幼い頃から切磋琢磨してきた親友と共に、プロ野球選手となった主人公。 サヨナラ試合をきっかけに親友が失踪してしまう…。 野球の中に人生があり、人生の中に野球があるような人達の物語で、上手く行くことばかりではないけど、読んでいてとても爽やかな気分になれた。あらためて野球って良いものだなと。 全体的に上手くて引き込まれるシーンが多くて、特にピッチングのフォームとか、描き方がとにかく凄い!(語彙力) 魚眼レンズのような風景もハマっていて、物語そのものに心地よい広がりを感じました。
恋愛マンガで数学となると、何事も理屈で考える人間が答えのない恋愛に振り回される話と予想はつきそうなもの。まぁそれで大体合ってるんだけど、意外と出てくる数学のモチーフや小ネタが本格的で面白かった。 「2人は平行線なので交わることはない」は双曲幾何学では否定されるので、数学好きはこれを見た瞬間フラグだなと思うはず。あとはどうやってそれが回収されるかなんだけど、これがめちゃくちゃロマンティックで溶けてしまいそうになる。
両親を惨殺された少女・安岡紫音は、犯人を見つけるべく将棋界へ足を踏み入れる…。 将棋マンガとは思えない物騒な設定ながら、サスペンス要素と将棋の相性は、そこまで悪くないなと感じた。 主人公の紫音がとても良い子なので、純粋な将棋マンガ要素だけで充分な気もする。あと、羽仁真名人が格好良しです。 作画の柔らかいタッチの絵柄の時は好きなのだけれど、ちょいちょい劇画っぽい絵になるのh、あまり合ってない演出のように思えた…。
ツイッターで一話を、スペリオールの特別掲載で二話を読んだ 人間の知性を持ちながらゾンビ化した主人公が、人間という食糧危機瀕するゾンビ社会を救おうとし、人間養殖の警戒をはじめる。このあらすじだけでもう面白い。しかもその計画のキーとなる人は……。 まだまだゾンビものってまだまだ捻れて、可能性があるんだって思わせてくれた。気になった人はURLを載せておくので、ぜひ読んでほしい https://twitter.com/TOMOYASUkunita/status/1210048141719814144?s=20
主人公・日向 光 知力、行動力、実現力には目を見はるものがありますが何よりもの武器は美しい面構え。その美しさで何もを魅了し、掌握し、思うままに世の中を動かした男の最期をぜひ見てほしい。 すべてはその一瞬のために重なっているとさえ思わされる物語です。 おすすめです。
巻末には「刃牙道」と描かれ、タイトルには「魔法少女フラグレス」とあったので、ついに魔法少女編か……と思ったが、そんなことはなかった。 内容は元魔法少女の24歳の大学生が、また魔法少女をやらされるというもの。キュ○べぇみたいなマスコットキャラが適度に邪悪でよい。こういう類のテンプレを超えるものはなかったが、普通に面白かった
※ネタバレを含むクチコミです。
タイトルはメイドイン「ごくどう」ではなく、メイドイン「ヤクザ」とのこと。 シャバに戻ってきたヤクザが新たなシノギに活路を見出すまでのお話。 序盤からコツコツと、丁寧なフリが積み重ねられ、ラストのオチでは「そうきたかぁ〜!」と思わず笑みが溢れた。 ヤクザが時代とともにキャラクター化され色モノ漫画っぽくなるのは哀しくもあるが、コレも時代の流れということなのかなあ。
むかし暗かった同級生、白井さんが馴染みのプラモデル店の店主になっていて、プラモデルを作っており、話をするという物語。 が、会話がどうこういう前に白井さんの露出度がめっちゃタケぇ。プラモデルについて熱心に語るのはいいし、分かるけど、主人公も八割くらい胸のことしか考えてない様子だった。気持ちは分かる
とても面白かった。女子のほうが男子よりも身長が高かったら、小学生たちはどんな関係性を築くんだろう。そんな疑問を素直に反映したような世界が広がった作品。 この作品の重要なところは「男女が逆転した世界ではない」ということ。女子がちょっと粗暴で男性的、男子が大人しくて女性的という構造はたしかにあるものの、安易に反転しているわけではなく、あくまでそれぞれの「異性」らしさがある。この結末に持っていけるのはさすがのカラシユニコ先生だと思った。
今の時代の女の人の人生って感じでとても面白いです。仕事と恋愛とっていうバリバリ働きたい人なら誰しもが悩むところがリアルに描かれているので読んでておもしろい!
