ぺそ
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2021/07/29
妊娠期間20カ月(白目)近未来SF出産エッセイ
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ロマンチックな異種婚姻譚や異種族恋愛ものって沢山あるけど、その後の妊娠と出産に注目した作品ってみたことない!着眼点がすごい。しかもエッセイマンガ風に描かれてるからリアリティしかないです。(開幕主人公のお辞儀から始まっててこの人わかってるな・・・!と思いました) https://comic.pixiv.net/works/7396 先進的な技術と制度を持つオロエレ星人・ヴッさんと結婚した地球人の主人公。 妊娠期間が20カ月間なだけでもエゲツないのに、さらに恐ろしいのがず〜っとつわりが続くうえに「つわりが酷いほど元気な子が生まれる」という迷信があること・・・無理すぎる😭 ヴッさんみたいな素敵な旦那さんじゃなきゃ絶対耐えられないし、2人目産むとかありえない。4人も産んだ義母さん超人すぎる。 異星人ならではの生物的特徴や、先進技術とつわり前提の社会システム、安産祈願の風習の違い、実家や義実家との付き合いなど。作り込みが半端じゃなくて真剣にハラハラ心配しながら読んでしまいました。 ここに描かれた何割かは地球人の子供を産むときにも当てはまるんだよな思うと、やっぱり怖い。そして自分の母や友人を含めた世のお母さんたちって皆すごいな・・・と尊敬してしまいます。 各家庭へのオロエレ製の家政ロボットの導入は無理でも、旦那さんのテレワークや時短勤務育休くらいは地球人でも取り入れられそうだし、早くそうなって欲しいです。
ぺそ
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2021/07/27
漫画みたいな超かっこいい国籍がないお医者さん! #完結応援
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以前に読んだものをふと再読したくなって読んだのですが、やはりドクターが本当にかっこいい✨そして今回読んで一番驚いたのは、このドクターも病院もナースも本当に実在する方だということ。 前回読んだときは、「ナースの方のエッセイ漫画だけど、プライバシーに配慮してたぶんフィクションもふんだんに混ざってるよね…」と思いながら読んでいました。そのくらい設定がかっこいいんです! ・病院は関東大震災でも空襲でも焼けなかった洋館で文化財 ・ドクターはロシア革命から逃れてきた両親を持つ満州出身の多言語話者で「無国籍者」 ・お金がない人からは治療費をもらわない ・日米露からスパイ容疑をかけられ連行される ・診療に本名もパスポートも不要 ・日本に来たマイケル、ブラピ、マドンナなどを診察するも彼らが何者なのか全然知らない ……これでエッセイと信じられなくても当然じゃないでしょうか。 が、今回はこの作品を久々に読もうと検索した際にドクターご本人の記事を見つけてビックリ!全部本当だったとは衝撃です。 https://wedge.ismedia.jp/articles/-/1068 https://www.1101.com/yamamoto_rumi/2014-12-08.html 怪我人が海外から帰国する際に付き添う「エスコートナース」としても活躍されている方の目線で病院内の日時が描かれます。 ・全身真っ青な患者=水疱瘡のロシア人 ・待合室にモハメドさん多すぎ問題 ・検尿が通じずまさかの…… ・世界のご当地民間療法すごすぎ などなどそのドタバタぶりが本当に面白かったです! 仕事中、結果待ちの患者さんと一緒にのんびりコーヒーを飲んだり、建物が気に入ったという方に毎朝待合室に新聞を読みに来るのを許したり。 昔ながらの人情、いい意味でのゆるさ優しさが残っている本当に素敵な病院で、日本の保険は効かなくてもここでお世話になりたいなという気持ちになりました。 ネトフリでアニメ化して世界中に配信されてほしいなぁ。 エッセイ漫画好きなら絶対読んでほしい作品です♫
ぺそ
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2021/03/29
素敵すぎる1ヶ月パリ生活♫ #1巻応援
