19世紀フランス――パリ。『月から来たような』少女・セリーヌは、自分が何をしたいのかもわからない14歳。“先生”の教えだけを頼りに上京したパリで、偶然出会った老紳士から”職業を体験する職業”を勧められ・・・・・・?19世紀パリ風俗を美しく描写する少女職業探訪記、ここに開演――。
13世紀初頭フランス・ブルターニュ地方、紋章官トマはおぼつかない足で戦場を駆け巡っていた。戦も終わり彼の次なる使命は怪我を負った主より言い渡された、領主ブルターニュ公の花嫁探し。花嫁を見つけるため主の旧友アンドレに会いに武芸大会へ赴くトマであったが、待ち受けていたのはアンドレの名を語る別人。しかし、そのアンドレはトマが本来探していた花嫁本人であった…! なぜか男の姿で武芸大会へ出場していた彼女に問いただすも門前払い、しかも目的は領主ブルターニュ公への復讐と分かり…。
1878年(明治11年)、動乱の幕末は遠ざかり、長崎では海外貿易で莫大な利益を得る商人が多く現れはじめていた。西南戦争で親を亡くした少女・美世(みよ)は奉公先を求めて鍛冶屋町の道具屋「蛮」(ばん)の扉を叩くが、そこで彼女を待っていたのは、店主・小浦百年(こうら・ももとし)がパリ万博で仕入れてきた最先端の品々と、それらに宿るベルエポックの興奮と喧騒だった……ジャック・ドゥーセのドレス、ダニエル・ペーターのミルクチョコレート、シンガー社のミシン、セーラー服、エジソンの蓄音機、革ブーツ、眼鏡、幻灯機(マジック・ランタン)……先進と享楽の都・パリ渡来からやってきた“夢の品々”に導かれ、少女はまだ見ぬ世界へ歩み出す……
パリのレストランで働く気弱な青年・ジルベール。雑用係として、毎日皿を洗い続ける平凡な日々を送る彼だったが、陽気な新人・マルコとの出会いによって、世界は変わり始める。気鋭の新人が全霊で描く、すべて人々に贈るお仕事青春ストーリー。
「日本の寿司を殲滅しにきた」と豪語するフランス人寿司職人、ダビッド・デュカスが鳳寿司に現れた。旧態依然でガラパゴスと化した日本の寿司に比べ、世界ではSUSHIが急速に進化、発展、拡大しているという。佐治の息子、佐治将太は、ダビッドの作る寿司を見て、世界へ出ることを決意。金もコネも何もなくパリへと飛んだ将太は、美食の都で未来を握ることができるのか!?
シリア人の大学教員の父、フランス人の母の間に生まれた作家の自伝的コミック。激動のリビア、シリア、そしてフランスで目にした、現在につながる混乱の根源とは──?
18世紀フランス革命前夜。平民の出ながら、ヴェルサイユ宮殿で貴族以上の権勢を誇る“仕立て屋”がいた。彼女の名はローズ・ベルタン。悲劇の王妃マリー・アントワネットの寵愛を受け、革命の波にのまれていった、ファッションデザイナーの祖と称される人物の物語。
「日出処の天子」、「テレプシコーラ」の山岸凉子が描く、ジャンヌ・ダルク。「私は解放される。疑ってはならない。信じています」魔女の罪を被せられ、処刑を宣告されたジャンヌ・ダルク。刑場に連行されながら彼女は、運命を変えた13歳の「あの日」のことを思い出していた。その時、彼女は何を聞き、何を見たのか?
19世紀フランス・パリの雰囲気を体験しているような気持ちになれる漫画だと思う。 細やかなところまで描かれていて、見たことないパリを見たことがある気持ちになれた。 『月から来たような』と先生に表現された女の子セリーヌが主人公。 文字を書くことや裁縫、掃除など、基本的なことはひとつひとつ丁寧にこなすことができるので、ぼんやりとした子ではないのだけど、どこかぼんやりしている印象がある。 パリとは違う街から来た彼女を通して見る、パリを成り立たせている仕事。 100年以上前に存在した街の雰囲気を味わえるのはとても楽しい。 セリーヌの独特なテンポが、一緒に働く人の心を緩めるのもまた楽しい。 絵画のような表紙の漫画だと思って読み始めたのだけど、あとがきで漫画そのものが「印象派が描いたパリに対する憧れ」から描かれたとあり、直感が完全な的外れでなかったようでフフンと思ってしまった。