たまらなくよかったです!涙腺にくる!小学校の勉強くらいはやれば簡単にできた主人公の少女・ユキコ。彼女が通っていた塾では授業後に希望者に向けた「数学クラブ」が開かれており、そこでは大学生のバイト・さやかが先生として教えていた。問題を解き終えると新たな問題を出題される戦いのような二人の関係は続いていくが…。自分のことを天才だと思っていた少女と、その道の先にいて導く存在でありながらライバル的存在の先生。いずれは追いつき追い越そうと思っていたのに…、と突然の喪失感とラストの彼女の強い目に痺れました。 以前読んだ同作者さんの読切も非常に良かったのでぜひ! https://magcomi.com/episode/11341664176567672162
すごく面白かったです! 二人の特性を深く掘り下げた心理描写や文学的な表現が見事でグイグイ引き込まれました。 自己嫌悪しながらも抑えようがなく死体に惹かれてしまう少年と、母に振り向いてほしくて自傷をやめられない少年の交流を描く。 ▼試し読み https://comic-walker.com/detail/KC_005564_S?episodeType=first なんとなく「カドコミ」が始まったときに気になってて、眠れない夜中に思い出して読み始めて、アプリで一気に最新話まで読んでしまいました。 すごいなー面白いなーと思っていたらアフタヌーン四季賞受賞作家だったとは!そういえば読んでた! https://comic-days.com/episode/14079602755325720519 短期連載とのことなので全1巻みたいですね。(2024/9/6発売) 楽しみです。
面白かったです。 10Pショート読切。 クラスメイトのSNSを探し出してこっそり見ていた陰キャの主人公は、同じく陰キャでクラスで浮いていた秋山くんに彼女ができて童貞卒業するかもしれないことを知り、浮足立ってしまうが…。 見方によってはユーモアのあるオチですが、その中には切なさや哀しみも含まれていて複雑な気持ちにさせられてとてもよかったです。 https://tonarinoyj.jp/episode/2550689798901526155 『推しのおっぱいなんて見たくなかった』こちらもよかったです。 https://tonarinoyj.jp/episode/2550689798604399665
『ブランクスペース』『春と盆暗』の熊倉献先生のお盆にぴったりな読切! 下ネタ好き×幽霊ってこんな展開になるんだ! シモネタが好きすぎる同級生・森が亡くなって葬儀で8年ぶりに顔を合わせたオカルト研究会の同級生3人。かつて約束していたコックリさんでシモネタ王・森を呼び出してみることに…。 相変わらず話が気持ちよく進むし、思ってもみない事象を放り込まれるので読書体験が楽しい。 人によって違う特別な形があってとても好きでした。 https://comic-action.com/episode/2550912964448691350
待ってました!中島佑先生の新連載!! ちばてつや賞『ODD FUTURE』や、となりのヤングジャンプ読切『友人について』『A PERFECT DAY』など素晴らしい読切を発表されてきた中島佑先生。 満を持しての連載!楽しみにしてました! https://tonarinoyj.jp/episode/2550689798819277317 高校時代、文化祭で脚本を書いたクラス演劇が優勝して才能を発揮していた主人公は、のちに高校時代の同級生に誘われてトリオを組んでいたが30を目の前にして芸人として売れていなかった。物書きとして友人の怪談系YouTubeの台本を書いて活躍してステップアップみ見えてきたりはするのだが、周囲では少しずつ不協和音的に人間関係がもつれ始めていく…。 これは「お笑い」の話というより、彼と彼を巡る周囲の物語。 物書きとして自分に自信がある主人公だし、自分自身のことを客観的に見られているのだが、決定的に人を楽しませようという気持ちに欠けているから芸人には向いていない。さらに、少なくとも自分は面白いものを書けているという傲慢さ、ふてぶてしさが表に出てしまっていて、他人から好かれることもない。プライドから自分から出た言葉は引っ込めないし、一人で何が悪いと開き直っている部分もある。 それでも僕にはどうしても彼を憎めない。 誰に評価されるでもなく、自分が面白いと思えることをやることが正義な世界で貫く彼は素晴らしい。しかしその価値観を他人に押し付け強要するのは傲慢すぎるし、いる環境に自分を適合させようという意思すら感じないのも違うと思う。その強情さと柔軟性の無さはやはり芸人には向いていないかもしれない。人に求めてばかりで求められることに応じられないのも人間関係が厳しくなってくる。 そのブレない姿勢が必要な場所もあるだろうから、全てを失う彼にはどこかで上手くいってほしいと願ってしまう。本格的に孤独になった彼にどのような変化が訪れるのか。 これからが楽しみだ。 https://comic-days.com/episode/2550689798274443728 https://tonarinoyj.jp/episode/316190247136013710 https://tonarinoyj.jp/episode/4856001361553621486
リゾートバイトで島へ行ったら、そこのモグラが異常で、地中から人間に襲い掛かってくるというモンスター(モグラ)パニックホラーって感じで面白かったです!! なにやら怪しい村人たち、一癖も二癖もある他のリゾートバイトの人たちも分かりやすくてよいです。 なによりモグラですよね。噛む力が尋常じゃない!ピラニアかってくらいの噛みちぎり方、そして水中かってくらいの掘るスピードの速さ! 映画『トレマーズ』を思い出す良さです。 あの映画の舞台はたしかアメリカの山間の荒野で障害物の少なさもまさに大海原でサメに襲われるような面白い恐怖で、谷になってるから無線も届かないみたいな陸の孤島状態がよかったんですよね。 この話もまさに離島でスマホの電波的な制限もバッチリですし、島には建物が少なため足場も心もとない。なんか企んでそうな村人たちの因習村的な雰囲気。そして人の味を覚えた異様に狂暴なモグラをたくさん配置されているので超楽しいです。 1巻が7/20に発売するみたいなのであらためて読み返そうかと思います。
毎週の校長の朝礼がまさか本からの引用だったなんて!そしてその本を見て今回はどの挨拶になるのか当てるのがここまで面白く描かれるとは! https://kansai.mag-garden.co.jp/series/5b01a5ee426fe テーマが嘘みたいに面白くて興奮しちゃった!最高! 退屈な校長の朝礼の挨拶に着目なんてしたことなかったし、だいたい毎年同じこと言ってるんだろうなっていう感覚って誰しもあると思うんだけど、そうかー、そこやるかー!って感じでなんか嬉しくなっちゃった! まさか校長でダービーをねー! ちゃんと罪悪感を抱いているのがまたいいですよね。
漫画誌「キーホルダー」第1号テーマ「本」に掲載された、『ぷらせぼくらぶ』や『心臓』の奥田亜紀子先生の新作読切。 https://x.com/akikookuda6/status/1799269009067831583 https://www.folkbookstore.com/?pid=180925589 電子版は無いので「キーホルダー」を買うしか読む方法ないのもまたいいですね。 数年ぶりに会った大人の女性二人。柊さんと遠嶋さんは高校時代からの付き合いだ。 当時、中学時代の友人を介して知り合った小説が趣味な二人は、帰り際にお互いもっと話したいと思い、その日のうちに意気投合。そんな頃から何年も経って、お互い結婚もして、子供も出来たり。 互いの事情に気を遣い合いながらも、それでも散歩しながら出逢った頃のように楽しく話す二人。この二人がいればいつでもあの頃には戻れるけど、当然周囲の環境も変わってるから時間の終わりもあり、現実に引き戻される。 あの頃もよかったし、お互いいろいろ変わったいまもいいんじゃない?と思わせてくれる素晴らしい読切でした。 やっぱり僕は奥田亜紀子先生に絶大な信頼を寄せているみたいで、今回も間違いなかった。大好きです。時間の経過や気持ちの拠り所、ここで起きていないこと、心の繊細で深いところまで描いていて最高でした。 大阪在住だったら『キーホルダー』展に行きたかったな。 7/15までやってるとのことなので、行ける方はぜひ。
