ちょっと未来のちょっと田舎の海辺に住む頑固おじいちゃん。 家族が心配して送ったのは、この仕事が終わったら廃棄が決定している30年動いているメイドロボ。 ガタがきてて首はすぐ落ちるし、包丁を持つとロボット三原則により人間を傷つけてはいけないから震えちゃうし、いろいろぽんこつだけど、とても愛らしくて構ってしまいたくなる。 しかし、500円玉のシーンほんとよかった。妙に説得力があって存在感と寂寥感が漂っててとてもシュールで最高の俯瞰の構図だった。 大ゴマの使い方がとても大胆で潔いので切れ味があって気持ちがいい。 そして、包丁の場面にしろ、イオンにしろ、500円玉にしろ、コマ割りが上手いので間が上手く表現されていてテンポがすごく気持ちいい。 あと単純にかわいい。 ああいう丸い目が好き! 基本的にキャラクターのデザインとか背景の描きこみとか、絵のバランスがすごく良くて好みだ。 最初は、設定的にはベタで手垢がついてるようにも感じたが、いままでの全然上手く描けてなかったんじゃないかって思うくらいすごくよく描けてていいなと思った。 おじいちゃんも「アリスと蔵六」の頑固おじいちゃん的で気持ちがいい。 ドラえもんのような家に転がり込んで一緒に住むタイプになるとは思うけど、のび太君の面倒を保護者の観点から見るような昔のドラえもんとは立場が若干違って、介護という意味では面倒をみられるのはおじいちゃんでも、おじいちゃんの方がより大人だしぽん子の方がトラブル起こすことになりそうだから逆転しそうな気もする。 二人のいい関係性が構築されていきそうで楽しみ。 おじいちゃんのボケ防止になって賑やかで寂しくなくなればいいな。
まず、キャラクターが魅力的で惹きこまれました。 アーミッシュの生活や心理描写の繊細さはもちろん、とにかくストーリーが秀逸です。 本質のテーマは普遍的なもので誰でも共感しやすいし、読後感が良くてまとまりがあり、素晴らしい作品でした。
ちょっとおバカな鳥宮は水泳部の先輩のことが大好きで、卒業式の半年前から第2ボタンが欲しいと交渉している。しかしファスナー式の制服なので残念ながらボタンがない!どうしても第2ボタンが欲しくて四苦八苦する鳥宮と、なんやかんや言いながらも優しい先輩のラブコメディー。第2ボタンの代わりになる物ってなかなか難しいね!!新企画も準備中らしいので楽しみ。もっとこの作家さんの描くラブコメ読んでみたい。
古き良き主人公とヒロインの間柄といえば、男の子がちょっぴりエッチなハプニングによく遭い、それに巻き込まれる女の子が鉄拳で制裁するというもの。 https://comic.pixiv.net/works/1340 この漫画ではその**「ラッキースケベと暴力ヒロイン」の関係が逆転**しており、ヒロイン・まとめの周りの**男の子たちがひたすらエッチなハプニングに巻き込まれる。** ・股間を触られる ・着替えを見られる ・練乳をぶっかけられるetc… いやほんと天才かよ(震え) 男の子たちのリアクションがいちいち乙女で、「そうそう、これがラッキースケベですよ!」と妙な満足感がある。 「体質は遺伝する」、「ラッキースケベ(LS)と暴力ヒロインは惹かれ合う」というスタンド使いのような設定。そして初代ラッキースケベ主人公(男)であるまとめの父親が言うように、「暴力ヒロインはともかく暴力ヒーローはシャレにならん」スリルがいい…! まとめちゃんと集くん、2人にはどうか属性(ウンメイ)を乗り越えて幸せになってほしい…! (画像は1話より。2人の初LSシーン。男女が入れ替わるだけでこんなに新鮮!!)
