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不条理日記 完全版

不条理日記 完全版

吾妻ひでおの代表作として名高い「不条理日記」。『定本 不条理日記』刊行後に執筆された作品も含めて、初めてコンプリート収録した「完全版」として刊行! 1978年『別冊奇想天外SFマンガ大全集part2』に発表された「不条理日記 立志篇」は、吾妻ひでおの日記がSF小説のパロディになっているユニークな作品でした。吾妻ひでおの挑戦状に、SFファン、SFマニア、SF読者が取り込まれ、元ネタの探求が行われました。 さらに「不条理日記」は「劇画アリス」で連載され、全国の漫画ファン、SFファンは雑誌自販機を求めて、街を徘徊しました。 日記風の漫画エッセイかと思わせる形式の中にSFパロディをふんだんに織り込み、熱烈な支持を得たこの作品は、強敵「孔子暗黒伝」と「地球へ」を抑え、日本で最も古く権威あるSF賞である星雲賞の1978年コミックアート部門を受賞しました。 吾妻ひでおの代表作であるばかりでなく、不条理ギャグ漫画の立役者としても名高い名作を、完全版として新装復刊します!

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幻の花 白山宣之傑作集

幻の花 白山宣之傑作集

カッコいいとは、こういうことさ! 白山宣之氏は、大友克洋氏らと同時代に活躍し、その後多くの漫画家にも影響を与えた個性的な作品を数多く残しています。一方では、これまでにマガジンハウスから『少年塔』『10月のプラネタリウム』(単著)が刊行されたのみ(いずれも絶版)という寡作の人でもありました。作品に対するゆるぎないこだわりと情熱は多くの漫画家たちからも支持を受け、2012年に亡くなられた際には、白山氏を偲ぶ仲間の呼びかけで遺作集『地上の記憶』(双葉社、2013年)も出版されました(「本の雑誌が選ぶ2013年度ベスト10」選出)。本作は、既刊『少年塔』ならびに『10月のプラネタリウム』からセレクトした短編作品に、復刊ドットコムリクエストでも人気の高い『あはは、まんが』(角川書店、1984年)に収録された「サザンクロスの秘宝」「燃える北極光」の2篇を加え、さらにこれまで未発表だったイラストレーションや単行本初収録となる短編3篇を含めた、豪華作品集です。日本人の心に残る在りし日の原風景、高潔且つ琴線に訴えかける独特の澄み切った世界観を、ぜひ本作で存分にご堪能ください。 主な収録内容 巻頭口絵 Amazing World of Nobuyuki Shirayama/SCHOOL DAYS/INNOCENT/エゼキエル・ナウ(単行本初収録)/Golden Slumbers/トマトの値段(単行本初収録)/サザンクロスの秘宝/燃える北極光/六分儀/リボルバー(単行本初収録)/宇宙大怪獣ギララ/Lunatic/写真/懐かしい明日、待ち遠しい昨日(高寺彰彦)

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ビリーバーズ

ビリーバーズ

山本直樹の90年代の最高傑作、復活!!孤島に、二人の男と一人の女。指示された『プログラム』を淡々と実行し続け、『安住の地』へ行ける日に思いを馳せている。ある時、ボートに乗った外部の人間たちが島を訪れるが、彼らを『不浄』であると判断した男は『処理』してしまう。その頃から、孤島で暮らす男と女の関係に変化が生じ始め、互いに秘密を作ってはいけないはずの三人の間に、愛と欲と猜疑心が交錯する……!!

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風雲児外外伝 松吉伝

風雲児外外伝 松吉伝

もしや日本の裏歴史書!? 歴史を動かした大物の側近松吉の残した驚愕の物語! 昭和20年代前半、源太郎の実家に紛れ込んできた祖父・松吉は、持ち物全てが豪華絢爛、振る舞いも気品が溢れ、只者ではない雰囲気。幼い源太郎はそんな松吉が大好きで、膝の上を指定席にしていた。やがて時が経ち、松吉没後に源太郎が父母から聞かされたのは驚愕の物語だった!! 激動の日本の時代のうねりに密接していた人物、松吉とは…!? みなもと太郎が、祖父・漆原松吉のエピソードを綴った実録エッセイ漫画。 少年画報社の時代劇漫画誌「斬鬼」で連載されていたものの、単行本化される前に同誌が廃刊。 全2巻の同人誌としてのみ流通していた本作が、1・2巻を合本し、単行本として刊行!