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ドミトリーや民泊ではなくパリにお部屋を借りて1ヶ月滞在する様子を描いた旅エッセイ。2冊あるうちこちらは「計画・空港(羽田)・機内食・滞在中・帰国」と、旅の全行程を描いたものになります。 たしかに1ヶ月滞在するなら自炊したほうが経済的…とはいえそれを実行できるのはすごい! 買ったフルーツの味が予想外でサラダに使うというシーンに旅の醍醐味を感じました(予想外のトラブルを工夫でなんとかするのは旅ならではの楽しみですよね) にしうら先生が描くご飯や街並みや人々がとても細かく可愛らしく、見ててキュンとしました…! また最初の方に登場した「旅に持っていったもの一覧」がイラスト付きで非常にわかりやすくて、これをスマホに用意しておけば長期海外旅行の準備は完璧じゃないか…!と感動しました。今度海外に行くときに使います!(いつになるかはわかりませんが) 「パリには19世紀に設置された公共の水飲み場がたくさんある」というのを初めて知ったので、次にパリに行ったら(いつになるかはわかりませんが……)ぜひ探してみようと思います♫ https://note.com/_some/n/n868ba0c59f25
ぺそ
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2021/03/18
ネタバレ
クイーンで買い物したい…!
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本当に素敵なお話で読んでるだけでときめきました!こういう素敵な雑貨屋さんでゆっくりお買い物してみたいです。 おばあちゃんが営むクイーンを任された孫のジャックが、おばあちゃんがいきなり雇ったカオルさんと一緒にクイーン舶来雑貨店を切り盛りしていきます。 おばあちゃんの仕入れてくる舶来品のまぁ素敵なこと…! ジャックが出すお茶とお菓子もどれも美味しそう! クロアチアのスパイスがたくさん入ったクッキーに薔薇のお茶、韓国の蜂蜜味の揚げ菓子に柚子茶。オランダの薄いワッフルってたまに見かけますが、ああやってカップの湯気でふやかして食べるんですね…! ジャックとお客さんとの関係も本当に優しくて、読んでいてホッとします。このあと辛い展開とかあるんでしょうか…。 はじめジャックいう子がどんな子なのかすごく気になるのですが、そんな読者の気持ちを理解したかのようにジャックの口からから説明があります。 その時の常連さんとのやりとりが、この作品全体に満ちている優しい雰囲気を決めたような気がします。 本当にいつまでも読んでいたくなる優しいお話で、山内尚先生の他の作品を読んでみたいと思ったのですが……書籍として出版されているのはこちらだけで、あとはSouffleで連載をされているようです。 何度も読み返しながら次話を待ちたいです!
ぺそ
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2021/02/23
20世紀初頭、アメリカの豊かな森で番人をする心美しい少年の物語 #完結応援
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竹宮惠子先生の1巻完結の作品ということで読みやすそうだなと軽い気持ちで手にとったのですが、 若草物語や大草原の小さな家に通じるアメリカの古き良き時代と大自然を感じさせる本当に素敵なお話でした! 本当の名前すら持たない、片腕でアイルランド訛りの少年「そばかす」が、林業で賑わうアメリカはインディアナ・リンバロストの飯場で森の見回りとして働く物語。 自分を雇ってくれた支配人に恥じぬよう正直に一生懸命働き、リンバロストの森に棲む鳥や虫など様々な生き物を慈しむそばかすの姿に、周囲の人々はみな心を打たれ愛情をもって接します。 材木泥棒と鉢合わせ目をつぶれと持ちかけられたのを毅然と断り、殴りあったそばかすを、偶然居合わせ目撃した支配人などは 「なんてヤツだ! 美しい……神のみわざそのものだ」 と心のなかで讃えるほど。どれだけそばかすが素晴らしい少年なのかがわかると思います。(ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが本編を読めば全くそんなことないです) 「鳥のおばさん」と呼ばれる写真家のご婦人のために森で見つけた生き物や珍しい出来事を報告したり、賢く勇気と思いやりのある製材会社の令嬢・エンゼルに叶わぬ恋心を抱いたり(エンゼルが沼地を歩いたあとに残った足跡に、そっと板切れをかぶせて大切に残しておくなんていじらしすぎる)、材木の窃盗団に立ち向かったり…。 そばかすのリンバロストの森での生活は充実していて目が離せません。 最後には、そばかすの出生の秘密が明かされ物語はハッピーエンドで幕を閉じます。 この『そばかすの少年』は、アメリカの女性小説家ジーン・ポーターが1904年に書いた原作『Freckles』を、『赤毛のアン』でおなじみの村岡花子が翻訳した小説をもとに竹宮惠子先生が1982年に漫画化したもの。 この時代の少女漫画って言葉遣いが古風で上品で本当に素敵だなと思うのですが、海外小説が原作ということで台詞回しが輪をかけて魅力的で原作の小説も読んでみたくなりました。 【原作】 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309464077/
ぺそ
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2021/01/05
お弁当は兵糧丸!? お家で戦国時代料理を楽しもう! #1巻応援
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辛い前職を辞めて時間に余裕の出来た戦国時代好きOL丸根さんが、お家で戦国ご飯を作ったり仲間と武者行列に参加したり、充実した戦国ライフを楽しむお話です。 https://twitter.com/nosukenoiz/status/1346059589020598273?s=20 兵糧丸って子供の頃憧れましたよねー!それがまさかお家で作れるとは。 丸根さんが作る料理はどれも簡単に手に入る食材ばかりで、自分でも作れそうでワクワクしました。 特にいり酒…!日本酒に梅干しと鰹節を入れて煮るとか…そんなの絶対美味しい…! これ1冊で ・焼き味噌 ・兵糧丸 ・香の物 ・鯨汁 ・ニラ雑炊 ・こねつけ ・ほうとう ・金平糖 8つの戦国料理が楽しめるので、お家で変わったメニューが食べたいときは参考にしようと思います! また丸根さんが戦国にハマった理由が戦国鍋TVだと仄めかされていて思わず笑ってしまいました。確かにあの番組は面白かった…! 武者行列って日本各地で行われているのを知ってはいましたが、こんな感じで参加するのかと参考になりました。 丸根さんが料理やイベントを心から楽しんでる姿や、戦国仲間たちと盛り上がってる様子にほっこりしました。 トクサツガガガもそうですが、何かに夢中になっている人たちを描く作品って、それを読んでいるこっちまで楽しい気持ちになるので好きです。 単行本の発売を機にこの作品を知ったのですが、1巻で終わってしまったのが本当に残念です…。 元・武将隊だったという北大路の過去、めちゃくちゃいい感じに近づいた北大路と丸根さんの関係などなど、気になるところがたくさんあるので何らかの形で続きが読めたら嬉しいです!
ぺそ
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2020/12/25
ネタバレ
著者の父との思い出と別れ
他人の人生をまるごと覗き見たようで、読み終わったあとは切なく温かい気持ちになりました。 第二子として生まれた著者の松田洋子先生の数少ない父との温かい思い出の1つである海水浴のシーンから始まり、父が仕事で全てを失ってから家族がバラバラになっていく姿、そして父の最期のときが描かれます。 戦後の貧しい時代に靴すら与えられず虐待されて育った父は、自分で建てた工場を失い、子どもたちは全員家を離れていく。 多くの「なくしもの」をしてしまった父は、子どもたちが出ていってからは、家のなかでホームシックになってしまい犬を飼い始めた…というエピソードが印象的でした。 甥っ子がおじいちゃんのために絵を描いたり、「あっちですぐプレーできるように」とゴルフウェアを着せたり、昔は全く似ていなかった弟が父の遺影とそっくりになっていたり…。 葬儀の場面には家族ならではの気の置けない優しさで満ちていました。 父も家族も大変という言葉ではたりないほど苦労ばかりの人生だったけれど、最期はたくさんの家族の温かく見送られる…というのは、幸せな人生だったという1つの証なのかなと思います。