この設定が面白い。実際にこんなオカルト現代病ありえそう!主要なキャラの可愛いさと、霊のホラーな描写のギャップもいい。主人公が視えちゃう女の子なんだけど、ストレスの理由も共感できる。タイトルがポップになったら連載もあり得そう。
石黒先生の引き出しの多さよ! ギャグやSFやホラーやサスペンスなど毎回色んなジャンルの話をそれ町の世界に違和感なく入れて描いているのが凄過ぎる。 そして主人公の精神的な成長をめちゃくちゃ上手く描けていると思いました。
※ネタバレを含むクチコミです。
ふと、古い少女漫画が読みたくなって読みました。 初々しいカップルの間に犬が入って犬のモノローグで繋げるのですが、犬も人間も気持ちがまっすぐでいいですね。。。 その気持ち、恋心、一点の曇りもなくて涙でてきます。 清々しい気持ちになりました。
いえ私、未婚なんですけどね。 娘の可愛がり方を模索するベクトルがねじ曲がるのがわかりながらも、自分に正直にあけっぴろげな姿を鹿の子に見られまいとする建前が可愛らしくて、父性と娘性(造語)が私の中で葛藤するように生まれました。 これが母性なの…?
読み始めたら止まらない…ギャグもシリアスも両方あるんだけど、いいバランスで読み応え充分❗️ アニメ化もされるオススメの作品です(^^)
定年退職した主人公がこれまでの感謝を込めて、妻の「猫を飼いたい」という要望を受け入れることに。しかし数ヶ月後に妻は病気で亡くなってしまう。思いがけず男ヤモメとなり子猫との一人と一匹の共同生活をすることになった。 妻は自分の余命を知ってたからこそ言い出したようだけど、夫である主人公は猫を飼ったことがなさそう…。手こずってる感がちょっとハラハラもしますが、そこが面白みかな?これからどういう関係を築いていくのか楽しみです。
アネットがかわいい。話の内容はなろうの異世界転生俺つええテンプレラノベ。しかし作画がめちゃくちゃ良い。表紙が美しすぎてずっと眺めてられる。
表紙のネコ、めちゃんこ可愛くないですか? 日本人好みの丸顔とカラーリングが最高…! 付箋とかぬいぐるみが欲しくなるたまらない可愛さです。 実はこのマンガ、このぽっちゃりネコ「ミシェル」がネコたちのために執筆した本なんです! ミシェルが普段、幸せに生きるためにどんなことを考え実践しているかを描いているわけですが、 つまみ食い つまみ食い 部屋を壊す 布団にオシッコ 飼い主をひっかく 部屋を壊す 布団にオシッコ つまみ食い … (以下、無限ループ) ネコを飼ったことがない自分にはけっこう衝撃だったのですが、これこそがネコが幸せに生きるコツなんですね…! 人間はもう少しネコに学び、自由になっていいなと思いました。 ぜーーんぶ遺伝子のせい!(このセリフ大好き)
玉越先生といえば「BOYS BE」シリーズ(私は世代的にどちらかというとラブひななんですが)。それ以外の、とりわけ最近の作品は全然読んでないことに気づいたので古本で見かけた折購入。 古臭かったり画力が低下したりというのはある程度覚悟していただけに、危惧していたより遥かに「萌えれる」絵柄で驚きました。さすが一時代築いたプロの実力。さすがに元いたマガジンでやれる水準ではないですが、オッサン向け雑誌のお色気担当としてはかなりイケてる方じゃないですかね。 内容はまぁ、表紙見て想像した通りです(笑)
タイトルは所謂ネット上の炎上ではなく、御手洗家、つまり自宅が火事で物理的に炎上するところから始まる物語。その火事によって全てを奪われた姉妹が主人公のリベンジ・サスペンスなんだけど、少女漫画然とした人間関係の複雑な絡まり方や感情の起伏の様子が見事にサスペンスに落とし込まれてる。それぞれのキャラが個々に自分の思惑のために動き回るので、作品全体の緊迫感は常に高い位置でキープされている。 電書で各話販売もやってるからなのか1話ごとの引きも素晴らしくて、かつ単行本単位で読むと着実に事態が進展していて次の巻が楽しみになる。 そして4巻の引きを見る限りおそらく次の5巻が一番の盛り上がりになりそうなので、興味を持って頂けた方は是非今のうちに一気読みしてほしい。 4巻まで読了