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OPUS 《完全版》

OPUS 《完全版》

“幻の最終回”も含めた《完全版》! 連載漫画『Resonance』の佳境を迎えた漫画家・永井力は、悩んだ末に主人公リンの死をもって物語を締めくくることとした。だが、原稿用紙の奥から姿を現したリンにその原稿を奪われ、力自身もみずからの描いた漫画の世界へと引きずり込まれてしまう。そこで出会ったヒロイン サトコとともに、自分の考えた設定に翻弄されながらも謎の超能力者「仮面」と戦う力。作者にあらがう登場人物たち。やがて力にとっての現実世界と作中世界の境界線が崩れてゆく中で、力は「作者は作中世界の神たりうるのか」を自問するのだった---。隔週誌「コミックガイズ」で、1995~96年にかけて連載された長編漫画『OPUS』。アニメに専念するようになる直前の時期に書かれた、「漫画家としての今 敏」の集大成であり、後年の映画で追及される「現実と虚構」のテーマの出発点ともなった作品ですが、掲載誌の休刊にともない未完のまま終わりました。しかし、2010年の作者急逝の後に“幻の最終回”の原稿が発見され、徳間書店より上・下巻で単行本が刊行されました。本書は、単行本の巻末に今監督の全作品を手掛けたプロデューサー・丸山正雄氏のインタビューなど新規要素も併録し、1冊にまとめた《完全版》となります。

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千明初美作品集「ちひろのお城」

千明初美作品集「ちひろのお城」

きゅんとする少女漫画の名作を復刻! 少女たちたちの幼くも一生懸命な思い、そのいじらしさに胸がきゅんとする懐かしくも色あせない5つの物語です。昭和40年代から50年代にかけての少年少女の日常を抒情豊かに描いた少女漫画。 収録作品は、「ちひろのお城」「いちじくの恋」「涙がでちゃう」「バイエルの調べ」「お二階は診察室」。「涙がでちゃう」は単行本初収録。漫画家の高野文子さんが、ご自身が愛してやまない千明初美作品を、現在の漫画読者に読んでもらいたいと考え、企画・監修した作品集。収録する作品の選択から作品解説、カバーデザイン等を高野さんがすべて監修しています。22ページにおよぶライブラリーは、単行本に収録されない作品ひとつひとつを読み込み、吟味したコマをレイアウトして、作品世界を紹介した労作。千明初美の作品が、今の漫画読者にとっていかに必読なのか!を、高野文子が語りつくす、ちょっとユニークな作品集です。 ▼著者プロフィール 千明初美(ちぎら はつみ) 1951年生まれ。群馬県出身。高校時代からまんがを描き始め、1970年「りぼんコミック」11月大増刊での『雪の夜の物語』でまんが家デビュー。「りぼん」で活躍し、80年代中期よりフリー。高野文子(たかの ふみこ)(監修) 1957年生まれ。新潟県出身。漫画家、イラストレーター。1979年「JUNE」掲載の『絶対安全剃刀』で商業誌デビュー。寡作だが独自の作風で多くの漫画読者を魅了している。

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恐竜大紀行 ≪オリジナル版≫

恐竜大紀行 ≪オリジナル版≫

恐竜たちが人格を持ち、縦横無尽に世界を闊歩する! いまなお多くのファンを魅了し続ける、「週刊少年ジャンプ」の隠れた名作がついに復刊! 腹を見せたら負けだ、忘れるな! 1988~1989年は、おなじみ「週刊少年ジャンプ」のまさに絶頂期。人気名作マンガが切磋琢磨し合う、まさに(漫画家にとっては)戦場とも呼べる舞台に、人間が全く登場しない、一話完結という斬新な設定のもと、突如として連載がはじまったのがこの『恐竜大紀行』でした。 恐竜といえば、図鑑や学習マンガでしかその内容を知り得なかった当時。本作品が極めて画期的だったのは、恐竜たちが、彼らの暮らす世界でリアルに生きぬいている描写がなされ、弱肉強食ともいえるその過酷な恐竜世界(生物)の模様が、恐竜たちの視点から生き生きと展開されていることでした。 獲物を追う、捕える、逃げる。生物であれば当然ともいえる、【生きる】【生き抜く】という行為を、一話完結のドラマ仕立てで描き、死から誕生といったものまでもきちんと描ききる。キャラクターマンガが全盛の、とりわけ漫画雑誌の王様とも呼べる「週刊少年ジャンプ」誌上では非常に異色な存在であり、残念ながら全12話という短い期間で連載は終了してしまいましたが、当時の子どもたちに、強烈なインパクトを残した作品でもありました。 今回の復刊企画では、雑誌連載当時の掲載順に完全収録! また「週刊少年ジャンプ」の奥付には当時必ず掲載されていた、著者イラスト入りの後記なども再録した、まさに≪オリジナル版≫仕様となっています! 1コマ1コマ緻密に描かれた絵、恐竜たちが放つ印象的な台詞、理屈ではないその魅力を存分にお楽しみください! ▼主な収録内容 第1話 スカーフェイスの生涯(ティラノサウルス) 第2話 チビ(プテラノドン) 第3話 サンダーとペッカー(アパトサウルスと始祖鳥) 第4話 海の彗星コメット(イクチオサウルス) 第5話 のんき者ノロ(ステゴサウルス) 第6話 ロック(パキケファロサウルス) 第7話 水辺のブラッド(ディメトロドン) 第8話 とうちゃん(アンキロサウルス) 第9話 ケロンじいさんの見た事(アルケロンとアンモナイト) 第10話 英雄ドン(トリケラトプス) 第11話 化石(前編) 第12話 化石(後編) ※本書は、集英社「週刊少年ジャンプ」(1988年51号~1989年12号)に連載された『恐竜大紀行』をベースに、新装版として出版するものです。

