神の雫
ソムリエ見習いの紫野原(しのはら)みやびは、知ったかぶりのお客の間違いを指摘し、その客を怒らせてしまった。しかし、その客の連れとして来ていた神咲雫(かんざき・しずく)のみごとなデキャンタージュによって救われる。実は彼は世界的に有名なワイン評論家、神咲豊多香(かんざき・ゆたか)の息子であった――。神の気まぐれが生み落とした“一本のワイン”を巡る、罪深き人間たちの物語が始まる。
「メディアが報じない福島第一原発とそこで働く作業員の日常」、そして「この先何十年かかるともしれない廃炉作業の現実」を、あくまでも作業員の立場から描写。「この職場を福島の大地から消し去るその日まで」働き続ける作業員たちの日々を記録した、いま日本に暮らすすべての人たちに一度は読んでいただきたい「労働記」です。
疾風の勇人
1947年。終わりの見えない占領が続く日本。復興財源をかき集める大蔵省次官・池田勇人の前に現れた吉田茂が吼えた! 「GHQを追い出し日本を独立させる!」 池田は吉田と行動を共にすることを決意! そして吉田のもとに新時代の戦士達が結集する! さあ、GHQからこの手に政(まつりごと)を取り戻せ!!
外に敵。内にも敵。過酷な戦火の中、揺れ動く沖縄住民たち。宿命として、その時代その場所に生きる事しか出来なかった人々の悲劇――。受け入れがたき戦争の真実を描く、読み切り6編を収録!
ウニャア~~ンと甘えてみたり、アンアンと餌をねだったり、一見気ままに見えるマイケルの日常だが、ある時は7階から落ちたり、ニボシ盗難容疑で取り調べを受けたり、実にスリリングなのだ!──1980年代に一世を風靡した、猫マンガの金字塔!!講談社漫画賞受賞、テレビアニメ化、テレビドラマ化、テレビCM起用などでお茶の間の人気者になった、あの“踊る猫”がデジタルで復活!!カワイすぎる猫にご注意を!?
ゴン
そこに在るのは、生の喜びと死の尊さ――。小さな体で馬鹿力のゴンが地球で食う!寝る!遊ぶ!暴れる!鬼才・田中政志が台詞・効果音を一切排除し、その卓越した描写力で厳しい大自然の中の生命を描き出す!世界十数ヵ国で出版される超傑作!!
望郷太郎
大寒波襲来、壊滅的打撃、世界初期化。人工冬眠から500年ぶりに目覚めた舞鶴太郎(まいづるたろう)は、愛する家族も財産も全て失った。絶望の淵から這い上がり、理想の暮らしと生きがいを求めて、祖国「日本」を目指す。ヒトのと文明の歴史をさかのぼるグレートジャーニー。人類よ、これが未来だ。
テセウスの船
1989年6月24日、北海道・音臼村の小学校で、児童含む21人が毒殺された。逮捕されたのは、村の警察官だった佐野文吾。28年後、佐野の息子・田村心は、死刑判決を受けてなお一貫して無罪を主張する父親に冤罪の可能性を感じ、独自に調査を始める。事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に包まれ、気付くと1989年にタイムスリップしていた。時空を超えて「真実」と対峙する、本格クライムサスペンス、開幕。
だんドーン
龍馬が薩長同盟を仲介し、新撰組が御用改め、薩摩が英国に喧嘩を売った時代、幕末。その激動の歴史のド真ん中にひっそりと隠れて、しっかりと「仕事」をした男がいた。彼は「愛国者」か「裏切り者」か。『ハコヅメ』の作者が「日本警察の父」を描く、超本格幕末史コメディ!
