山松 Very Best of Early Years

くそばばの詩シリーズに感動!

山松 Very Best of Early Years 山松ゆうきち
かしこ
かしこ

マニア向けっぽい雰囲気ですが、巻末の作家と編集者の座談会インタビューを読むと「山松ゆうきちを味わったことない読者に届けたい」とあったので安心しました。「インドへ馬鹿がやって来た」を読んだ時も独特なバイタリティを持った人だな〜と思いましたが、初期作品はもっとダイレクトに作家の思考が反映されていますね。基本的に強い者が勝ち、弱い者が負け、貧乏人が金持ちになることは決してない…こういった現実は甘くないという容赦なさを痛快に描いているのが魅力です。ハッピーエンドになることはないけど読んでて悲しい気持ちにはなりません。特に「くそばばの詩シリーズ」がめちゃくちゃ面白くて、ばばあの健気さとたくましさに感動します。打ち手のばばあと釘師のじじいのプライドをかけたパチンコ対決は見ものです。YouTubeに上がってた昔のテレビ番組で岡崎京子が好きな漫画家は誰?と聞かれて「山松ゆうきち」と答えていて、本気なのかネタなのか観た当時は分からなかったけど、これを読むと現実のシビアさの捉え方とかそれにユーモアを混ぜるタッチとかがちょっと似てるかもなって思いました。

つぐもも

相棒は母の形見の着物帯!未成年でも買えるエロ漫画枠で終わらせないでっ #マンバ読書会

つぐもも 浜田よしかづ
みや
みや

どんな漫画か簡単に言うと 付喪神と共に闘う現代ファンタジー(肌色成分多め) です つぐももは作者さんが 『登場する女性キャラ全て裸にする』を目標としてるなんて明言してる作品なので、そらもう脱げるし脱ぐし破けます 全裸が第2のユニフォーム、まであるかも でもそれだけじゃなくてバトルファンタジー面もシッカリあるんです そこでまず 主人公母の存在が出てきます 形見を持ってるくらいですし亡くなってますが、このママさんは位の高い神様と殴りあって勝てるくらい強い 第1話時点で故人である母が最新28巻時点でも未だ最強格として揺るがない 強いがゆえの悩みなんかも持ってたりしてたんですけどね 亡くなってからもその強さと存在感は作中1位のスーパーママンです ファンタジーとしてのつぐももは 母を超える事が大きなカギにもなっています。母は強し!(物理)です いやホントつぐももは技の多様さとか描き方も良い(語彙力…)んですよ あとは、武装もGood 主人公の相棒兼メインウェポンがまず着物の帯で、後半、他の子の力も借りるようになっていきますがソチラも主人公の武装としては珍しいとこなのが良きです。

アオアシ

アニメみてめっちゃハマった

アオアシ 小林有吾 上野直彦
六文銭
六文銭

アニメから興味をもって、改めて読んだらめっちゃ面白い。 スポーツ漫画で今一番好きな作品です。 個人的な話をして申し訳ないんですが、サッカーってあんま好きじゃなかったんですよね。 なんか「自己中の塊」みたいなスポーツという認識でいました。 だって、野球のように、攻めと守りのタイミングが明確にきまっているわけでもなく、下手したらボールもった瞬間、ずっとドリブルで突破したり、シュートしてもいいわけで。 それらを、誰の許しをもらうわけでもなく自己判断でできるわけですよ。 すっごい、自己中じゃありません? (別にサッカー部に彼女を奪われたとか、親を殺されたわけではありませんのであしからず。) ・・・と、思っていた時期がワタシにもありました。 上記の理由であまりサッカー漫画を読んでこなかったのですが、本作は自分のサッカー感を覆してくれるかの如く、目からウロコ的に面白かった。 『アオアシ』というタイトル、もちろんの主人公の名前でもあるとは思うのですが、それ以上に 「人間は考える葦である」 からきていると思えるくらい、登場人物全員が戦術、戦略を考えに考えぬいて、その時に最適解を導き出し動いている感じ。 上述した「自己中」とはかけ離れたスポーツ、それがサッカーなんだと自分は再認識しました。 相手の特徴からそれに合わせて動きを瞬時に変える、そしてそれを個人単位だけではなく組織(チーム)単位でやる。 誰かからの明確な指示があるわけでもなく、メンバーの動きを察知して、自分の動きも変えていく。 どこにいて何をすべきか、どう進めるべきかを常に考えている。 すごいスポーツだぜ、サッカー!!と本作を読んで、痛感しました。 自己中とか言っていた自分がはずかしい。 むしろ、どのスポーツよりも戦略的というか戦略が重要な戦争に近いと思う。 王道スポーツ漫画的な要素(努力・友情・勝利的なの)ももちろんあって、そのアツイ展開も魅力なのですが、個人的にはサッカーに対する考え方、見方を変えてくれた、そんな作品でした。 展開もはやいのでグイグイひきこまれて、そして特に直近の26~27巻が、もう・・めっちゃやばいっ!

