現地で感じたくなるエーゲの風
美麗な絵で描かれる15世紀ヨーロッパ紀行。それだけでも堪らないのですが、内容的にもとても良くお薦めしたい作品です。 イタリアのフェラーラから始まり、ヴェネツィアやクレタ島など諸国を少女たちが旅して行く様子が描かれて行きます。 ヴェネツィアのゴンドラやクロアチアの民族衣装などの名物が華やかなヴィジュアルで紹介され、実際に旅をしているような楽しい気分にさせてくれます。特に、丁寧に描かれる世界各地の名物料理は実食したくなること請け合いです。 丁度個人的に今年の初めにアテネからエーゲ海を渡ってギリシャの島に行ったり、そこからローマやヴェネツィアを旅して来たこともあって「あー、ここはこの前行った!」と、より楽しめる部分が多かったです。またいつか行きたいと思ったのですが、この作品を読んだことでその想いがまた一際強くなりました。 明るく和やかな雰囲気で進行する物語に、読んだ後は心も解きほぐれます。 中心人物が二人の少女なので、百合好きの方にもお薦めです。