若かりし新海誠の自主制作短編アニメーション『彼女と彼女の猫』が17年の時を経、『ブルーピリオド』でブレイクする少し前の山口つばさによりコミカライズされた。なんだその強い組み合わせは。つまらないはずがないではないか。 冒頭、『秒速』を観た人ならすぐに「ぽいな!」とピンとくるであろう文学的なモノローグから始まる。そしてやがて『秒速』や『言の葉』などを観たことのある人は、先の展開を予感して苦い気持ちになるだろう。しかしすぐに、山口つばさの筆力にめちゃくちゃ引き込まれ、さっきの嫌な予感などどうでもよくなる。『ブルーピリオド』のファンが現在この本を読んでもなんら物足りなく感じる要素はないはずだ。素人目ながら作者の才能は当時すでに完成の域に達しているように見える。 主人公の一人である「彼女」が抱える、人生の意義とか将来への不安や葛藤とか人間関係のわだかまりとかそういう普遍的な日常の懊悩を、「彼女に好意を寄せるペットの猫」という極めて独特かつ区切られた視点から描ききっている。ある意味、新海イズムを読み解く手がかりになりうるエッセンシャルな作品のように思える。この話をしだすと長くなるのでまた別の機会に…… この作品でとりわけ印象に残ったのは、まずひとつは主人公の片割れである「猫」の「彼女」に抱く愛情が形を変えていく様だ。与えられる側から与える側へ、恋から愛へ。取り巻く状況も、感情も目まぐるしく変わっていくなか、しかし交わす言葉を持たない二人は表面上変わらず側に在り続ける。「猫」が「彼女」の日本語を解している描写はまったくないということに、後半まで読み進めてようやく気がついた。お互いにお互いの考えていることがわかっていないまま奇妙な割り切った信頼関係が築かれているのだ。 もう一つは、漫画のレビューを書くとき毎回言及している気がするが、「彼女」が非常にチャーミングであることだ。『ブルーピリオド』には可愛い女子あるいは恋愛対象としての女子がほぼ登場しないため、山口つばさがこれほどのやり手だとは全く予想しておらず、無防備な後頭部から殴られたような衝撃を受けてしまった。ブルーピリオドはまだまだ続きそうだが、今後主人公の青年が恋をするような展開があるとすれば、少々気を引き締めて読まねばなるまい……(?)
東京でバリバリ働いて地元に戻ってきたユキノと地元で主婦をしている道子が20年ぶりに再会を果たし、はじまっていくお話。 4巻まで読んだが、これどーなっていくんだろう。 地元帰ったアルアルとか女性の思いとか悩みが詰まってて、現実的だなあと思った。 私的感情は二人とも各々自らの幸せな道を歩いていってほしいと思う。
アメリアのパワーに圧倒されます。 そして、忠実なコナーとの関係性。 二人でいればどんな状況でも立ち向かえるはず。 カリフォルニアに到着するには、まだまだ困難に見舞われると思いますが、何事にも全力で立ち向かう二人なら大丈夫! ずっと、応援したい♪
超お堅い課長が仕切る経理課に、明るいギャルが入ってきて課長を翻弄するギャグ読み切り。真面目人間とチャラいギャルの組み合わせはテッパンですね!永遠に見てられる…
最強の姉・東村アキコを持つ漫画家・森繁拓真は、姉と編集の言われるがままにグルメレポ漫画を描くように指示される。 はじめは姉が店を決め、姉と編集と三人で食べに行き、レポートをするというスタイルだったが、ご存知の通り東村アキコは超多忙。そのうちに店だけ指示されてひとりで行かされたり、時には「たまにはお前が店決めろ」と無茶振りされたり…本書の趣旨の通り、いいなりゴハンだ。 他のグルメレポ漫画と違うのは、料理ジャンルに偏りがあること。バランス良く色んなジャンルのお店を紹介!という気持ちは微塵もない事が読むとわかるはず。 しかしそれで成立しちゃうのは東村アキコの力だと思う。たとえ連続でホルモン屋を紹介されても、全部美味しそうだから行きたくなる。 あとは、広くて濃い人脈を使ってゲスト作家も多数呼ばれている。弟の方も清野とおるや押切蓮介など癖の強い方面の作家と仲がよく、それによりマンネリせずに2冊いっきに読み切れる。 一部を除きお店情報もちゃんと載ってるので、単純に美味しいお店を知りたいという人にもおすすめできます。 個人的には、弾丸で韓国旅行に行くエピソードが好きで、本気で韓国まで焼き肉とフライドチキンを食べに行きたくなりました。近々実現させる!