一人の女性が、日本人女性初の宇宙飛行士の船長を任されるという快挙を成し遂げるまでを描く物語。 https://bigcomics.jp/episodes/d6a70645fb08e/ 彼女が小学校の頃に話は遡る。 みんなから人気の小学6年生、朝日田ありす。小6の終わりに転校してきて、運動神経抜群の謎の美少女転校生として周囲からはいつも噂される存在だった。 「両親を亡くしている」「帰国子女だからカタコト」「天然キャラ」「ありすはウチらの赤ちゃんなんだから」と好き放題言われていた。 そんな彼女にはある悩みがあった。それは言葉が分からないこと。 親の教育で、海外に行きバイリンガル教育を受けていたが、英語と日本語どちらの言語も中途半端になってしまった「セミリンガル」というもの。両親はそれに気づく前に亡くなってしまった。その状態で、彼女はどこに行っても目の前の話についていけないまま12年間過ごしてきたのだ。 それに気づかせてくれたのは勉強ばかりしている神童と名高い犬星くんだった。彼女が天然ではなく、そもそも言葉を分かっていないことを見抜き「おれが君を賢くする。」 と宣言し、二人で奮闘していくことになった。 これは素晴らしい…。 読んだとき、これは自分の話か?と思ったほど。 「セミリンガル」としての状態はおそらくありすほどではなかったと思うが、自分も親の仕事の都合で5歳頃までアメリカにいて、帰国後また小6~中3でベルギーに渡った。 日本にいた5歳~小6のとき、親が相当な教育ママだったせいで運がよかったのかしっかり勉強をさせられていた。いま思い出すと当時いろいろ曖昧なまま過ごしていた部分がかなりあった。それは長いこと続いたし、4つ上にいる兄は話し言葉は大丈夫だったが書く日本語は壊滅的だった。 もし、よく分かっていないまま放置されていたら…と考えると恐ろしいし、自分には親がいたようにありすが犬星に出会えたことが本当に良かったと思う。 中学に上がり、毎日放課後にありすが犬星と学んでいくことで一つ一つ言葉を獲得し、世界の解像度が明確に上がっていく過程が面白い。 彼女から見える景色がめくるめく変わっていく。 知らない事が恥ずかしくない状態になる。それがとても重要だ。 胸を張って生きていける。 売野機子先生、ありがとうございます。 これからどうなってありすが宇宙飛行士の船長にまでなっていくのか、とても楽しみです。
やまもとりえ先生の、大学時代から現在までの少し変わった友人たちとの思い出の日々を描いたコミックエッセイ。 同じ内容をポッドキャストでも話してます。 https://open.spotify.com/episode/5WjmBjW1p7GmQXsDWxLJUW?si=d199b921940442c2 読み始めてすぐ「いつも谷間が見えている友人Yちゃん」というバズった投稿を見たことがあったのを思い出ました。 https://twitter.com/yamamotorie/status/1595362304576868352 作者さんが「大好きで仲が良い私の素敵な友達をぜひ知ってほしい」と紹介してくれてるような形だからこそ、読んでいると自分の友達もぜひ紹介させてくださいよ、という気分になってきて楽しかったです。 自分の学生時代の友人たちとの思い出がいろいろよみがえってきました。 エッセイなので、フィクションのように特別ド派手なドラマがあるわけじゃない、でも等身大の青春劇がそこにある。それがいいんですよね。 美大ならではのクリエイティブな話もあるけど、基本的には普遍的な友達の話。 そして、なんといっても一冊としての構成が素敵でした。 困ったときに友人が助けてくれた最高の人生だったんだなと。そしてこれからもそれが続くと思うと最高です。 どの友人のエピソードも面白くて、その個別の友人紹介の話があったからこそ、最後のエピソードに集約されて際立って輝いて見えて、感動しました。 同時に、男同士の友人グループだともしかしたらこうはならないだろうなっていう羨ましさもありました。男同士は楽しさを共有はしても弱みはあまり見せないこともあるから。 読んでるときの感覚としては、友達の結婚式の新婦側の仲良したちでの出し物とか、学生時代の写真のスライドショーとか見てどういうふうに仲良かったのかなーと想像したときの、最高に楽しい青春の「中身」をしっかり見せてもらった気分でした。 共感ポイントとしては、「自分たちの用語辞典作ったな~!」って思いました。 小さい界隈だけで通じる用語・共通言語ができて集団としての絆が熟成されていく感あって楽しいんですよね。秘密の合言葉みたいで。 ふわっと思い出した自分のエピソード ・Nくん、高校で誰とも全くしゃべったことなくて会話はいつも筆談していたらしく、大学で僕が普通にNくんと話してるのを見られて「どうやってあいつの心開いたんだ!?」って驚かれたことがある。そのNくんは窓が割れたままの部屋にずっと住んでて、いつもお菓子でお腹いっぱいにしてた。 ・Mくん、子供がどうやってできるか知らなくて、植物みたいに受粉するものだと思って通学で乗る満員電車に毎朝めちゃくちゃ緊張してた。その反動か、気づいたらテニスサークルに入って遊びまくってた。 などなど。 一気に読むのもったいないので、ちょびちょび1日2ページずつとか少しずつ読むのもいいかも。とはいえラストはどうやっても一気に読んでしまうはず。
朝倉未来に端を発るする格闘YouTuberブームにRIZIN、BREAKING DOWNと総合格闘技の人気が高まっている。漫画界もまた『アスミカケル』『レッド・ブルー』と、MMA作品が次々と現れている。この流れに満を持して、そう、『オールラウンダー廻』の遠藤浩輝先生の登場である。 読む前から面白いことは自明なのであらすじや設定の話は省略する。前作と比べてキャラも舞台も現代的なのは当然のこと、理学療法士でメディカルトレーナーのヒロインの女の子がめちゃめちゃ可愛い。奥手だった廻と違い、今作ではもしかしたらラブコメ要素が濃くなるかもしれない。 ジャンルと言うか類型としては『GIANT KILLING』に近いかもしれない。謎の凄腕コーチが荒削りの若武者を鍛えて勝たせる。前評判を覆す。気持ちいい。(■1巻読了)
十数年ぶりにカイジを読んだ。当時とて当然感動したし面白かった。この間に数多くの漫画や書籍、映画やアニメに出会ってきて、精神的にも豊かになった。今読むとどうなるか? 勝負の勝ち負けも、ストーリーの結末も知っている。 だが面白い。 利根川の名言一つ一つが、熟成された旨味を伴って染み渡るのだ。カイジの小賢しさもここぞの度胸も、俯瞰して「観客」として楽しめる。 「金は命より重い」 当然ながら利根川は本心からそう思ったわけではあるまい。帝愛の企業理念やスローガンかもしれない。だが、間違いなくあの場あの空気に最もズシリと響いた言葉を選んだのだ。
この衝撃度合いといったら、『ランウェイで笑って』の第一話を読んだときに匹敵する。 軽快なノリと迫力のあるシリアスなバトルとの緩急が、新人離れという言葉すら失礼なほど完成度が高い。 あらすじの説明はあえて書かないでおこうと思う。まだ第一話とはいえ、説明の必要があると思えないほどシンプルで完璧なストーリーだからだ。 今後への伏線か?といくつか気になった点をメモ ・最初の故郷の島の名前が「ラニアケア」なのは、タイトル『ガラクシアス』と関係があるのか?(我々の住む天の川銀河を含むのがラニアケア超銀河団) ・もう一人の主人公の少年がフランシスコ・デ・ゴヤの絵画『我が子を喰らうサトゥルヌス』のパロディをしていたのは、これまでの旅の中で西洋の芸術に触れる機会があったからか?