かがみの孤城

原作ファンでしたが良かった

かがみの孤城 武富智 辻村深月
六文銭
六文銭

元々作家さんのファンだったこともあり、約4年前に本屋大賞受賞と同時に読んだ本作。 久しぶりに読んだこのコミカライズも、当時の思い出がよみがえり、とても丁寧かつキレイに表現されて大満足でした。 内容は、何らかの理由で不登校になった中学生7人が、部屋の鏡から通じる異世界のような謎のお城で出会い、あるゲームをするという流れ。 そのゲームとは、城の中にある「開かずの部屋」があって、その鍵をみつけるというもの。 しかも、鍵をみつけた人は何でも願いがかなうという。 城にいる狼姿の少女に招かれ、7人の冒険が始まる・・・と思っていましたが、「冒険」というか「人間模様」を描いた感じが本作のポイント。 上述のとおり、皆なんらかの理由で学校にいけず、城内でも似たような境遇から、時にこじれたり、時に支えあったり、ファンタジー要素がありながら、どちらかというと思春期の苦労を描いたヒューマンドラマの要素が強くて、ここが面白かったんですよね。 特に、いじめなどを苦に学校に行けなくなってしまった人が、城の中でできた人間関係(友人)を、自信や勇気に変えて、再出発する姿はグッときました。 また、ミステリー的な仕掛けも色々あって、例えば 7人同じ中学に通っていながら現実で出会うことができない とか 全員不登校だと思ったら実は1人、別に不登校ではない人がいた とか これらの、秘密が徐々に明らかになっていくストーリー展開は純粋に面白いです。 ネタバレされれば、すごくシンプルな展開なんですけど、 キャラクターがすごく魅力的だったからか、すんなり感情移入できてあっというまに読めてしまいます。 『この話が誰かの「城」のような居場所になればいい』https://booklog.jp/award/2018/winner/book という思いで、書いた本作ですが、 学校を行くことに悩んでいる人、またはその親はもちろんですが、それだけでなく人間関係に全般に不安を抱えている人に、希望を与えてくれる内容だと思います。 余談ですが、コミカライズの風花の設定が、現代風に変えたんでしょうかね。ここらへんが原作と少し違うかもです。

OH!MYコンブ ミドル

まさかの続編、そして1巻で終了

OH!MYコンブ ミドル 秋元康 かみやたかひろ
六文銭
六文銭

『OH!MYコンブ』好きだったんで、この続編には狂気乱舞しました。 しかも、ミドルって・・・。 昔の『OH!MYコンブ』ファンは、この続編にどう思っているか気になるところ。 自分的に一部アリでした。 表紙みた瞬間、ありふれたおっさん感に、一瞬 「うおっ!?」 てなりましたけど、1話目から相変わらず駄菓子を食べてて安心しました。 だけど、料理人にでもなっているかと思ってましたが、なっていない。 確か、コンブの家って定食屋だったと思うのですが、そこを継ぐわけでもなく、コンビニでバイトしている。(バイト・・・) メンメンを「元」恋人と称しているなかで、料理を辞めた経緯なんかも絡めて展開されるのかな?と思った矢先に終了。 特に背景が出てくることもなく消化不良で終わってしまった。 ここが残念でした。 ただ、昔の、登場人物も、それなりに登場してファンに嬉しい。 パイ助のyoutuberが一番しっくりきました。 むすびが社長になっているとかも、弁当屋で苦労していた不遇の過去を知っている身としては嬉しい出世。 リトルグルメから、おっさんの酒の肴向けにチューニングした料理もそれなりに興味深く読めました。 なので、1巻終了はちょっと残念でしたね。 とはいえ、小さい頃読んでいたマンガの登場人物のその後が見れるのがファンとしては嬉しいもの。 金田一少年もそうですが、今後もこういう形の続編が多くなりそうな予感で、昔からマンガばっか読んでいた人間にとっては楽しみでしかないですね。