よくニュース等で「戦争の悲惨を後世に伝えなければなりません」と言われてるが、戦争体験を伝えられるひとがほとんど残っていないのだから、これはもう実際の被爆体験から生み出された作品を読み継いでいくことが、戦争を経験してない世代にとって、以前より重要な事になってきたんじゃないだろうか。 はだしのゲンは戦争の悲惨さ残酷さを知るのによい作品で、これからもずっと読まれ続けてほしい。
良かった点 ・たろーと辰巳の友情はいつ見てもいい 総評 ・球を投げている間に観客が長い解説をしたり、練習シーンがほとんどなかったり、冷静に見ると主人公がかなりやばい感じとか色々あるけど読むと感動する。
妻が亡くなってから一人娘が自立するまで頑張ってきたお父さん。 ひとり暮らしが始まった今、どう暮らしてゆけばいいか迷っていたときに、かつて若い頃に追いかけていた元アイドル・ゆりあと競馬場で奇跡のように出会う。 終活も考えていたけれど、ゆりあとの距離もいっきに縮まり、心には青春時代のときめきが舞い戻ってくる。こんな夢みたいなことがあるんだろうか…な第一話。 「オオカミの住処」「あのコと一緒」など女性誌で活躍してきた藤末さくら先生の新連載。新天地・グラジャンむちゃでどう展開されるのか…注目してます!
響の対戦相手がどんどん強い権力者になってこれ以上強くなりそうにないとおもったら完結してた
良かった点 ・1話完結で読みやすい ・難しい内容ではないので寝る前に読むのにちょうどいい 総評 ・古谷三敏のうんちく漫画はどれもいい
アパレル店で働くかっけぇ彼氏の元に、可愛い彼女(大学生)が服を買いにご来店。そして更衣室で破壊力抜群の密着イチャコラ展開爆発。 これだけ距離が近いと、男女の身長差や、手足のサイズの違いがハッキリ分かる。というかその部分を魅せるのがマジ巧い(とくにすごいのは腰)。これを読んで平静でいられたグフタ読者はいないだろう。
元地下アイドルの「レイ」と、格闘技のインストラクターを目指す「ハル」。 それぞれ、別の道を歩んでいた二人が行き着いたのはプロレスだった…。 すれ違いから始まりながらも、二人とも今まで散々傷ついてきて葛藤する描写に心を動かされました。 特に自閉症を抱えているハルの荒ぶり方は、読んでいて辛いものが。 昔のプロレスのイメージとは大分違って、様々なタイプの選手が増えているのでしょうか。 最近のプロレス事情に詳しい人の感想も聞いてみたいところ。
と、つい言ってしまいそうな構成と絵の上手さ。 この作品では、不良と柔道の出会いが描かれてるが、 どんな構図のアクションでもかかってこい!という技を感じました。 タイトルも最高。
中学3年生の夏休み。 勉強はできるが進路が決まらず、近くの川辺でブラブラしている主人公。 気になる女の子を遠巻きに見ていると、変なホームレスに絡まれることになり・・・。 15の青春時代の漠然とした感情だったり、何もかも納得いかない気持ちが とても伝わりやすく描かれている。 終わり方もまた別の物語の始まりを感じさせるもので素晴らしかった。