いい意味で誤解や異説の飛び交いそうな、多層構造のストーリーだったように思う。 主人公の一人である芦原(母)は、生意気な息子とモラハラ夫を見返すべく、息子の得意なサッカーで勝負を挑む。 前半は、ママさんたちが友情や努力によって青春を取り戻しながら、悪役(息子と夫)に挑むという物語で、この悪役というのがちょっとやり過ぎなくらいのヘイトタンクっぷりなのだ。その場限りのヘイトを買うキャラクターは、ヒーロー役の株を上げるための装置として少女漫画では常套手段だ。だが『マ・マ・マッチ』はそういう物語ではないため、話はここで終わらない。 後半は時を遡り、息子と夫の目線で描かれ直す。母目線ではイヤ〜な輩にしか映らなかった彼らにも彼らの言い分や考えがあったのだと明かされる。 真っ先に私が思い出したのが、是枝監督の映画『怪物』の主人公の一人、安藤サクラさん演じるシングルマザーの早織である。 息子が教師に暴力を振るわれたことに抗議するため学校に乗り込むも学校側からぞんざいな対応をされ不信感を募らせる早織。その後教師や子供など、さまざまな視点が映し出されることでやがて全体観が像を結ぶ。 『マ・マ・マッチ』でも、後半部分を読んだあとに最初から読み返すと些か感想が変わる。息子や夫がイヤな奴らとして描かれているのは確かだが、先入観によって印象が悪化していたのも事実だ。なにより、序盤に出てくる夫のコマは母を嘲弄するような不快なものだったが、そもそもこれは芦原母の回想であり主観だ。その後実際に登場する夫は彼女と衝突こそすれ至って真面目だ。 つまり、それぞれの立場から不満を抱いたり譲れない部分でぶつかり合いながら、逐一仲直りしたり折り合いをつけているのだ、という話に畢竟見えなくもない。悪者退治という少女漫画にありがちなフォーマットで導入を描いて入り込みやすくしておいて、後半の考えさせる話でモヤモヤさせる。末次由紀先生、さすがの巨匠っぷりを見せつけた怪作だ。
現代経済学の小難しい骨子の部分はすっ飛ばして投資詐欺のスキームや行動経済学のキャッチーなうんちくを楽しく教えてくれるために、「経済学を教えない経済学教授」というユニークなキャラ設定になっています。じつに巧妙。 教授が詐欺師をギャフンと言わせ、読者はスッキリなだけでなく身につかない知識で賢くなった気になれる。まさに読者自身がカモだったのだ…!!と、そこまで性格の悪い作者かどうかまではわかりませんが、これを読んで行動経済学に興味を持って実際にダニエル・カーネマンを読んでみる、くらいの意欲がある人以外は、この漫画読んでも「賢くなったつもり」で終わりでしょうね。
【7巻まで読了】 アニメをリアルタイムで見てた頃は麻雀やらなかったんですが、最近雀魂がマイブーム化しつつあり懐かしくなって読みました。 今読んでも全然面白い、さすがの名作ですね。これだけ多くのキャラクターが全員立ってるのも素晴らしい。 そして今なら解るのだが、想像以上に超次元麻雀だった!(笑)県予選決勝では主人公とライバルがハイテーと嶺上開花で殴り合ってて最高。県予選でこれなら全国で戦うであろうラスボスと思しき主人公のお姉ちゃんはどんなヤバい異能を持っているやら… 最近はMリーグの配信でプロの試合が身近になったので、そういう意味でも当時とは見方が変わってそうですね。
時間遡行をして人生をやり直したとしたら、それは本当に同一の自分といえるのか?という問いを有名なパラドックス「テセウスの船」になぞらえたタイトルだ。 ストーリーに関しては論理的整合性や感情的整合性においてやや粗い部分も感じられたもののサスペンスとして緊張感もあり、ラストは新海誠監督『君の名は。』のような美しい締め方だったし概ね面白かった。 ただ、タイトル『テセウスの船』がイマイチストーリーにハマっていない感じがした。 どちらかといえば「動的平衡」のほうが比喩としてしっくりくるのではないだろうか。 「動的平衡」とはシェーンハイマーの提唱した概念であり、日本では福岡伸一氏による著書『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』で有名になった言葉である。“生命”とは、取り込まれ代謝されていく物質、生まれ変わり続ける細胞どうしの相互作用によって現れる“現象”である、という考え方だ。 主人公の田村心は生まれる前の過去に遡り、そこで巻き起こる惨劇を阻止することで、その惨劇により自身に降りかかった不幸な運命を変えようと奮闘する。作品では、過去を改変して自らの人生を曲げようとする一連の試みをテセウスの船にたとえているが、やはりピンとこない。作中、田村心は殺人事件を未然に防ぐため凶器となった薬物を隠したり被害者に避難を呼びかけたりするが、その影響で心の知る未来とは異なる人物が命を落としたり、結果的に大量殺人を防げなかったばかりか予想だにしなかった事態を招くことになる。 この予測不可能性こそがまさに動的平衡そのものって感じなのだ。生命体は、船の部品のように壊れた部分を取り替えれば前と変わらず機能する、ということにはならない。ある重要なホルモンの分泌に作用する細胞を、遺伝子操作によってあらかじめ削除してしまったとしても、ほかの細胞がそのポジションを埋めることがある。これは心が殺人事件の阻止に何度も失敗したことに似ている。思わぬ不運や予想しない死者が出てしまったのも、脚のツボを押すと胃腸の働きが改善するなどの神経細胞の複雑さに似ている。 船は組み立てて積み上げれば完成するが、生命は時間という大きな流れの中で分子同士が複雑に相互作用しあうことで初めて現象する。『テセウスの船』での田村心の試みは人生あるいは歴史という動的平衡に翻弄されながらも抗う物語だったのかもしれない。
『ゴゴゴゴーゴーゴースト』作者の新作とあって期待値MAX。 あの日思い描いていた理想の未来にはたどり着けなかった、かつての部活仲間のアラサー女三人が、もう一度立ち上がりサヨナラ逆転を目指す友情の物語。 必要以上に飾らず、ツッパらず、アラサー女の物語といいつつも属性関係なく人間の青春の1ページって感じで、カッコ悪いのにカッコいい。蛭塚都先生の見目麗しいキャラクターデザインのなせるわざでもあるようなきがします。 「私たちの延長線の幕が上がる。」という激エモフレーズに殴られてしまったので、これからの連載が楽しみで仕方ないです。