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PANZER 《完全版》

PANZER 《完全版》

ミリタリーイラストの第一人者・上田信 伝説のデビュー漫画! かの小松崎茂氏の最後の弟子として、現在もミリタリーイラスト作家として著名な上田信のデビュー作でもある漫画『PANZER』。主人公はWW2のドイツ軍戦車隊指揮官のクルトマイヤー中尉。大戦後半のドイツ軍の戦いを史実に描いています。『PANZER』続編の「ベルリンの鉄獅子」も収録! 描き下ろしページあり!! ▼収録内容 PANZER(パンツァー)全17話/ベルリンの鉄獅子 (描き下ろしページあり)/著者あとがき

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まいっちんぐマチコ先生 「お宝!」コレクション

まいっちんぐマチコ先生 「お宝!」コレクション

デビュー45周年記念。幻の写真集セレクション! 1980年代にコミック誌に連載され、その後TVアニメで大ブレイク。そして今もなお、映像・舞台化され根強い人気を誇る『まいっちんぐマチコ先生』の、カラーページ満載「お宝!」コレクション。私立あらま学園の女性教師 麻衣マチコとその生徒達が繰り広げるギャグ漫画『まいっちんぐマチコ先生』。2000年代からは同人誌が限定で発行され、ファンを狂喜させました。中でも、現在4集まで刊行されている『まいっちんぐマチコ先生ヌード写真集』は、特に稀少な逸品として、高い人気を誇っています。今回、えびはら武司先生のデビュー45周年を記念し、『まいっちんぐマチコ先生ヌード写真集』のセレクションを中心に、「4コママンガ版」や「35周年記念作品」など、今まで単行本では未収録だった作品を集めたアンソロジーを刊行! ファン必携の貴重なコレクションです。▼収録内容 ・ヌード写真集セレクション 1 ・カラーイラストコレクション 1 ・校長先生にセクシー画を!の巻 ・海で(秘)チョメチョメ大作戦の巻 ・特別に脱いじゃうの巻 ・コンテ画集セレクション1 ・4コママンガ版 まいっちんぐマチコ先生1 ・あとがき マチコ先生から一言 ・作品解説 ※紙の書籍で収録されている「まいちんぐマチコ先生 in ハレンチ学園」は電子版では未収録となります。あらかじめご了承ください。

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こんなもんいかがっすかぁ まるごと!

こんなもんいかがっすかぁ まるごと!

パソコンがトレンドだった時代のあるあるネタ満載!! 『こんなもんいかがっすかぁ』は、2014年12月に亡くなった水玉螢之丞の生前唯一刊行された作品集です。1992年に1冊本で刊行され、1994年には1992年版をベースに上・下巻2冊で、判型を変え刊行されました。しかし1992年版に収録された初期の22作品と作品コメント27本は省かれています。 今回復刊にあたって、判型は上・下巻本を踏襲し、内容は1992年版と上・下巻に載ったすべての水玉螢之丞作品(漫画作品&イラスト&コメント)を、まるごと収録します。くわえて「ネットワーカー」「ネットワークス」の未収録イラストを多数収録。※ページ袖のコメントとゲストページは再録しておりません。 1990年代、各会社ごとにOSが全然別だったり、ハードディスク外付けが贅沢品だったり、MSXやX68KやTOWNSやAmigaやレイトレなどなど、今から見れば「夢のような?」パソコンあるあるネタをパロディ交えて描く、当時の文化を知る上でも重要な資料、全256ページ! ※細かな手書き文字が多いため、タブレット等、大き目の画面にてご覧いただくことをお勧めいたします。

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勇者カタストロフ!!

ドラクエ4コマの雄「牧野博幸」のオリジナル作品

勇者カタストロフ!!
六文銭
六文銭

少年時代、ドラクエ4コマが好きだった私にとって、その作家さんたちがオリジナルを描いていた「ギャグ王」というマンガは宝物みたいな雑誌でした。 (残念ながら雑誌自体、短命に終わったのですが・・) ドラクエ4コマの中でも、牧野博幸という漫画家はグンを抜いて面白かったので、そのオリジナルである本作も大好きでした。 カルト的な人気で絶版されたギャグ王版の単行本が高値取引されており、そこから見事復巻されたと記憶してます。 (なぜか、仙台のブックオフで4巻4000円くらいで全巻買った思い出がある。) ギャグのセンスというか、笑いのツボが同じなのか、とにかく読んでて面白い。 会話の流れや、セリフのチョイスが的確なんだと思う。 ただ、あらためて読み返してみると、長編のストーリー向き(しかも、後半にかけてやたらとシリアスな展開になるので、そのジャンル向き)の漫画家ではないのかなと感じる部分もあります。 子どもの頃は感じなかったのですが、場当たり的な展開や後出しの設定が出てきて「?」ってなる部分が、本作には多い。 ストーリー漫画がうまい人は4コマもうまいと聞いたことがありますが、逆もまた然り、というわけではないのかな? それでも、瞬間最大風速のギャグは顕在なので牧野博幸という漫画家の価値が損なわれることはないし、むしろドラクエ4コマなどで作家のファンになった人にとってのファンアイテムとして一度読んでみてほしいと思います。

