あらすじ世界的指揮者であるマエストロ・緒方が、日本大使公邸を訪れた――。倉木大使の友人である彼は、ベトナムに対する非常に深い憎しみを抱き続けていた。終戦後もベトナムに残ることを決めた父親への激しい怒りが、緒方をベトナム嫌いにしたと知った公は、彼に父親を捜す旅をしないかと持ちかけるが……!?一枚の写真を手がかりに向かった先は、ベトナム最北端の省・ランソン。そこで出会った父親の懐かしい味とは――!?
2015年の新春ドラマスペシャルにて、嵐の櫻井翔主演で映像化されてから、ずっと前々から気になっていたので読んでみましたが、料理と人の気持ちの繋がりを感じる、とても良い作品でした。主人公が有名料理店を辞め、ひょんなことからベトナムで大使公邸の料理人になるお話です。序盤のうちは、格式が高くて身近に感じることのなかった世界でしたが、読み進めるうちに美味しそうな料理や人間模様の描写など楽しめる部分が多くなってきて一気に読み進められました。