『天上天下』からずっと愛読している大暮維人先生の新連載は、『化物語』終了から1年、オリジナル作品という意味では『エア・ギア』完結からじつに12年振りとなる。 バトルあり美少女ありイケメンありのファンタジーで圧巻の画力ももちろん健在だ。和風、バディもの、バトルと『天上天下』ファン垂涎の要素も盛り込みつつ、第一話クライマックスでの変身シーンがなんと『大祓詞』の詠唱に神楽舞!?バカのバイキングか!?オタク歓喜の全部盛りだァ…! ストーリーとしては、“夜”とよばれる災害を模した怪異(あるいは災害そのもの)に立ち向かうべく神を降ろして戦うというもの。まだ謎が多く、圧倒的な情報量に翻弄されているうちに1話が終わってしまった。2話がとにかく待ち遠しい。 マガジン巻頭のインタビューでは、作者の創作観の変化について語られている。AI時代との向き合い方については、膝を叩きたくなるような面白い話を読むことができた。一流の漫画家は、ビジュアル化の鬼であると同時に、考えてみれば当然かもしれないが、言語化の鬼でもあるのだ。
第12集巻末のインタビューを読んで涙が止まらなくなった。 信念と哲学をぶつけた集大成である「ロベルタ復讐編」が賛否両論を生んだことを切欠に、うつ病による長期休載へ。その間も「サボり癖」などの憶測による中傷が跡を絶たず、そんな中での10巻以降の再開はいわば“奇跡の復活”にほかならない。 そんな作者の言葉で特に印象的だったのが、 「『ブラックラグーン』自体が若さゆえの産物というか、 (中略) 歳を取ると、世の中のことがだいたい許せるようになっちゃう」 苛烈で虚ろなレヴィと、真面目で歪なロックのたどる結末を、そんな彼らを追い越して“大人になってしまった”広江先生がどう料理するのか、楽しみで仕方がない。
大好きです。バイブルです。ありがとうございます。絵力が凄すぎるよ…
あまりにも画力高すぎて…ま、漫画…⁉ 神絵師のイラスト集を見ているような気分です。 ヒェー…!!このクオリティでいくんすか…!? 台詞まわしや演出も格好良くて、これからも楽しみです!
ヒロインがほぼ男?? やっぱり女の子っぽくないのはなあ…と思いつつも読んでみたんですが、見事にどハマリして全巻読んでしまいました…。かわいすぎだろ…… 久々に開かれた新境地。 「ボーイッシュ最高!!」 作者さんこれからも頑張って下さい!
タイトル見たら読みたくなりますよね ひたすら空手で戦う主人公、ゴツいイイ男です。 画力もすごく高くて良きです。 これからも頑張って下さい!
武蔵坊弁慶といってもパッとイメージするようなおっさんではありません。 かといってよくある現代風戦国イケメンキャラのようではなく、雄みが強くてかっこいいです。(好き) 絵がすごく上手いというわけではないのですが、この人の描くキャラは男かっこいいし、女の子はかわいい。 どこか懐かしいのに新しい感じもして、妙な安心感。 僕はとても好きです。優しい人なんだろうな。作者さんの人柄が良く出てるような気がします。 これからも頑張って下さい!
変さのちりばめ方とか。変さが平常だから、その日常さでもさらに変なことの強調
https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1277515/(JP)hoshinosan.pdf ここで読めます
とてもよくむかついた
シーンの一つ一つに想像するネタがいっぱいあって面白い。もっとほかの作品読みたい
自分の口癖が当てはまるので気を付けようとして言葉使いがギクシャクする。 何で急にトンでもな方向に行くのかと思ったら。視点が斬新で面白かった
絶対に全人類読め!!!!!年齢性別問わず読んだほうがいいです。恋愛とかなんとかではなく人間としてどうあるべきかというお話なので。 主人公のはるかは気弱な女の子。いじめから助けてくれた男の子と付き合うことになり、毎日幸せ……のはずなのになんかおかしい。 恥ずかしがり屋な自分に合わせてくれてるのかな、ちょっと強引だけど守ってくれてるのかな、みたいなところからじわじわと、でも一気におかしなことになっていく。 デートDVという言葉、もはや知らない人はいないだろう。でも、私されてます!とか自分やってます!と名乗り出る人はなかなかいない。 最初はそんなつもりなかったのかもしれない、自分でも気づかないうちにやっているのかもしれない。だからこそ、相手をよく見て話し合って関係を深めていかなければならない。 恋人でも友人でも親子でも他人でも一緒。当たり前のこと。 当たり前のことだけどできなくなっちゃったりするからご親切に学校で教えてくれてんだろ!人を人とも思ってないやつと授業真面目に聞いてないやつはカスですね。
今日ちょうどタイムラインに流れてきたので読んだ。意外性もなにもない、予想通りの結末。でもこんな経験してる人多いんじゃないだろうか。 主人公は20代の女の子。幼い頃の初恋の相手をずっと想い続けている。 想い続けると言えばいいように聞こえるが、実際やってることはネットストーカー。フォローしたりDM送ったりするわけでもなくSNSをずっと監視している。 卒アルを眺めたり手紙を読んだりよかったあの頃に想いを馳せるのではなくて、今を知れてしまうのも残酷だなあと思う。 思い出になってくれなくて、身近に感じてしまって、自分の今が更新されなくなってしまう。 便利すぎて余白を塗りつぶしちゃうみたいな感じなのかなあ。 とは言え、前を向ける作品になっているのがよかった。
その土地の魅力を発信する漫画が好きです。 ご当地の美味しい食べ物や観光スポットを教えてくれるのもいいけど、あるあるとか自虐とか豆知識を教えてくれる作品が好き!方言喋る女の子がいたらもっと好き! 八十亀ちゃんかんさつにっきはまさに名古屋あるあると方言の可愛さを詰め込んだ漫画で素晴らしいです。 語尾がにゃんの女の子はあざとすぎるしあり得ないけど名古屋弁なら合法的ににゃあにゃあ言わせられるんですね……八十亀ちゃんの猫っぽい見た目、奔放な性格が相まって名古屋弁がめちゃくちゃかわいい……!! 陣くんがやれやれ系じゃなくて八十亀ちゃんを全力で愛でてくれるのも素晴らしい。読者も同じ熱量で八十亀ちゃん可愛いね〜って思えるので。 名古屋の魅力というより八十亀ちゃんに魅了されてしまうんですが、読むとスガキヤが食べたくなるので観光ガイド的意味合いもちゃんと果たしていると思います!