綺麗な表紙に引き込まれて買ってみたけど、1話を読み終わる頃には丁寧な導入に心を掴まれた。雨音・寧々の2人と主人公の光との出会いは運命的な雰囲気を出しつつ、2人の写真を撮る~2人の関係性に気付くまでの展開は百合作品であるからこそ自然に流れてゆく。 画力の高さもさることながら、登場人物たちの様子を刹那的にを切り取るような表現に写真部という舞台装置が絶妙に生かされている。また、カメラの存在が第三者視点のメタファーのようにも見えていたので、1巻後半の展開はかなりの衝撃をもって迎えられる。 ストーリー自体も先が気になるし、もっと各キャラの想いや感情に触れたいので早く続きが読みたい。 1巻まで読了。
クール系無口男子と引っ込み思案系女子、お互いが好意を持っているけど恋愛感情とまでは思っていない"両片想い未満"な雰囲気。相手に対して芽生えた感情ををお互いが「可愛い」と表現していて、その「可愛い」という感情が実際どういうものなのかを再定義していく過程を描くことで関係性を進展させていく、という面白い描き方の作品。その結果、キャラ同士の会話は少なめだけどモノローグが丁寧で好感が持てる作風になっている。恋愛にすらなっていない2人の様子はなかなかにもどかしいけど、不器用なキャラのラブコメが好きならぶっ刺さりまくる物語。 1巻まで読了。
安彦さんの漫画読んだことなかったので読んでみました。 言わずもがな絵がうまい。 違和感を覚えるシーンがない自然なアクション! 当たり前ですね…。 北海道脱獄から話がはじまるんですね。 悔しいシーン真に迫る感じたまりません。 一巻読了。読み進めます。
こんなに美しいBL漫画を初めて読みました。映画『君の名前で僕を呼んで』のような美しさです。 作中に出てくる言葉から察するに恐らくスペインが舞台なのですが、地中海の古い町並みとビール、煙草、太陽の光の中での甘い恋、この世界観で他のお話も読みたくなりました。 エロもそんな過激じゃなくて、焦らしが効いてていいと思います。 まあ酔いつぶれた人相手にアレコレするのは今のご時世少しグレーな感じがしますが…… グレープフルーツの香りのシャンプーってエロいですね。
さて、春の選抜高校野球大会が今日から始まりましたが、アウトローを制するものが甲子園を制するという物言いを皆さんはご存知でしょうか。すなわち、各地区の代表が集う甲子園といえども、高校生レベルの打者では、外角の低めギリギリのコースにピシャリと決められると攻略は難しいということです。まさしくアウトローを制して甲子園を制覇した実在の人物に早稲田実業の斎藤佑樹選手がいます。いつもここぞの時にはいちばん練習を積み重ねてきて自信のあったアウトローの直球を放っていたといいます。甲子園の決勝で最後の打者でありライバルの田中将大を三振に切ったのもアウトローの直球だったとか。 そしてここ、三田紀房の高校野球マンガにもアウトローの直球を武器にする投手が登場します。そもそも三田紀房というひとは生粋のスーパースターを描くようなタイプのマンガ家ではなく『砂の栄冠』の七嶋のような選手を主人公に据えるのは稀であり、そうというよりはむしろ、あくまでも凡人の域は抜き出ないけれどスポーツなり、受験なり、ある定められたルール内の隙を突いて「人生では負けても、試合では勝利する」といった、ある意味では小賢しく、ある意味では賢明な、物語の展開を得意とするひとでしょう。 三田紀房には『砂の栄冠』の以前に『甲子園へ行こう!』という高校野球マンガがあり、その主人公、鎌倉西高校の四ノ宮がまさしく小賢しくも賢明なピッチャーとして描かれています。