今年の四季賞の中で、個人的には一番好きな読切。 かずはじめ漫画のような空気感で、淡々と進むストーリー。 セリフは少なくても、荻野の孤独や悲しみが、ひしひしと伝わってきた。 これこそが荻野なんだと。
大正ぐらいの時代背景だろうか。 先日ハマった「絶対BLになる世界 VS 絶対BLになりたくない男」の著者さんの他の作品はないものかと思ったらずいぶんと毛色が違う素敵な作品が連載中(たぶん)で、一気に最新巻まで読み終わった。 絵もキレイだけどキレイすぎず何処か味があり、ストーリーはよく練られていてまるでジャンプの王道のような展開ではあるものの少年向けではない描写も多く…と思ったけど「鬼滅の刃」もよく考えたら少年向けじゃなさそうなのになと思ってしまった。 世の中は進んで化けているのだなーと1人納得しました。 面白いのでぜひ。
サッカー未経験者のつくしがサッカー名門校聖蹟で活躍する青春マンガ! 人一倍の努力をし、驚異的なスピードで成長を成し遂げ試合出場をもぎ取ったつくしはチームの心臓へと変化していく。つくしの努力そして個性あふれるチームメイトを見逃すな! おすすめ漫画です。
いつの時代に読んでも度肝を抜かれるセンスと勢い。永遠に受け継がれてほしい作品です。
ほんますごかったいい歌でした涙が出そうでした感謝しますありがとうございました
「これを読んで人生が変わった」と言っている人がいたので気になってた作品。初めて読む三宅乱丈作品としてもオススメできると思います。 人間の記憶には「ヤマ」と「タニ」がある。その人を支え続ける記憶が作った「ヤマ」と呼ばれる場所と、その人を痛め続ける記憶が作った「タニ」と呼ばれる場所。他人の脳内に潜り込み、この二つの場所を操作する能力を持つ者は「ペット」と呼ばれ、彼らの力は組織によって悪用されていた。 ペットになれるのは現実社会に適応できないようなヤマもタニも持たない子供達で、その素質を見抜けるのはペットとしての能力を持つ者だけであり、自分のヤマを共有するので絆は深くなり、親子のような関係でもある。 ヤマとタニというオリジナルな発想も、ペット同士の複雑な人間関係や心理描写も、めちゃくちゃ面白くて夢中で読んでしまう。2020年1月からアニメも放送されるので楽しみにしている。
とあることで人を呪ってしまったが為に、「人の幸せを叶え続けなくてはならない呪い」を受けた男。 そして、幼い頃から人には見えないものが見え、いつまでも漫画家になる夢をあきらめられない男。 二人の悩みと葛藤の時間を描いた物語。 もし自分が同じ呪いを受けたとしたら、どうするだろうか。 たとえ魔法のような力を持ったとしても、表面的な問題しか解決できないかもしれない。 本当の意味で人に優しくするのはなんと難しく、心が痛くなる行為なんだろう。 あと、少しでも漫画家を目指したことのある人にとっては、読むのが辛いシーンの多いかもしれない。
なんて初々しくて、清々しくて、切なくて ・・・。 素敵な作品なんでしょう。 一冊読んだだけで、映画を見終わった感覚になりました。 小学生のひと夏の経験とは、言えないもっと大きくて深い感じ。 心が揺さぶられます。 是非、手にとって読んで欲しい!!
