あらすじ

“第六の使徒”のヒントは、弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしいぞう)。神咲雫(かんざき・しずく)は、万葉集の詩歌に導かれ、みやびと奈良を訪れる。そこで知り合ったのはイタリア料理店店主のレオナルド。意気投合した三人は、万葉集の謎に思いを馳せる。一方、遠峰一青(とおみね・いっせい)は、母・仄香(ほのか)から手厳しいながらも迷宮を抜けるヒントを得る。二人が辿り着いた結論とは!?
神の雫 1巻

ソムリエ見習いの紫野原(しのはら)みやびは、知ったかぶりのお客の間違いを指摘し、その客を怒らせてしまった。しかし、その客の連れとして来ていた神咲雫(かんざき・しずく)のみごとなデキャンタージュによって救われる。実は彼は世界的に有名なワイン評論家、神咲豊多香(かんざき・ゆたか)の息子であった――。神の気まぐれが生み落とした“一本のワイン”を巡る、罪深き人間たちの物語が始まる。

神の雫 2巻

卓越したワイン表現と天才的なテイスティング能力を持つ神咲雫(かんざき・しずく)。数多(あまた)あるワインの頂点に立つ一本を探す旅が始まる――。ソムリエ見習いの紫野原(しのはら)みやびが割ってしまった高級ワインの代わりとして探し出したボトルが、ワインの持つ力強く深い、そしてせつない愛情を呼び起こす。

神の雫 3巻

神咲雫(かんざき・しずく)のライバルであり、新進気鋭のワイン評論家・遠峰一青(とおみね・いっせい)。彼の酷評により経営難に陥ったフレンチレストランを救うため、雫と紫野原(しのはら)みやびは遠峰が下した評価の理由を探る。そこには、フランス料理とワインとの、美しくも濃密な素晴らしい関係があった!!

神の雫(4)

太陽ビールワイン事業部が初めて扱うワインの種類をフランス産にするかイタリア産にするか――。同事業部のイタリア通・本間との意地をかけた闘いで、紫野原(しのはら)みやびとあちこち奔走する神咲雫(かんざき・しずく)。自信をもって提供できるワインを手に入れ、社内の試飲会に臨んだが、そこには思いがけない落とし穴が待ち受けていた!!

神の雫(5)

父、神咲豊多香(かんざき・ゆたか)の遺言状に記されたワイン『第一の使徒』の謎を探る神咲雫(かんざき・しずく)は、そのワインに対して雫と同じイメージを持つ画家の女性と知り合う。だが、彼女は昔の記憶を失い、ワインの銘柄どころか、自分の名前さえも覚えてはいなかった。彼女の記憶を取り戻し、『第一の使徒』を探し出すため、雫はワインが生み出す甘くせつない想い出を探る旅に出る――。

神の雫(6)

『第一の使徒』をめぐる神咲雫(かんざき・しずく)と遠峰一青(とおみね・いっせい)の勝負がついに幕を開ける!!二人の選んだワインは同じ銘柄の生産年違い。しかも雫の選んだものは、不作といわれた年のものだった。完璧を求める一青と、欠点を愛でようとする雫。神咲豊多香(ゆたか)の思想を継ぐものはどちらか?『第一の使徒』ついに降臨!!そして“イタリアの怪人”本間の甘酸っぱい恋の思い出とは!?

神の雫(7)

ワインの魅力(エロス)を教えてやる。ワインは銘柄(ブランド)じゃない。官能で味わうものなんだ――。大手スーパー新規出店のワインのプロデュースを任された神咲雫(かんざき・しずく)。しかし、担当の高杉部長は高級ワインだけを集めろと言う。その依頼に違和感を覚える雫は、5大シャトーを凌駕(りょうが)する格下ワインを見つけることを約束する。しかし、それは砂漠から一粒のダイヤを見つけるような難解な作業でもあった。

神の雫(8)

神咲雫(かんざき・しずく)と遠峰一青(とおみね・いっせい)の闘いは、いよいよ第2ラウンドへ。神咲豊多香(ゆたか)の遺言状に表現された『第二の使徒』の姿は、名画「モナ・リザ」だった。期間は3週間。一青は内なるワインへの「渇き」を呼び起こすためタクラマカン砂漠へ旅立つ。一方、雫はミステリー作家・夏八木舞子から、彼女の元へ送られてきた銘柄不明のワインと脅迫状めいた手紙について相談を受ける。そのワインが『第二の使徒』へ繋(つな)がる鍵になると気づくのだが……。

神の雫(9)

ワイン嫌いの若手社員・木戸竜介(きど・りゅうすけ)が、ワイン事業部に派遣されてきた!偏見を持ち、ワインを飲もうともしない木戸。木戸にワインを好きになってもらうにはどうしたらいいか?その答えを求め、神咲雫(かんざき・しずく)は幼い頃の記憶を頼りに長野の別荘に向かった。そこには、時価20億といわれる神咲豊多香(ゆたか)のワインコレクションの一部が眠っていた――。

神の雫(10)

『第三の使徒』。それは郷愁の味を思い起こさせる記述だった。自分にワインの経験が決定的に足りないことを感じていた神咲雫(かんざき・しずく)は「人生を変えるような一本」を求めワインコレクターの映画監督・黒川を訪ねる。雫の申し入れを受けるかわりに彼が出してきた条件は、主演女優の松下七海(まつした・ななみ)を「口説き落とす」ことだった!?