電波オデッセイ

自殺する前に読んで下さい。傷ついた魂に寄り添う『電波オデッセイ』

電波オデッセイ
兎来栄寿
兎来栄寿

死にたい人、いますか? もしいるのであれば、聞いて下さい。 今あなたがどんな状況に置かれているのか、私は知りません。 先の見えない人生に絶望しているかもしれない。 いじめを受けて苦しい思いをしているかもしれない。 あるいは、死の直前であるかもしれない。 そんな、全部の人に、私は言います。 生きて下さい。そして、『電波オデッセイ』を、読んで下さい。 そこまで深刻でなくとも、生きる苦しさに喘いでいる全ての人に、あるいはそんな人が身近にいる人に、この優しい電波が届いて欲しいと願います。真に、人間は、世界は美しいと思えるマンガです。 **若者の自殺率が高い日本** 内閣府の共生社会政策の自殺対策白書によると、日本国内では平成9年まで増加の一途を辿り、平成21年まで年間3万人を超えていた自殺者。ただ、ここ数年は3万人を割り、減少傾向にあります。それ自体は素晴らしいことです。 しかし、これを年代別に見てみると別の側面が浮き彫りになってきます。少子高齢化社会の中で減っていく若者の自殺が増えているのです。何と、20~39歳の死因第1位は自殺。先進国の15~34歳の死亡原因第1位が自殺となっているのは日本だけであり、更に全体の死亡原因における自殺が占める割合についても突出して高いという深刻なデータがあります。若者が未来に希望を持てず自ら死を選ぶ社会。これは何としても是正していかねばならない所です。 自殺に至るのにも様々な原因があるでしょう。家庭や家族の問題、いじめ、人間関係、過酷な労働環境……生きていれば、死にたくなることも沢山あります。私自身、死にたいと思ったことは百回や二百回ではありません。人並みに複雑な環境の中で小学一年生の頃には不登校だった時期があり、小学三年生の頃には「人は何故生きているのか、生きねばならないのか」「死とは何か、絶対的な終わりは救いなのか」といったことを暗闇の中で延々と黙考し続けていました。 **とりあえず生きて下さい** 生きていると素晴らしいこともありますが、同時に絶望的な理不尽に晒されることもままあります。素晴らしいことに触れている内は世界の美しさを感じ賛美したくなりますが、この世の闇はそれをいとも容易く蝕んできます。自分を好きになることなど有り得ないないまま、存在するに足る意義を問い求め続けて薄氷を踏むように生きて来ました。 世界中の賢人たちの思惟思想に答を求め続けた私が最終的に出した結論は、エポケー(判断停止)でした。身も蓋もない言い方ですが、あらゆる意味や価値は人間が便宜的に付与しているだけで、幻想に過ぎません。それ故、生きるためにはそれを突き詰めることを止めねばならないと考え、脳天気になることにしました。思考が暗澹たる領域に踏み込みそうになったら強制的に考えるのを止めるように脳に条件反射を植え付けて、この世にある好きな物や、素敵なことを考えるようにしました。 更に、肩の力を抜いて辛い時は頑張り過ぎず、人に頼ることを自分に許しました。とりわけ日本では我慢や忍耐が美徳とされ、また自分の背負った苦労と同じ苦労を他人にも強いて、楽をすることを悪だとする風潮があります。それが自分を鍛えてくれるものならまだ良いのです。が、いたずらに疲弊し摩耗するだけのものならば話は別です。人生には「逃げちゃダメ」な時もありますが、闘っても不毛な理不尽な外圧からはむしろどんどん逃げるべきです。 「いじめられる方にも原因がある」「鬱は甘え」「どんな親でも親は親なので敬うべき」といった無思慮な言葉が、どれだけの人を苦しめて来たことか。人はそれぞれ千差万別の事情を抱えています。「俺は大丈夫だったからお前も大丈夫な筈だ」などという、たまたま運が良かった強者の論理に付き合う義理はありません。逃げても良い。少しくらい誰かに迷惑を掛けてもいい。だから、自分から命を断つという選択だけは、その選択肢ごとなくしておいて欲しいです。 そう言う私もまた、相対的に運が良かった人間だと思いますので、もう絶対に死んだ方がマシだ、という人を強く引き止める程の言葉は持ちあわせていません。それでも、人生というのは予想できないもので、今現在の自分が持っている物差しを遥かに超えたことが未来に容易く起こるものだとは伝えたいです。私は、生きていて良かったと思える瞬間を運良く幾度も持てて、今は楽しく生きています。 辛く苦しくて当然の人生。自分の幸不幸だけを天秤に載せては、死にたくなるのも当然です。なればこそ、その中で人は自分の力で誰かを笑顔にすること、楽しませること、快適に過ごせること、そういった自分でない誰かのために何かをするべきなのでしょう。それが結果的に充足感をもたらし、自分に還って来ます。それは難しいことではありません。特別な家族や友人や恋人のためでなくとも、普通に勉強をし、普通に仕事をし、普通に消費をして生きているだけでも、社会を通じて間接的に人のためになっているのです。だから、まずは生きて下さい。 こうした態度は、『電波オデッセイ』の主人公たちが至ったものと同じでした。 **世界で一番優しい電波** 元々、永野のりこ先生は破天荒な、それこそ「電波」と形容するのが相応しいギャグマンガを多くお描きになっている方です。しかし、その中にも明滅するシリアスな輝きを結晶化して、至高の純度で最高に美しく磨き上げた特異点とも呼べる作品がこの『電波オデッセイ』です。 