※ネタバレを含むクチコミです。
これはどういう気持ちで読んだらいいんだ。 あゎ菜ちゃんはかわいくてかわいそうで、一緒にいたら気にかけちゃうけどイライラもしてしまいそう。あゎ菜ちゃんを見ていると自分の汚い感情がよく見えてくる気がする。でもあゎ菜ちゃんはかわいい。 かわいそうと思ってしまうけれど、それもこちら側のエゴである。あゎ菜ちゃんはできないことも多いけれど、自分を幸せにする方法を知っている。側から見てそれが「自分を幸せにする方法」には見えないけれど、本人が幸せなら幸せなのだ。あゎ菜ちゃんの方法では幸せになれない自分のほうがよっぽどかわいそうかもしれない。 あゎ菜ちゃんと話してみたい。自分にだけ心を開いてくれたりしないだろうか、と愚かな期待をしながら話しかけてみたい。
神様と天使と悪魔見てたら、サチが大きくなるまでは人類滅亡しないんじゃない?となんだか気が大きくなってきた。 クソガキに大人(というか天使と悪魔)が振り回される図は最高だし、不都合な展開は神様パワーで捻じ曲げられるからどこまでも気持ちいい。 基本的にはテンポよくひたすら笑って読めるけど、人間って悪いもんじゃないよなあ……ってあたたかい気持ちにさせてくれる瞬間もある。 毎回毎回あたたかかったら押しつけがましいけど、たまにだからいい。たまにいいことあるから人生って楽しいし、たまにいいやつがいるから人間っていいんだよ!って神様に教えてあげたくなる。 自分が生きてる間くらいは人類存続してほしいから、サチにはたまーにいいことするクソガキでいてもらいたい。たまにでいいよ。
健全なままで終わるからいいんですよね。というか、最初から最後まで健全な漫画なのでそんな展開になるわけはないんですが。 新種のうさぎを探していたら、バニーガールかうさぎか悩ましい生き物に出会った。それだけのお話です。でも、うさぎだと思って捕まえたり触ったりしてバニーガールだったら大変だし、バニーガールだと思って話しかけてうさぎだったら大変だし、そういうことです。 どっちかわかんないラインのそれはコミカルで可愛らしくもあるけどなんかよからぬことを考えちゃう感じもあり……そのラインをちゃんと面白くてポップの範疇におさめているのがさすがだなあと思います。 バニーガールかうさぎか、ただそれだけの健全な作品です。
絵が上手くて引き込まれる! さらっと綺麗なんだけど重厚感と湿度があって、日本の怪異と相性がとてもいい! 学級崩壊したクラスの担任になった呑野まりえ先生。言うことをきかない生徒の指導に奮闘する中で、奇妙な現象に遭遇し……というお話。 ホラー要素も教育的要素も中途半端にならずに展開していくし、細かい違和感も全部回収されていて面白いし気持ちいい作品。 呑野先生のこともクラスのクソガキたちのことももっと知りたい、連載になってほしい! 小学校とホラーってどうしてこんなに相性がいいんでしょう。子どもの無邪気さ残酷さやノスタルジーがそうさせるんでしょうか。
女の子の体を性的な目で見るのはまあいいとしても値踏みするような発言をしちゃうのはよくないですねこのクソガキと思っていたら、男の子もエロい目で見られいましためでたしめでたし。というお話。 池沢くんも江口さんもちゃんとエロく描かれているし、池沢くんのほうが顔を赤らめて純情な反応をするのがとてもよい。解釈一致。 純愛かどうかはわかんないけど、仲良いのにエロい目で見る以外のアクションを起こさないのが初々しくもあり現代的でもある気がする。 なんかこの2人は発展しないでほしいし、同窓会で綺麗になった彼氏持ちの江口さんを見て落ち込む池沢くんを見たい。後悔してほしい。
連載で読ませてほしい!オタサーの姫同士ドロドロ争うんじゃなくて、バチバチ熱く爽やかに戦うのよすぎる。 メインヒロインの小田澤姫のビジュアルがとてもちょうどいい。完璧な美少女として描かれてないのがわかる。でも歯がギザギザでちゃんと心を掴みにきてるんだよなあ……ギザ歯いいんだよなあ……。 性格がいいわけでもないけど悪いわけでもないから負けを早い段階で負けを認めてるのもいい。人間味があっていい。 毎回打ちのめされるけどなんやかんや諦めない小田澤が見たいのでぜひとも連載してください。最終的に女だらけの部になってください。
こんな子いたら頭おかしなるで
小学校のクラスの中という小さい社会におけるじっとりとした闇を描き出している。一方、終わり方で良い未来を感じさせてくれた。単純に暗い内容の作品ではなくって良かった。
コミックDAYS、FRIDAYデジタル連載第1部完。単行本は3巻から電子。まずは4巻発売祈る。第2部始まる予定は今のところないらしい。寂しすぎて涙。物語は昭和後期で止まってしまう。バブル景気を知らない世代なので是非、ウラ社会から近代史を学べる作品なので、是非続編を期待したい。
興味深いですね。ギャンブルの描写はどれくらいリアルなんでしょうか?
『テヅコミ』にも『メトロポリス』の二次創作を寄稿していたマチュー・バブレ氏が2016年に出版したディストピアSFです。先月に邦訳版が発売され、その電子版もこの度配信され始めました。 太陽が超新星爆発を観測しようとする青年からスタートするプロローグ。そこから100万年後のお話としてストーリーが始まるスケールの壮大さにまず惹かれます。 広大無辺の宇宙空間における、ちっぽけな人間にとってはあまりにも巨大すぎる現象も含めて、美しいヴィジュアルで物語られていきます。 バンドデシネらしい緻密な画風で、ほとんどのコマが背景までみっちり描き込まれているので物語への没入感を強く高めてくれます。コロニーの中の小さなユニットでの生活が見てとれるような描写など、好きです。 「音楽は? 文学 芸術…学問は? それは無から心の奥底から立ち現れる恩寵の輝き 人間は消費のみの存在ではない」 といったセリフに見て取れる言葉選びも好きです。 とある衝撃的なシーンと、そこで爆発する感情には大きく心を動かされました。どんな遥かな未来となりテクノロジーが進歩しようとも、人の人たる所以ら変わらないのはSFらしいテーゼを感じられるところです。 反物質、ホモ・ステラリス、アニマロイドなどさまざまなSF的単語が飛び交いながら、ドラスティックに進んでいくドラマに、気付くと夢中になってページを捲っていました。 ハードで骨太なSFを楽しみたい方にお薦めです。
小骨トモさんの2冊目となる短編集です。 それぞれ発表時に話題になった「リカ先輩の夢をみる」、「それでも天使のままで」、「あの嫌いなバンドはネットのおもちゃ」の短編3作に加え、今回の単行本で先行収録となる「先生のクモのイト」の4篇が収められています。 「先生のクモのイト」は、「あの嫌いなバンドはネットのおもちゃ」に連なる作品となっています。 全体的な読み味としては、1作目の『神様お願い』と同様です。表紙絵のようにベースの絵柄は丸っこくてかわいらしいのに対して、剥き出しの″人間″が顕にされる中身の鋭利さたるや。 最初の「リカ先輩の夢を見る」からして、精神的に余裕があるときでないと食らいすぎるので読む時分とコンディションは選びたい作品です。果てしなく深い共感と、そこに隣接する絶望的な感情。読みながら魂が汗をかき血涙を零します。 1篇だけでも抉られるのに、1冊を通読したときの痛痒感といったら。 心の瘡蓋をガシガシと剥ぎ取られ、傷口をグリグリと穿られるような、そしてそれが痛みだけではなく何か他の感情をも催してくるような。 同じ経験をした訳ではないのに、どこか記憶の奥底にある罪悪感を喚起され撫ぜられるような部分もあります。 鋭敏なセンスが昏い輝きをもって溢れている短編集で、ダウナーな気分に浸りたい方やそうした作品が好きな方にお薦めです。