神の雫(11)

ついに迎えた『第三の使徒』対決。シャトー・ペトリュス1970年を飲み「時を飲む」ような経験をもとに選び出した神咲雫(かんざき・しずく)。タクラマカンで出会った少女・ローランの助けを得て選び出した遠峰一青(とおみね・いっせい)。しかし、雫が選んだワインは使徒とは程遠いものだった。では、一青のワインは……。『第三の使徒』を巡る闘いには、誰も予想しない意外な結末が用意されていた!!

神の雫(12)

『第三の使徒』対決を終え、神咲雫(かんざき・しずく)と遠峰一青(とおみね・いっせい)はそれぞれの日常に戻った。ある日、太陽ビールワイン事業部に持ち込まれたのは、韓国料理に合うワインをコーディネートしてくれという依頼だった。しかし、韓国料理にとって欠かせない存在の“キムチ”がワインとどうしても合わないことが判明する。雫はワインに秘められた無限の可能性を信じ、ワインと韓国料理の“ベストマリアージュ”を探すため韓国へと旅立った!!

神の雫(13)

「韓国料理に合うワインリストを作ってほしい」という依頼を受けた太陽ビールワイン事業部。神咲雫(かんざき・しずく)は、ワインの可能性を信じ単身韓国に飛んだ。なかなか手がかりを見つけられずにいたが、思いがけない形で遠峰一青(とおみね・いっせい)からヒントをもらう。その手がかりをもとに、雫はある解答に行き着く。ついに大団円!激辛韓国料理vs.赤ワイン!!

神の雫(14)

ついに始まった『第四の使徒』を求める試練!!繙(ひもと)かれた描写のなかには、島崎藤村の「初恋」の記述があった。そして神咲雫(かんざき・しずく)は、偶然にも“思い出の君”と再会し、まさに初恋をテーマにしたワイン選びをすることとなる。一方、遠峰一青(とおみね・いっせい)も“初恋の人”を追う孤独な旅に出る……。

神の雫(15)

『第四の使徒』をめぐる闘いが幕を閉じた直後、軽井沢の神咲豊多香(かんざき・ゆたか)の別荘で盗難事件が発生。盗まれたのは総額約1000万の5本のワイン。二度と手に入らないお宝ワインを取り返すべく、初めて神咲雫(かんざき・しずく)と遠峰一青(とおみね・いっせい)がタッグを組み、事件の真相に挑む!「謎は全て解けた、犯人はあなただ!」

神の雫(16)

『第五の使徒』を巡る闘いが始まる。舞台となるのは白銀の高峰。命を落としかねぬ第5ステージに迷いもなく動き出す遠峰一青(とおみね・いっせい)。一方、神咲雫(かんざき・しずく)はヒントを求めて向かった富士山で、清香(さやか)という女性と出会う。彼女は槍ヶ岳で遭難した幼なじみが、彼女と一緒に飲もうとしたワインを探しているという。手助けをすることになった雫とみやび。果たして、この出会いが『第五の使徒』へとつながるのか……。

神の雫(17)

“魔の山(マッターホルン)”にアタック!日本のマッターホルン・槍ヶ岳(やりがたけ)に消えた写真家が、愛する人への想いを込めた1本のワイン。そのワインに『第五の使徒』へとつながる道を感じた神咲雫(かんざき・しずく)は、スイスの魔峰・マッターホルンへの登頂を決意する。片や遠峰一青(とおみね・いっせい)も目指す道は同じ。孤高の頂(いただき)が二人に見せた光景とは――。

神の雫(18)

ついに『第五の使徒』がそのヴェールを脱ぐ。『第五の使徒』決戦のとき。富士の山荘へ再び集う神咲雫(かんざき・しずく)と遠峰一青(とおみね・いっせい)。ガイドのアンディに導かれ、マッターホルン登頂に成功した雫は、下山時に開けたワインを『使徒』と確信し、いよいよその表現に挑む。一方、単独登頂を試み、吹雪に消えた一青は、果たして“孤高の頂”に辿り着くことができたのか!?

神の雫(19)

「食」と「ワイン」の祭典「フード&ワインショー」に参加することになった太陽ビール・ワイン事業部。神咲雫(かんざき・しずく)たちはパートナーに、チェーン展開する中華料理店を選ぶ。“中華料理に合うワイン”という難題に、試行錯誤の末イタリアワインという答えを導き出す。絶妙のマリアージュに自信を持って本番に臨む彼らだが、前代未聞の組み合わせに一般客の反応は鈍い。イベント成功に足りないもの、それはいったい──?