主人公の中学二年生の女の子、原さんはネグレクトを受けており、この世での居場所を失っていました。学校にも行かず引き篭もる彼女の下に、オデッセイと名乗る男が現れます。そして、彼はこう言います。「君は地球への観光に来ている旅行者なんだよ」と。そして、「"ここ"への観光はとてもラッキーなことだから、帰る前に後悔のないよう"ここ"をよく観ておくといい」、と。更に、「地球への旅行者は物を持って帰ることはできないけれど、人の心1コ分に入るだけの"いいもの"、"素敵なもの"、つまりは楽しい思い出や幸せの記憶をおみやげとして持ち帰れるのだ」と。 そんなオデッセイの言葉によって吹っ切った原さんは、騒々しいほど元気に振る舞うようになり、学校にも"観光"として行くようになります。勿論完全に吹っ切れた訳ではなく、同級生には相変わらず腫れ物扱いをされますし、親がいない中で家賃も水道光熱費も払えず、毛布に包まってひもじい想いもします。うずくまり動けなくなる時とてあるのですが、それでも人前で気丈に空元気を出して生きて行くこの中学生の女の子の姿は、多くの人を大変勇気付けてくれるものです。 自己を一回彼方から俯瞰してみる、というのはとても意義深いことです。ブッダも言っているように、悩みや苦しさには外的な要因でどうしようもないものもありますが、一方で多くは自分の心の持ちよう一つで解消していけるのです。自分が宇宙からの観光者であると仮定することによって多少なりとも心が楽になるのであれば、命が救われるのであれば、それをしない手はありません。逆に、まともなコミニュケーションが到底取れない相手を「宇宙人なのだから仕方ない」と考えて諦める、というのも私が実践した思考法です。筋だけ聞くと滑稽かもしれませんが、永野先生の筆致によって宿る言葉では言い表せない機微があり、読めば沁みる内容となっています。 宇宙的な観点からみたり、長い人類史的な観点に立ったり、「爆弾が落ちてこないだけでもラッキー」と超絶なポジティブさを発揮して、必死に生きて行く原さん。なかなか完全に彼女のように立ち振る舞うのは難しいですが、きっと思う所、励まされる部分があるでしょう。 ちなみに、今作では上記のシーンのように、聖書、夜と霧、ブレードランナー、バッタと鈴虫、宮沢賢治、ディボネゴロ、コルチャックなど、古今の様々な名作や人名、名言が至る所にちりばめられています。破天荒な言動に巧妙に紛れて子供の頃に読んでも解らなかったものが、改めて読み返すとそのシーンの心情と重なって伝わって来て、更に心に沁みる……そんな再読する度に発見のある作品でもあります。そして、読む度に生きるための魂の栄養を貰えます。 **少年少女の傷と再生** 今作では、主人公以外も皆それぞれに心の傷を抱え、上手く生きることができないでいます。 体が弱く、幼い頃に死に瀕したこともある野川さんは、一年留年してしまっていることを内緒にしながら学校に通う中、ある日起きたできごとに深く傷付きます。また、友人たちや先生に心配される、その心配がまた心の負担となっていきます。 トモ子は、太っていることをからかわれ「トン子」と仇名されて拒食症になり、太っている親にも憎しみを覚え、学校に行けなくなってしまいます。すれ違った人の一言一句すらも自分を攻撃しているのではないかと過敏に反応してしまい、消えてなくなりたいと願います。 皆それぞれ持つ痛み。その痛みが、原さんを始めとする周囲の人と人との交流の中で和らぎ、癒されていく様が丁寧に丁寧に、繊細なモノローグを伴って描かれていきます。持ち前のハイテンションさも伴った中で、それらのシーンは非常に感動的に描かれ、心を強く強く打ちます。 この作品の中には幾つも名言や名シーンがあるのですが、その中から一節を引用します。 たすけは人からくるんです 人の仕打ちに打ちひしがれて うずくまる人をたすけるのもまた 人なんです 「アホか」と思っても ダメもとでも 「体育すわりでうずくまってる人」は 言ってみるといいかもしれませんね 「ボクはココにイルよ」って 人は人のためにつくられていて 人と出会うために生まれてくるんですから 誰かがあなたのために あなたに会うために生まれているんです この世界に だから 「こんな世界どーなったってシラネーわ  ってかとっととコイや黙示録  ものっそいづれーわこのクソ世界」 って思う日がたとえあっても 今がそうでも 世界にユウヨをあげてください 「出会う」その日まで 彼ら彼女らが、痛みやその根本と向き合い、決別し、前に進んでいく姿は掛け値なく美しいものです。そして、それを可能にする人と人との営みも、また素晴らしいものです。その神聖なる瞬間に立ち会った時、自然と涙すら零れます。 若山牧水が「白鳥は かなしからずや 空のあお 海のあおにも 染まずただよう」と詠ったその鳥は、その後その海の上で何を想ったのか? それについて原さんが持ち前の自由な想像力で解釈するシーン、そして激動の最終巻のラストシーンなどは、私の心の中で永遠に褪せずに刻まれ続ける名シーンです。 あなたが持っているここにいるためのチケットは、あなたが自ら手放さない限り誰にも奪われることのない。 あなたは既に一度祝福されたからこそ今ここに在る。 『電波オデッセイ』は優しく教えてくれます。 願わくば、この作品を読んだあなたがどうか良い旅(オデッセイ)を送り、何か一つでも素敵な「おみやげ」を持って行けますように。

