※ネタバレを含むクチコミです。
高校の頃いかにも漫画は馬鹿のよむものだ、とでもいいたげな先生が不意に「あさきゆめみしはいいですよ、登場人物の顔が全員一緒に見えますが」と紹介したことから、とても印象に残ってる作品。 実際に源氏物語の話の内容がどんな参考書よりもよくわかる。それだけでなく、古典常識もつく優れもの。大和由紀なりの解釈をされている箇所が多いところが問題視されることもあるが、古典に興味を持つきっかけになることを考えれば問題ない。ぜひ一読すべき。
ホノオ君の心理、行動にリアリティーがありすぎて忘れがちになるけど、在学中にデビューして連載してるんだから間違いなく天才だと思う。いちいちなんてことのない日常の思考が面白いから、そりゃ面白い漫画が書けるよな。
なんとなく映画の解説してくれる漫画か、と思いきやひたすら木根さんという映画オタクが主観バリバリの映画論を展開する作品。コメディよりの作風にしつつ、面倒くさいオタクの生態(偏見がすごい、人の話を最後まで聞かない等々)をきちんと書いてくれることに好感が持てる。また、この性格できちんと会社では身だしなみを整えて、仮面を被って社会人やれてるのは偉いなーと感心する。
流行りの異世界転生物のパロディ。こういう作品が世に出回るくらい「異世界に転生して活躍する物語」が市民権を得ていることを実感する。誰もが異世界ものを読んでいるときに一回は考えた(妄想した)ストーリーが形になっていて結構面白い。
学習マンガとしてはフランス革命当時への愛というか何というかが伝わってきて面白い そしてわかりやすい teamバンミカスの学習マンガシリーズは総じてクオリティが高いのでオススメ
たまたま漫画喫茶に完全版があったので読みました! 絵のデフォルメがかわいくて、キャラクターはコミカル。 サリーちゃんが人間界の風習を学んだり、パパを懐柔したり、カブをとっちめたり、ママに甘えたり…そういう一挙一動がただただ楽しい。 サリーちゃんのパパも魔術師ジョーも、キスで娘への愛情表現をするところが欧米風でとても素敵。なおパパは魔界の帝王なのにママには頭が上がらないという設定で、好きでもない人間界でお餅つきまでしちゃう、優しい…! 自分がサリーを読んで気になったのが、家族の描写です。 サリーとカブは人間で二人暮らし。よしこは両親共働きで、トンチンカンの面倒を見て家事をしている。同級生の小野さんは、お兄さんとお母さんの3人ぐらし。チェリーはアル中のパパに愛想を尽かして、お母さんが出ていってしまった。 16話の中に、多種多様で愛情深い家族が描写されていたところが印象に残りました。 横山先生自身は、「少女漫画はほとんどメロドラマばかりで、少年漫画のような『夢と空想』の漫画が少ない」ということでサリーを描いたと折返しに書いてありました。 やはり物語の土台として「家族」の描写がリアルだったからこそ、『夢と空想』がいっそう魅力的なものになったのではないかと思います。 現代まで続く少女向け漫画のエッセンスを感じることができる名作です!