現在ラスベガスで世界最大のポーカー大会であるWorld Series of Poker(WSOP)が開催中です。毎年開かれているこの大会ですが、昨今は世界的なポーカー人気も高まっておりメインイベントの参加者も年々増加し、優勝賞金は今のレートだとおよそ16億円にもなります。 かくいう私もポーカーは好きで国内最大の大会でも好成績を残しており、その内WSOPにも挑戦しに行きたいと思っています。 そんなわけで、今までに描かれたポーカーマンガはほぼすべてチェックしており、新しいポーカーマンガが出たと知って喜び勇んで1話から楽しみに読んでいました。 山本神話さんは、前作の『グレイテストアンダードッグ』にもボクシングマンガでありながら数話にわたるテキサスホールデム回があり、またそれが面白かったので、今回新たにポーカーマンガを描くと聞いてとても納得感がありました。 何しろ、山本神話さんの描くキャラには色気があり、カッコいいし、美しいし、かわいいのです。鉄火場でのアツい駆け引きを描く際にも、クールなキャラたちが興奮を高めてくれます。 ポーカーはルールを知らなくても一瞬で覚えられる上に世界共通なのが長所で麻雀と違うところですが、本作もルールは解らなくてもまったく問題ないように作られています。 極端に言えば、ポーカーの駆け引きは「嘘」か「本当」かの二択。その緊張溢れるドキドキ感を読んでいてたっぷり味わえます。 解りやすく描かれているが故に、玄人からするとプレイラインなどは物足りなく感じる部分もあるかもしれませんが、それは現役の医師が医療マンガを読んで重箱のすみをつつくようなもので、大半の読者には問題ないでしょう。 個人的には、こうした作品がどんどん増えて行って、ポーカー文化が隆盛していくことで玄人も満足できる麻雀マンガにおける『ノーマーク爆牌党』のような作品もいずれ出てくることを期待しています。 この作品でポーカーに興味を持って始めてみようという方もきっといると思いますので、将来そういう方と楽しく卓を囲めたら良いなと思います。 なお、この作品に登場するCasino Live Tokyoは実在するお店で私も行ったことがあり、手軽に聖地巡礼もできるようになっています。興味があれば足を運んでみるのも良いでしょう。
先日新たに「比嘉姉妹」としてカドコミでの連載も始まった『ぼぎわんが、来る』に端を発し映画化もされた「比嘉姉妹シリーズ」の澤村伊智さんによる小説を原作として、『十五魔女の最後の旅』や『レインコートキッズ』、また『宇宙よりも遠い場所』のコミカライズも担当した宵町めめさんが漫画を担当する作品です。 本作は、面白ければ何でもありのエンタメWebマガジン「アウターQ」でライターとして活動する駆け出しライターの湾澤陸男(わんざわりくお)が主人公。「新人ライターが食わず嫌いを克服する」シリーズを書き始めて3ヶ月経った彼が、新たにさまざまなネタを追っていく物語です。 私は原作は未読なのですが、あらゆることをテーマにすることができるこの設定がまず良いなと思いました。これが探偵などであれば、行く先々で事件が起きる体質が必要になります。しかし、Webライターなら自らさまざまなところに能動的に飛び込んでいける、しかもネタのためにどんな場所にでも行く必然性もある。如何ようにでもお話を膨らませることができて、各エピソードごとに違った味わいを生みながら楽しませることも可能で何とも美味しいなと。 Case.1の「笑う露死獣」では、都市伝説の正体に迫っていくことになるのですが、暗号を次々と解読していって真相に迫っていく展開にワクワクしました。読者も解読に挑戦できるようになっているのが面白いです。また、明かされる真実にも心動かされました。 そうかと思えば、Case.2の「歌うハンバーガー」ではまた違ったテイストで魅せてくれます。ナイフとフォークで食べる大きくて美味しいハンバーガーが食べたくなりました。綾辻行人さんにも絶賛されたホラーエンターテインメントの名手としての魅力が、本作にも溢れています。 一見カタギに見えないものの中身はとても良い人な編集長の八坂さんや、先輩ライターで顔も性格も良いものの会話においては指示代名詞連発でちょっと残念さを醸し出す井手さんなど脇を固めるキャラたちも魅力的です。陸男を初め、宵町めめさんのかわいくも少し影が見え隠れする画風とも絶妙にマッチしていると感じます。 個人的に特筆すべきはCase.3の「飛ぶストーカーと叫ぶアイドル」に登場する篠原亞叉梨さん。良き黒髪ロングストレートキャラです。ファンのことを「衆生」と呼称し、浄化・昇天させ極楽浄土へ送る仏教系アイドルグループ「ぱ☆GO!陀」、推せます。金剛杵型のペンライトとか振りたいですね。 今後もバラエティ豊かな調査対象に、いろいろな感情の揺さぶられ方をしそうで楽しみです。ホラー、ミステリー、オカルトなどが好きな方にお薦めです。
最初は中学生男子たちの肝試し。 その次は少女の授業参観。 暇を持て余したニートや、就活が終わった大学生など1話1話は独立していてありふれた日常から始まる、オムニバス形式で描かれた作品です。しかし、その日常はある瞬間から一変していきます。 すべてのお話に共通するのは、謎の存在「N」。バラバラの物語が、「N」に収斂していきます。 第1話「A」 第2話「B」 第3話「C」 と、アルファベット順に進行しながら、 第5話「E」 の次が 第7話「G」(7とGは鏡文字、目次でもこの部分だけ反転) で、その次が 第6話「F」 という構成で、その最後には 【第14話「N」まであと7話】 という死へのカウントダウンのような予告。 更には、単行本の最後に入っているおまけの部分も背筋が凍るようなものです。こうした演出も含めて、非常に良いミステリーホラーとなっています。 罪を犯したり禁忌に触れたりする瞬間の、胸の鼓動が早まり冷や汗をかくような心地が的確に描かれており、にことがめさんの作画も話に非常にマッチしていると感じます。 果たして、Nとは何なのか。 14話で一体何が起こるのか。 急激に夏感が出てきた最近ですが、こちらで涼を取ってみてはいかがでしょうか。