彼もまた高校生レベルの打者では外角低めの攻略は難しいとの理由からアウトローの練習に励みます。そして、やはり、『砂の栄冠』にもアウトローの系譜は受け継がれている。ノックマンに率いられた下五島高校の下手投げエースの本多がまさしくそれでしょう。 けっして素材そのものには恵まれなくても、小賢しさと賢明さをもってどうにか立ち回ることができるのが高校野球という舞台、こうした選手たちが才能溢れる屈強な選手たちの足元を掬うことができるからこそ、高校野球は面白い。イチローが引退会見で語っていた「メジャーは頭を使わなくなってきている、日本は日本の野球を貫いてほしい」という言葉が今更ながら身に染みてきます。
アメリカ海軍から発射された核ミサイルをソ連/中国が迎撃し40分で戦争が終わったところから始まる。核戦争で壊滅的になったアメリカへ災害地支援という形で自衛隊が上陸した辺りから最後まで多少中だるみはしたが面白かった。 ちょっとラストが急だったな
久々にワロタ。こういう読切が沢山載ってたのが一昔前の少年チャンピオンなんだよな。色々とチューニングの狂った話の中に、純粋なガチさが見え隠れするこの感じ。同じくベッチャンに載ってた読切も、(オチはともかく)強烈な印象のある作品だった。まぁ万人受けしないだろうけど、、チャンピオンファンにとっては期待の新星であるのは間違いない。
ドえらい面白くない?? 自分の創った物語をマンガでは伝えきれなかった主人公のコンプレックス。 演劇を黒歴史と呼ぶ無神経な教師。 作品を勝手に上演される衝撃。 体育館を利用した照明・スクリーンの舞台らしい演出。 1話の中に見どころが多くて続きが楽しみ! (となりのヤングジャンプ 第1話) https://tonarinoyj.jp/episode/10834108156645992161
絵がうますぎる アニメーターっぽいキャラデとレイアウトっぽい構図の決め方は若干否めませんが何しろ絵がうますぎるので! 目を引く構図と気持ちのいい構図、バチっと決まるポーズがさすがといったところ。このトビラとか好きです。 書き込みと鉛筆っぽいブラシも作風にあってらっしゃるな〜と。 ファンになってしまいました。 他国とかここでもないどこかの描写も素敵ですね。 ゴシックぽい建築物とメイドさんかと思えば次の話ではシチリアとかどこかその辺の海辺の街をデッサン力で何の苦労もなく描き切ってらっしゃる感じがします。 読み終わった後に幸せな気持ちになるのもいいですね。 影から日向にでたようなポッと暖かかくなる感じがして好きです。 長編になった場合どんな漫画を描かれるのかな、と期待してしまいます。
作中では「転生」という言葉を使っていますが正確には異世界召喚モノですね。上司と一緒に異世界に飛ばされ、スーツを着たままサポート役として大立ち回り……ブラックラグーンみのある愉快な絵面で楽しいですw ロアナプラと違ってどうやら南国ではないので、着こなしもパリっと決まってます素敵。 お話に関しては前述の設定を除けばよくあるというか、少なくとも序盤の現時点では特に語るべきところはないというか、問題はなろう系が口に合うかどうかぐらいじゃないですかね。 それよりも特筆すべきは絵の良さ。キャラ良しアクション良し背景よし。「ゲート」や「リゼロ」に匹敵する超大当たりです。五十嵐課長可愛すぎなんじゃよ~
調理師として派遣されたのは母親を亡くした大家族。主人公はここで三度の食事の支度と、母親の月命日である13日にお墓参りをする仕事を請け負うことに。お寺の長い階段を登り、初めてのお墓参りをしようとすると、そこに弱った黒猫がいた…。 ほのぼのとした描写ながら人と人が交流を重ねた日々の厚みを感じる作品でした。ちなみに「13日」と「黒猫」というと不吉な感じがしますが、この二つが主人公の行く末を導いてくれることになります。それまで男運が悪かったのも伏線なのかも。演出も素敵だと思いました。