ストーリー、コマ割、構図があまりにも上手い ホントに画力以外全てに恵まれてる 自分から超能力を取ったら何が残るのかというところは割とありふれたシチュエーションながら中々じーんと来た
嘘に触れると痛みを覚える目を持つ少年"珊瑚"と不老不死の肉体を持つ"人魚"と名乗る女性のお話。 基本的な設定はこれだけ、登場人物は"珊瑚"と"人魚"を含めてほぼ3人のみ、絵の密度はかなり低い、と見える情報量のかなり少ない作品なんだけど、その空白、無言の中にもの凄い中身が詰まってる、ある意味でとてもマンガらしい作品。 コマ割りを大きく取って背景なしの人物のみのコマを続けたり、時には数ページに渡ってセリフなしのページが続いたり、意図的に視覚情報の密度を低くしているんだけど、その分、キーとなるひとコマ、ボソッと呟くセリフが質量を持って感じられる。 この余白を読ませるというか、あらすじには載ってこない部分をページ全体で描くというのがninikumiさんの作風ではあるんだけど、前作「シュガーウォール」と比べると今作はその抽象表現で留めてる部分と解りやすく描いてる部分のメリハリがあって、より広い層の方々に楽しんでもらえる作品になっている。 まずは試し読みを読んで見てもらって、この作品の独特な雰囲気を味わってみてほしい。 2巻まで読了。
しおやさんの絵柄ってどちらかというとコメディ向きだと勝手に思っているのですが、その絵柄でかつ細かいギャグを挟みつつエロ含めてのドラマチックな百合展開、緩急の付き方が凄くて引き込まれる。最初、絵柄でちょっと油断させておいて唐突なイジメの過激シーン、そして後半になるにつれて関係性がどんどん変化して見える構成も素晴らしく、圧巻の約300ページ。 前作『アオとハル』と比較するとギャグ要素を少なめにして、登場人物の心情描写に重点を置いた内容。それだけに導入部分を越えたら読者に隙を作らせず、一気に怒涛の展開に引き込まれる。 『アオとハル』が好きな方ならもちろん、読後感だと『にいちゃん』も近い感覚があるので、そいうった作品が好きな方なら是非読んでみてほしい。 全1巻読了
この世に存在しない日本語を応酬する高校生という、まさに平方イコルスン先生ワールドが全面に展開された1冊。 平方先生の作品って作風は共通なんだけど単行本ごとに明確に色があって、今作は間違いなく「楽園 Le Paradis」色の作品。平方イコルスン先生の作品は「スペシャル」も読んでるけど、今作のように恋愛がテーマになっていると登場人物たちの普通じゃない言動に何故かリアリティを感じられ、より面白みが増すように思う。まだまだ楽園で描き続けてほしい。
15世紀を舞台にある目的のためにフェラーラからクレタ島まで旅する女性2人の旅行記。物語自体は穏やかに進んでいくので、作画カロリーの高さもあって、この時代の雰囲気を存分に楽しめる1作。 世界史に疎いので私は詳しくわからないんだけど、ルネサンスや大航海時代等、定番の時代や地域からは微妙に外れてるそう。その設定のチョイスや、敢えて"優しい世界"で物語を進めている辺りから、作者が本当にこの時代、この地域が好きで描いてらっしゃるのが伝わってくる。やっぱり好きの力は強い。 1巻まで読了。
相変わらずのカルロ・ゼン節全開の作品ではあるんだけど、「幼女戦記」と比較すると戦闘シーンはやや少なめで、会話劇のほうに重点を置いている感がある。冒頭に世界観の説明が全然ないのと残虐シーンがまあまああるのでサムネバイバイ感は否めないけど、その辺りに耐性があれば間違いなく楽しめる作品。初見時にはやっぱり「BLACK LAGOON」のような雰囲気を感じてたけど、1巻を通して読むとどちらかというと「ヨルムンガンド」のほうが近いような気がする。 しかしカルロ・ゼン同志の作品は「幼女戦記」「テロール教授の怪しい授業」そして今作とそれぞれの作風に合った方に作画を担当して頂けていて、脚本の魅力が最大限に引き出されているのですばらしい。 ただ今作に関しては戦闘の要素が少なめで会話の言い回しの比重が大きいので、もともとコミカライズを想定して描かれた作品ではないような印象を受けた。拷m…じゃなかった、『非暴力的』かつ『合法的』な『強度尋問』のシーン辺りが地の文で表現しようとするとエグくなってしまうのかなあ…いやマンガでも十分エグいけど 1巻まで読了。