千明初美作品集「ちひろのお城」

千明初美作品集「ちひろのお城」

きゅんとする少女漫画の名作を復刻! 少女たちたちの幼くも一生懸命な思い、そのいじらしさに胸がきゅんとする懐かしくも色あせない5つの物語です。昭和40年代から50年代にかけての少年少女の日常を抒情豊かに描いた少女漫画。 収録作品は、「ちひろのお城」「いちじくの恋」「涙がでちゃう」「バイエルの調べ」「お二階は診察室」。「涙がでちゃう」は単行本初収録。漫画家の高野文子さんが、ご自身が愛してやまない千明初美作品を、現在の漫画読者に読んでもらいたいと考え、企画・監修した作品集。収録する作品の選択から作品解説、カバーデザイン等を高野さんがすべて監修しています。22ページにおよぶライブラリーは、単行本に収録されない作品ひとつひとつを読み込み、吟味したコマをレイアウトして、作品世界を紹介した労作。千明初美の作品が、今の漫画読者にとっていかに必読なのか!を、高野文子が語りつくす、ちょっとユニークな作品集です。 ▼著者プロフィール 千明初美(ちぎら はつみ) 1951年生まれ。群馬県出身。高校時代からまんがを描き始め、1970年「りぼんコミック」11月大増刊での『雪の夜の物語』でまんが家デビュー。「りぼん」で活躍し、80年代中期よりフリー。高野文子(たかの ふみこ)(監修) 1957年生まれ。新潟県出身。漫画家、イラストレーター。1979年「JUNE」掲載の『絶対安全剃刀』で商業誌デビュー。寡作だが独自の作風で多くの漫画読者を魅了している。

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ビリーバーズ

ビリーバーズ

山本直樹の90年代の最高傑作、復活!!孤島に、二人の男と一人の女。指示された『プログラム』を淡々と実行し続け、『安住の地』へ行ける日に思いを馳せている。ある時、ボートに乗った外部の人間たちが島を訪れるが、彼らを『不浄』であると判断した男は『処理』してしまう。その頃から、孤島で暮らす男と女の関係に変化が生じ始め、互いに秘密を作ってはいけないはずの三人の間に、愛と欲と猜疑心が交錯する……!!