神の雫(20)

“第六の使徒”のヒントは、弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしいぞう)。神咲雫(かんざき・しずく)は、万葉集の詩歌に導かれ、みやびと奈良を訪れる。そこで知り合ったのはイタリア料理店店主のレオナルド。意気投合した三人は、万葉集の謎に思いを馳せる。一方、遠峰一青(とおみね・いっせい)は、母・仄香(ほのか)から手厳しいながらも迷宮を抜けるヒントを得る。二人が辿り着いた結論とは!?

神の雫(21)

ボルドー右岸――。そこは小さなシャトーがひしめき合うワインの宝石箱。サンテミリオンの美しき石造りの佇まい、深き森のような神秘の葡萄畑が、ボルドー右岸の未知なるワインとともに、雫(しずく)たちを魅了する――。太陽ビールの、レストラン事業部とワイン事業部で争われた、対決の行方は?

神の雫(22)

「このワインは永遠の未完成、サグラダ・ファミリアである」。明かされた『第七の使徒』の表現。それは、人の力を信じ、あきらめることなく夢を紡ぎ続けるその先にあるもの――。そこから『使徒』がフランスを中心とする“旧世界”のワインではないと確信した遠峰一青(とおみね・いっせい)はアメリカへと向かう。一方、同じく“新世界”のワインに着目した神咲雫(かんざき・しずく)が向かったのは……!?ひとつのワインを想い、それぞれの新世界(ニュー・ワールド)へ――。

神の雫(23)

『第七の使徒』は未完成の芸術、サグラダ・ファミリア。雫(しずく)と一青(いっせい)は自らの感性を信じ、それぞれの新世界(ニュー・ワールド)へ――。そこには「人の力」が生み出す奇跡があった。父・豊多香(ゆたか)が示すワインに辿り着くのは果たしてどちらの天才か……!?孤独を知り、人の輪を感じる『第七の使徒』編、完全決着!!

神の雫(24)

ワインを飲みながら走る42.195キロ。メドックマラソン編、スタート!『第七の使徒』対決は、完膚なきまでの敗北。使徒対決そのものに疑問を感じた雫(しずく)は、闘いからの離脱をほのめかす。そんな折、雫は世界最高のワイン銘醸地のひとつ、ボルドー左岸で催される「メドックマラソン」の存在を知る。亡き父・豊多香(ゆたか)のワインの原点を捜すため、そして使徒対決の意味を見つけるため、雫はマラソンのスタートラインに立つ。

神の雫(25)

メドックマラソンを終えた神咲雫(かんざき・しずく)はボルドーに残り、父・豊多香(ゆたか)のもうひとつの“原点”を探し続ける。永遠に続くワインの「道」を示す一本とは、何か!?また、雫が勤めるワイン事業部に廃部の危機が。吸収合併の前に、部の存在意義を示すには、シャンパーニュを凌駕する可能性を秘めた、まだ知られぬ産地の“泡(スパークリング)”を探す必要があるのだが……!?

神の雫(26)

『第八の使徒』編、開幕!「そのワインは一人の女性であり“マドンナ”である」雫(しずく)の父・豊多香(ゆたか)が胸を焦がし、手の届くことのなかった女性がいた――。彼女への想いをつづった『使徒』は、気高く黄金に煌めく「出会いのワイン」。豊多香が遺した記述のなかの“マドンナ”を捜し出し、そこから『第八の使徒』を見つけようとする雫。一方、一青(いっせい)はワインから“マドンナ”を捜すというが……!?

神の雫(27)

『第八の使徒』完全捕捉!その一本は、神咲豊多香(かんざきゆたか)が憧れた高潔な「マドンナ」。彼女に謁見を許された者は、心せよ。万人を虜にする官能の芳香(アロマ)に酔いしれぬよう――。雫(しずく)と一青(いっせい)が用意したそれぞれのワイン。その二本のシャンパーニュには決定的な違いがあった!豊多香が遺した『使徒』に隠された“マドンナ”を探し出したのはどちらなのか……!?『第八の使徒』編、決着!

神の雫(28)

『第三の男』天空より現る。――神咲豊多香(かんざきゆたか)が最期の杯(グラス)に選んだアンリ・ジャイエのワイン。その香りを纏い『第九の使徒』の記述の公開場に舞い降りたのは神咲雫(しずく)と遠峰一青(とおみねいっせい)を凌駕するよう宿命づけられた男――。未知なる天才クリストファー・ワトキンスの参戦により、波乱の『第九の使徒』編が開幕する!!

神の雫(29)

『第九の使徒』へ駆けよ!イタリア中部の黄金郷を――。イタリアの紅き至宝「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」。その「勝者のワイン」へと奔(はし)り出した雫(しずく)、一青(いっせい)、クリス。初の三つ巴戦は、恋も友情も揺れる大乱戦へと!

神の雫(30)

「困難」の巨壁を越えし者、『第九の使徒』の紅き抱擁を受けよ。――「勝利の女神」を求め「困難」の路(みち)を疾(はし)る一青(いっせい)、その姿を追走し、イタリア中部を激走する雫(しずく)、迎えるは、瞬時にワインの銘柄を見抜く天才・クリストファー。歓喜の空の下、『第九の使徒』を戴冠する者は!?日本のエンターテインメント祭典inパリ「JapanExpoAwards2011」最優秀青年漫画賞、受賞!