素敵な文章で読んでみたくなりました!作者の方スピンと同じ方なんですね…!どちらも気になります。
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わかる
舞台はテキサス。暗く強い色彩の中、家出少女が近所の車修理工の女性と出会い、長いドライブをする物語。鬱屈としていて、スリリングで、苦しみを共有しながら読むのを止められなかった。
旅の動機は、苦しみからの逃避。その苦しみはどうしようもない、切ない内容ばかり。だからなのか、二人は始終ツンケンしていて、道中も喧嘩ばかり。
一匹の猫が物語に変化を起こす。首輪にある不可思議な地名、なぜか追ってくる集団、崩れてゆく地形。異界に迷い込み、不気味さが増大してゆく。
その中で、喧嘩しながらも二人は対話し、少女に車の運転を教え、苦しみに繋がる秘密を共有する。そのことがとても大切に感じられる。二人はご近所さんなのだ。
ロングドライブの果て、二人が出会ったことに意味があったと感じられるラストを思い出すと、じんわりと胸熱くなる。