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セラフィム 2億6661万3336の翼 《増補復刻版》

セラフィム 2億6661万3336の翼 《増補復刻版》

未完の大作、“増補復刻版”で刊行! 物語は近未来21世紀初頭。地球上のあちこちで、肩甲骨が翼状に変容し、幻覚におかされる天使病という死に至る病が蔓延してきた。その感染によって世界中の各国では旧来の秩序は崩壊。宗教、経済、軍事など、さまざまな問題もはらみ、人の心の不安がむき出しとなった世界--- すべてが異端の地となった世界を、その「発端」をさぐるため、謎の少女セラと二人の男・バスタザル、メルキオル、そしてバセットハウンドのガスパルは、旅を続けていた。目指すは新疆ウイグル自治区南部にある中国最大の砂漠、タクラマカン砂漠---。天使、鳥、バセットハウンド--- など。作中で使われているモチーフを見れば一目瞭然ですが、押井守の原作として、宮崎駿氏による『風の谷のナウシカ』の長期連載が終了した「アニメージュ」誌で、その枠を継ぐ漫画作品として企画されたものです。しかし、連載が1年を越えるころを境に、押井と今の対立が表面化します。著者表記の「原作」が「原案」へと変化し、物語は完結を迎えないまま、全16回の連載が過ぎた1995年11月号で、唐突に終了します。ほぼ同時期に、押井守は世界的評価を経た監督作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を発表。アニメーション監督に転身した今敏は1997年に、こちらも海外に大きな影響を与えた初監督作品『PERFECT BLUE』の公開に至ります。本作品執筆を契機に残念ながら決別をすることとなってしまう二人の世界的クリエーター。互いに長年口をつぐんでいたものの、このたびの《増補復刻版》では、その一方である押井守のインタビューを新規取材・収録するスペシャル版としてお届けします。

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OPUS 《完全版》

OPUS 《完全版》

“幻の最終回”も含めた《完全版》! 連載漫画『Resonance』の佳境を迎えた漫画家・永井力は、悩んだ末に主人公リンの死をもって物語を締めくくることとした。だが、原稿用紙の奥から姿を現したリンにその原稿を奪われ、力自身もみずからの描いた漫画の世界へと引きずり込まれてしまう。そこで出会ったヒロイン サトコとともに、自分の考えた設定に翻弄されながらも謎の超能力者「仮面」と戦う力。作者にあらがう登場人物たち。やがて力にとっての現実世界と作中世界の境界線が崩れてゆく中で、力は「作者は作中世界の神たりうるのか」を自問するのだった---。隔週誌「コミックガイズ」で、1995~96年にかけて連載された長編漫画『OPUS』。アニメに専念するようになる直前の時期に書かれた、「漫画家としての今 敏」の集大成であり、後年の映画で追及される「現実と虚構」のテーマの出発点ともなった作品ですが、掲載誌の休刊にともない未完のまま終わりました。しかし、2010年の作者急逝の後に“幻の最終回”の原稿が発見され、徳間書店より上・下巻で単行本が刊行されました。本書は、単行本の巻末に今監督の全作品を手掛けたプロデューサー・丸山正雄氏のインタビューなど新規要素も併録し、1冊にまとめた《完全版》となります。

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不条理日記 完全版

不条理日記 完全版

吾妻ひでおの代表作として名高い「不条理日記」。『定本 不条理日記』刊行後に執筆された作品も含めて、初めてコンプリート収録した「完全版」として刊行! 1978年『別冊奇想天外SFマンガ大全集part2』に発表された「不条理日記 立志篇」は、吾妻ひでおの日記がSF小説のパロディになっているユニークな作品でした。吾妻ひでおの挑戦状に、SFファン、SFマニア、SF読者が取り込まれ、元ネタの探求が行われました。 さらに「不条理日記」は「劇画アリス」で連載され、全国の漫画ファン、SFファンは雑誌自販機を求めて、街を徘徊しました。 日記風の漫画エッセイかと思わせる形式の中にSFパロディをふんだんに織り込み、熱烈な支持を得たこの作品は、強敵「孔子暗黒伝」と「地球へ」を抑え、日本で最も古く権威あるSF賞である星雲賞の1978年コミックアート部門を受賞しました。 吾妻ひでおの代表作であるばかりでなく、不条理ギャグ漫画の立役者としても名高い名作を、完全版として新装復刊します!

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佐藤史生コレクション

佐藤史生コレクション

【佐藤史生コレクション1】坂田靖子氏・竹宮惠子氏推薦! あらすじ「あき家になっている祖母の家で雨宿りをしていた奇妙な青年“雨男”と出会った七生子。青年から、幼い日の七生子を知っているという思いがけない告白を受け…。」多感な少女の揺れ動く心を描き、読者の共感を得た人気連作“七生子シリーズ”のほか、代表作『ワン・ゼロ』の原型となった「夢喰い」、そして貴重な単行本初収録となる「マは魔法のマ」「一角獣にほほえみを」の2作品を収めた豪華作品集。巻末には、24年組の拠点で“女性版トキワ荘”ともいわれる「大泉サロン」の主宰者で、長年親交の深かった増山法恵氏による解説を特別収録。著者について「2010年4月に急逝した漫画家・佐藤史生。「別冊少女コミック」からデビューした後、SF、ファンタジーの要素を巧みに取り入れた作品を多数発表するも、2000年に刊行した『魔術師さがし』(小学館)以降は新作が発表されていませんでした。佐藤氏は、1970年代に現れ日本の少女漫画界をリードした少女漫画家たち、いわゆる“24年組”に対して、年齢や作風から“ポスト24年組”の一人として数えられている作家の一人ですが、少女漫画の枠に当てはまらない独自の世界を築き上げたことで、漫画ファンの記憶に長くとどまり続けています。」 収録作品:雨男/死せる王女のための孔雀舞(パヴァーヌ)/さらばマドンナの微笑/我はその名も知らざりき/夢喰い/あとがき/マは魔法のマ/一角獣にほほえみを/解説(増山法恵)

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勇者カタストロフ!!