色々な話を聞くと女子校の教師は容姿や年齢など関係なくとにかくモテるというのは事実のようです。かわいい女子校生に好意を持たれて、悪い気がする男性はいないとは思います。が、しかし現実問題として社会的な立場というものがあり越えてはならないラインが存在します。 そして、このマンガはラインを越えてしまう男性の物語。 「教師と生徒」というのは恋愛マンガの王道ジャンルの一つとして存在しますが、その中でも非常にドロドロしたタイプのお話です。この爛れ具合は、好きな人は好きな感じでしょう。 『イメージファイト』『麗しのサブリナさん』の藤緒あい先生ということで楽しみにしていた作品ですが、それらとは打って変わった緊張感で未来に修羅場を迎える香しか感じないこの物語の顛末は、果たして……。
あ〜〜〜、いい百合です………………。 となりのヤングジャンプで『空気人形と妹』を描いてらした、たみふる先生が放った巨石は人から語彙力を奪い去るレベルの、大変美味なる百合でした。 女子大生同士でサクッと付き合う所までは行き、物語は付き合ってからの話が中心となります。百合に限らず普通の恋愛モノでも付き合う所がゴールという作品が非常に多い中で、異彩を放っています。しかしながら、その付き合いたての人間の葛藤やそれを取り巻く周囲の描写が非常に秀逸なのです。 純粋にヒロインたちがかわいいだけでない魅力を持っているのも良いですし、会話や演出のテンポ・緩急も絶妙で実に気持ちよく読めてしまいます。 結論がどうなるかではなく、純粋にただただ過程を至福の時間として楽しめる傑作です。
私の妻は大の犬好きで長年犬を飼っていたのですが、その妻をして「知らなかった!」と言わしめる知識も詰まったドッグトレーナーマンガです。 しつけの仕方、ストレスのサイン、上手なスキンシップの方法などなど……。私は今は犬を飼っていないのですが、今後犬に出会った時には試してみたいと思いました。 犬を飼っている方はもちろんですが、これから飼いたいと思っている方も一読しておいて損はないでしょう。 主人公とイケメンドッグトレーナーとの間に若干BL的な要素も感じられる人には感じられるかと思いますが、苦手な人が無理というレベルでもないと思います。
ボーイズラブが好きな男子と、百合が好きな女子という二人を中心に繰り広げられる、美大のマンガ学科を舞台にしたお話です。 ギャグテイストが強めで、パワフルな描写も多く随所で笑えます。特に、かわいいヒロインのいかつい顔芸は注目です。腐男子でもあり百合好きでもある私としては、主人公とヒロインに共感してしまうところも多々。 マンガ製作を行うための講義や課題など、マンガコースのキャンパスライフは純粋に興味深い部分もあります。 読んでいる時に純粋に「楽しい」作品です。
テーマこそゴスロリになっていますが、これは自分の願望と周囲から期待されるものが相反することに悩むすべての人に刺さる作品です。 本当はかわいいものを着たいという主人公の心からの切実な欲求が、容姿という先天的な要素によって阻まれてしまう。その辛さに共感できる人は多いことでしょう。 主人公が縛られていた鎖を解き放った後も単純なカタルシスがある訳ではなく、改めて否定的な世界の声と対峙せねばならない辛さもリアルに描かれます。そして、その葛藤がこの作品を推したい理由にも繋がっています。 そんな主人公が教育実習をしてクラスから浮いてしまっている生徒と何とか関係性を作っていくシーン、そしてその決めシーンも非常にグッと来ました。 今後も楽しみな作品であり、作家さんです。
モブキャラもよく再登場させるしかれこれ11巻もやっている癖して全く飽きない ギャグマンガとはいえ日常系の系譜を受け継いでいるのに日常系特有の飽きが来ない ホ ン ト 何 故 か 全 く 飽 き な い これまた不思議な良いマンガ 同じギャグマンガのCITY共々アニメ化あくしろ
『カナリアたちの舟』でファンになって以来、高松美咲先生を追い続けていますが一つたりとも外れた試しはありません。 待望の最新作、『スキップとローファー』もそれはそれは素晴らしいマンガです。 サスペンスSFであれだけの物が描ける一方で、こうした学園物の日常風景もこれだけ上手いというのはやはり卓越したマンガ力、人間を描く巧さを感じます。 主人公の不思議な魅力、そして軽妙洒脱な掛け合いに心が和みます。 『町田くんの世界』のような純朴な青春の物語が好きな人はきっと気に入るであろう作品です。 「趣深い」!
