにも何度か出てきたSF的シチュエーション。 「もしも自分がこの世に存在していなかったら」 もし自分が存在しなくても「それでも町は廻っている」 もし自分が死んでも、残されたみんなによって「町は廻っていく」 自分がいなくても、みんなほかの家族と、友人と、楽しく生活できる。その事実が怖い。自分は不要なのか、と考えることが怖い。怖くて面白い。 だから何度か似た話が出てくる。 タイトルに含まれた怖さに、最終巻にして気づいた。
両親の評価がほしくて生きていた。「自分」は無かった。 「性」を心の奥に封印して、私は無垢なままだよ、こんなに傷だらけだよ、と自傷することで親の愛を求めた作者が、 「本当の自分は違う」「本当にしたいことは何だ」と考え、行動に移すまでの物語。 レズ風俗に行くけど、レズビアンとも違う。鬱で過食で拒食。母親の裸を見たくなってしまう。 超・少数派の作者が、図解と言葉と絵柄でなんとか「多数派」の読者たちに、自分をわかってもらおうとする。 細部のリアリティや、隙あらば入ってくる笑いにまで凄みを感じる。 投稿サイト出身のマンガに、こんなものがあったのか!
近未来SFとしても十分面白い。複数人で共同幻想を作り出す共感覚トランスとかはVRの先の世界だし、スピリチュアルな要素が多いのも好み。現実なのか妄想の中なのかわからなくなる感覚はマンガならでは。
出オチ感満載の顔面トマト男のお料理ギャグ漫画。 興奮すると顔が潰れて飛び出たり、困っている人がいたら自分の顔を差し出したりとメチャクチャだが、勢いとノリでついつい笑ってしまう
『クリームソーダシティ』といえばなぜか未完のまま打ち切られてしまった作品として有名だと思うが、クラウドファンディングなどを経てついにきちんとした完結を迎えた。感想を書こうにもうまくまとめられないので、一言残して行く感じの方がいいなって思った。
三家本礼ってどんなマンガを描くの?っていうのを知りたければこの1冊がおすすめ。 自殺をした娘のためにいじめっ子家族を懲らしめる「クレイジーママ」や給食費を払わない家族を懲らしめる「給食の飯田さん」なんかは、世間でまかり通ってしまっている不条理や不義理に行きすぎた制裁を加える三家本作品的な勧善懲悪具合がよく現れている。 単なるスプラッタホラーではなく、独特の価値観のもとにスプラッタが展開されるのが三家本礼作品の魅力で、三家本作品に出てくるヒロインたちの魅力だと思うので、これを読んで気になったら、「ゾンビ屋れい子」とか「血まみれスケバンチェーンソー」とか「サタニスター」とかを読んでもらいたい。
山下和美初のエッセイコミック。建築家の蔵田さんと出会い数寄屋造りの家を建てるまでの話。 土地を選び値切りをして…っていうところから始まっているので数寄屋に限らずこれから家を建てようと思う人にもいいかも。毎話終わるごとに蔵田さんのコラムがあって家とかについて学べるのも嬉しい。 同時に山下和美の私生活とか漫画家生活が垣間見えるのでエッセイとしてもとても面白いし、中盤山下和美と蔵田さんの会話が「お金がないからコストダウンしてね!」っていうのが半分くらいを占めていたりして楽しい。
前作を闘病記とするなら、今作は共感を呼びかけるのではなく、現状そのままを描いた日常エッセイ。 作品を家族が理解してくれそうにない。孤独で泣けてしょうがない。呼吸が苦しい。 家族との意思疎通がうまくいかず、鬱というフレーズを簡単に使った父に怒り、部屋でひとり暴れる。 ヒット作を出した直後とは思えないボロボロの精神状態だが、観察力のアンテナはONのまま。部屋で暴れて「いなりずしの酢飯が傷にしみた痛み」、その一瞬を逃がさず描き残す。 前作で異様な迫力を見せた、「過食時にかじった、血に染まった生麺」。 体験した人にしかわからない、痛くて醜い一瞬を切り取る。作者の精神は血だらけなのに、まだ、私を見て、わかりやすく説明するから読んで!と身を削る。精神状態に比例して荒れるタッチ、酒量が増え、突然ぶちっと終わらせたような不完全さには、異様な迫力がある。
大奥の作者 よしながふみが書いたグルメ漫画 主人公が「YながFみ」となっており、「YながFみ」が実在の店にいって食事するのが漫画になっている。 料理は美味そうだし、何よりも作者が食事を大事にしているのがわかって面白い。 続きがあれば読みたい
タイトルを見ただけでは、グルメ要素低めと思っていましたが、ほぼグルメ漫画、ときどき不倫です。主人公が出張先のグルメを食べるんですが、あまり東京住みでは知らないようなものを食べるので、こんなものが有名なんだと知れて、どこか旅行に行きたくなります。不倫するのも地方の女性なんですが、訛っている地方の女性もいいなぁ・・・と思っちゃいますね。
4人のホームレスが毎回くだらないことをする話。友達から借りて読んで面白かった記憶があったんだけど、改めて読むと当時を知らないと笑えないネタとか、今は陳腐化してしまったネタがあり、時の試練を感じた。まぁでもそんなことは気にせずに楽しめるし「わがらんなぁー」て言いたくなるよ。
※ネタバレを含むクチコミです。
