ネタバレ

正直な話、今の世の中ではコンプライアンス的にアウトな描写が多いです。
日本文芸社/漫画ゴラクとてちょっとね、と言う。

…たった数年前の作品なんですけど、それだけ世の中の流れは早いということです。人情起動で、根性駆動では、医療は成り立たないのです。
いや、杏野朱羅は魅力的で、ホントに好きな作品なんですが、医療漫画の難しさに、つくづく考えさせられる作品です。

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なんでこんなこと書いたかって言うと、作中に、アルコール依存症の末に食道静脈瘤を破裂させて大量吐血しつつ錯乱して、脱走しようとするおっさんが出てくるんですが、わたくし、先月全く同じ症状で緊急搬送されて、同じ行動取ったから…。世間一般の目で見たら、全く一緒でしょうね。
で、今頃、自分の主治医が杏野朱羅だったらと思うと、かなり辛いよなと思ったからですね(?)

事情が事情なのかもしれないけれど苦しいときに根性論持ち出されたらふざけんなよってキレそう。キレるくらいに元気なら生きろよとか言い出しそうだしそれが目的なのかもしれないけど根性論で全部解決できると思うなよ…とも思いますね。解決できないことがあるから根性論なのかもしれないけど、ただただモヤる。

「熱血」とか「根性」は、ドラマを作りやすいんですよね。
安直ともいいますが、それは今の医療では、許されないんですわ。
その後の、漫画ゴラクでの医療マンガ連載「Driving Doctor 黒咲」は、そこを回避していましたね。

後、現実あそこまで吐血すると、意識も体力もなくなって、キレることも出来ないですね。

吐血はもう生命の危機ですからね・・・。
黒咲も黒咲で滅茶苦茶かもしれないけどまだ読めましたわ。
根性や熱血は王道かもしれないけど医療マンガでそれを出すというのは違う気がします。
どうにでもならないときに最後立ち上がれるのは己の気力次第ではあるのでしょうか・・・。

厳しい中にも、命の尊厳に対する畏敬の念がある、そういうダークヒーロー(ヒロイン?)を描きたかったのでしょうが、匙加減間違っちゃいましたね。杏野朱羅は魅力的なキャラなので、原作と医療監修付ければ、と「たられば」で思わなくもないのですが…。

作者にとって感動するタイプのヒロインなのかなぁって思わずにはいられなかったですね。ズレが気になって読むの止めましたし。
ただ厳しいだけで魅力がない…

杏野朱羅を、「圧倒的な正」として描きたかったが故に、バランスを崩してしまったかなぁ、と…。彼女が抱える矛盾、同じように逡巡するライバル/親友がいたら、また違ったのかもしれません。

違うマンガですが、こう思った次第です。

また昨日読み返して思ったんですが、搬送されてくる患者が、「とにかく惨めな存在」として描写されるんですよね。
好き好んで緊急搬送されたい人間なんて、誰もいないはずです。読者だって、ここに描写されている患者は、もしかしたら明日の自分かもしれない、と分かっているのに…。

ここら辺の感覚も、流石に作品に感情移入できない要素でしたね。

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