NATOの情報部員・エーベルバッハ少佐と、大泥棒・エロイカとの痛快スパイアクション・コメディー?
スパイ――それは大きな孤独の代名詞。「鉄は熱いうちに打て――」、NATO情報部・エーベルバッハ少佐のもと、永遠の新人・Z(ツェット)は数々の困難な任務に挑む。彼を待ち受ける運命とは……!?Zの活躍を描く本格スパイアクション!!※本コンテンツは「Z―ツェット―完全版」を分冊・再編集したものです。
昼間は聖(セント)ポーリア学院に通うふつうの女の子、羽丘芽美(はねおか・めいみ)。だけど、夜になると怪盗セイント・テールとなって、親友のシスター見習い、深森聖良(みもり・せいら)に救いをもとめてきた人たちのために大活躍!!パパ譲りのマジックの腕前と、神のご加護を受けて、今夜もまたとっておきの夢を見せてあ・げ・る。
世間を騒がす怪盗・バニラムーン。その正体は、お菓子作りが大好きなごくフツーの中学生・小麦なんです! もちろんこのことは誰にもナイショ! 大切なものを奪われ困っている人の依頼を受け、悪党から宝物を取り返してます! 絶対に言えないけど、今度の依頼者はなんと、片想い中の男の子で…!?
近藤いつかはアーチェーリーが得意な女の子。超大金持ち学校、紫ノ宮学園に入学したばかりです。想像以上のリッチさについていけないいつかですが、印南(いんなみ)コンツェルンの超美形の子息たちと知りあえてすっかりご満悦。ところが、いつかのお母さんから驚くべき事実が発覚!?ときめき・キューピッド・コメディー、第1弾。
BLにまったく興味がない男性でも十二分に楽しめる作品であることは最初に断っておきたい。 少女マンガは萩尾望都、大島弓子、木原敏江、竹宮惠子、青池保子、山岸凉子ら24年組と呼ばれる作家陣によって、1970年代に多大な発展を遂げた。 その内の一つの成果は1973年の『トーマの心臓』や1976年の『風と木の詩』に代表される、今でいうBLという括りの物語の萌芽だ。美しい少年たちが織りなす美しい物語に人々は心酔し耽溺した。 1978年10月には、後にそのタイトル自体が代名詞のようにつかわれるようになる雑誌『JUNE』の前身である『COMIC JUN』が刊行される。 その狭間、1977年に始まったのが青池保子の『エロイカより愛をこめて』だ。この前年に描いた『イブの息子たち』共々、それまでは基本的にシリアス一辺倒だった男性同士の恋愛を描いた物語にコメディ要素を取り入れた先駆的な作品である。 この遺伝子は1978年開始の『パタリロ』にも受け継がれ、これらの作品に登場する美形黒髪長髪男子は今もなお多くの人に愛好されている。 『エロイカより愛をこめて』は、少女マンガの題材としては非常に硬派な東西冷戦時代の政治の世界も絡んだ怪盗とスパイの物語だ。当初はコメディ色が強かったが、硬派さが人気を博すと物語もシリアスな方向にも舵を切っていく。 美術品と男性が大好きなエロイカことドリアン侯爵と、彼に気に入られてしまう鉄のクラウスことエーベルバッハ少佐の奇妙で熱い関係は実に魅力的だ。 この作品のお陰でドイツのエーベルバッハ市への観光客が急増し、1990年にはエーベルバッハ市から表彰されたという逸話も存在する。 エーベルバッハ少佐の好物の一つがネスカフェゴールドブレンドなので、私が運営していたお店でも扱っていたのはゴールドブレンドであったことはここだけの秘密である(私は本来はエクセラの方が好きだ)。 冷戦時代の空気、背景を学ぶ歴史の参考書としても一読に値する名著なので長さに気圧されず少しでも触れてみて欲しい。