仕事には、‘’人‘’が必要。 その人によって、人生が変わると言っていい。 出会いによって、刺激を受け、生産性も上がるが、相性がある。 それを我慢しなきゃどうにもならないこともあるが、全てを第一印象だけで図ってはならない。 年齢を重ねてくると、感覚的なものが備わってきてうまく立ち回れるようになるが、漫画家と編集担当者は、1対1の関係でなかなか逃れられない。 出てくる登場人物が、皆個性的で、面白い。 私的には、妻のあずみさんがかっこよくて好き♪ 早く続きが読みたい!!と思わせてくれる作品。
OLの野々村ももの趣味は、祖母の形見の着物で外出すること。四季折々の柄を取り合わせ、特別な自分に変身!友達と、家族と、そして素敵なあの人と……軽やかに情緒を纏って巡る、関西周遊記。 ----- 週末になると、ももは外出先を選び、そこに似合った着物を選ぶ。そして、着付ける手順が毎話2〜3ページ費やして、丁寧に描かれる。 楽しい時も辛い時も、気を取り直して、すっと背を伸ばし、着物に袖を通す。ゆっくりくるりと帯を締めると、不思議と気持ちが華やいでいる。その瞬間、ももは「特別な女の子になる」と言う。 これは……「変身物」だ。 そう、魔法少女とかのアレ。 派手さはないけれど、確かに非日常の衣を身に纏うことで、奥手なももは、恋に新たな目標に、前向きに頑張れるようになる。毎話の着付けシーンは、特別な自分になる「変身シークエンス」のようだ。 勇気をもらえる、綺麗で落ち着く「魔法のドレス」としての着物。 この物語は、休日に日常を離れ、着物という法衣を着て世界を彷徨う、大人の恋の冒険譚……と言えるかもしれない。 ままならない恋模様に、ももが健気に頑張る姿を追いながら、ももが訪れる、着物が似合う関西の素敵スポットをチェックして、楽しみたい。 その内に着物の専門用語も、何となく耳慣れてくるので、大丈夫! 第5巻が2020年1月9日発売!
2017年にPixivで読んで衝撃を受けたハチャメチャにすごいやつ。まず絵がとても良いんですよ。生々しさと繊細さの両方を兼ね備えた画風、心の動きを見事に描写する美しいコマ割り、そして2人のコミカルな部分を表現するのにピッタリな独特のデフォルメ。最高すぎます。 そしてなにより**2人の人物像がすごく解像度が高いのが、良い。** 主人公の月島一騎(いっき)と先輩の唐木田透真はともに美術講師を努めるクリエイター。いっきは「誰かを好きになるけど性欲は一切ない人」。唐木田は「自分を好きになってくれた人の気持ちに応える人」。 どんなファッションが好きとか、お互いのいないところでどんな風に振る舞っているのかとか。**読み進めていくうちに2人のことが実写映画のようにハッキリ見えてきて、存在感が本当にすごい。** https://i.imgur.com/ln6cZ2P.png (『初恋、カタルシス。』鳩川ぬこ) 出会い、破局、交際…1年にわたりいろいろな場面での2人のやりとりを追っていくことで、大長編を読んだような充実感があります。 この作品は起承転結のストーリーがある物語ではありません。2人が壁を乗り越えたり、何かを手に入れたりという大きなゴールがない。そしてそれが、この物語の最大の魅力だなと思います。 **2人の日常をただ切り取って、絵と文章で丁寧に心の動きを追っていく。**あまりにも良すぎる…最高です。 そして**「まず恋愛をすることに焦点があって、それを語るうえでいっきのノンセクシャルの部分について言及が必要不可欠」**…という話の構図が作品を洗練されたものにしていると思います。** https://i.imgur.com/wscQM9W.png (『初恋、カタルシス。』鳩川ぬこ 「この部屋物が多くてバカみたいだ」っていうセリフは悲しみの底にいる人にしか出てこない素晴らしいセリフだと思います) 「本屋でどの本棚に置くか」と言われればBLなんだろうけど、一つの恋愛漫画としていろんな人に読んでみてほしい作品です。 https://www.pixiv.net/en/artworks/66054688 https://manba.co.jp/boards/111584 【おわりに】 「フィクションであっても正しく(理想的・模範的)に描かれるべき」という当事者の方の主張について意見することは避けますが、私は「初恋、カタルシス。」の描く現実的な不完全さ(唐木田の無理解・性暴力の強要)を理解したうえで大好きです。