新潮社の新しいWEBコミックサイトであるコミックタタンが始まった時、他の豪華な連載陣の顔触れの中でも一際目を引いたのがこの作品でした。 カラーで描かれた1ページ目を見ただけで、「あ、これは素晴らしいマンガだ!!」ということを確信させてくれるオーラを放っていました。 まず、一目で引き込まれる画力の高さが光ります。 おかざきさと乃さんは前作の『金平糖の花嫁』も個人的に大好きだったのですが、SFの空気に合わせて更にスタイリッシュになり背景も緻密に描かれて絵で魅せられる作品となっています。 ストーリー的にもどうなって行くのかワクワクさせてくれる内容で、毎回の更新がとても楽しみです。 とりあえず、まずは試し読みで1ページ目の美しさを体感してみて下さい。
ヒロインのちひろちゃんと湯上君がいつくっつくのかなーということを楽しみに読んでいる。くっついてもくっつかなくていいが、きちんと段階を踏んで湯上君という変人を読者と共にちひろちゃんが理解していくのがいい。
読むとお腹がすく、というよりほわーとなる。もう少しいうとなんとなくゆっくり流れていく時間は尊いのだなという気持ちになる。
一人の女性に執着するという行為はみっともないと言われがちだけど、それを糧にショコラティエとして成長できるのが、とてもいい。作中でも言われているように爽太君は「自分で作り上げたサエコさんが好き」、「失恋してるという状態を終わらせたくない」という、幸せにならない恋愛の典型みたな恋をしてるけど、そのことによって今の爽太君ができているところに、理屈ではない「本当に好きなんだなぁー」という愛を感じる。全9巻を通して「恋の終わり」がきれいに書かれている。
ファンタジーと言えば間違いなくファンタジーなんだけど、肩書きをとったら「何が残るの?」という意味では現実世界と通じている。ただ、確かに勇者という「肩書き」のみ惹かれて、言い寄ってくる女性と結婚するのは、様々な問題を引き起こすかも知れない。しかし、この物語の趣旨とは外れるかも知れないが、「肩書き」も含めて自分なのではないかな、とも思う。まぁ、難しいことはおいて、一話の女の子とか、勇者のまま婚活したら、どんな相手とどんな結婚生活をしたのかなーとは思う。
自分がはまったライトノベルの一つ。漫画になってるだけでなぜか感慨深い。
古典的なRPG好きな人は絶対好きになる名作。可愛さとかっこよさを両立した主人公、ヘタレだけど、いざという時は頼りになる相棒。魅力的な敵キャラに、マネしたくなる必殺技という少年漫画のお手本のような作品。 個人的に敵キャラを単なる「悪」にしないで、考えて行動して成長していく、というのがとてもいいと思う。
退屈な日常に飽きて、非日常を望むのだけれど、非日常が訪れたら訪れたで結局、日常を取り戻すために戦うというありがちなコンセプトなんだけど、新しいような気がするのは、怪人のネーミングセンスと現代社会の闇の部分を怪人化する、という形で書いてるからなのかね。
小学校の頃図書館に全巻あったので、休み時間に毎日読みに行ってた。 賛否両論ある内容だと思うが、やはり受けた衝撃は忘れられない。語り継いでいく名作だと思う。
勝手にけい〇ん!のパクリかと思ってた漫画。美少女になんかやらせればたいてい面白いやろみたいな、みたいな風潮のパロディみたいなところあるのかな。 でも、きちんと漫画として面白い。「バイクは馬鹿にしか乗れん」は名言だと思う。実際登場人物ほとんどみんな馬鹿だし笑
高校は中退する。特に将来の展望は特にない。彼女も出来ない。でもこんだけ友達から慕われて?、馬鹿できるのは本当に羨ましい。
ずっーと馬鹿なことやっているように見えてふとした瞬間に大人になっていることを実感する田中がいい。 周りの人たちが、リアルかついい人が多いのも読んでて救われる。
あらすじは「これは10人の男達が50年もの長きにわたって命を賭けた悲願なのだ!」を叶えるために育てられた主人公を含む9人の仲間を集めて野球でUSAチームに勝つというがメインストーリーだがほとんどは仲間集めで終わってる。 最後のUSAチームとの対決はともかく仲間を集めるシーンだけはむちゃくちゃいい。最初の仲間の相撲取りを勝負する際の主人公の準備運動や各メンバーを仲間にするときにエピソードは小山ゆう作品が好きだったらたまらないものはある ハマるやつはすげー好きだと思うが、現代のリアルな野球漫画に慣れている人にとっては全く面白さが伝わらないと思う。