狂科学者っぽさのある薬師の主人公・猫猫(マオマオ)が宮廷内で起こる様々を解決するという物語。作品の雰囲気は「応天の門」にも近いが、そちらが時代考証も交えつつ日本の史実に基づき物語を編んでいるのに対し、今作は中世の中国を思わせる架空の世界観の中に現実世界に即する事実や通説を見事に溶け込ませるストーリーの巧みさがある。2巻の園遊会の話では現代人であればすぐにピンとくるテーマを上手く織り交ぜたり、かと思えば4巻では最近話題になったある食べ物を物語のキーに置くという、バックグラウンドの知識があればあるほどニヤリとできるニクい構成になっている。 要所要所でハードな設定が織り交ぜられつつも重くなりすぎないように雰囲気が作られている点や、ぶつ切りのようにも見える個々の事件が絶妙にリンクしているのもポイントが高い。 主人公の猫猫が薬師というのもあるけど、主人公の猫猫が謎を解く思考の過程が面白い作品でもあるので、理系の人に特に刺さりそうな作品。 最新4巻で原作1巻を消化したようなので、新規開拓するなら今。 ちなみにどうやらビッグガンガン版とサンデーGX版があるらしいけど、どちらも原作準拠でストーリーはほぼ同じっぽいので絵の好みで選べばいいのかも。 4巻まで読了
いやー、えー、めっちゃいい~このマンガ! ゾンビが溢れる世界で、青年と猫が出会って奥さんを探す旅をするわけです。 猫を愛でるマンガ、ゾンビを楽しむ漫画、それぞれにありましたけど、この組み合わせの良さったらないですね! 緊張と緩和がたまらない。 ゾンビに襲われる緊張感と猫の緩さ。 世界観的には、特殊な設定とかはなくすごくベーシックなゾンビもの。 1巻の終わりまでとりあえず読んでっていう。 そうか、このタイトルってそうだもんなーという感じ。 緊迫感の描き方や、たまに会う人間などの上手さがあるので単純にゾンビものとしても淡々と読めてめちゃくちゃちょうどよく面白い。 これもしかしてずっと読みたかったタイプの漫画かもしれないなー。
猫好きにはたまらない!
私は仕事柄ほとんどフォーマルな格好はしないのですが、読んでいると「宝物になるような一張羅欲しい!!」という気持ちが芽生えてしまいますw アメリカ等と同じで洋服の歴史が浅い日本では考えられないほどに、イギリスやイタリアはスーツというものにプライドを持っている国であることがわかります。それだけに大変に奥深く文化に根差していて、「粋」というものが文化圏によってこれほど異なるものかととても興味深い蘊蓄が満載でした。 そしてこの作品からはファッション蘊蓄モノとしての顔以外の、二つの表情を見出すことが出来ます。ひとつは「男の生き様論」としての側面。時に戦闘服となり時に装飾品、別のときには女性やゲストの引き立て役となる、紳士服は男の生き方の写し鏡でもあります。そしてもう一つは「フリーランス・クリエイターの仕事論」としての側面。主人公はスーツ一着に数百~数千万円という一見するとボッタクリのような価格をクライアントに提示します。しかし、彼の腕と彼が作り出す魔法にそれだけの価値を見出すことができた者だけが、その魔法を授かることができる。彼は職人の名に懸けて技術を安売りはしませんし、プライドにかけて一切の手抜きはしない。作り手としての理想像ですね。 全32冊+続編複数シリーズ続刊中とかなりの長期連載ですが、すべて読んでもまったく飽きたりネタや展開に既視感を覚えることがないのが凄い。「紳士服」というテーマの奥深さもさることながら、一話完結のそのすべてが美しい起承転結・序破急で構成されていて面白さがブレません。 これほどの傑作にもかかわらず今まで実写化などのメディアミックスが実現していないのは、やはり予算がかかりすぎるから……?