そのタイトルの意味は恋人たちが睦み合う音のことなのですが、愛情に満ちた母子家庭を描く漫画のタイトルとしてこれ以上相応しいものはないと思います。 1巻は主人公・菫子の娘・のぞみの視点で始まります。中学生になる彼女にはボーイフレンドがいるのですが、恋人としての関係を重ねる中で母のことを見つめ直します。 良いところのお嬢さんだった菫子は、高校生の時に幼い頃、親子三人で住んでいた一軒家を訪ねます。するとそこで性格の悪い年上の男の子と出会い次第に惹かれていく…。 両親を亡くしている菫子、裕福な家庭で将来を期待されていた皓(あきら)。二人は駆け落ち同然で結婚し、貧しいながらも幸せな生活を送るのですが、菫子が身籠っている時に、皓を事故で喪ってしまう。 菫子と皓の短くも美しい恋人時代。そして、まだ女性の社会進出が進んでいなかった90年代の日本でシングルマザーとして働き子育てするのんのんの幼少期編。 どこを読んでも困難がばかりで、でも同時に大切な人たちの愛情でいっぱいで…温かくて切なくていつも胸が苦しくなります。一人暮らしが長いため、家族の良さを忘れがちなのですが、「世界でいちばん優しい音楽」がいつも思い出させてくれます。 結婚したらこんな風に子供を愛したいなと思わせてくれる素敵な作品です。
女子高生の小糸ちゃんの実家の神社に祀られてたのは江戸時代に異世界から来たエルフのエルダさん。 文明社会に馴染みすっかり堕落しきった彼女をため息つきながら相手する姿はちょっと哀愁漂ってます。 とはいえエルダさんが最新ゲーム機に頬を擦り寄せたり美味しいご飯を幸せそうに食べるのを口角ゆるめて眺めるのが本作の醍醐味…。 これも一種の歳の差漫画だと思いますが、小糸ちゃんとエルダさんのかわいいやり取りをみんなで見守っていこうな…。
Amazonで偶然見かけてジャケ買いした作品だったのですが、表紙通り可愛らしい素敵な作品でした…!まさかフルカラーだとは読むまで知りませんでした。 http://webcomic.ohtabooks.com/soda-water/ 海辺の街に住む住む女の子・リサは、海岸で拾ったガラスのバイオリンを弾いたり、友達のもな子ちゃんと灯台に遊びに行ったり毎日楽しく過ごしています。そしてリサの周りではいつも、パラソルで旅をする少年が訪れたり、灯台が歩き出したと…不思議な出来事が起こるんです。 エーゲ海の白い街のような美しい町並みと、優しくて幻想的で不思議なお話。ページを隅から隅まで舐めるようにして何度も読みたいし、永遠に読んでいられます。 電子で購入しましたが紙でも書い直したいくらいほど良かったです…! 藤子・F・不二雄、星新一、九井諒子の描くSF(すこしふしぎ)なお話が好きな人は絶対気に入る作品です。優しくて綺麗なものが見たくなったときに、「8月のソーダ水」おすすめです…! https://i.imgur.com/HX5IFmx.jpg
初恋の女の子が「女装していた少年」だった主人公・牛若が、転校先の高校でその少年・竜ヶ崎と再開するところからお話が始まるのですが、この竜ヶ崎がただもんじゃないwww 学校でも女装しているだけじゃなくて「女装部」なる部活も立ち上げて、色んな種類の女装少年たちとめくるめく女装ライフを送っているんです。 そしてなにより、めっっっちゃかわいいんですよ竜ヶ崎…!こんな可愛い子が女の子のはずがない。 そしてさらに可愛いのが、あんなに毛嫌いしているくせに女装した竜ヶ崎のことがまだ好きな牛若…!!「女装男子は男だろ!ありえね〜!!」と自分に言い聞かせるように振る舞ってはいますが、竜ヶ崎のことが好きなのはバレバレもう二人とも早く付き合って…頼むから。 登場人物・絵柄・コマ割り・背景・装飾、全てカリーノ(かわいい)なものだけで構成されているところも好き…! 1話を読めばこの作品の良さが完全にわかると思うのでぜひどうぞ…!かわいいは正義 https://comic.pixiv.net/works/5851 (画像は第1話より。久々に再会したときのこの表情!この第一声…!かわいいがすぎる…) https://i.imgur.com/kBglNij.png