ひとの生とは、いちど限りのものである。この事実はあらためて言うまでもなく当たり前のことであるが、すべてあらゆる当然のことというのは、それがまさしく当然のことという途方もない事実性において、語るにあたいすべき言葉を持ちえない。ひとは当然のことを語る言葉を持ちえない、ひとが言葉で語ることができるのは、けっして当然のことではない、何かの"問題"についてだけなのです。 死とは、あらゆる生に必ずおとずれる当然のことでしょう。すなわち、ひとは死を語る言葉を持ってはいない。そんなことはない、死について語られたものはいくらでもある、と言う方々がいらっしゃるかもしれないが、それは死を何かの"問題"として副次的に扱っている場合にすぎず、死そのものについて語られたためしは終ぞありえないと言うほかないでしょう。死とは、私たちの多様な生が辿り着く唯一必然のものでありながら、それがいかなるものかをいっさい窺わせようとはせず、ひとたび窺ってしまえば最早語ることはいっさい許されない、そのような類のものでしょう。 そのようなわけで、ひとは、死について「彼岸」であるとか「向こう側」であるとか曖昧なことしか言うことができないのだが、ごく稀に、死を語らないまでも、いや、語るという以上に死そのものを体現してしまうという極めて特権的な作家がいる。そして谷口ジローという漫画家が、まさしくそのような特権的な作家に名を連ねることになりました。死とは、死の側から語ることがけっして許されぬのだから、自らそれを体現するほかないです。 内田百閒の短編小説集『冥途』を原作とした谷口ジローのこの絶筆の遺作は、病床のうちで死の直前まで描かれていたといいます。しかも、死につつある谷口ジローは、自身にとって新境地であるところの薄墨と鉛筆とホワイトのみで執筆するという新手法で、生と死の狭間で彼岸に吸い込まれつつある男の物語を描きつつこと切れたのです。死につつある者により絶筆の遺作として描かれつつあった『いざなうもの 花火』は、それ故なのか、いまだかつて見たことのない只ならぬ異彩を放っている。ひとの死は当然のことであり、またいっぽうで、死につつありながら当然のことのように自身の新境地を開こうとしつつ死という名の向こう側へ逝ってしまわれた谷口ジローは死の体現者としか言いようがない。死とは生ある万人にとって既知ではなく未知であり、その意味でまったく新境地ということに他ならない。心して読まれることをおすすめします。
この話はゾンビものではないけど、 ゾンビものがなんで好きかって、かつてあった日常が破壊されて同じ人間や場所でさえ全く違う表情を見せてくるあの感じ。 それまで戦いやサバイバルを全くしてこなかったような人も必要を迫られ覚醒したり、狂気に飲み込まれたり、人を蹴落としたり、欲望のままに動いたりと、本性が剥き出しになっていく。 そして、いつ命が奪われるかも分からない中で紡ぐ関係性が刹那的で美しいのだ。 上のは、あくまでゾンビものの好きな点だが、この話は少し似つつまた違う文脈で語られているから面白い。 日常が一晩にして崩壊し地獄と化すのは同じだが理由は全く違って、どうやらファンタジーな世界の生物が現実に出現し、なぜか人間を蹂躙しまくっている。 しかもゲームシステムのごとく、モンスターを倒すと経験値が入り、レベルが上がり、スキルを獲得し、目に見えて分かりやすく戦闘力が上がっていくのだ。 現実を舞台としたサバイバルで読みやすいし、敵がゾンビ一種類とは違っていろんなファンタジー生物がいるし、ワクワクしないわけがない。 自分だったらどうするだろう、なんて考えちゃう。 現実の日常が蹂躙される「ゾンビもの」と、いわゆるファンタジーを舞台とすることが多い「なろう」の流れ、その中でもゲームシステムを組み込むタイプが上手く融合されていて、視覚的にも数値的にも成長度合いが分かりやすい。 いろんな面白さがあるけど、主人公が成長のスピードが速いとシンプルに楽しいものだ。 そして犬がかわいい。 総合的に単純な消費しやすさのレベルが高く、ライトな読み口で適度にちゃんと苦境に立たされるというとてもいい塩梅。 ハンターハンターのようなガツンと濃厚でのめり込めるストーリーを求める人には物足りないかもしれないが、優等生的な良さがあり万人受けしそうだ。 この読みやすさなら原作も読んでみようと思う。