『シュガーズ』と呼ばれる、かわいいモンスターのようなぬいぐるみのような生き物が暮らす世界。 アニメで言えばミッドナイトホラースクールや、アドベンチャーランド、モンスターズ・インク。漫画ならマシュマロ通信(タイムス)が好きな人間には堪らない! 殺人事件の犯人が現れるシーンは、シュガーズ達がかわいらしいゆえに物凄く不気味で恐ろしい…。 ホラー・サスペンスに友情が詰まったいい読切でした。 https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156635675366
心が廃れたお客さんをあの手この手で癒す喫茶店。なぜそこまでするのか分からない。ただ読んでるうちに私も癒された。あのレゴブロックに似た客はまるで私。
年の差百合であり社会人×不良でもあるんだけど、何よりこの"たりないふたり"感が絶妙。たりない部分の大きさも重さも全然違う2人なんだけど、その不揃いなはずのお互いの欠けたピースがなぜかピッタリ嵌る、その感覚が堪らない。 それぞれの過去もあってお互い不器用ではあるんだけど、すれ違いの感じられない、気持ちの通じ合ったディスコミュニケーションとして描かれるのでむしろ心地よく読める。 物語の導入こそ酔った勢いで一夜を共にしてしまうっていう軽い感じだけど、読めば読むほど2人のバックグラウンドや内面の気持ちが見えてきて関係性の繊細さを感じられる作品。 1巻まで読了
ニーチェを始め様々な哲学者が現代に現界し、ごくごく一般的な女子高生であるアリサに哲学の教えを伝授していくという、あらすじだけを書くとかなり突飛な設定の作品のように見えるかもしれません。しかしながら実際に読んでみると、聞き手を普通の女子高生にすることで説明自体もかなり噛み砕かれて解りやすく配慮されており、かつ誰もが生きてて普通に体験する人間関係や自我の悩みに対してアプローチをするので話がすんなり入ってきます。 そして様々な教えを説いた後、最終的にはその教えを押し付けるのではなく、哲学の教えをどのように人生に活かしていくか、アリサを通して読者に優しく問いかけるような構成になっています。つまり、哲学の教えはあくまで道標であり、道標があることを知った上で自らの進む道を自分自身で決めてほしい、この作品はそのように問いかけているように感じました。 読むと思考が整理されて自分の人生に対して前向きになれる、不思議な感覚を味わえる作品。きっとこの作品は単なる哲学ではなく、哲学の教えに沿った人生の指南書になってくれるはずです。 上中下、全3巻読了
ペットショップで売られている動物にもいろいろいて、これは人前に出るのが嫌でバックヤードに引っ込んでるへんてこな名前のカワウソ「雨やんだら」のお話。 そのカワウソ「雨やんだら」とは、お酒を飲むと話せるようになるという少し不思議な設定。 よく考えたら話すために仕事中に酒煽ってるっていうことになるから、店員含めみんなナチュラルにダメで面白い。 これからこのカワウソに他の動物との通訳頼んだりする展開もあるのかな? リアルタッチのカワウソのときもぐうたらなオッサン臭くていいけど、デフォルメのカワウソもくずでかわいい。 調べたらLINEスタンプあったので一覧見てみたら使いやすそうで購入。 かわいくて便利だった。 上手くいったら3分~5分くらいのアニメーションになって女性層からの人気出るんじゃないかなという感じもする。 サンリオのぐでたまとかみたいに。 個人的には、おしりがぷりぷりしてかわいかったら最高だな~。
どストレートに映画愛を貫くストーリーは 映画好きならば痺れるはず! 各キャラクターの好きな映画が設定されているのですが、そのラインナップもかなりいいところついていたので、そこからも映画愛がビシバシ伝わってきて良かったです。
みんな1度は考える「世界がゾンビに襲われたらどうするか」を地で行く、超ハッピーな終末世界・ポストアポカリプス作品。 少女終末旅行、ヨコハマ買い出し紀行のような「心地よい破滅」と違い、ポジティブで享楽的なのが魅力。 (今のところ終末世界特有の切なさは感じられない) 元ラガーマンで溌剌とした輝(アキラ)は、3年のブラック企業努めで精機を失いゾンビ化(比喩)していき、家はゴミに溢れ、街頭のポストに謝り、ホームに入ってくる電車を見つめて死を思う。 しかし、ある朝起きると世界はゾンビと化した人間(本物)で溢れ崩壊していて―――というオープニング。 