『のりりん』という、なんともかわいらしい響きのあるタイトルですが、 ロードバイクの魅力をいろんな角度から描いた自転車漫画です。 ロードバイクと聞くと、本格的なレースに出て勝負するような激しいスポーツ漫画をイメージしますが、この作品は趣味寄りの漫画。 自転車嫌いの青年が、ロードバイクに初めて触れて、次第にその魅力にハマってゆくところから丁寧に描かれています。 初めて乗ったときのワクワク感、自転車と一体となったかのような高揚感…。 乗るとわかりますが、今まで見えていた世界がガラッと変わる感覚のある乗り物ですね。 未経験者の方でも、ついつい「ちょっとロードバイク買ってみようかな・・・?」と思ってしまうはず。 経験者であれば、初めてロードバイク買ったときのことを思い出し、倉庫にしまい込んだロードを引っ張り出して、また乗りたくなります。 また、作中の至るところに、ロードバイクの説明がちりばめられており、自転車選びやメンテナンスの仕方、運転テクニックからマナーまで学べるので、初心者にとって簡単な実用書として役に立つはずです。
親が勝手に決めた結婚にNO!と言い続けた結果、まさかこんなにスケールの大きな話になるとは全く予想がつかなかった…参りました。 これはただのラブコメじゃない。NHK朝の連続テレビ小説だ。 主人公のそのかが“あまのじゃく”であるという点がポイント。 あと扉絵でめちゃめちゃ見切れてるそのかパパがいいキャラしてる…このパパなくしてこの漫画の面白さはなかった。むしろ主役と言ってもいい…?(にしては死ぬときのコマ小さかったな) この読切が四季賞の一次落選してるってどんだけレベル高いんだ… 連載決まってるっぽいので楽しみにしてます!
よだかの星を読むのはおそらく小学生ぶりだと思いますが、やっぱ大人になってから読むほうが面白いですね、宮沢賢治は。ちょっと不思議で、暗くて悲しくて、繊細で感受性が強くて傷つきやすい…子供の頃は何が面白いのか全くわかり…ませんでしたが、今となってみればすごく素敵だなと思います。 このコミカライズの良いところは、よだかを始めとする鳥たちの目が往年の少女漫画のような人間的な目をしているところ。 目の中に星が輝くまつげバサバサの目は人間のように感情をよく伝えてくれるだけでなく、賢治作品らしい幻想的な感じを出すのに一役買っていると思う。 読んでみて久々に原作を読み返したくなった素敵な読切でした。
カエルDX氏といえばTwitterなんかでのオタクレポ漫画で人気の、ある種「ネタ漫画家」として半端ない腕前を発揮しているイメージの人だった。 のだが…。 なにこの普通にレベル高い漫画???女の子めっちゃかわいい。 いつもカエルの絵しか見てないから圧倒的な違和感がある…。絵うま…。 とはいえ、実は氏の画力の高さ自体はちょいちょい小出しにされていて、例えばこのポケモンのイラストとか。 https://twitter.com/kaeru_dx/status/1195842501057236992 それ自体に驚きはないのだが、単純にここまでかわいい女の子の表情を描かれると普通に降参という感じです。 余談だがメディア欄からこのツイートを見つけ出すまでにめっちゃ時間かかった。(飯とアニメグッズの画像が多すぎる) キャラクターとしても、完璧超人の観音寺さんが百合観測オタクとして女の子たちのキャッキャウフフするサマを眺めるのはヒネリが効いていて面白い。 観音寺さんとともにその様子をもっと見ていたいと思わせる出来だ。 この「見守りオタク感」というか、そういうアイデアは氏ならではの視点のようにも感じる。 いちカエルファンのオタクとしては、オリジナルマンガ作品での氏のさらなる活躍を望んでやまない。きららは是非ともカエルDXを激推していってほしい。 腕組みながら後方彼氏面で新たな作品を待つこととする。 カラーもめっちゃいいぞ! https://twitter.com/kaeru_dx/status/1209307806555398147