勇者カタストロフ!!

魚屋、世界を救えるか!? 暗黒の時代。地獄の大魔王の封印は解かれ、世界は恐怖と暴力の支配に陥った……。だが! そんなある日、混沌の闇の中より、新たな光を求め一人の勇者が立ち上がったのだ!! ・・・といったはた迷惑なロマンと設定を求めて、わざわざ大魔王の封印を解き、歴戦の勇者「シェカネア」を呼び寄せようと思ったとある国の王さま。だが、なんの手違いか王の呼びかけに応えて城に現れたのは、先祖代々ずーっと続いているバリバリの庶民「魚屋」さんだった!? 魚屋=さかなや→しゃかねあ→シェカネア…………。ものすごい手違いと、無責任なつじつま合わせから始まる、少年勇者(にむりやりしたてあげられた)・魚屋ズックの冒険が始まる!

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ワースト [完全版]

ワースト [完全版]

終末SF漫画の先駆的傑作! 滅亡の危機に瀕した人類と、謎の生命体“ワーストマン”との三世代にわたる長き戦いを描いた伝説のSF漫画が、これまで未収録のページなども収めた《完全版》で再び甦る!◆「週刊少年ジャンプ」で1970年3月9日号から1971年8月16日号にかけて連載されたSF漫画『ワースト』。著者の小室孝太郎は手塚治虫のアシスタント出身で、1960年代後半にデビュー。常に時代の先を行く先駆的なテーマと世界観で数々の意欲作を発表した著者の代表作が、この『ワースト』です。今日で言う「ゾンビ物」の概念がまだ定着していなかった時期に、いち早くその題材に取り組んだ予見的な作品で、主人公が交代しながら三世代にわたって物語が進むという大胆な構成で描かれました。そのストーリー展開のスリルと斬新さは、執筆からもうじき50年が経とうとしているとは信じられないほどです。この知る人ぞ知る傑作を、装い新たな完全版でお送りします。  ▼あらすじ地球全土に長い雨が降り続いた。本能で危機を察知して町から姿を消した動物たちのほか、この雨が人類滅亡の兆しであることに気づいた者は少なかった。その数少ない予見者の一人、通称<カミソリの鋭二>は、雨を逃れて地下の倉庫に身を隠す。やがてもう一人の人間が鋭二のもとへやってくるが、「雨だ… 悪魔の雨…」と謎の言葉を残して男は死んだ。予感通り何か異変が起こったことを知った鋭二は倉庫から出ようとするが、そのとき、死んだはずの男がゆっくりと立ち上がって鋭二の後を追い始めた。その顔は奇妙なひび割れで覆われていた。街中を逃げ回る鋭二が目にしたのは、生きた人間を捕らえて喰らう、ひび割れた顔の亡者の群れだった。この怪物たちに取り囲まれた鋭二の窮地を救ったのは、まだ年端もゆかぬ少年<バンソウコウの卓>だった。銃で撃っても死なないばかりか、爆散しても再生する怪物たちを相手に苦戦する鋭二と卓の元に、米軍からの脱走兵ハリーが3人目の仲間として合流する。そのハリーの口から、衝撃の事実が語られた。今や世界中が同じように怪物に襲われ、地球全土が地獄と化しているというのだ。「あの怪物は地球の最悪(ワースト)! 破滅への使者だ ワーストマンだ!!」3人は霞が関ビルに立てこもって「ワーストマン対策本部」を設置し、東京中から他の生き残りを探し集めつつ、ワーストマンの侵略に備える。こうして、人類の存続を賭けたワーストマンとの長い戦いが始まった…!

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ロックマンX

ロックマンX

コミックロックマンXシリーズ 1 人間を守るために開発されたレプリロイドが、人間より優れた存在であると人類を襲い始めた。しかし、開発者の博士は最悪の事態を予測して、最後の切り札として人類を守るため絶え間なく成長を続けるレプリロイド=ロックマンを残しておいた…。人間をイレギュラーとみなし人類の抹殺をたくらむ最強の敵シグマにエックス、ゼロは打ち勝つ頃ができるのか!?

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YOUNG&FINE

YOUNG&FINE

「自分が誰かに影響するなんて、思ってもみなかった。」海辺の町で暮らす・高校生灰野勝彦は、「かわいくてかしこくてきれい好きで、さらにはとってもスケベ」な同級生、新井玲子と交際しているものの、最後の一線は超えられない日々を過ごしている。そんなある日、赴任してきた新米女性教師・伊沢マナブが灰野の家に下宿しにやって来た。灰野は伊沢と呑み友達のような微妙な関係になりつつも、新井との一線を越えさせるべく努力し続けて…山本直樹が瑞々しく描く青春ストーリーの傑作、待望の復活!!

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