「おこづかい、もっとちょうだい!」--ドキュメント漫画家・吉本浩二が叫ぶ。45歳、月額2万千円。1万円は大好物の「おかし」に使いたい。子供にオモチャをねだられたら、おしまいだ。そして、悩ましくも楽しい「おこづかい」との攻防戦が始まった。全国の「おこづかい生活」を営むすべての「定額制夫(ていがくせいおっと)」に贈る吉本浩二流「おこづかい漫画」。
赤ちゃん本部長
50万ユーザーが読んだ話題のウェブコミックがついに単行本化! 株式会社モアイに勤める武田本部長47歳。ある朝突然、頭の中はそのままで体だけが赤ん坊という状態に……。どうやら生後8ヵ月ぐらいの大きさらしい。部下の坂井部長40歳、天野課長35歳、西浦平社員28歳による社内育児スタートです!
業界初!?ヅカオタ(宝塚オタク)漫画!!『休日はひたすら観て読んで作って踊る』『己の出世よりもタカラジェンヌの退団公演を優先する』『紫をかたくなにすみれ色と呼ぶ』などなど、宝塚好きなら激しく同意なヅカオタあるある満載!ヅカオタの人はもちろん、宝塚に興味がない人も、『ソーラーパワーをか・ん・じ・て!!』レッツ・エンジョイ・ヅカライフ。
「いちえふ」、と聞いて何のことか判るでしょうか? 世間では「フクイチ」と呼ばれることの多い東京電力福島第一原子力発電所。その呼称は、現場の人間や地元住民の間では「1F」であるといいます。今作は実際に1Fで働いて来た筆者による実録ルポマンガです。 これまでに多くの人が様々な形で福島第一原発について報じてきました。又、3.11や原発をテーマにしたマンガも出版されて来ました。しかし、その中でも現地で原発作業員として働いた人間が、そのありのままの様子をマンガという形で表した物はありませんでした。今作はモーニングで連載開始されるやいなや、国内外数多くのメディアでも取り上げられ大反響。今回はその単行本の感想を書いてみたいと思います。 現地で働くことを志望してもなかなか仕事を回して貰えず、現地で観光をして時間を潰したり原発に何の関係もない仕事を回されたりする6次下請けという歪な構造。 「ご安全に!」という、耳慣れない挨拶が交わされる現場。 身に付ける装備一つ一つに厳密な線量検査を行う一方で、汚染検査済証の半券はコピー用紙を定規で裁断。 東北とはいえ夏は暑く、放射能よりもダイレクトに命に関わる熱中症。 掻けない鼻の痒みの辛さ。 色んな年代が集まるなか、ギャンブルと下ネタが会話の大部分を占める男所帯。 何故か可愛い顔文字が書かれているJヴィレッジの入退記録。 危険区域でもセミはうるさく、道路には牛が飛び出してくることもあり、奇形動物など見た試しもない。 発電所や休憩所の構造、装備品の形状などなど……この作品を読むことで、今まであまり語られて来なかった現場の実情を沢山知ることができます。 > 「外の人に『1Fで働いている』なんて言うと超危険な現場でものすごい被曝しながら戦ってるヒーローみたいに言われたりシますけどね」 > 「なんの実際大半は俺達みたいに安くて地味な仕事タイね」 という会話も。裏方で機械や車のメンテナンスを行ったり、トイレの掃除をしたりする裏方の仕事も克明に描かれます。 > 「そやけどそんな仕事もやる奴がおらんと1Fは回らんのや。どんなつまらん仕事やろうとここで働いとる事には胸を張っていいと思うで」 と語る年配の明石さんがとても凛々しく見えます。現地で働く、あるいは働いていた方々には、感謝と敬意を表します。 メディアを経由して想像される「フクイチ」ではなく、一人一人の人間がそれぞれの想いを抱えて当たり前のように生きて働いている「1F」の姿が解る今作。 やはりマンガは、そのヴィジュアル要素を含む媒体としての特性ゆえに、字だけで書かれた本よりも何倍も解り易く物事を伝える力を有していると思いました。 貴重なドキュメンタリーとして、老若男女問わず一人でも多くの人に触れてみて頂きたいと強く願います。