パラっと初めのところしか読んでないけど面白くなる予感がすごい! 登場人物が可愛かったり綺麗なのはもちろん良いし、男性キャラがいわゆるフツメン。このフツメンってのがけっこう大事なんだと最近気づきました。 少しドロドロはらはらしそうな雰囲気が期待大です。
「好きな人は好きだけど、嫌いな人は嫌いなマンガ」の典型みたいな作品。 学生時代『シラけた空気の中で、好きなことに真剣になること』を描いてるから、読んでて何か傷が開きそうになる人には面白くないかも…。 1話では、新歓イベントで1人で演奏する不二美を見た主人公のクラスメートが、「あれキモかったよなあ」と吐き捨てる一方、主人公はバンドの動画を検索し、部室まで乗り込んで意気投合し語り合う。 この『好きなことに真剣になること』は『キモいけどかっこいい』というメッセージが読み手にまっすぐ伝わる、素晴らしい1話の構成だと思う。 「青春と音楽」という全方向に強く刺さるテーマに加え、独特の絵柄。 ジャンプの泥臭い熱さとは全く方向性が違う、「サブカル系の熱さ」に満ちてるので、学生時代ロック聴いてた人間(特にナンバーガール)は、読んで当時の気持ちを思い出して布団の上で悶絶してください!!!
38歳、ふと高校生に撮った華子という同級生の女の子の写真から「何者かになりたかった」あの頃を思い出す。青少年期の感傷が年相応に色褪せて描かれている。そこには特別な強い想いがあるようには描かれていない。もはや遠い思い出だからだ。だからこそリアリティがある。 「あの頃」があった全ての大人に響くであろう作品。
作者のいつもの感じで架空の食べ物だと思ってたら、実録ルポで驚いた。虚構に実在感を与えるのが上手い人だが、表題作ではそれが逆転しているのが楽しい。
表題作がせつなくて素敵です。
カラーページの、和の色使いでまず心を掴まれる。指先で魅せる手練れ者たちの話とのことだが、作者自身もその一人の様子。 内容は小料理割烹で働く青年と、庭師の男性のささやかな晩酌の話?まだ詳しいところは分からない。が、飾り細工や手についた水滴などを美しく描写されているところからすでに期待値は高い。二人の関係性は、次回語られるようだ。楽しみ
枕草子を漫画で訳したかんじです。 ゆっくり読みたい作品でした。
ジャンプ+掲載。ドラゴンボールの世界でファンがヤムチャとして転生をし、大活躍する話。意外と良作。テンプレはしっかりと抑えて、そこそこ綺麗にまとめている。一見の価値あり https://shonenjumpplus.com/episode/10833497643049550354
パラパラ捲ってたらいきなりハイキュー!!が出てきてビックリしたくらい、パッと見の絵柄の印象が似てる。 序盤の野球部の練習着でゲーム買いに行くところは雑なリアリティに読む気が萎えたけど、後半の試合シーンはかっこよくて、コマ割りと動きの迫力に目が離せなくなった。 絵の表現は青年誌ヤンジャンらしい強さがあったけど、題材が鬼ごっこなのだからもっと対象年齢を下げた書き方をしてジャンプで出してもいいと思う。
月夜に散った“アイツ”の墓標に髑髏を背負いし一人の男が現れて…。 【著者】高橋ヒロシ きだまさし 【連載】別冊少年チャンピオン 2019年3月号〜 【発売】2019年2月12日 (「WORST外伝 ドクロ」「秋田書店HP」より) https://www.akitashoten.co.jp/b-champion
10年間無人島にこもって映画のシナリオを書いた男が都会に戻ってきたところから物語は始まる。物語の最初の方の技術に進歩/昔の友人の心の変化/無人島にこもる前の作成した映画がどれだけ周りに影響与えたかのエピソードがすごい良い。けど途中から話が壮大になりあれっと言う感じで終わってしまった。続きが読めるものなら読みたい。 ワルキューレといい「狩撫麻礼」の映画を題材にした漫画はすげー良いところで終わってしまうぜ...
※ネタバレを含むクチコミです。