ワイルドで無鉄砲な都会娘とクールで硬派な田舎イケメンという逆・君の名はみたいなギャップな組み合わせも面白いけれど 恋のライバルがライバルと呼ぶにはあまりにも強大過ぎて、なかなかに燃える展開ですね。 素直でまっすぐな主人公を応援したくなります。
朱戸アオ先生の最新作『リウーを待ちながら』1巻がでました!感想などはぜひこちらにお願いします〜!マンバ通信でも取り上げているので記事の感想もこちらまで〜 https://magazine.manba.co.jp/2017/06/27/1st-rewoo/
80年代の少女漫画風のギャグ漫画。フリーターのトン子ちゃんが行きつけのカフェ待夢(タイム)のマスターから岡本太郎を教えてもらったことからアートへの興味とマスターへの恋心が始まって、この二つがストーリーの主な軸になっている。 岡本太郎をはじめモネ・レンブラント・ピカソの作品が出てきてトン子ちゃんのその時の悩みや葛藤に指針を与えたりする。特に岡本太郎は何回も出てきて「太郎サ!」ってトン子ちゃんから言われる心の師匠的なポジションになっている。 トン子ちゃんの日常ギャグ漫画だけど、芸術家とかトン子ちゃんとかマスターから人生について考えさせられるようなことも出てきたりしてなかなか深みのある作品。
ひとりの謎多き女子高校生が、行きがかりに受けた依頼で社会のクズを解体し、臓器を取り出し、分配するミステリーホラー。実際にあった事件をモチーフにしたエピソードや闇ネット社会ネタがあり、キャラが美人やイケメンの為にそのギャップで鳥肌が立つ。物語の進行上、最新生理学技術も出てきて、生に対する倫理感を考えされられる。果たして人造人間を創り出そうとしている人類は、神を超えられるか!
絵がとても綺麗なぶん、グロテスクな描写が引き立っていますので苦手な方は注意が必要です。私刑をどう捉えるかという問題にも繋がるかもしれませんが、私は悪人には裁きがあって当然だと常日頃から思っているので、この漫画はとても楽しめました。他の方も書いてらっしゃいますが、デスノートのキラ崇拝者は好きな方向性だと思います。
東京で一人暮らししているとすごく忙しいですし、すごく寂しく感じる事ってありませんか?すごく毎日が忙しかったり、精神的に追い込まれている人に是非読んでほしい・・・。 そういう人が読んだら、きっと心が少し楽になると思います。私もそうでした。単純に誰かの優しさを求めていてんだなぁ。。。って実感すると思います。
満州移民の中でも特に気合の入った「千振開拓団」の人々の物語。長編ドラマの内容が読みやすく1巻にまとまっている。 満州引き揚げの体験は壮絶だったけども、絵柄が明るいのでそこまで辛い気持ちにはならずに済んだ。
相撲部屋の若いおかみさんが主人公の漫画。ちょうど相撲がすごい流行った時期あたりに連載していた。 感動する話が多いんだが、それは無理矢理感動させようという感じでないのがいいけど相撲部屋での可愛がりが問題になる前に漫画なので、表現をきついところもある。 今連載している「七帝柔道記」も同じ感じで好き
タイトルに惹かれて購入した。「少女、少女、少女なの。」は表題作の短編で、これとその次に収録されている「天涯孤独系ガール」が好きだった。 「少女、少女、少女なの。」は遊ぶところと言ったらイオンっていうマイルドな田舎にいる「こんなに可愛い私は特別に違いない」と思っている女の子が主人公。将来の夢はモデルになって後々は女優に…という感じでややスレているが割と素直で可愛い女の子。 モデルのオーディションを受けて、自分の夢に向かって一歩踏み出すまでの葛藤とか地元を離れたい思いとか心残りとか不安とか決意があって面白かった。短編だが続きが読みたいような気になる。 「天涯孤独系ガール」は市川春子の「25時のバカンス」にかなり影響を受けたよう。コールドスリープから目が覚めたら人類は衰退していたというSFテイストの話。御都合主義的なスカッとした話ながら終わり方がいい感じで良かった。
「第七女子会彷徨」「ホブゴブリン」のつばなの漫画。おなじみのドタバタ感は健在で、ある日通学途中に落ちていた一万円札に釣られて(フィッシングされて)謎の天才の科学実験に付き合わされる羽目になる。ワープの実験だったんだがミスで体が分裂し、もう1人の自分が誕生してしまうという話。 どこか抜けているけど根が素直でいい子なことが幸いしてもう1人の自分と初めはうまくやるんだけど、好きな男を取り合ったりして徐々に亀裂が走ったり、本物と偽物のの区別とかでまた諍いみたいなものが生まれそうになったりして、ちょっとシリアスなところもあるが、本物と偽物が別々の仕方で相手のことを大切な存在だと確かめた結果、見事な大団円のフィナーレを迎える。 1巻完結で読みやすいし、ふんわりとしたSF要素が読んでいて楽しいし読後感も良かった。
はやみねかおる先生の「夢水清志郎シリーズ」のコミカライズであるこの作品ですが、 原作の夢水清志郎よりも全体的に明るめのテイストになっています。 えぬえけい先生のポップながら丁寧な絵柄が一役買っていることもあり、 高身長で黒ずくめ、いかにも怪しい細身の男の小説イメージから どこか憎めない、生活力はないけどなんだかすごい!と感じる男に。 原作を読了した方もそうでない方も、ぜひ一度読んでほしいです。