私がありまさんを認識したのは、Twitterで公開されていたこの本のChapter1 第1話にある 「アメリカで事故ってハッピーバースデーを歌ったうちの母」 でした。 アメリカのスーパーの駐車場でバックしていたら、ショートカットしようとしたおじさんと衝突してしまい烈火の如く怒鳴り散らされたものの、「It′s my birthday」というフレーズを聴き取った筆者の母君が店員さんたちと一緒にバースデーソングを歌うと途端に機嫌が良くなり謝ってくれたというほっこりエピソードです。 本書は、そんな素敵な母君様の心温まるエピソードや人生を生きる上で大切にしたいことが詰まった1冊です。 夫の仕事の都合で行った慣れないアメリカで、言葉が解らないときにどうやって英語を覚えていったのか。 介護でしんどくなってしまったときにどう対処したのか。 子どもが元気がなくて学校を休んだときにはどうしたか。 さまざまな、身近にあるシチュエーションで輝く母君の言動に読んでいて心が解れ前向きになっていきます。 バイクの免許を取ったりフルマラソンを走ったり、いくつになっても新しいことに挑戦し続ける気概や、実家での本格的な擬似縁日開催を全力で楽しむ様子を見ていると「人生の達人」と呼ぶのが相応しい気がします。 私もどちらかというと全力で物事を楽しむ方で、そこに一緒になって楽しんでくれる人が集まってくれることが多くて感謝しきりなのですが、母君様には似た気質を感じて共感します。 他方で、 「好きなものをちゃんと持っておく」 「自分の人生を生きなきゃ」 「そもそも人に謝罪と感謝を求めてはなりません」 といった言葉は、心に留め置いて大事にしておきたいものです。 ありまさんが母君様の言葉や存在によってどれだけ助けられ感謝しているかも伝わってくる内容でした。 心を前向きに持っていきたい方にお薦めです。これを読んで、人生を大安にしていきましょう。
推しを推す。 それは、人の営みの中でもとりわけ尊いものです。しかし、何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。その行為や付随する感情も、行き過ぎてしまうとむしろマイナスに働いてしまうことが往々にしてあります。 本作は、新米声優・土岐野カエデ(23)を推す会社員・美花(26)の推し活の物語です。 初めてアニメで主役を得たことで、露出が増えファンも増えていくフェーズにあるカエデ。しかし、そうなると必然的にアンチの声も目立ってきます。 本作ではSNSや配信コメント、現場などにおけるアンチの描写がかなりしっかりと描かれており、非常にリアルです。美花は大好きなカエデの活動に支障が出ないよう推し活の延長線上として、そうしたアンチに対する″駆除″活動を行っていきます。ファンは原義を辿ればfunではなくfanatic。光と闇は紙一重です。 ただ正直、美花の行為自体はやり過ぎであるとしても、そこで生じるモヤモヤとした気持ちには誰かや何かを強く推した経験がある人なら大なり小なり共感できるのではないでしょうか。 また、美花のそうした行為が生じている原因のひとつに会社のブラックさがあるのは現代社会の暗部だなと感じます。他の人より仕事が早いと待遇は変わらないのに労働量が多くなるので、生産性を下げることが最適解となる矛盾。昼休みまるまる使っても愚痴を言い足りない部長。そこで溜めたストレスが、推し活での快楽をより大きいものにして依存性を高めてしまう。 そんな美花の愚痴を嫌な顔ひとつせずに聞いてくれて、推し活の応援もしてくれて、抽選にも付き合ってくれる友人のゆずちゃんのような存在は大事にすべきです。主人公が幸せになるのは難しいかもしれませんが、ゆずちゃんには幸せになって欲しい……。 推す熱量の軽さの割に美味しいポジションを確保していてモヤっとするまりんちゃんや、同担で戦友感のある蘭之介さんなど、味のあるサブキャラクターも豊富で今後も楽しみです。 推しは推しても害悪にはなるな、という反面教師的な役割を担ってくれる作品です。
『凛子ちゃんとひもすがら』の七瀬八さんが、2024年3月にwebアクションで公開した読切短編です。 田舎でアイドルを目指す翼と、彼女に幼馴染のころから特別な強い感情を持つ美雨のふたりを描いた物語です。 かわいいかわいい翼と一緒にいられることが何よりの幸せである美雨ですが、あることをきっかけにそれが崩れていきふたりの関係性にも変化の時が訪れていきます。 何より、『凛子ちゃんとひもすがら』のクチコミでも書きましたが七瀬八さんの絵が素敵で、まずヴィジュアルで引き込まれます。 そして、凛子ちゃんと同じく美雨も黒髪ロングストレート。艶やかな流れる髪の描き方には同じ嗜好の匂いを感じます。好きです。 他所での読切「星屑の子どもたち」でも感じましたが、七瀬八さんは構成力が高くセンシティブな部分を過不足なくお話に込めるのが上手なため、短編も非常に上質です。 出だしから、不穏で危うい結末を予期させる彼女たちがどういった運命を辿るのか。ぜひ読んで、感じてみて欲しい短編です。 女の子同士の関係性の物語が好きな人には特にお薦めです。
和菓子、好きですか? 私はケーキなどの洋菓子も好きですが、和菓子には和菓子の魅力がありますよね。これを書いている今日も、どら焼きを食べました。あんこは体に良い成分がたっぷりなのも嬉しいところです。 本作は、和菓子職人となり将来は自分のお店を持つことを夢見ていた24歳の小百合の物語。彼女は、異世界にもうひとりの「聖女」と共にイレギュラーで同時召喚されてしまい、一生をそこで暮らしていくことに。公爵家のセリウス・ラティオールに助けられながら、新たな世界での新生活を始めていきます。 一般的な中世RPG風の世界観ですが、魔物の血によって汚染された地には作物ができず世界的に食糧難になっているというのが本作の特徴です。 そんな状況下で、小百合は厳しい祖父に受けた教えを胸に、家名に恥じないよう自分にできることをなしていこうとします。小百合が基本的に素直で優しくて努力家という好感度の高い主人公で、推せます。 「異世界×和菓子」と聞いたら「1話から和菓子を作って異世界の人が気に入り感動〜」的なストーリーを想像しそうですが、本作ではそのような事情もあり、まずは元の世界での和菓子の材料に相当するものを探すところから始めていきます。そうした、地に足がついている丁寧な作劇に魅力を感じます。 食うに困っている民衆が多くいる世界で、甘い和菓子を頬張って幸せを噛み締める子供や老婆の姿には心が温まります。美味しいものをお腹いっぱい食べられるというのは、当たり前ではなく感謝すべき大いなる幸福なんですよね。 そして、本作のもうひとつの軸が、小百合とセリウスの関係です。こちらも一足飛びで男女の仲になるわけではなく、セリウスが自分にとって異性と関係を築く上で致命的であると思っていたポイントが、小百合にだけは当てはまらず特別な存在であることが解っていくなど少しずつ段階を経ていきます。 柔らかで優しいコミュニケーションを通して徐々に仲が深まっていく様子が何とも言えず微笑ましく、応援したい気持ちにさせられます。 大きな物語としては、クセのあるもうひとりの「聖女」の動向やおまけ扱いであった小百合に秘められたものなどもあり、お話の引きとなっています。 カバー下もとてもかわいく、和菓子好きとしては応援したくなる作品です。
