ホタル
江戸は炎に包まれていた。そんな中、伝馬町・牢屋敷では牢の中の囚人達が「赤猫だっ!!」と興奮していた。『赤猫』とは火事の隠語で時に放火も意味した。大火が日常的であったため、この伝馬町・牢屋敷に近づいてきた時は戻る事を約束に囚人を放すという慣行ができていた。そのため囚人達は火事の燃え広がりを待ち望んでいた。そして火の手が迫り多くの囚人が放たれる中、特別囚人とされ濡衣で独房に入っていた女『父親殺しのホタル』も外に出るが、出てすぐに伊賀者の隠密に斬りかかられる! しかしホタルは根来衆若頭の娘だけあってその刺客を返り討ちにする。それにより全てをさとったホタルは父親殺しの汚名と仇のために動きはじめる…!!
ファントム無頼
航空自衛隊百里飛行場に所属するファントムIIのパイロット・神田鉄雄と、三沢飛行場に所属するナビゲーター・栗原宏美。二人はそれぞれ凄腕の航空自衛官だが、その性格が災いし基地の問題児として周囲から厄介者扱いされていた。百里基地司令・太田は、神田に対抗させるため栗原を百里に転属させる。二人は反発し合うものの互いの技量を認めて意気投合し、680号機の専属パイロットとして成長していく……。「エリア88」と並ぶ新谷かおる代表作。原作者・史村翔の自衛官時代の職務経験を踏まえて描かれる生き生きしたヒューマン・ドラマの傑作!
賭ゴロの鉄
昭和30年――北海道・夕張炭鉱に向かう男たちがいた…喧嘩屋の花田鉄次と同じく喧嘩屋の源。二人が夕張炭鉱に向かう理由は賭けゴロで金儲けの為である【賭けゴロ】とは、気性の荒い抗夫などの間で行われる金を賭けたケンカの事。しかし、喧嘩屋(プロ)が金目的で参加することはご法度…バレればすぐさま処断されるのである。喧嘩屋・花田鉄次の日に日に増す危険相手や危険なリングなど喧嘩屋の生き様を描いたストーリー作品!!
1984年(昭和59年)8月13日――御山の上空を飛行していた旅客機が何らかのトラブルにより墜落、乗員乗客519名が死亡・生存者3名という悲惨な事故があった。しかし実際にはこの事故の生存者は4人目がいた! 事故発生の際に上空から投げ出された赤子が山の木に引っ掛かり、ほぼ無傷の状態で山猿に救われその後法師様に育てられ…16年後、赤子だった「タケル」は山で武術を学んでより強い相手を求め下界へと下りて行くのだが……! 下界に降り立ったタケルに様々な苦難がふりかかる!! アクションヒューマンドラマ作!!
四万十川
毎読新聞高知支局に配属された無類の釣り好き、諸積ワタルは四万十川で川漁師の源と知り合い、数年ぶりに現れた四万十川の主である幻の大魚アカメのドンと遭遇する。その魅力に憑りつかれたワタルはドンを追い続ける源に弟子入りを志願し源の孫、民とドンを探すことに。ある日ドンを追う釣り師たちの前にドンが現れ、その話は瞬く間に広がっていき次から次へと金目当ての釣り師たちが四万十川に集結する。アカメが絶滅種となることを危惧していた釣具店を営むタオカはワタルと民にドンを釣り上げて水族館に保護することを依頼。3人はドンを釣り保護すべく四万十川へ向かうが……。人情と自然保護を描いたヒューマンドラマの秀作!
ジャイアント台風
僕がどんなきっかけでプロ・レスリングの世界に入り、どのような努力を重ねてきたか知らない方が大部分だと思います。その中には汗と涙の苦しい経験がたくさんあります。それでもあえて僕の半生を漫画化したのはマットの上の華々しい戦いの陰に厳しい人生の戦いがあった事を一人でも多くのファンに知ってもらいたかったからです。この漫画がこれからを生きていく若い人達への励みとなるならば、これに勝る喜びはありません。(馬場選手の言葉、作中より一部抜粋)ケガのためプロレスラーに転向した馬場。だが強豪ひしめくリングに立ち向かう彼を待ち受けるのは……。国民的ヒーロー、ジャイアント馬場の半生を描いたノンフィクションコミック!
「いいぜいいぜェ。燃えてきたぜェ!」江戸風俗絵師・歌麿は春画を描かせれば日本一!なのだが最近やる気が起きない。後援者である商人・蔦重は歌麿にやる気を起こさせるため、自分のハメ取りを描かせ……(1巻 江戸風俗絵師うたまろ)/「女の色気を知りたいと言ってましたなぁ…」女の色気を学ぶため、吉原で三人の花魁を買う女形の若衆。だが出てきたのは……(2巻 花魁道中)/「私が見たいと言っておるのだ!」心根は優しいが岩石のような顔をしている篭担ぎのお鉄。だがそんな彼女に一目惚れした上様。更に幼馴染の美形人気役者が彼女逢いたさに大奥に忍び込み…(3巻 大奥の花道)。江戸を生きる人たちの日常を描いた時代劇作品集!