このあとの、 ***もう会社に行かなくていい!! いままでやれなかったこと、全部やっちゃう!! 部屋も掃除して昼間っからビール飲んじゃうよ!? 昼ビール最高〜〜!!*** という、『負の抑圧が開放されるカタルシス』が最の高!🍺 サンデーうぇぶりで連載を追っていて1巻が出たので購入したけど、やっぱゾン100面白い〜! 香坂さんご夫婦の存在は、本来のゾンビワールドに怯える正しい反応で、アキラの社畜からの開放による異常なハイテンション&ポジティブと対照的なのがいい! そしてこんな非常時にもかかわらず。階の上下でのご近所付き合いをするのがほのぼのしてて好き(こんな非常時なのに意外と図太く注文つける奥さん、ナイスキャラ!) 1巻の続き。ケンチョと合流したあとの展開がポストアポカリプスものの理想形をしているので、ぜひ連載もチェックしてほしい…!! (画像は1話より。アキラが人生を取り戻した瞬間の、暗いゾンビと輝(アキラ)の輝く笑顔の対比が最高)
プレイ中の乙女ゲームにそっくりな世界に転生してしまった元女子高生。ゲームのシナリオ通りならバッドエンドしか待ち受けていない"悪役令嬢"としての第二の人生で、ゲームの記憶を頼りに奇跡のハッピーエンドを目指す。 「悪役令嬢」ブームのかなり先駆け的な作品じゃないでしょうか(詳しくないので断言できませんが)やはりこういった人気ジャンルを切り開くような作品は間違いないです。前世がただのオタク女子高生に過ぎないにもかかわらず、気づいたら来世で逆ハーレムを作ってたという展開にご都合を感じなくもないですが、「リゼロ」や「無職転生」のように苦悩する話もあれば、こういう快楽のエッセンスみたいなお話があってもいいと思います。 個人的に、「頭を打った拍子に前世の記憶を思い出す」という、考えつく限り最もスマートな異世界転生の第一話だったのが好感でした
10篇からなる短編集。各話とも大きな仕掛けがないのに20ページ程の短い中にすごいドラマがある。どれを取っても長編作品に膨らませられるのに、それぞれのいいところだけをギュッと詰めこんだ1冊。 内容のバリエーションを見ても、ファンタジーあり、青春劇あり、ホラーあり、ホラーあり、セリフ無しのサイレントマンガありと多彩。 短編集だとどの作品が一番好みかなって考えるんだけど、この中からは選べない。短い話の中で世界観がしっかり出来上がってる、最初と最後の話が繋がってて全体が締まっている等々、読後感は「ひきだしにテラリウム」を想起させる。それくらい個々の作品の完成度が高く、かつ色の違う作品が揃ってる。
読み始めは演技で1人何役もやるって面白い設定だなーとか、そっか先輩のほうは大道具なんだとか、いろいろ思いながら読んでたんですが、読み終わったら感想は一言しかありませんでした。 「こんなんズルいわ」 1巻に30話も入っているので、1日1話ずつ読んで長く楽しんでいたい。 1巻まで読了
そんなに面白いかな、これ…… 2巻が電子のみで妥当だと思うが
黒田硫黄って頭の中に思い浮かんだシーン全部を描き出すことが出来るんだと思う。キャラクターの表情やポーズとか風景描写に何一つ不自由がない。ストーリーもそう。このマンガはどの話にも茄子が出てくる短編集だけど、シュチュエーションはそれぞれでSFだったり時代物だったりする。アニメーション映画にもなった「アンダルシアの夏」も収録されてるけど、動画でなくとも躍動的な絵とコマ割りで完成されているなぁと思いました。これをアニメにしたい気持ち分かる。壮大なストーリーや驚くような見せ場もあるけど、個人的には日常のささやかな一場面とか小さな吹き出しのセリフにぐっときます。流し読みは出来ない。向き合う程に面白いマンガだと思います。
表紙のオーラから割とダークな感じのお話なのかと思ったけど、いや確かに雰囲気は暗めなんだけどその実はとても前向きな物語。「学ぶ」ことによる成長と「教える」ことの困難さの両方を感じられる作品。 1巻では徐々にディスコミュニケーションが解消されていく感じが微笑ましかったけど、1巻の最後で明確な仮想敵が現れて今後どうなるのか。 1感まで読了
6つくらい年下の女の子が漫画好きなのに花男読んだことないって言っててモロにジェネレーションギャップ感じた。 どんな話って貧乏な女の子が金持ちの男と恋愛したりいじめられたりするんだよってあらすじだけ説明しても全然良さって伝わらないなと思った。