夢枕獏さんによる戯曲「楊貴妃の晩餐」に叶松谷さんが器を作り天野喜孝さんがイラストを添えた豪華なコラボレーションを原案として、『きみを死なせないための物語』にも協力されていた中澤泉汰さんが精妙な絵でコミカライズを果たした作品です。 「あなたの四神はどこから?」 という話題が一時期流行っていましたが(私は『幽☆遊☆白書』です)、本作はやがて王の妃となり楊貴妃と呼ばれる楊玉環(ようぎょくかん)が朱雀・玄武・白虎・青龍の四頭の聖なる獣たちが人間となった姿と関係していく物語です。 何しろ世界三大美女である楊貴妃が主人公。となれば、マンガ化するにあたってはその美しさをヴィジュアルで表現する必要があります。その点で、中澤泉汰さんが見事に楊貴妃の美しさを絵で表現していることは単行本の表紙からも一目瞭然でしょう。着飾っている姿はもちろんですが、ひとりになって弛緩した瞬間の髪を結っている所作なども非常に艶やかで美しいです。 また、楊貴妃のみならず物語の主軸である四神が人へとなった姿もまた麗しく、複数人の美形男子と運命性を感じさせる関係を連ねていくのは少女マンガとしてとても強い部分です。 彼らがどんな人物となっているのかは読み進めていくと解りますが、歴史的には非常に著名な人物たちの競演となるので、ある種『Fate』シリーズ的な楽しみもあります。 幼くして本当の両親を喪ってしまった上に、自由意志を持てず命じられるがままで、常に男たちの欲望に晒される玉環の運命は過酷なものですが、それ故に引き立つものもあります。今を生きる人にも共感されるところは多分にあるのではないでしょうか。 戦後すぐに生まれ伝奇的な作品を得意とする夢枕獏さんの傑出した想像力が生み出す魅力は、今読んでも損なわれません。 中華ファンタジーが好きな方、美麗な絵で描かれる恋愛譚が読みたい方、複数の美形が登場する作品に興味がある方に強くお薦めします。 余談ですが、スペシャルサンクスの中に菅野文さんのお名前があったことに「おお!」となりました。
ドロドロしたのを久しぶりに読んだら、面白かった。 両親を火事でなくしたミサトちやんを、引き取った家の人達が癖のある人たちで謎だらけです。 あんな家に、ずっと住むなんて苦しすぎます。。 2巻の最後はまた驚きだったけれども、ミサトちゃんが家を出て、女優への道を進んで自分の出生の秘密だったり、何故火事で両親が亡くなったのとか色々謎が解明されていくんだろうなと思う。 ミサトちゃんが這い上がってきた時からの復讐劇がどうなっていくのか、誰にどう復讐していくのか、読み応えありそうな作品です。
アシガール読んだことなかったけど、続編だったのですね。普通に面白く楽しく読めました。 前のお話を読んだらより楽しめるのかなとも思いました。 晴貴が、まぁイケメンだし優しいし、病気の身体を押して、守りに来てくれるしあれは好きになってしまうと思う。笑 主人公の月は江戸にタイムスリップしても、馴染んじゃってるし可愛いし、芯通っててかっこ良かったな〜 続きがまた楽しみになったから、これを機に森本先生の他の作品も読んでみようかな。
漫画家のジョージ。漫画をパクってしまい、ばらされたくなければ結婚してと、元編集者の日歌(この名前好き)に脅されてしたくない結婚生活を始めるストーリー。 家を購入したり(ワクワク楽しんでるのが面白かった。理想追求しすぎて予算オーバー。)コドモの話が出てきたり、なんだろう、嫌々なはずなのに、本能のまま行動しているし、結局お互い好きなんじゃん?可愛らしいなぁ〜って。 頭で考えず動くってこう言うこと?なのかな。笑
史絵莉ちゃんの闇、母親から離れられない苦しさも、母親も子供から離れられなくて本当は苦しい胸の内もまだ経験してないけど、分かる気がする。 心の空虚感を自分自身で埋められた時に、親から本当の意味で自立をして、自分の人生を始めることが出来るのか。なんて事を思った。 決して、母親が嫌いになった訳じゃないんだよね。 史絵莉ちゃんも大輝くんも、自分の人生から、逃げずに向き合って偉いなと最後は、心打たれました。
お父さんに、天藍(てんらん)と言う名の小3の男の子と1ヶ月一緒に住んでくれと言われた娘の誠。 天藍くん、小学生で影のある男の子だなぁ〜 そして誠と天藍の、会話が相性良さそうで読んでいて楽しい。 まだ小さい天藍くん、口調も考えも大人びてて(無理してる感もあるのか)小さな騎士の様でかっ こいいなと思ってしまうけど。。 この1ヶ月、何が起きて、何を感じて、どんな夏になるのだろう。 切なさ悲しさを抱えて見える天藍くんが楽しい日々で溢れると良いな。
あーでもないこーでもない話せる女子会トーク。 読んでるだけで楽しいし、もっと読みたかったなぁ〜 推しが結婚したことをキッカケに婚活を始める4人の女子達。 色んな人と出会い、経験をして最後に素敵な人に出会う。 話の内容はとても分かりやすかった。 自分にとってベストなタイミングがあるんだなぁと毎度毎度こう言った漫画を読む度に思う。 後藤さんは変わってるけど、本気で好きになった人は大事にしてくれそう。年齢重ねて味が出るタイプ。とか分析も楽しい。笑 タイトルのガラスの靴は割れてもはけるって、すごく勇気が出る言葉だ。
犬猫以外の動物をエキゾチックアニマルということを知った。そこで働く獣医師をエキゾ獣医と呼ぶ。 亀の甲羅が割れてしまった所にサランラップを使用したり、家庭にある物が意外に沢山使われているのも驚きでした。 私は、蜘蛛は絵だけでもちょっと苦手意識があったのでそこだけは申し訳ないと思いつつあまり詳しく読めずだったのですが、、 ミニ豚のあげ太郎くんのお話は、私達が安全に安心して食事をとることが出来ることは当たり前ではない、全て繋がっているんだな尊い命なんだ。と考えさせられました。 言葉が喋れない動物達の治療に対してどれだけの知識、想像力が必要となるのだろうか。。
二人とも真っ直ぐで、とてもピュアな恋愛模様を読むことができる。心が洗われるようでした。 響子ちゃんの職人らしい手を(自分ではあまりよく思っていない)温もりで包む進太郎くん。 最初の頃、響子ちゃんの一つ一つの行動に落ち込んだりしてる進太郎くんも、進太郎のためにオシャレする響子ちゃんも初々しくて可愛すぎる。そして癒される。。 ピュアすぎる二人のどこまでを読むことが出来るのか、やはり新キャラ出てくるらしいので楽しみに待っています。
自分の心に刺さった言葉多すぎました。 臨床心理士の新庄先生の元に来る様々な人たち。 皆が皆、ギリギリのところで心を保っていて、診断も、患者さん自身にかける言葉も当たり前ながら非常に難しいのだなと感じる。 患者さんとの距離感を詰めすぎても、自分が潰れてしまうし。。 一つ一つの話が非常に丁寧に作られているのを感じた。 苦しみがやってくると、何故何故こんな目にと思いがちだけど、新庄先生のこの先の為に今の苦しみがあるって言葉を思うと乗り越えられそうな気がしました。
非常に先の気になるお話です。 突如自分の目の前に、息子だと名乗る人物が現れて、DVの彼氏から一緒に逃げ出して、幸せになるためにどうしていくのか。。 そもそも、息子君はどうやって、未来から母である鳴海の元へ辿り着いたのか。。? ミステリアスな展開で、DV元彼氏も別れを突きつけられただけでは終わらなさそうな気がする。 鳴海の生い立ちを思うと、グッと心が締め付けられる。 この先二人の幸せを掴むための道のりを見届けたい。
たまらなくよかったです!涙腺にくる!小学校の勉強くらいはやれば簡単にできた主人公の少女・ユキコ。彼女が通っていた塾では授業後に希望者に向けた「数学クラブ」が開かれており、そこでは大学生のバイト・さやかが先生として教えていた。問題を解き終えると新たな問題を出題される戦いのような二人の関係は続いていくが…。自分のことを天才だと思っていた少女と、その道の先にいて導く存在でありながらライバル的存在の先生。いずれは追いつき追い越そうと思っていたのに…、と突然の喪失感とラストの彼女の強い目に痺れました。 以前読んだ同作者さんの読切も非常に良かったのでぜひ! https://magcomi.com/episode/11341664176567672162