怪より始めよ。
市役所員の黒部亜紀彦は『いい人』として評判。線路に転落した酔っぱらいを命がけで助けた事もある。そんな彼の正体は『妖怪』。日中は人間の姿でいられるが、深夜0時になると元々の怖ろしい見た目に戻ってしまうのだ。そんな彼は、兄・波留彦と共に「人間になる」事を目指している。しかしそのためには『善行』を積まなければならなくて…。――棲む場所を失った妖怪の悲哀をユーモラスに描く、味わい深いヒューマン(?)ドラマ。『善』とは、『悪』とは何か…!?
若い貴族たち
昭和46年夏、新宿――。今にも崩れ落ちそうなおんぼろアパートの2階の部屋で、一心不乱に漫画の原稿を描いている一人の若い男がいた。すべて描き終えた男は、原稿を手に、そして希望を胸に部屋を出ていく。向かう先はもちろん、今をときめく漫画雑誌『劇画トップ』の編集部だ。持ち込みである。しかし原稿を一読した編集者は、全く駄目、出直してこい、の一言だった…。夜の公園で悲嘆に暮れる男は、なけなしの小銭で屋台の酒を求めるが、飲んだあとに支払いが足りないことに気づく。店主と揉めそうになったとき、横にいた美少女が突然酒を奢ると言い出して……この出会いが、奇跡的ドラマの始まりだった! 心が退廃し蝕まれていく現代日本において、あえて「海賊」たらんとした、若き男女の本流のような青春!
実録昭和猟奇事件
昭和に起こった数々の凶悪事件、その中でも一際異質な事件を作者自身が関係者に直接取材し、さらに警察資料から犯人の足取りや逃走経路を自らの足で追体験した完全ノンフィクション・ドキュメンタリー・コミック! 彼らは何故罪を犯し、そして被害者たちの命を奪ったのか――。取材を通して語られる凶悪事件の犯人達の人間性とは…? そしてヒトはいったいどこまで堕ちることができるのか……。『連続強姦殺人事件・大久保清編』、『吉展ちゃん誘拐事件』、『帝銀事件』など、衝撃の事件を全6巻でコミック化!
源氏物語
マンガでわかる、古典入門! 時代劇画家・とみ新蔵が古典の名作「源氏物語」を緻密で卓越した作画技術で、美麗かつ妖艶にマンガ化しました。「源氏物語」とは平安時代の中頃に紫式部が創作した日本が世界に誇る長編物語であり、容姿、才能などを兼ね備えた主人公の光源氏を通して、恋愛、栄光、没落、権力闘争など、平安時代の貴族社会が描かれています。マンガで簡単に日本古典文学の最高傑作「源氏物語」の世界に浸ることができます。
三銃士
フランス国王陛下の銃士隊長トレヴィルの銃士隊に入るべく、田舎からロバでパリへ向かったダルタニヤン。誇り高いダルタニヤンは旅の途中、酒場にいた剣士から挑発され得意の剣を抜くも軽くあしらわれ倒されてしまう。いつか決着をつけてやると決意しつつパリに着き父の旧友のトレヴィルにも出会うが、持ち前の性格から次々と3人もの銃士とそれぞれ決闘の約束をしてしまい――。アレクサンドル・デュマによる名作「三銃士」を、南波健二、久保田千太郎の実力派コンビで堂々コミック化!
「賭けゴロ」という、現代では聞きなれない喧嘩賭博で食ってるプロの喧嘩屋・鉄次が己を押し通しながらその拳で大勝負を制していく格闘漫画。賭博よりも主人公の行う格闘(拳闘興行と言うべきかも)がメインで展開されていく。 全4巻とはあるが、紙の単行本だと全2巻。するりと読めておもしろい、'70年代後半に描かれた格闘漫画なのだが、結構時代を先取りしていたのかもしれないと思わせられる。 変則リングといえる場所で戦ったり、 悪趣味な金持ち達が集まって、命が危険に晒される舞台での勝負をワーワー観戦したり、 巨大グローバル組織同士の抗争の手段として喧嘩勝負が利用されたり、 王大人が出てきたり… 同時期とそれ以前の漫画等娯楽作品には全然明るくないので、上記の内容はこの漫画が初出だ、などと言い張るつもりはないが、少なくとも後の時代の漫画に使われるものを既に扱っていた、時代を先取りした漫画だと言えなくはない。と思う。多分。知らんけど。 あとどうでもいいけど、最後のコマが大好き。いい映画を見終わった気分に自分は浸れた。