世界観も絵柄も鈴木央の系譜という感じでニヤリとした 消えた兄を追う妹 荒野を走る電車 フリークスを退治する旅団(カンパニー) 少年心うずく設定と画力が噛み合ってて、久々に大型ファンタジー漫画が誕生するのではと期待してる これから盛り上がっていくのが楽しみ
2015年に短編「星の砂」が発表された時からずっと応援しており、2018年にようやく初単行本が出た私的イチオシ新人である雨野さやかさん待望の新刊です。 この『ナナホシとタチバナ』は幼い二人の双子の少女たちが営む不思議な美味しいパン屋さんを中心に、主に1話完結型の物語が描かれて行くファンタジー作品となっています。心理描写の巧さが光る雨野さやかさんらしく、この物語でも心に響く人情ドラマが展開され見所の一つとなっています。 また毎回のお決まりである様々な美味しいパンを作るシーンはシズル感たっぷり。クロミカンとチョコレートのみつあみパンや、黒と白の悪魔と天使のバゲットなど実際に食べてみたくなります。 かわいい絵柄と作風が実にマッチしており、とても心温まる作品です。 ……というだけでは終わらないのが、『ナナホシとタチバナ』の魅力。単行本の表紙と裏表紙のコントラストにも込められた秘密が解き明かされる時が楽しみです。 雨野さやかさんの世界にまだ触れたことのない方も、ぜひここから入場してみて下さい。
主人公が抱く「痛み」の感情が赤裸々で切実で、 1話を読んだ時点で強く心を掴まれた物語です。 先天的なものであるが故にどうしようもない「容姿」という要素に起因する様々な負の事件に遭ってしまう主人公。ある決断と行動。その更に先にある試練。周囲の人物たちの悪意にヒリヒリします。 自分の容姿がもう少し良かったならこんな悩みを持つこともなかったのだろうか……そんな風に思ったことがある人であれば、他人事とは思えない主人公に共感必至です。 主人公にはどうにか幸せになって欲しいと思いつつ、タイトルを想うと彼女の行く末が案じられてなりません。 読んでいて辛くなりますが、良い作品です。
近年はゾンビものが大流行しており「〜(オブザ)デッド」という作品が多数生まれていますが、こちらは「ウォーキング」の方を残したタイトルですね。 ゾンビが蔓延る終末世界で、生死もわからぬ最愛の妻を探し求める中で出逢った一匹の猫と旅をする青年のお話です。 ゾンビと闘うシーンも多いのですが、どちらかというとアクションシーンよりも「静」のイメージの方が強い作品です。それというのも、極限状況の中での登場人物たちの心理描写が丁寧に紡ぎあげられていくからでしょう。生死が掛かった瞬間に現れる人間の本質は、ホラーの醍醐味です。 そして、緊迫感溢れるシーンも多い一方で、猫の猫らしい行動に思わず笑わせられるシーンもあり抑揚が上手く効いています。猫好きの方ほどニヤリとできるかもしれません。 とりあえず何も言わずに1巻を最後まで読み通してみて欲しいです。
ちょっと未来のちょっと田舎の海辺に住む頑固おじいちゃん。 家族が心配して送ったのは、この仕事が終わったら廃棄が決定している30年動いているメイドロボ。 ガタがきてて首はすぐ落ちるし、包丁を持つとロボット三原則により人間を傷つけてはいけないから震えちゃうし、いろいろぽんこつだけど、とても愛らしくて構ってしまいたくなる。 しかし、500円玉のシーンほんとよかった。妙に説得力があって存在感と寂寥感が漂っててとてもシュールで最高の俯瞰の構図だった。 大ゴマの使い方がとても大胆で潔いので切れ味があって気持ちがいい。 そして、包丁の場面にしろ、イオンにしろ、500円玉にしろ、コマ割りが上手いので間が上手く表現されていてテンポがすごく気持ちいい。 あと単純にかわいい。 ああいう丸い目が好き! 基本的にキャラクターのデザインとか背景の描きこみとか、絵のバランスがすごく良くて好みだ。 最初は、設定的にはベタで手垢がついてるようにも感じたが、いままでの全然上手く描けてなかったんじゃないかって思うくらいすごくよく描けてていいなと思った。 おじいちゃんも「アリスと蔵六」の頑固おじいちゃん的で気持ちがいい。 ドラえもんのような家に転がり込んで一緒に住むタイプになるとは思うけど、のび太君の面倒を保護者の観点から見るような昔のドラえもんとは立場が若干違って、介護という意味では面倒をみられるのはおじいちゃんでも、おじいちゃんの方がより大人だしぽん子の方がトラブル起こすことになりそうだから逆転しそうな気もする。 二人のいい関係性が構築されていきそうで楽しみ。 おじいちゃんのボケ防止になって賑やかで寂しくなくなればいいな。