丸尾末広の今年二作目(おそらく)の読切「ディアボリク」。前回モーニングに掲載された「オランダさん」に引き続き、第二次世界大戦後とキリスト教がテーマ。 https://manba.co.jp/boards/104874 戦災孤児を収容するキリスト教養護施設に暮らす赤毛のミチオと神を巡るお話。「オランダさん」に登場した長崎の少年・マサルが素晴らしい宣教師と出会えたのに対し、こちらに登場する施設の園長・シュレック神父は神の教えを広める者として欠陥しかないまさに「diabolic(悪魔的)」な男。 シュレック曰く、日本は三等国で野蛮で神がいないらしい。 園で盗みを働きマリアを侮辱する浮浪者たちを描く中に、「最後の晩餐」を模したコマがあったのが印象的だった(その意図は自分には理解しかねるが)。 https://comicbeam.com/archives/008/201911/32d21816329fcc181a40ab534f7b33a3.jpg (『ディアボリク』丸尾末広) 救いのないシーンばかりが連続するが、最後の最後に、荒廃した町でサヨは12歳で殉教した隠れキリシタンの少年・ルドビコが死者を天国(パライゾ)に連れていく姿を見る。そしてミチオとサヨが優しそうな神父と出会ったところで話が終わる。 不幸ばかりだった2人だけど、「確かに日本にも神の国への道は開かれており、救いがあるらしい」。そんな読切だった。 【月刊コミックビーム2019年12月号】 https://comicbeam.com/magazine/magazine-10068.html
現代人の社会を支える「電力」の安定供給の影に働く人々を取り上げた漫画。 学習漫画っぽい内容かなとおもったが、やはりビッグ錠が書いているだけあって、人情あり、感動ありでいい短編だった。
競争で1位を獲ってしまうと体から金が出るという、イソップ童話みたいな体質を持つ少年が主人公。周囲にはその事を隠すように生きてきたが、小学校の担任だけはそれに気付いており、主人公から金を絞り出そうと、ことあるごとに競争をけしかけてくるのだった…。 増田こうすけと漫☆画太郎を足して二で割ったような世界観。 シュールな笑いと、子ども心にダイレクトに伝わる笑い、どちらも併せ持っていて、読み返すほどに味わい深さが増してきます。
2019年、元号改正に伴い、幕府の御庭番解体ーーー。 なぜ現代に幕府や侍が存在するのか?という説明は置いといて、 しぶしぶ働きに出ることになった影千代。 ハケン侍としてアイドルイベントのスタッフや英語の臨時教師をこなす! というのがあらすじ。 細かいボケとギャグを積み重ねてゆくテンポが心地良く、 必殺技の「派遣斬り〜!」もナイスギャグもあったが、大爆笑とまでいかなかった…。 あと、実際に廃藩置県となった時代だって、侍は手に職をつけようと苦労したはずで、多少リアルな現実も見せてくれたらもっと面白く読めた気がする。
留学から帰ってきたら、家族が執事に洗脳されており、屋敷全体が主従逆転した状態となっていた───。 恐ろしいサスペンス風の立ち上がりから一転、主人公の茜と、執事である九鬼清十郎とのコミカルな掛け合いが繰り広げられる。 九鬼いわく「私に依存し、何事も私に答えを求め、最後には私の操り人形になってしまうのです。」あくまで洗脳はしていないのだと、複雑な表情で語る。うーん、意味深。 九鬼の仕事ぶりは完璧そのもので、相手が少しでもスキを見せれば洗脳できてしまうほど、人間心理を知り尽くしてそうなタイプ。一方で「友人」絡みの話題となると少年のような明るさを見せるなど、全く掴みどころのない人間なのだが、一体何が目的なのか。 九鬼の人生観が気になる。
幼い頃から切磋琢磨してきた親友と共に、プロ野球選手となった主人公。 サヨナラ試合をきっかけに親友が失踪してしまう…。 野球の中に人生があり、人生の中に野球があるような人達の物語で、上手く行くことばかりではないけど、読んでいてとても爽やかな気分になれた。あらためて野球って良いものだなと。 全体的に上手くて引き込まれるシーンが多くて、特にピッチングのフォームとか、描き方がとにかく凄い!(語彙力) 魚眼レンズのような風景もハマっていて、物語そのものに心地よい広がりを感じました。