南 光裕

前作を闘病記とするなら、今作は共感を呼びかけるのではなく、現状そのままを描いた日常エッセイ。

作品を家族が理解してくれそうにない。孤独で泣けてしょうがない。呼吸が苦しい。
家族との意思疎通がうまくいかず、鬱というフレーズを簡単に使った父に怒り、部屋でひとり暴れる。
ヒット作を出した直後とは思えないボロボロの精神状態だが、観察力のアンテナはONのまま。部屋で暴れて「いなりずしの酢飯が傷にしみた痛み」、その一瞬を逃がさず描き残す。
前作で異様な迫力を見せた、「過食時にかじった、血に染まった生麺」。
体験した人にしかわからない、痛くて醜い一瞬を切り取る。作者の精神は血だらけなのに、まだ、私を見て、わかりやすく説明するから読んで!と身を削る。精神状態に比例して荒れるタッチ、酒量が増え、突然ぶちっと終わらせたような不完全さには、異様な迫力がある。

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続編の存在を知りませんでした。試し読みで「いなりずしの酢飯が傷にしみた痛み」のところまで読めましたが面白かったです。続きも気になるので本屋で探してみます。

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膵臓がこわれたら、少し生きやすくなりました。

膵臓がこわれたら、少し生きやすくなりました。

自分を大事にしたくて、お酒に頼るのやめました。自分自身の行動と思考をつぶさに漫画にしてきた永田カビさんの最新作は、コロナ禍での飲酒・断酒を巡る日々について。「人に認められる」=「お酒を飲んでいい」という脳内構図ができあがってしまった著者が、健康上の理由からアルコールを断つことになったのだが…… 【目次】 プロローグ 第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 エピローグ おまけ編

現実逃避してたらボロボロになった話

現実逃避してたらボロボロになった話

飲まずにはいられない、描かずにはいられない。31歳、自分を見失い、アルコール性急性膵炎に……慢性的な生きづらさ、創作による苦しみから逃れるため、どんどん増えていく酒量。ある日、耐えきれない腹痛におそわれ病院に行くと「アルコール性急性膵炎」と診断され即入院となる。この本は、その入院生活と退院後・コミックエッセイを再度描くに至るまでを描いた実話である。

つればり

つればり

女性作家が描く性的漫画表現、第3弾!! 収録作品●シリーズ第2回! 女性器に○○のある加也子。女子高生となった彼女は今…。「禁忌の宝石 魚葬」クロキケイコ ●3~4話一挙掲載! 普通のSEXがしたい。幸子の願いは叶うのか…!?「私の知らないマンガを教えてくれるだけでいいのに。」葛城幸子 ●3~5話一挙掲載!ちづるの恋の行方は? あいこに急接近する者とは…!?「あいこのまーちゃん 2年生]やまもとありさ ●初登場読切28P! 耳から離れない母のあえぎ声。小学生の真衣は何を思う…?「あえぎ声」市丸いろは ●初登場イラスト4P! 永田カビが贈るちょっぴりエッチで危険な女の子の風景。「永田カビillustration」 ●次号予告

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さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

「心を開くって、どうするんだっけ…」28歳、性的経験なし。生きづらい人生の転機。高校卒業から10年間、息苦しさを感じて生きてきた日々。そんな自分を解き放つために選んだ手段が、「レズビアン風俗」で抱きしめられることだった──自身を極限まで見つめ突破口を開いた、赤裸々すぎる実録マンガ。pixiv閲覧数480万超の話題作、全頁改稿・描き下ろしで書籍化。

鬱、過食、拒食の作者が風俗に行き、「いい子」の殻をぶち破った前作「レズ風俗~」の、その後の日々。にコメントする
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